ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2025年J2リーグ第3節 いわきFCvs徳島ヴォルティス

2025-03-05 16:49:48 | サッカー視聴記(J2)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 開幕戦(千葉戦、0-2)は4-4-2で、前節(大分戦、0-0)は木吹がアンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)と、1戦毎に微妙に変更。
  • 白井の負傷が発表され、発生日不明で全治約2ヶ月との事。
  • 来季加入内定の久永(桐蔭横浜大)が特別指定選手となり、開幕から登録される。

<徳島スタメン>

  • ユース所属の福田・宮村・永村が2種登録となり、今節から登録される。
  • 開幕前の負傷者の発表は、永木(1/22、全治約8週間)、トニー・アンデルソン(1/24、全治約8週間)、高田優(1/28、全治約10週間)、岩尾(2/1、全治約6週間)の4人。

今季もフィジカル系クラブとしての存在感を、J2で示す戦いが始まったいわき。
しかしその船出は、開幕戦でシュート18本を放ちながら無得点というチグハグさを披露する格好に。
相手の千葉を内容で圧倒しながらも、少ない好機でキッチリ2点取られての敗戦は、度重なる決定機を逃した側としてはくる物があり。
この日のような、パワーを前面に押し出して縦に速い攻撃を繰り返すのみで果たして良いのかどうか。そしてそうした試合を「あとは決めるだけ」で片付けて良いのか
長いシーズンの中で、早々に自問自答すべき時が訪れた感じでしょうか。

そのパワーサッカーのスタイルも、(秋田がJ2昇格した2021年以降)目新しいものでは無くなってきている現状。
今季で言うならばこの日の相手である徳島で、本来のボール保持・ポゼッションサッカーをある程度投げうって、守備重視のスタイルを浸透させ。
切り替えの早さ・ハイプレスとリトリートの使い分け・デュエルで負けない姿勢と、一通りの能力を高めた結果の開幕2連勝。
そんな堅守に、スピード豊かなヴィクトルがカウンターの矛としてフィットするというおまけも付き、前年とは打って変わって順調なスタートを切りました。

前年の後半昇格争いに加わらんという所で、致命傷となる3連敗。
しかもいずれも(ドウグラス・タンキのパワーを押し出す)清水・いわき・秋田というパワーサッカーに屈する形での敗戦と、相当堪えた感があり。
ある意味当然といった転換劇で、そしてこの日いわきへリベンジする時が訪れた……とは言い過ぎか。
いわきサイドもそれに応えるかのように、ミラーゲームの布陣(3-4-2-1)へと微調整して臨みました。

お互いロングボールを蹴り合う、類似するスタイル故に当然という入りを描き。
先にどちらが、何処で主体的な攻撃へと転換するかに注目が集まる展開ですが、意外にもボール保持の姿勢を見せたのはいわき。
前半3分過ぎ辺りから、早くも最終ラインから地上で繋ぎ始め。
保持といえば以前の徳島のイメージが強く、この日も先にその色を見せると思っていただけに意外なものとなり。

それを徳島自身も感じてしまったでしょうか。
いわきのビルドアップは、最終ラインから一列前へ遊びのパス→戻しでハイプレスを誘発→すかさずロングパス、という単純明快な狙い。
しかしそれに簡単に引っ掛かり、疑似カウンターのように好機を作られてしまう事数多。
激しく上下動を強いられ、とても攻めの事を考える余裕は無く攻撃機会を全く得られない状況に。

迎えた8分、徳島のスローインからの空中戦でボールの右往左往を経て敵陣で確保するいわき。
右ハーフレーンで大西が拾ったすぐそこにバイタルエリア、という状況で躊躇わずに中央からの崩しを選択すると、谷村のフリックでエリア内を突いたボールをカットした山田奈。
しかしパスワークの間に最前線に出て、死角から奪い返しに掛かった大西を後ろから倒してしまう形となってしまい、反則の笛が鳴りあろう事かPK献上の形に。
これに渡を中心に猛抗議する徳島、それはチャージそのものでは無く谷村のパスがオフサイドという事を主張するものであり。
谷村のフリックは加藤大を狙ってのものでしたが、繋がらなかった(加藤大は触れていない)+山田奈が触れる前に大西がオフサイドポジションから反応したという絵図が原因でした。
しかし判定は覆らず、このPKを蹴るのは鵜木。
今季初得点が賭かった重大なキックでしたが、冷静にGK田中の逆を突いてゴール左へと突き刺します。
リードの状況を作り、湧き上がるいわきのホーム・ハワイアンズスタジアムいわき。

追う立場となった事で、徳島もボール保持の姿勢を見せなければならず。
前年通りの4バックへの可変で、青木が左サイドバック化して高木を高い位置に上げるというシステム。
しかしいわきのマンツーマンでの守備の前に、GK田中を交えたリスクあるパスワークを成功させなければ前進を果たせない状態に。

