ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2025年J2リーグ第2節 水戸ホーリーホックvsモンテディオ山形

2025-02-26 16:00:40 | サッカー視聴記(J2)

<水戸スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 森村(阪南大)の加入が決定。スピードが特徴のMFという事でサイドアタッカーか。
  • 齋藤はU-20代表に参加のため離脱中。
  • 大崎の負傷が発表され、2/4に発生したとの事で全治は未発表。
  • 村田の負傷が発表され、2・5に発生(以下同文)
  • 来季加入内定の嵯峨(立教大)が特別指定選手となり、開幕節から登録される。
  • 開幕前の負傷者の発表は、芦部の1人。

<山形スタメン>

  • 川井は前年からの持越し(PO準決勝で暴力行為による退場)で3試合出場停止の2試合目。
  • 開幕前の負傷者の発表は、南(1/22、全治約8~10週間)の1人。

厳しい残留争いを制し、今季もJ2に生き残った水戸。
岡山がJ1昇格を果たした事で、唯一の「J2のみ経験のクラブ」とも化し。
その殆どがボトムハーフに終始しているという成績もあり、残留力を盾としながら浮上のチャンスを伺う立場。

前年途中に就任した森直樹監督が、開幕から指揮を執る今季。
システム変更も駆使しながらチームを建て直し、「監督交代は成功だった」と無事に大団円を迎えた昨季。
しかし降格した3クラブ(群馬・鹿児島・栃木)はいずれも監督交代を行ったクラブであり、そういった評論は単なる生存者バイアスな気がしないでも無く。
自分としても、前年ホームで観戦したクラブなだけに今後が気になる所ですが、今季は4-4-2の布陣で新たなスタートを切り。

前年は9人の新人のうち、スタメンは長尾1人。
その後2節からスタメン定着した牛澤をはじめ、徐々に序列を上げた選手が生き残りを果たしたという編成上の印象。(途中でレンタルされ、出戻った内田は例外)
そして今季は7人(開幕直前に森村が加わる)のうち、板倉・川上・山本の3名が開幕スタメン。(といっても山本は特別指定の前年で11試合出場)
着実にウェイトが上がっているその状況は、スカウト能力の向上か、あるいは排出スピードを上げないと上位カテゴリないしは海外の食指に掛かるが故の危機感か。
ともかく、早期に陣容を固める事で今季こそ成績面でも成功という結果を出したい所でしょう。

冬季のオフを経て、やや放牧的な状態に見受けられたケーズデンキスタジアム水戸のピッチ。
その影響か地上で繋ぐスタイルの山形に乱れが生じ(おまけに前半は向かい風)、前半2分に西村のGKへのバックパスが短くなった所に渡邉新太が走り込む絵図に。
前に出たGK長谷川が先んじて振れるも、こぼれ球を左奥で山本が拾い継続(その後中央への戻しがカットされる)と、いきなり冷や汗を掻く事となった山形。

逆に水戸は、これにより前向きとなり相手の弱みに突け込む姿勢を徹底。
次に標的としたのは、今季初スタメンとなった大ベテラン・山田だったでしょうか。
前年の快進撃を左サイドバックとして支えるも、プレーオフでは岡山の屈強なプレッシングと球際に屈する形で、ボールロストで弱点となっていた山田。
それをスカウティングしていたのか、彼と相対する津久井が果敢に仕掛ける事で山形ディフェンスの押し込みを図った全体となりました。

一方その形まで繋げるという段階ですが、山形はパスミスでのロストが目立ち、水戸がビルドアップを考えるまでも無く敵陣での攻撃スタートが多かった立ち上がり。
敵陣でのポゼッションは、左の山本が突破をチラつかせたうえでの半円でのパスワークで、山形ディフェンスを右へと寄せた末に津久井に届ける攻め手を徹底。
津久井への対応に難儀する山田とともに、全体劣勢と化する事となった山形。
その攻勢に入る前に、津久井自身も5分の右コーナーキックで(キッカー大森のクロスから)ヘディングシュートで決定機を作った(GK長谷川がセーブ)事により高揚感を得たのも幸いした感があり。

ビルドアップの失敗の連続により閉塞感に包まれる山形。
14分には最終ラインからの縦パスを川上が前に出てカットし、すかさずエリア内へスルーパスとショートカウンターを招き。(左ポケットで受けた山本がシュート、西村がブロック)
止むを得ずロングボール中心の配球に切り替えるも、水戸のプレッシングを避ける以上の効果は得られず。
それに伴い、水戸のボール保持の時間が長くなり。
山形は16分、敵陣左サイドでのパスカットからの戻しでようやく保持らしい保持の絵図を作りますが、ここも高江が1タッチでロングパスをラフに裏に送るというアバウトな前進。
しかしこれをイサカがエリア右角で受け、ボールキープからの戻しを経て後方から國分がミドルシュート。(板倉がブロック)

