ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第26節 福島ユナイテッドFCvsギラヴァンツ北九州

2024-09-05 16:04:14 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 福島ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 福島は、上畑が累積警告により出場停止。

そのスタイルに信念を持っているクラブは、同時に勝利への執念が試される時期である終盤戦。
攻撃サッカーを貫く福島がまさにそんな立ち位置で、昇格争いに加わるには勝ち続けなければいけない状況の中、どう立ち振る舞うか。
堂鼻の個人昇格(J2・いわきへ移籍)・松長根や塩浜の負傷離脱など、根幹を揺るがしかねない主力選手の喪失にも耐えなければならず。
この日は目下プレーオフ圏内で、かつその守備力が光っている北九州と、対照的なクラブ相手の格好の一戦となり。

その北九州の、最短距離を通しての攻めが冴え渡る立ち上がり。
永井のレイオフを利用しての縦パス・スルーパス攻勢で、守備でも攻撃的を貫く福島の裏を狙う姿勢なのは一目瞭然であり。
福島はその立ち回りを受けて浮足立ったか、前半5分に北九州陣内でのボール争いのなか高がラフにロングパスを送ると、それを収めた岡野に対し大森博が喰い付いて腕で止めにいき。
倒されながらも繋いだ岡野の先で、更に牛之濱のドリブルを澤上が反則気味にプレスバックで止めるという具合に、後追いの末の醜悪さが目立つディフェンスを強いられます。
(こうしたシーンが以降も頻発した事で、北九州サイドもフラストレーションを貯めながらの試合を強いられた感があり)

弱点を突かれて崩されかねない福島ですが、8分にその攻撃的な守備が奏功し。
前線は相変わらず3トップを保ってのプレッシングというスタイルで、ワイドからの前進はサイドバックが前に出て防ぎにいき。
そしてここでは、北九州の最後方からの繋ぎで右の山脇に出されたところ、鈴が猛烈にプレッシャーを掛けて戻させる事に成功。
その後GK田中が左へ縦パスを送るも、澤上がカットしてショートカウンターに持ち込みます。(そのまま澤上がミドルシュート、枠外)

これでペースを掴むと、以降普段通りにショートパス主体の攻めで主導権を握り。
しっかりと守備陣形を組む北九州故に、最後方での繋ぎによるプレッシャーの誘発が肝となり、GKを交えた最終ラインで恐れず地上で繋ぎ続けていなす場面が激増します。
上畑が不在とはいえこの日も中盤3人のトライアングルは堅固で、これを基本としながら後方ではセンターバックを交えた三角形、前方ではウイングを交えた三角形という具合に変形も容易であり。

手数を掛けて好機を作る福島に対し、北九州は12分、GK田中ロングフィード→永井フリックの一手で一気に好機。
クリアされるもさらに岡野のロングパスを牛之濱が胸で落とす(繋がらず)という具合に、縦に太い直線的な攻めで脅かし。
それに押された福島、直後の攻撃ターンでは大森博→鈴へのパスをトラップできずに終えるなど、そのプレッシャーが垣間見える絵図を作ってしまい。

気を取り直して攻める福島、13分には針谷⇔大関のパス交換から、トライアングルに加わった加藤が中央から持ち運び。
そしてペナルティアークでパスを受けた森晃がシュートし、ブロックされるも左コーナーに。
ショートコーナーを挟んで上がった針谷のクロスから、こぼれて混戦になった所を野末がシュート(ブロック)と、フィニッシュも膨らむようになると今度は北九州が及び腰となり。
前線から守備をしてもいなされるの連続で、たまらず自陣でリトリートの時間が長くなります。

福島はそれを見るや、(GK以外)全員敵陣に入り込んでのパスワークで一気呵成に攻め。
その姿は北九州の前線をかわす位置が、自陣深め→センターライン前へと変わったのみという感じで、崩しの難度は上がっても気丈にパスワークを続け。

18分、空中での右往左往を経て森晃が拾った事で敵陣で攻撃スタートすると、ここもショートパス攻勢に入り中央→右へと展開。
そして森璃のクロスがファーに上がり、跳び込んだ鈴を越えて流れたボールを森晃が折り返し、澤上が脚で合わせシュート。
しかしゴール前で杉山がブロック、跳ね返りからの再度の澤上のシュートもブロックと、ギリギリの所で守る北九州。
攻撃サッカーと堅守がそのままぶつかり合う熱い展開の末に、23分に飲水タイムが挟まれました。

ブレイク明け、福島は森晃のドリブルを矛として得点を狙い。
27分、クリアボールを加藤がラフに浮き球を送ると、森晃がドリブルで一気に左ポケット奥へ進入してクロス気味に鋭いシュートを放つもGK田中がセーブ。
その後クリアボールを森璃が拾うも永井が奪って北九州のカウンター(岡野がドリブルからミドルシュート、ブロック)と、北九州サイドも対抗姿勢。