清涼な前進の流れを作り出せないと、当然多発するのはいわきのボールゲインによるショートカウンター。
18分に縦パスがズレた所を石田が直接ミドルパスを送り返すという形で、一気にエリア内でシュートチャンスを迎えた加藤大。
そしてボレーシュートにいった所、GK田中が前に出てブロックの形で何とか防ぎ。
28分にも、縦パスに対し石田が縦パスを送り返すという同じパターンで、受けた加藤大が左ポケットを突き。
そして近くに居た谷村がスイッチ気味にスルーし、前進を止めなかった加藤大のシュートが放たれるも鹿沼がブロック。

いわきが矢印を反転させての、縦に速い攻撃が炸裂するという流れに苦渋の表情を隠せない徳島。
しかし救いは、裏へのボールに対しても安易にクリアを選択しなかった事でしょうか。
セーフティな姿勢を見せれば、待ち構えるのはロングスローというのがこの手のクラブの定石ですが、自陣深めでボール確保しゲーゲンプレスを受ける状況となっても我慢する徳島最終ライン。

一向に好循環を得れない攻撃で、31分にようやく地上でいわきのプレスを剥がしての好機。
児玉が柴田に倒されながらもパスを繋ぐ(アドバンテージ→のちに柴田に警告)絵図を経て、ヴィクトルがスピードを生かして持ち運ぶ状況を作り。
そしてミドルシュートが放たれ、石田のブロックを掠めて枠内を襲ったもののGK早坂がセーブ。
ギリギリでの剥がしだったものの、これで勇気を持てたでしょうか。
34分には右スローインから、投げ込まれたボールを渡が中央付近で受けるという変化から、プレスを受けてこぼされるも杉本が拾って左へ展開して前進。
高木のアーリークロスがグラウンダーで入ると、大外まで流れた所走り込んだヴィクトルが折り返すもシュートまではいけず。
36分にも、GK田中の間を通す縦パスを受けた渡が喰い付いた生駒を剥がしてドリブル→スルーパスと、「相手を引き付けて崩す」ポゼッションの文化を要所で発揮。
ヴィクトルが右ポケットへ切り込んで中央へ送った横パスを、児玉と杉本が連続スルーでファーの高木に託すも、放たれたシュートは鵜木のブロックに阻まれ同点ならず。

しかしいわきの寄せに難儀する状況は全体変わらず。
こうした展開では中盤でのパスの起点となる児玉も、プレッシャーを嫌がってか自身が裏に抜け出すシーンが多くありました。
そして止むを得ず多用するロングボールでの攻撃も、渡はターゲットタイプとは成り得ないので今一つ。
裏抜け以外は、高い位置を取った高木に当てるか、スピードタイプのヴィクトルに無理矢理収めさせるかという手法でした。

いわきも危機を何度か招いた(アディショナルタイムにはヴィクトルへのロングボールから、渡のミドルシュートがゴールバー直撃)事で、アバウトな縦への運びを強いられたため思うように好機は膨らまず。
得にサイドの突破力が、加瀬・高岸がウイングバックに控える前年から大きく落ちていた感があり。
結局1-0のまま前半を折り返す事となりました。

共に交代は無く迎えた後半。
先制したものの、相手の保持に対する守備がメインだった感のある前半のいわき。
それを払拭せんと、早速の後半1分に左スローイン→加藤大の力強いキープから好機を生み出し。
山下優から受け直した加藤大がワイドから強引にカットイン、左ポケットへ切り込んでマイナスのクロス。
クリアが小さくなった所を谷村が拾い、さらに左ポケットを突いてクロス→ファーで鵜木が折り返しとゴール前で右往左往するボール。
結局シュートは撃てずも、ゴール前でのプレーの時間が長くなればそれだけビハインドの側にとって辛いものであり。

勝利に向け視界良好となったかに見えたいわきですが、それを再度塞ぐかのようにアクシデントが多発。
2分、空中戦の際に鹿沼がブワニカに押し潰されるように倒され、激しく痛む事態が発生したのがその先駆けとなり。
いわきの激しい寄せに対し、ピッチ脇の徳島・増田功作監督の激しい異議も頻繁に飛ぶ試合絵図に。(鹿沼は2分程で起き上がりピッチ外→復帰)

すると9分、徳島陣内で大西が反則を犯すと、素早くリスタートした児玉のキックを妨害しブロックしてしまう大西。
たまらず警告が突き出されるも、これにヒートアップした児玉に対し大西が手を出すという一触即発の事態を招いてしまいます。
ピッチ上もベンチサイドも騒然となりましたが、結局2枚目のカードは出ずに手打ち。
そしていち早く抗議の姿勢を見せたGK田中が警告と、徳島にとっては何の利も無い乱闘劇と化してしまい。