これを切欠に糸口を掴みたかったものの、以降水戸のビルドアップを阻めない事で萎んでいき。
最終ラインからのパスワークの最中、山本が降りて出口役を務めるという定番の前進法が主でしたが、立ち上がりに押し込まれた影響か連動性を欠くプレッシング。
それ故彼を掴まえる事はままならず、益々前述のような右に寄って左が開く状態を許してしまいます。

26分までに8本ものCKを獲得と、水戸優勢は明らかな流れ。
その後左から山本中心に前進の姿勢→戻しを経て対角線のパスを津久井に通す、という手法で止めが刺されます。
28分に板倉のロングパスを受けた津久井、そのまま右奥からカットインでポケットを取りグラウンダーでクロス。
クリアされるも再度拾って保持を続ける水戸、またも山﨑がミドルパスを津久井に通すと、今度は飯田とのワンツーで奥を取りに掛かり。
パスコースに山田が立ちふさがるも、反応良くその手前で触れる事で無効化した津久井、そのままカットインを経て果敢にシュート。
GK長谷川のセーブを弾き、強烈にゴールネットを揺らしました。
ものの見事に、当初の狙いを徹底した成果が齎された水戸。

一方殆ど流れを得られないまま、追う展開を余儀なくされた山形。
性根入れてポゼッションを高めに掛かりましたが、どうにも巧くいかないビルドアップ。
前節(大宮戦、1-2)から最終ラインの顔が変わり、かつ両ウイングの位置が入れ替わった影響は小さくなかったでしょうか。
山田のスタメンとイサカの右サイドへの転換により、左肩上がりの形へとシフトした事で、折角良い味を出していた野嶽が上がる機会が少なくなり。

水戸のプレッシングは、アンカーに位置する中村を2トップが切る布陣の下、その後方でドイスボランチが山形の縦パスを牽制する形。(ハイプレスはバックパスが選択された際に掛ける)
新加入の中村が動かない事が、逆に流動性の欠如に繋がってしまい。
他方片割れの高江が動き回り、ワイドで受けたり最終ラインに降りたりしたものの、改善には至りませんでした。
結局31~34分までの間、山形が保持するも好機には至らずという絵図が続き。

その後は水戸をインスパイアするかのように、左での繋ぎを経て対角線のロングパスを右のイサカに届けるという手法で何度かアタッキングサードを突き。
中心選手の土居も、ポジションチェンジを絡めて間でパスを受け続けるものの、コンパクトな水戸ディフェンスに風穴を開けるには至りません。
そのまま、ビハインドになって以降フィニッシュを放つ事無く前半を終えました。

山形にとって巻き返したい後半、選手交代は無いものの、前半からの調整は必須であり。
水戸のキックオフで始まり、山本が浮かせてからロビングという変わり種の初手を見せるも、直ぐに断ち切って反撃。
といってもこちらも高江のラフなロビング→ディサロフリックという手法で、そのまま勢いをもって前進して右奥でスルーパスを受けたイサカ。
これにより右CKを得ると、ショートコーナーから角度を付けた高江のクロスをファーサイドで山田が合わせ。(枠外)

立ち上がりはこうした、アバウトな攻撃の応酬という感じで推移。
山形は(野嶽の)ロングスローを使い始め、水戸は山形のパスのズレをダイレクトで前へ送り返すという縦に速い攻撃法が中心に。
その中で水戸は後半6分、右スローインから川上がポケットに推進する状況を作りクロス。
クリアされるも逆サイドで拾った大森、左ハーフレーンの位置からシュートとも取れるクロスをグラウンダーで送ると、中央で草野が合わせコースを変えたもののGK長谷川がキャッチし何とか防いだ山形。

そんな攻防が落ち着くと、追い掛ける山形が保持するという定番の局面に移り。
微調整の結果か、中村が広範囲に動くシーンが多くなり。
前半は中央の中村を通し、その周囲で動く高江を経由し前線に渡すという意図だった(想像)ものの、その逆のパターンで繋ぐ絵図を膨らませ。
しかし最後は、イサカに届けて右サイド奥を突かせるものでしか無く。
結局前半と同様、フィニッシュに繋げられない時間が続きます。

それでも、前半から守備での集中に事欠かなかった水戸の方が先に交代カードに手を付け。
19分に山﨑・草野→長尾・久保へと2枚替え、縦パスのコースを執拗に切る役割を担ったボランチ(山﨑)を交代させるという、消耗が伺える采配となり。

山形が攻めあぐねるなか、隙を見て追加点を狙う水戸。
22分、GK長谷川のフィードを牛澤がヘッドで跳ね返し、そのボールを浮き球のままダイレクトで前に運んでの好機。
渡邉新がスルーパスを左奥へ送り、走り込んだ山本のクロスがニアに上がると、入り込んだ久保がヘディングシュート。
GK長谷川が何とかセーブするも、これを機にカウンターともとれる水戸の鋭い攻めに手を焼く展開へ突入したでしょうか。