しかし直後の28分、福島はやはり後方から繋ぐ姿勢で、右からのパスを(針谷のスルーを挟み)中央で受けた森晃がドリブル。
そして放たれたミドルシュートがワンバウンドを経て難しい軌道でゴール左を襲うも、GK田中がセーブして何とか逃れ。
組織力と森晃の個人技とを融合させると、30分にもゴールキックから短い繋ぎでプレッシャーをいなしきり、森晃のドリブルからのスルーパスに走り込んでクロスを入れたのは森璃。
この低いボールをニアで合わせたのは森晃と、森⇔森の流れでフィニッシュが放たれるも、ゴール左へ外れてしまい惜しくも決められません。

ノリノリといった福島、そのスタイルはセットプレー守備でも健在。
34分に北九州が右サイド浅めの位置でのフリーキックになると、福島の守備ラインは極端に高目に位置取り。
まさに攻撃的な思惑が全面に浸透しているという絵図ですが、ここで北九州は当然というべきか、それを突くようにキッカー藤原はクロスでは無く同サイドへのスルーパス。
直接右ポケットへ送られたこのパスに、走り込んだ杉山がシュートを放ち裏を掻く事に成功するも、GK吉丸のセーブに遭って決められず。

受けに回っていた北九州も、無失点での凌ぎを続けて慣れを示したか徐々に反撃。
基本はじっくり守ってカウンターという手法で、36分にまたも福島のショートパス攻勢で自陣で振り回されるも、森璃のクロスをクリアしてカウンターに持ち込み。
ここも永井のレイオフを挟んで牛之濱が左サイドをドリブルする体勢に持ち込むも、遅攻へと切り替えたのち、後方からの藤原のロングパスに走り込んでエリア内で受けた牛之濱。
そして中央への横パスから岡野がシュート(GK吉丸キャッチ)と、こちらも貫いている「無失点を続けた末に接戦をモノにする」流れを確立しに掛かります。

以降落ち着きを取り戻した北九州により、福島は尚もハイテンションを貫かんとするも空回り。
前線の守備で反則を量産して樋口が警告を受けるなど、リズムの悪さが顔を出すようになると攻撃機会も失う破目となり。
そして一転して北九州が攻撃機会を重ねる終盤戦。
前年針谷と(磐田で)同僚だった藤原を中盤の底として組み立てるその様に因縁染みたものを感じるものの、基本的には裏を突いての好機からセットプレー獲得といったこの時間帯。
しかしフィニッシュには繋げられず、アディショナルタイムに福島がCK攻勢に入るもこちらも決められず、結局0-0のまま前半を終える事となりました。

ハーフタイムで北九州が選手交代。
前回観た際(24節・富山戦、2-0)と同様に、このタイミングでキャプテン・井澤を投入します。(岡野と交代し、藤原がトップ下に回る)

時間経過とともに、流れを自分達のものにした北九州が後半もそれを継続する立ち上がり。
後半3分、井澤の縦パスは繋がらずもクリアミスで結局岡野に繋がり、中央からミドルシュート(大森博がブロック)とファーストシュート。

福島は従来通りのスタイルも、ペースを乱された事で思うように繋げられず。
7分にようやく、GK吉丸からのショートパスでの連続でプレスをいなしきり、森晃のドリブルに繋げ。
しかし山脇に反則気味に止められ、笛が鳴らずに北九州のカウンターを受ける始末となり、高のクロスの跳ね返りを藤原がボレーシュート(ゴール左へ外れる)と北九州優勢の流れを変えられず。

こうなると巧くいかなかった部分も反転するようになり、8分に福島の最終ラインへのプレッシャーでGKに戻させた末に、ロングパスを杉山がカットして反撃と嵌める事に成功した北九州。
そのまま縦パス→岡野フリックで浮かせた所に永井が走り込む好機になるも、GK吉丸に抑えられて撃てず。

福島は前半に比べ、地上からでもやや無理目の縦パスでの勝負が目立つようになり。
その出し手は針谷で、前の澤上・森晃に当ててから展開……という流れを描きたかったのでしょうが、結局フィニッシュに繋がらずと成果は上がりません。

12分にまたも、敵陣で繋ぎ続けた末に右ポケットを森璃が突くも、牛之濱の反則気味のディフェンスで止められたのち北九州のカウンターを招き。(右から高がクロス、クリアされてCKに)
停滞感が漂うなかで、16分に交代を敢行するベンチ。
澤上・樋口→長野・矢島へ2枚替えと、前線の駒を代える事をまず選択しました。
その後北九州も19分に動き、藤原・永井→矢田・平山へと2枚替え。