気まずい空気なのは言うに及ばずで、直後に動く徳島ベンチ。(12分)
エウシーニョ・ヴィクトル→柳澤・バルセロスへと2枚替えを敢行します。
運動量補填とともに、ラフプレーが多発しかねない状況でエウシーニョを傷付けられないという側面もあったでしょうか。

しかし同点を狙いにいくという事は、後ろが疎かになりかねない。
18分、ここまでいわきに与えていなかった右サイド深めでのスローインをついに献上し、五十嵐がこの日初のロングスローを投げ込み。
そして跳ね返りを拾いにいった五十嵐がバルセロスに倒され反則、今度はFKとセットプレーで押し込むいわき得意の流れに。

一向に反撃ムードが高まらない徳島、まずは裏へのボールで深さを取る攻撃の色を強め。
ヴィクトルに比べターゲット能力に優れたバルセロスを盾としながら、左サイド奥へロングパスを届けるという多少強引な手法でリズムを作り。
(25分に高木・杉本→高田颯・杉森へと2枚替え)

そしてその強引さが吉と出たでしょうか。
26分、空中戦を経て左サイドで拾った高田颯、そのまま中央裏へとアバウトなロングボールを送り。
走り込むバルセロスがここでその身体能力=スピードを発揮し、いわきセンターバック2人を追い抜いた末にエリア内からシュート。
ゴール右へと突き刺さり、まさかの縦ポン1本により同点に追い付いた徳島。
いわきサイドは、ヴィクトルと対照的な感の強いバルセロス=スピードが無いと思い込んでしまった、スカウティングのミスが色濃い失点のようでした。

これで勝利には得点が必須となったいわき、キックオフの前に鵜木→山田裕へと交代。
彼が右CBに入り、五十嵐が右WBへシフト。

徳島はこの得点により、一層アバウトな攻めに舵が振られたでしょうか。
30分にもカウンターの局面で、渡の(右からの)斜めのロングパスを入れ替わって収めたバルセロス(山田裕とのデュエルも制し)による好機。
エリア手前で溜めを作ったのち、児玉→渡と経由して放たれるミドルシュート。
山田裕がブロックして防ぐも、バルセロスの未知の脅威に晒された感が強まるいわき。

巻き直したいいわきも、前半見せた遊びのパス→戻し→ロングパスを駆使しながら、ブワニカのフリックも多用し手アタッキングサードへ運び。
ともにロングボール重視となった事で、必然的にデュエルも激しくなり。
33分の徳島の攻撃、再び裏への(青木の)ロングパスにバルセロスが走り込む局面を迎えましたが、生駒のチャージを受けた事で繋がらず反則も無し。
40分のいわきは敵陣でのボールゲインから好機、右奥へのスルーパスに走り込むブワニカでしたが、これもカイケ(渡と交代で出場・37分、青木と高田颯が一列ずつ上がる)のチャージを受けて繋がらず。
「欧州基準の判定」も悪目立ちしかねない、球際勝負の展開となり。

いわきも35分に加藤大→石渡へ、43分に大西→木吹へ交代して3回の交代を終え。
これにより木吹アンカー、谷村・ブワニカが2トップの3-3-2-2(3-1-4-2)で最終盤の戦いへ。

しかしその絵図は、先程と同様に醜いものとなってしまったでしょうか。
45分にいわきのスローインの際、ポイントを巡って激しく異議を飛ばした増田監督が警告を受ける事態に。(テクニカルエリアを飛び出したためとの事)
AT突入して直後、空中戦でカイケが石渡のチャージで頭部を痛めてしまい倒れ込み。
前述の鹿沼同様にそのまま治療を受ける事態となり、出血も生まれるという具合にとうとう激しいバトルの末に……となってしまい。(カイケはピッチ外→復帰)
その後鹿沼と石田が頭部同士激突するシーンも生まれるなど、サッカー以外の事象で気をもむ絵図は枚挙にいとまが無く。

最後は高田颯がドリブルで中央へ持ち運んだ所、木吹に倒されて反則となり徳島の直接FKに。
ややハーフレーン寄りという位置で、キッカー児玉が入れたクロスを山越が合わせましたが、枠外となり。
そして試合終了の笛が鳴り、引き分けで幕を閉じました。

パワーサッカーのぶつかり合い、その一言で済まされそうな内容でしたが、それだけに勝ち点3を得れなかったのは両者とも痛い。
形振り構わないという印象は徳島の方が強く、成績面でも「とにかく結果を出す」意識を優先している感がありますが、この姿勢は実を結ぶかどうか。

Jリーグランキング にほんブログ村 サッカーブログ J2へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする