<福島スタメン> 3-4-2-1
GK 山本
RCB 福島隼斗 CCB 堂鼻 LCB 鎌田翔雅
RWB 吉永 DH 上畑 DH 鎌田大夢 LWB 池高
IH 樋口 IH 橋本
FW 雪江
<鳥取スタメン> 4-4-2
GK 田尻
RSB 坂本 CB 鈴木 CB 石田 LSB 魚里
RSH 秋山 DH 世瀬 DH 新井泰貴 LSH 清永
FW 大久保 FW 石川
福島のサッカークラブといえば、Jリーグ入りを目指していたものの、J2が出来る前の1997年に破産・解散となった福島FC。
その後を継ぐかのように生まれた(正確には1996年に創設)ものの、目標であるJFLへの昇格が叶わないまま現在に至っているFCプリメーロ辺りが思い浮かぶでしょうか。
しかしJリーグ参入を果たしたのはプリメーロでは無く、その後の2002年に新設されたクラブである福島ユナイテッドFC。(当初の名称はFCペラーダ福島、以下福島)
「イスマイラを輩出し、J2(京都)に押し上げたクラブ」として知名度が上がった感がある今季。
現在監督を務めているのは時崎悠氏で、現役時代は湘南でスタートし、最終的に福島で引退というキャリア。
つまりはOB監督であり、今季からの新任ですが、JFL時代の2012~2013年に指揮を執ったという歴史もある人物。(もっと言えば、選手時代の2007年に兼任監督の経験あり)
しかしフロントは元湘南という肩書の方にこだわっているようで、過去には栗原圭介氏・田坂和昭氏(現栃木監督)が務めた福島の監督業。
それもそのはずで、2013年以降現在J1の湘南と業務提携を結んでいるクラブ。
その縁はこの日も、湘南のスタジアムDJ(三村ロンド氏)が「レンタル移籍」でホームのとうほう・みんなのスタジアムのDJとして腕を奮うという形で表れていました。
提携以降、湘南からレンタル加入する選手の割合が増加し、今季も福島隼・トカチが在籍中。(トカチは今季から完全移籍)
その福島隼がゲームキャプテンを務め、「福島のキャプテンは福島」というメッセージを発信する事で、福島のクラブをアピールするかのように見えたこの試合。(本来のキャプテンは河西と諸岡の2人)
前半3分の福島、池高が左サイド奥へ切り込んでコーナーキックを獲得すると、コーナースポットへボールを足で移動させたのち場を離れ。
するとキッカーの位置に向かった樋口がドリブルを開始するというトリックプレーを仕掛けましたが、審判に止められてしまい。
どうやらルール改正が行われたようで、このプレー自体が不可能になったとの事。
昨年徳島が見せた事があるプレー(この試合)であり、改正はそれ以降行われたのでしょうか。
これで流れを失ったのか、ファーストシュートは7分に鳥取が放ち。(大久保・石川が中央突破を仕掛け、こぼれた所を秋山がミドルシュート・ブロック)
11分には福島も、右サイド奥からのフリーキックを得て、ボールはキッカー樋口のクロスに福島隼が合わせたような軌道を描き。
枠外のヘディングシュートという絵図でしたが、福島隼は相手に先に当たって自分は触れていないと抗議の姿勢を見せます。
しかしゴールキックの判定は変わらず、判定でギクシャクするような立ち上がりを強いられた福島。
そしてその流れに従うかのように、鳥取が攻勢に。
福島がトリックプレーで失ったCKを、多数得る等押し込み続けます。
18分には中央からの直接FKを得て、距離はかなりあったもののキッカー世瀬が直接シュート。(壁に当たり枠外)
この日は雨模様で、ピッチ上にも水分がかなり多い状況が影響したのか、FWに当てるロングボール中心の攻めが多かった両チーム。
21分の鳥取の攻撃、世瀬のロングパスを大久保がフリックでエリア内に送り、受けた清永がシュートするも枠外に。
23分には福島も、左サイドで池高がカットインからエリア内へロビングを上げ、雪江が胸で落とした所を樋口がシュートしますが枠を捉えられず。
飲水タイム直前に双方とも、それを象徴するようなフィニッシュシーンを作りました。
明けた後は、中々ショートパスが繋がらずにカットされるシーンが多発。
そして28分に、自陣で福島・上畑がバックパスした所、水でボールが失速。
慌てて鎌田翔が蹴り出した所を清永がカットして鳥取のショートカウンターとなり、これを直接大久保が裏抜けで受けてシュート。
先制かと思われた軌道でしたが、左ゴールポストを叩いてしまい、詰めにいった石川も撃てずと決定機を逃してしまいます。
以降もロングパス中心の攻撃となり、スローインも増大。
その度にFWがそれを収めにいくというシーンが増えるといった枠組みのまま、前半も終盤を迎え。
そしてそのスローインからの好機をモノにしたのは福島でした。
42分左サイドでのスローイン、跳ね返されるも池高が拾ってボールを確保、中盤の底まで戻してから逆サイドへ。
そして吉永からクロスが上がると、中央で橋本が落としたボールを池高が拾い、左ハーフレーン・エリアライン付近からシュート。