それを防ぐべくベンチも動き、24分に3枚替えを敢行した渡邉晋監督。
山田・土居・ディサロ→岡本・高橋・藤本へと交代し、開幕前は「山形史上最強」と噂された程の選手層を活かさんと采配を振るいます。

それでも、開幕戦に敗れ、この日もここまでビハインドという現実に襲われている状況。
無理矢理でも1点が欲しい所で、左サイドでも岡本のロングスローを活用と形振り構わない手段を取り。
そしてそれが事件を招き、その岡本が投げ入れたボールが跳ね返されると、深めで保持する水戸に対し左(水戸から見て右)へ追い込んだ末に安部が渡邉新から反則気味にボール奪取。
ここまでは「新基準だし……」で片づけられる絵図ですが、ここからパスを受けたイサカがカットインでエリア内へ切り込んだ所で、取り返さんとした渡邉新に引っかかる形で倒れてしまい。
しかし笛は鳴らず、両軍こぼれ球を確保せんとした所、今度は拾った安部が川上に倒される絵図が生まれましたがこれも反則無しに終わります。
すると山形サイドは反則ならびにPKを総出でアピールする事態になり、対する水戸サイドもGK松原が「最初の安部のチャージが反則」という意図の下いきり立ち。
かくして両軍から抗議を受ける状況となってしまった主審(山下良美氏)も大変だな……といった傍らからの感想ですが、今季から取り入れられた「新基準」をどうにかしなければ……という思いは今後も付き纏う事でしょう。
PKか否かの部分は従来通りの悩ましいジャッジですが、安部のボール奪取があった故に埋め合わせのように笛を吹かないという選択が採られた可能性が大きく。

双方ともヒートアップしたまま山形の左CKで再開するも、得点どころか水戸のカウンターを招くという具合に冷静さの欠如は明白となり。
そして水戸が敵陣深めでの左スローインを得る(30分)と、今度はこぼれ球を拾った山本がカットインでエリア内を突かんとする所を野嶽に倒され。
しかし反則の笛は鳴らず、逆に倒れてボールを抱え込む格好となった事でハンド、それによりまたも猛抗議を余儀なくされた水戸サイド。
納得出来ない心境は理解できるものの、逃げきる側故に落ち着きたい所であり、ベンチはすかさず交代カードを切って(山本・渡邉新→沖田・奥田、津久井が左サイドハーフに回る)それを果たさんとします。
一方山形も33分に2枚替えを敢行、両WGを揃って入れ替え(イサカ・國分→氣田・坂本)てカードを使い果たし。

ここからは冷静さを取り戻した側が勝つ、という判り易い展開となったでしょうか。
再び水戸の敵陣深めでの左スローインで再開し、久保の胸での落としを受けた津久井が左ポケットに入り込んでボールキープ。
ここは奪われるも、その後も山形の攻撃を跳ね返し続けたのち、深めへと持ち込んでスローイン攻勢と相手の時間と余裕を奪いに掛かり。
40分に自陣で沖田のボール奪取からカウンター気味に運び、津久井が左ハーフレーンを直進してミドルシュート。
ブロックされるもクリアボールを川上が拾うと、そのまま左コーナーまで持ち込んでボールキープと、逃げきりの意思を高めます。
直後に奮闘してきた津久井が足を攣らせた事で、最後のカードを使い。
鷹啄を投入し、彼を中央センターバックに配置した5バックシステム(3-4-2-1)へシフト。

これを境に、山形がひたすら攻勢を掛ける展開へと移りましたが、時間との勝負なのは明らかであり。
これまで貫いてきたポゼッションの意思も時にはかなぐり捨てる事が求められ、41分には高江が直接エリア内へのロングパスを送り、藤本を走らせた事でCKをゲット。

最大の好機は42分の右スローインからで、野嶽がロングスローと見せかけ短く入れ、リターンパスをフリーで受けたのちクロスを入れる絶好機に。
低い弾道で入ったこのボールを、キャッチにいったGK松原が弾いてしまい、すかさず中村が詰めてゴールを奪わんとします。
松原を掠めるもその後方で板倉が掻き出し、それをさらに右ポケットで野嶽折り返し→高橋シュートと繋ぎ。
完全に決まったというこのフィニッシュも、板倉のブロックで寸での所で防がれてしまいます。
方や大ピンチを凌いだ水戸、今季初勝利は目前という状態に。

アディショナルタイムに入ると、西村を前線に上げパワープレイに賭けるしか無くなる山形。(中村も前線に位置取り)
エリア内左へと上がった高江のロビングを、西村が競り合いこぼれた所を中村がヒールで前に送り、藤本がそのままダイレクトでシュート。
しかしこれも水戸ディフェンスの壁に阻まれ、万事休すとなりました。

1-0で試合終了となり、無事逃げきりを果たした水戸。
クラブの入れ替わりが激しくなった中、J2の大ベテランともいえる経験を活かし、早期に安全圏確保といくでしょうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« DAZN観戦 2025年J2リーグ第2... | トップ |   

コメントを投稿