ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第30節 レノファ山口FCvs徳島ヴォルティス

2024-09-09 16:01:29 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山口の記事はこちら(26節・栃木戦、4-3)
※前回の徳島の記事はこちら(27節・岡山戦、1-1)

<山口スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • ヘナンは(28節(長崎戦、2-1)での退場により)2試合出場停止の2試合目。
  • 佐藤が累積警告により出場停止。
  • 前節(岡山戦、0-2)の4-4-2から微調整し3-4-2-1へシフトも、システム的には(流動性高いため)それ程変化は無しか。
  • 前節負傷交代の新保はベンチ外に。
  • 来季加入が内定している小澤(日本体育大)が特別指定選手となり、28節から登録される。

<徳島スタメン>

  • 前節(清水戦)は台風接近により早期に中止が決定、9/18に順延となる。よって↓は28節(横浜FC戦、0-2)を参考。
  • 28節で出場停止だった児玉がスタメンに復帰。
  • 鹿沼が加入後初のスタメンに。
  • 村上がJ1・マリノスからレンタルで加入し、28節から登録され即スタメン出場。
  • 杉森の負傷が発表され、8/18に発生して全治約6週間との事。
  • 西野の負傷が発表され、8/28に発生して全治約6週間との事。
  • 内田の負傷が発表され、8/28に発生して全治約8週間との事。

今季のJ2も、残り試合は一桁に突入。
そんななか徳島は、前節中止で水入りとなったため(清水も)その例外と化す事に。
2週間空いた影響か、ないしはその後に控える清水との試合を睨んでか。
ベテランのボランチコンビ(岩尾・永木)を揃ってベンチに置き、鹿沼を初のスタメンに組み込むという微調整を敢行しました。

一方山口は中心的存在だった新保の負傷という、嫌でも微調整を施さなければならない状況が訪れ。
その結果3バックの布陣とする、一見相手の徳島に合わせてのミラーゲーム風に持ち込みたいような意思が見られるスタメン。
しかし蓋を開けると、4バック時の引継ぎという意識も残しての入りとなりました。

立ち上がりの主導権争いの中、右ウイングバックの吉岡が守備時には最終ラインに降りず、「攻撃時3バック・守備時4バック」という可変のようなシステム。
そんな思考が見られた入りですが、直ぐに徳島の押し込みを受けてそれは捻じ曲げられる事となります。
前半1分に柿谷がロングスローを投げ入れる絵図を作った徳島、そのままペースを掴んで2分には左コーナーキックに繋げ。
岩尾・永木共に不在ななか、キッカーを務めたエウシーニョのクロスをブラウンノアが合わせヘディングシュート(枠外)とファーストシュートを齎しました。

その後山口も、7分に自陣から相田が左スローインで長く放り込んで裏を取り、逆サイドから走り込んで来た吉岡が受け。(その後パス交換を経てクロスもブロック)
ともにスローインでの組み立てから好機を掴む流れですが、その後徳島が最終ラインから繋ぐボール保持の姿勢に入ると、それを受けて試合前の思惑が雲散霧消となる山口。

具体的には、これまでの「最終ライン全体左へとズレ、青木がサイドバック化してのビルドアップ」から、児玉・鹿沼のどちらかが最終ラインに降りる「ミシャ式」の布陣での繋ぎへと切り替えた徳島。
そして高い位置を取るエウシーニョ・山口により、同じウイングバックの吉岡・野寄がピン止めされる格好となり、前から奪いにいく体勢を取れずとなりました。

特に最初から最前線付近にいるエウシーニョに面食らう(観ている傍らからでも)シーンが続発し。
15分に最終ラインでプレスを誘発させて森がロングパス、これをエウシーニョが足下で受けにいく(こぼれ球を拾い前進も、柿谷の浮き球パスが遮断され終了)という具合に、後ろに重心を引っ張られる事で徳島の中盤が空いてしまい支配される山口。

それでも前方への意識が強い山口ディフェンスを受け、ロングボールでプレス回避という立ち回りを多くせざるを得ない徳島。
しかしそのボールを渡が身体を張って収めるなど、「蹴らされている」という雰囲気を作らせない各個の頑張りも光り。
シュート数は膨らまずも、ボールとペースを握り続けた末に第1クォーターを終わらせます。(24分に飲水タイム)
ここまでは、横浜FCのプレッシャーで殆ど攻撃のリズムを生み出せなかった前試合から巧く転換したような試合運び。

ブレイクが空けると、山口が左から相田のロングスロー連発という流れになるも、酒井の反則で途切れ。
するとそのリスタートから、GK田中颯のロングフィードが右ワイドのブラウンノアをターゲットとし、板倉に当たりこぼれた所を拾った渡。
そして右ハーフレーン・エリア手前から、2タッチ目で果敢にミドルシュートを放つと、豪快に左サイドネットに突き刺さります。
僅か2手というフィニッシュを痛烈なゴラッソで締め、先制を果たした徳島。