ボールは巻く軌道で綺麗に右サイドネットへと突き刺さり、見事なプロ初ゴールを挙げた池高。
現在は浦和から育成型レンタル中の立場ですが、J3の場でどれだけ自身の価値を上げる事が出来るかが勝負となるでしょう。
その後は鳥取も、清永のロングスローを交えて反撃しますが、ゴールを奪う事無く前半終了。
ハーフタイム、動いてきたのはリードしている福島の方で、堂鼻→河西へと交代。
本来のキャプテンの投入で、福島隼がキャプテンマークを譲ると共に、フォーメーションも大きく弄ります。
<後半の福島> 4-2-3-1
GK 山本
RSB 吉永 CB 福島隼 CB 河西 LSB 鎌田翔
DH 上畑 DH 鎌田大
RSH 池高 DH 樋口 LSH 橋本
FW 雪江
雨は止む気配が無く、ピッチ上では水が浮くのが目立ち始めます。
後半立ち上がり、ビハインドの鳥取が攻勢を掛け。
後半3分に魚里のミドルパスを大久保が胸トラップから、反転シュートを放ちますがゴール左へ外れ。
4分には自陣からの世瀬のロングパスが、直接エリア内を突いて石川が受け、切り返しからシュートするもブロックに阻まれます。
一方、大胆なポジションチェンジを敢行した福島。
前半は左右に散っていた吉永・池高が同サイドになった他、左サイドの攻撃では鎌田翔と鎌田大が近い位置を取り、ショートパスを繋ぐ場面が目立ちます。
11分にはその「W鎌田」による左サイドでの突破から、鎌田大のクロスをファーサイドで樋口が落とし、雪江がボレーシュートにいきましたがミートせず不発。
以降次第に膠着状態となり、得点が欲しい鳥取もベンチが動き。
17分に秋山→田口へと交代します。
1点を争うゲームとなる中、それに文字通り水を差す格好となるシーンも頻発。
18分の福島の攻撃、右サイドで池高がドリブルで前進ののち、エリア内へカットインし中央へ横パス。
しかし水たまりで失速し、橋本に渡らず終わります。
21分には鳥取も、大久保の左奥からのクロスがクリアされたボールを新井泰が拾い、右に展開するもこちらも水たまりに阻まれ。
坂本へのパスは通らず終わってしまいます。
どちらが押し気味かという判断もしかねる、好試合というよりは、絵図の通り泥仕合の様相へと突入しつつあったでしょうか。
福島サイドは22分に2枚替え(池高・橋本→長野・トカチ、雪江が右サイドハーフにシフト)を敢行。
23分に鳥取のCKから、田口が叩き付けるヘディングシュートを放つもゴール上に外れた所で、後半の飲水タイムが取られます。
福島が先程投入された長野・トカチが、水分補給をせずピッチに残っていたというシーンが描かれる中、試合は第4クォーターへ。
過去に「田んぼサッカー」と揶揄されたのを彷彿とさせるピッチ上もあり、ロングパス中心の攻撃が必須となる状況で、スコアを動かしたのは最終ラインからの繋ぎでした。
28分の鳥取、最終ラインから左SBの魚里が受けると、縦パス→清永ポストプレイで受け直してからドリブル。
ディフェンスにこぼされるも、拾った大久保がすかさずシュートし、ブロックされたボールを石川が拾ってエリア内へラストパス。
受けたのはここまで上がってきた魚里で、尚も前進ののちシュート。
ゴール左へと突き刺し、同点に追い付いた鳥取。
ホームで勝利を挙げたい福島は、31分に雪江→森へと交代。
前節に加入後初出場で即ゴールを挙げた森の投入で、勝ち越しのため攻め込まんとします。
その通りにペースを掴み押し込む福島ですが、悪天候もあり綺麗な攻撃は中々出来ず。
肝心のフィニッシュシーンも34分には上畑が、35分には長野がともにボレーシュートをミート出来ずと、天候による影響を感じさせるシーンを頻発させてしまい。
一方防戦を強いられる状況となった鳥取は、36分に大久保→原田に交代。(田口が右SH→FWへシフト)
終盤が見え始めた状況で、尚も攻勢を続ける福島。
右サイドでのスローインに連続で持ち込むという漸進戦術を見せ、これにより泥臭いながらも攻撃権を独占していきます。
そして40分、味方のクリアを右サイドで拾った鎌田大から攻撃開始、受けた森が前進ののち中央へパス。
これを手前で長野がフリック(意図的かどうかは不明)し、中央で樋口がワントラップでエリア内右を突き、そのままシュート。
際どいコースながらも鮮やかに左サイドネットギリギリに突き刺さり、待望の勝ち越し点を挙げた福島。
直後に鳥取は清永→杉井へと交代し、望みを繋ごうとするも、中々ボールを繋げず。
それどころかキックオフ直後、あろう事か後ろに蹴り出したボールが水たまりで止まり、福島に奪われてしまう始末。
アディショナルタイムに突入し、完全なロングボール攻勢へと切り替える鳥取。
何とか石田のロビングを中央で原田がヘディングで合わせますが、威力に欠けてGK山本がキャッチ。
結局そのまま福島が逃げ切り、2-1で勝利を収めました。
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