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DAZN観戦 2021年J2リーグ第33節 松本山雅FCvs栃木SC

2021-10-14 16:06:51 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の松本の記事はこちら(28節・磐田戦、0-4)
※前回の栃木の記事はこちら(28節・山口戦、3-2)

リーグ再開後、9試合で勝ち点9の松本。
ペース的には一般的な残留のボーダーである「1試合で勝ち点1」を保っているものの、如何せん今年は降格枠が4つもあり、一般的な常識が通用しないのが悩みの種でしょう。

そんな中で、頼みとしていたセルジーニョが前々節(北九州戦・2-1)で故障により途中交代、離脱の運びとなってしまい。
前節(千葉戦・0-0)は非常に低調な内容なうえ、両軍合わせて警告8度(松本は4度)という反則塗れの試合を強いられました。
何とか勝ち点1を得たものの、今度は前回対戦時ラフプレーで物議を醸した栃木が相手と、計られたようなカードの巡り合わせ。(ちなみに今季のJ2・反則ポイントは千葉がダントツでワーストとの事)

前半1分、栃木が早くも持ち味の攻撃を見せ。
左サイドでのスローインからのこぼれを、スローした溝渕が素早くロングパス、エリア内で豊田が落下点に入ったこぼれ球を谷内田がダイレクトでシュート。(枠外)
ファーストシュートを放つと、以降もGKオビ・パウエル・オビンナのロングフィードも交えながら、普段通りの攻撃を貫く姿勢を見せます。
豊田と矢野が揃ってスタメンでしたが、2人による2トップでは無く、矢野は右サイドハーフに入っておりFWには畑。
前回観た時の後半途中からの布陣を頭から採用していました。

一方の松本、セルジーニョを失った事でビルドアップはどう変わるのかと注目したものの、この日は風上に立った事でその思惑は外され。
栃木に付き合うように、阪野を目掛けたロングパス中心での組み立てを図りにいきました。
しかし阪野が落としたり、競り合いでこぼれた所のセカンドボールを拾う事が出来ずに終わるシーンが多々。
果たして事前に準備したものか、それとも当日の環境で突如変更したものなのか。
セカンドボールの繋がらなさを見るや、後者の疑いを持たざるを得なくなり。
結局得たのは10分にこぼれ球を拾おうとした阪野が、栃木・矢野が振った腕を顔に受けてしまい出血するという傷のみになってしまいました。(阪野は14分に戦線復帰)
主審(御厨貴文氏)は前回対戦時の事も頭の中に入れていたのか、23分にはアフターチャージした栃木・豊田に対し、カードは出さずに長々と注意を与えていたシーンが印象的でした。

そんな中、15分に栃木が右サイドの矢野の突破からコーナーキックを得ると、キッカー西谷のショートコーナーを経て谷内田がクロス。
ファーサイドで溝渕が折り返したのち、エリア内右で拾った西谷からのマイナスのクロスが混戦を生み、溝渕のシュート・柳のシュートが立て続けにブロックされたこぼれ球。
さらに詰めにいった佐藤祥に対し、防ぎにいった松本・常田の腕にボールが当たると、主審の笛が鳴ってハンドの反則に。
当然PKが与えられる事となりましたが、常田は腕を伸ばしている訳では無かったため微妙なシーンではあり。
ノーハンド⇔決定機阻止で追加でカード、の中間を取ったような感じの判定だったでしょうか。(尚、栃木選手は一斉にカードをアピールしていた)
このPKは谷内田が務めますが、強風の妨害を受けてポイントからボールがズレる事2度。
判定の件もあり集中力を欠きやすい状況に陥り、谷内田はとにかく思い切り蹴り込む事を選択したでしょうか。
シュートはゴールバーの内側を叩き、跳ね返りをGK村山が抑えるも、ゴール内にバウンドしたという事でゴールが認められ。
最後まで判らないといったシュートになりましたが、ともかく栃木が先制。

流れを得られないばかりでなく、ビハインドとなった松本。
24分に下川が遠目から無理目なシュートを放った(枠外)所で飲水タイムとなり。
ブレイクで修正を図ったか、以降は最終ラインから繋ぐ攻撃を試みます。
しかし基本線である、センターバック3人をスライドさせての2CBによるビルドアップは変わらずも、セルジーニョが居ないので出口役をどう作るかという悩みが露わとなり。
結局栃木のプレスをかわせず、ロングパスで逃げるシーンが目立ってしまいました。

松本がペースを失うのを尻目に、サイドで素早くスルーパスを送り、奥からクロスを入れるという狙いがハッキリした攻撃を見せる栃木。
どう反撃すべきか迷いも見られた松本、40分には一旦作り直すバックパスが出されるも、受けに戻った野々村に対し左サイドで外山が戻るのが遅れ。
そして栃木のプレスに捕まってしまうも、パスを受けた外山が矢野に反則を受け何とか命拾い、というシーンが。
流れを得た栃木、終盤はスローインを数多得て押し込み。
アディショナルタイム、右サイドでのスローインから矢野がクロス、跳ね返りを中央で畑が拾ってシュート。(ブロック)
フィニッシュはこれだけと数少ないながらも、松本に反撃の糸口を与えないまま前半を終えます。