ビハインドとなった山口は、当然ながらその後積極性を高め。
(相手ボランチが最終ラインに降りるため)池上が最終ラインまでプレッシャーを掛けるなど、当初とは違う意思ながらもミラーゲームで挑まんとする腹積もりを固めます。
徳島のビルドアップを乱し、ロングボールを蹴らせて回収という状況も増え。

しかしいざ攻撃のターンになっても、基本リトリートの徳島の姿勢を崩すのに難儀する状況に。
37分に長いパスワークから、左ワイド奥で受けた野寄によりCKに持ち込むと、キッカー池上はショートコーナーを選択。
しかし吉岡と前がパス交換する状況となるも、徳島ディフェンスの堅さを前にしてバックパスの繰り返しの末にクロスに繋げられず終わり。

山口がペースを握ったのは40分台に入ってからの事で、ようやくボール保持での組み立てを貫く意識が固まったでしょうか。
43分、最終ラインからのパスワークの中で右サイド裏へロングパス、受けた吉岡がカットインでエリア内右角を突いたのちヒールパスで目線を変え。
そして酒井から上がったダイレクトクロスを、若月が合わせてのヘディングシュートがゴールを襲うも、GK田中のファインセーブに遭い同点ならず。
実にこれが山口のファーストシュートと、決まれば「ワンチャンスをモノにする」究極の形でしたが実現には至りませんでした。

結局シュートはこの1本に終わり。
45分には逆に徳島のカウンターとなり、ドリブルで持ち運んだブラウンノアが、児玉のポストプレイを挟んでミドルシュート。(池上がブロック)
押し込むも決定打に欠け、逆襲を受けるという敗戦への流れも過るなかでの前半終了となりました。

共にハーフタイムでの交代は無く、同じメンバーで後半スタート。
その入りも、徳島がスローイン中心に主導権を握らんとする同様のものとなり。

何とかその流れを切り、ボール保持の姿勢を高める山口。
前半からの変化としては、相田が左ワイドに流れ、野寄と板倉の間に入ってパスを受ける体勢が膨らみ。
そして左サイドで人数を増やして繋ぐという立ち回りだったでしょうか。
後半5分にはその体勢で野寄がボールを持ったのち、中央→右へと展開の末に上がった吉岡のクロスを合わせにいったのは相田(クリアされてCKに)と、そんな意図が十分伝わってくる好機が見られ。

しかしそんな好循環への道筋を、ぶち壊しにしてしまう事態が発生してしまい。
それは一重に反則という要素で、7分に山口竜弥のドリブルを止めた吉岡から、中盤で奪い合いが発生するも渡が拾ってボール確保したのは徳島。
するとトランジションの連続を突くように、戻し→森ダイレクトで縦パス→ブラウンノアポストプレイ→鹿沼と素早い運びを選択し、鹿沼の持ち運びからのパスを受けたブラウンノアが右ポケットへ突撃。
たまらずキムボムヨンが彼を倒してしまうと、反則を告げる笛が鳴り響き徳島のPKへと繋がる事となり。
ゲットしたブラウンノア自らキッカーを務め、冷静にゴール左へ蹴り込んでGKの逆を突き。
無事にゴールゲットし、リードを広げる運びとなりました。

これで暫くは安泰と化したような徳島でしたが、反則が試合を動かすという流れにこちらも逆らえず。
12分の山口、最終ラインからの運びで相田が持ち運びを選択すると、中央からという意識を引き付けられやすい場所もあり。
最終ライン裏へと送られたスルーパスで若月の抜け出しを許し、決定機が生まれ掛かったという所で、後ろから青木が反則で阻止してしまい。
笛の後に突き付けられたカードは赤色と、一発退場を強いられる事となった青木ならびに徳島。
納得出来ずに中々引き下がらない青木でしたが、当然判定が覆る筈も無く。
これで数的不利の中で、逃げきりを図る試合絵図へと塗り替えられる事となりました。

ここから押し込み続けたい山口ですが、まずは反則に拠るフリーキックからの好機。
右ハーフレーンからの位置で、キッカー池上はクロスを選択すると、跳ね返りをエリア内で拾った野寄のシュートがゴールを襲い。
しかしこれもGK田中颯がセーブと、当たりを見せる守護神。
尚もCKという所で両ベンチが動き、先に徳島は布陣を整えるべくの交代で、渡を退けて永木を投入。
一方それを見た山口もCK前での交代を選択し、池上・吉岡・若月→田邉・末永・小林へと3枚替えを敢行します。

2本CKが続いたのち、児玉の(末永への)反則でさらにFKと、セットプレーが続く山口。
ここから相田のミドルシュートが枠外に終わって途切れ、徳島の微調整が姿を現す事となり。
といっても、永木が青木の位置に入る5-3-1というほぼそのままの形でしたが。(ブラウンノアの1トップ)
一方山口も3枚替えにより、オリジナルの4-4-2へ近くなったようであり。