交代以降、福島はボールを握り流れを取り戻しに掛かり。
しかし前半に比べて北九州も喰い付かず、時にはサイドハーフが降りて5-4-1での守備体勢も見られるなどしっかり守り。
結局は(再三浴びたカウンターのリスクも避けるべくの)通り辛いスルーパスに頼らざるを得ない最終手となり、フィニッシュに持ち込めないという攻めを繰り返してしまいます。

こうして15分~25分の間は、北九州の攻撃機会ゼロ・福島のシュートゼロというある意味喜劇的なスタッツに。(前者は自分の集計です)
打開を図るべく、25分に加藤・針谷→吉永・城定へ2枚替えとさらに動く福島ベンチ。

しかし試合を動かしに掛かった結果、26分以降北九州の攻撃が続く事に。
それでも耐えた福島は29分にカウンターと、これまでとは逆のような流れを描き、森晃がドリブルで一気に左ポケットへ進入とそのキレも戻り。
ここはグラウンダーのクロスがクリアされるも、すかさず再度好機に入り、今度は大関の左ポケットへの切り込みを経て鈴がクロス。
そして長野の落としを、中央に残っていた森晃が合わせるという絶好の流れとなりましたが、シュートはふかしてしまいゴール上へ外れ。

先制を逃した福島、尚もめげずに攻め込みますが、その姿勢が32分にまたも北九州のカウンターを招いてしまい。
今度はドリブルする牛之濱の前に矢田と平山が走り込む3対2という絶望的なシチュエーションでしたが、北九州もクオリティに欠いて平山のエリア外からのシュートに留まり(ブロックに阻まれる)命拾いします。

この後、33分に北九州は高・牛之濱→坂本・高橋へと2枚替えを敢行して交代枠を使いきり。
坂本が右SBに入った事で山脇が一列上がって右SHに、それに併せ2列目は高橋トップ下・矢田左SHと変わり。
これにより福島ディフェンスも惑わされたか、その後反則を量産してしまい北九州のFKでの好機を浴びるという流れに。

しかし39分その北九州のFKから、クリアボールを森晃が拾うと、例によってドリブルに持ち込んでカウンター。
この時間帯でもキレが落ちないその推進は、工藤の反則チャージにより倒れても尚起き上がってボールキープの末にエリア内を突く程であり。(このプレーで後に工藤に警告)
右奥へ切り込んでヒールパスを選択するも、走り込んできた長野には繋がらずとここもシュートには持ち込めず。
それでも流れを変える効果は表れ、以降攻撃権を支配するに至った福島。
(41分に森晃→清水へと交代)

やり返したい北九州は、41分に敵陣左サイドで縦パスを平山が遮断し、ショートカウンターかという場面に。
しかし拾わんと走り込んだ高橋が森璃に抑え込まれ、これが反則無しとなった事で紛糾する事態となり。
ベンチから「冷静になれ」という大声が上がるも、結局はこの流れを覆しきれない結果となりました。

43分、深めでの右スローインから押し込みを掛ける福島。
その方策はやはりショートパスの連続で、右奥を突いた城定のクロスが、クリアで方向が変わった所を清水が折り返し。
受けた大関が前進の姿勢からヒールパスと、目線を変え続けた末に城定がシュートするも杉山がブロックののち掻き出し。
再び右スローインからの攻めで、今度もショートパスの連続で右ポケットを取りにいく福島、その最中に城定が井澤に倒されるものの大関が拾って継続。
そして奥からマイナスのクロスが入ると、長野のスルーを挟んで中央で清水が合わせてシュート。
これがゴールネットに突き刺さり、ようやく北九州の堅守を破るに至って先制点を挙げました。
信念を突き通す事が勝利への執念と重なったその姿に、歓喜に沸くピッチサイドとスタンド。

尚もそれは続けられ、北九州の最終ラインに対し果敢にプレッシングを掛ける福島。
左サイド深めで奪った清水が、矢島のレイオフを挟んでポケットへカットインを仕掛けた所、杉山に倒されるも反則の笛は鳴らず。
北九州サイドの不満が目立った(試合後の中村トレーナーへの警告も恐らくそのためだろう)この試合ですが、福島サイドも決してその判定面で優遇されたという訳では無い、といったこの場面。

その福島の圧に、AT突入後もまともに攻め込めない北九州ですが、右からの山脇のアーリークロスが唯一の好機を生み出し。
ファーで乾が折り返したボールがバウントした所、平山が身を屈めて強引にヘディングで合わせたシュートがゴール上を襲い。
しかし僅かに外れてしまい、起死回生の一発とはなりませんでした。

結局1-0のまま、福島が逃げきって勝利。
この日はホームでクラブ史上最高の観衆を集めた(5,471人)一戦とあり、今後是が非でも勢いを付けるべくの勝ち点3に仕立て上げたい所でしょう。

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