セルジーニョ依存のツケが露呈したかのように、自ら繋ごうとしても上手くいかなかった前半の松本。
ハーフタイムの交代はありませんでしたが、後半に入るとガラリと試合内容を変える事に成功します。
風に頼れなくなった事もあり、ショートパスによるビルドアップを中心とする覚悟が決まったでしょうか。

後半1分に早速、外山の左サイド手前からのクロスを、ファーサイドで阪野がヘディングシュート。(GKオビンナキャッチ)
この幕開けで松本がボールを握っての攻勢がスムーズに始まりを見せ。
3分にはゴールキックから短く繋ぎ、左サイドでパスワークののち中央→右へとサイドを変え。
河合の手前からのクロスを栃木・柳がクリアミスしてエリア内にこぼれ、すかさず阪野がフリーでシュート。
しかしGKオビンナが至近距離で足でセーブして同点ならず。
この後CKが3本続くなど、出だしから明らかに見違えた姿勢を見せる松本。

サッカー的には、ボランチの平川が最終ラインに降りる事で繋ぎがスムーズになり。
ミシャ式のような基本形となりましたが、上がるのはCBの片側のみが主で基本は3枚の最終ライン。
栃木は前回観た際、相手の山口のビルドアップにまるでプレスが嵌らない状態を続けていたという具合に、最終ライン3枚に対してのプレスが甘く。(前節も大宮に1-3で敗北)
この日は松本がサイドで人数を掛けてパスを繋いだのち、最終ライン経由で中央から逆へとサイドを変えられると、プレスが途切れてしまう事となりました。

一気に劣勢になった栃木、14分に左サイドで松本・常田の裏狙いのロングパスを、GKオビンナが判断良く飛び出してヘディングでクリア。
しかしタッチに出て松本のスローインとなったボールを、あろう事か妨害してしまい遅延行為で警告を受ける破目になります。俗に言うスイカ泥棒
ベンチもこうした展開を受けて先に動き、15分に谷内田→森へと交代。
(松本も16分に阪野→榎本に交代)

何とかやり返して一息つきたい栃木は、17分に自陣からのフリーキック、ロビングを矢野が落とした所に中央で黒﨑がシュート。(枠外)
しかしその後も松本に攻められっぱなしの状況が続き、最終ラインで跳ね返して凌ぐシーンが続きます。

そして後半の飲水タイムが挟まれる(23分)と、明ける際に再度動く栃木ベンチ。
畑→小野寺へと交代、FWを削ってDFを増やすという采配の通り、3-4-2-1へと布陣変更。
5バックのシステムで跳ね返しに掛かります。(小野寺は右CBに入り、1トップが豊田・シャドーには矢野と森)

所謂「引き籠りスタイル」となった事で、松本のボール支配は止まず。
左サイドでパスを繋ぎつつ、中央→右へとサイドを変える攻撃が顕著になり、フリーで右ウイングバックの下川が受ける事数多。
全員敵陣でプレーする時間も長くなりましたが、その代わりにスペースを探してフィニッシュに辿り着く作業を強いられる事となります。
下川の右サイドの突破からファーサイドに上がったクロスを、逆の大外である外山が受けるシーンも目立ちましたが、それでも栃木ブロックの中を中々突けません。
31分には左CKから、キッカー佐藤和弘のクロスが中央の榎本を越え、ファーで大野が合わせるもGKオビンナがセーブ。
その跳ね返りを伊藤がシュートするも、左マイナス方向に逸れてしまいモノに出来ず。

圧力は相当なもので、栃木は全く攻撃機会を得れずの防戦一方となり。
松本は36分に外山・佐藤和→村越・米原へと2枚替え(下川が右WB→左WBへシフト)、フレッシュな選手の投入で尚も流れを継続に掛かります。
(栃木も37分、豊田→有馬に交代)

村越は下川と異なり中央を使いたがるタイプのようで、右サイドで受けてカットインしたり、自分へのパスをダイレクトで中央へ縦パスを送ったりと変化を付け。
39分には最後の交代カードを使う松本、河合→山口へと交代。
プレースキックを山口が務め、開始当初とは別のチームという雰囲気を醸し出しつつ攻勢を強めます。

しかし栃木の中央はやはり固く、必死のディフェンスの前に決定機を掴めず、シュートシーンも少なく終わり。
ATも目前となり、栃木・矢野がCKのディフェンスの際に痛んで長々と倒れ込むシーンを目にすると、緊張感が切れてしまったのかとうとう攻め疲れを起こしてしまいます。

ATに入ると栃木がボールを拾っては、敵陣深くでボールキープするシーンを何度も作り時間を進めに掛かり。
何とかその流れを切った松本、最後は中盤右サイドからのFKに対し、GK村山も上がる総攻撃体制。
山口のファーサイドへのクロスを、抑えにいったGKオビンナが弾いた所を、村越がシュート。
しかし角度が無くマイナス方向のボールになってしまい、タッチを割り。
これが何故か松本ボールのスローインと判定され、栃木サイドが審判に対し怒りを露わにしますが、その後の松本の攻撃を切って事無きを得ました。
0-1のままスコアは動かず、6ポイントマッチを制したのは栃木という結果に。

今節開始時までは、14~22位の9クラブのポイント差が僅か4という大混戦となった残留争い。
とりあえず一歩抜け出す事に成功した栃木、やはり2年前の修羅場を制した経験は大きい、といった所でしょうか。


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