山口は、徳島の弱点であり、3バックへの変更以降影を潜めていたエウシーニョの守備面を就くように左から野寄が仕掛け続け。
カットインから鋭いクロス(時にはシュート気味のものもあり)を入れ続けるという立ち回りで堅牢を打ち破らんとします。
飲水タイム(24分)後もそれは大きく変わる事無く、27分には野寄は入れずに奥へとスルーパス、走り込んだ相田のクロスがファーへ高く上がり。
田邉が折り返し、クリアされるも小さくなり、拾った小林がシュートを放つも永木が頭部でブロックして防ぎ。
このシーンを境に、本格的に「全員での押し込みvs全員での凌ぎ」へと突入する試合展開。

28分に再び両ベンチ同時に動き、徳島はエウシーニョを退かせるも、WBは人材不足もいい所でありFWの坪井を流用し投入。(同時に柿谷→岩尾へと交代)
一方山口は野寄→沼田へと交代。

坪井はやはり付け焼刃という感じで、守備面では運動量を上げる以上の効果は齎せず、自陣深めでの凌ぎが続く徳島。
山口は何度も両サイドから奥を突く状況となるも、中々それ以上のシーンを生み出す流れは巡って来ず。

そして33分に最後の手を打つ山口・志垣良監督。
キムボムヨン→平瀬へ交代しただけでなく、平瀬をFWで投入するという手法。
高さを重視した2トップ(酒井・平瀬)に全てを賭ける事となり、後方は空いたセンターバックに相田が入り。
そして田邉の1ボランチ・小林のトップ下という4-1-3-2で、前方に比重を掛けるに至りました。

田邉は頻繁に最終ラインに落ち、そこから相田がハーフレーンを持ち運ぶ事で簡単にアタッキングサードに持ち込む山口。
後方からの持ち運びをキーとして押し込む定石通りの試合運びに入ると、37分でした。
右ワイドで前からパスを受けた末永が、細かいタッチでの前進で岩尾を剥がしたのち中央→左へと展開、そして奥から沼田のクロス。
中央でターゲットの酒井・平瀬が張る所に、その手前に入り込んだ河野が合わせヘディングシュート。
右ポスト内側を叩いてゴールゲットと、当たっているGK田中颯も反応できずというこれ以上無いフィニッシュで1点を返します。

これで流れは完全に山口のもので、徳島キックオフからのボールを反転させた所、相田の前進を反則で止めたブラウンノアが警告。
これにより4枚目となり次節出場停止、青木と併せて2人欠くという次節の徳島ですが、被害には構っていられず。
39分にはまたも左からの(沼田が)クロス、今度は本命の平瀬のヘディングシュートが襲う(ゴール上へ外れる)という具合に、まずはこの流れを堰き止め勝ち点3を得なければ話になりません。
そして40分に最後の交代、山口竜・ブラウンノア→ターレス・村上へと2枚替え。

しかしその直後、スローインで戻されたボールに誰も反応できないという失態を演じてしまう徳島。
酒井が走り込んだ所、GK田中颯が前に出て辛うじてクリアと、気を抜くのは禁物という警告(イエローカードにあらず)のような絵図となり。

その後、守備面では不安な坪井も、マイボール時に前に出てターゲット兼ストーミング時のプレス要員として機能する事で状況打破。
これにより(坪井のコーナー付近でのキープもあり)攻撃機会が減った山口もめげずに攻め上がり、アディショナルタイムに入るかどうかという所で、小林の右からのクロスを再び合わせにいく平瀬。
しかし跳び出したGK田中颯により撃てず(こぼれ球になるもクリアされる)、両者激突した末に痛み倒れ込む田中颯。
増田功作監督の「ファールだろ」と、志垣監督の「時間稼ぎだろ」という異議のぶつかり合いが生まれる状況を尻目に、これにより長いAT(目安9分)がさらに不透明な事となります。(田中颯は2分程掛けて起き上がり)

山口はその後もクロスという爆撃をゴール前に送り続け、平瀬・酒井が空中戦を制するも、放たれるヘディングシュートは枠の外。
隙を突いて、左ハーフレーンから田邉の地を這うミドルシュートがゴールを襲いますが、これもGK田中颯がキャッチと凌ぎ続ける徳島。

目安時間が過ぎ、増田監督の試合終了をアピールする異議が繰り返されるなか、尚も続けられる山口の攻撃。
次第に平瀬のヘディングが枠へと近いものとなり、ゴールが先か笛が先か……という状態に。
それに伴い山口の攻めも、アーリークロス・最後方からの放り込みへと傾倒する最終局面。
板倉の左サイド後方からの放り込みを、平瀬が前方へ落とした所に酒井が跳び込むというツインタワー双方が絡んでの好機。
しかし僅かに合わずGK田中颯が抑え、制空権は制した山口ですが最後の一押しがどうしても足りず。

そして最後も沼田の左奥でのクロスから、酒井のフリックを平瀬が合わせにいった所、GK田中颯のパンチングで掻き出され。
小林が跳ね返りを確保するも、奪われた所で試合終了の笛が鳴り響き。
増田監督の異議が雄たけびに変えられた事で、徳島勝利を実感する試合となりました。

PK・退場あり、両監督の罵声も飛び交うという、お世辞にも綺麗とはいえなかった試合絵図。
表面上は綺麗事で片付けられがちなスポーツ界ですが、こうした絵図も日常茶飯事である事を再認識するようなものだったでしょうか。

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