ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第28節 栃木SCvsレノファ山口FC

2021-09-08 16:32:48 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(順延25節・群馬戦、0-1)
※前回の山口の記事はこちら(22節・磐田戦、2-2)
※夏の移籍情報についてはこちら

開始早々の前半1分、溝渕のラフな蹴り出しが、ワンバウンドして山口ディフェンスの裏を取るボールとなって栃木の決定機を演出。
これを受けた畑がエリア内からシュートするも、GK関がキャッチ。
何とか凌いだ山口ですが、これがハプニング性高いゲームの幕開けのようなシーンとなりました。

「ストーミング」スタイルを基調とする栃木とは裏腹に、山口は最後尾からしっかりと繋ぐスタイルを軸に、相手の隙を突いての攻撃を仕掛けるチーム。
しかしいきなりのピンチに浮足立ったか、4分にも栃木が決定機。
畑のボール奪取から谷内田が中央をドリブル、そしてエリア内へスルーパスを送ると、走り込んだ有馬がシュート。
GK関が前に出てセーブするも、勢い余った有馬と交錯してしまったのが山口にとって運の尽き。
跳ね返ったボールを西谷がダイレクトでエリア内に送ると、待ち受けていた豊田がバックヘッドでゴールへねじ入れるという技ありのシュート。
関が動けない状況ではどうにもならず、早々に先制した栃木。
この後関はその場で治療を受け、何とかプレイを続けるも、9分にこぼれ球を抑えた際に再度痛んでしまい続行不可能となってしまいます。
そしてベンチに入っていた吉満が急遽交代出場。

ハプニングによる被害を被ってしまった山口の立ち上がり。
気を取り直し、ボールポゼッションにより攻撃権を掴んで追い掛ける展開を演じます。

軸となっていたのが左ウイングバックの石川で、栃木のプレッシングを最終ラインでいなした末に、フリーになっているシーンが多々。
強度の高い栃木相手にしては、労せずしてビルドアップの出口と化しており。
そこから石川が中央へ縦パスを打ち込んだり、前へスルーパスを送ったりと、左サイドを起点とした攻撃を繰り広げます。

それでも好機となるのは、最終ラインで左右を揺さぶったのちの、裏狙いのロングパスという手法が目立った山口。
16分には田中陸のロングパスをエリア内右で収めた草野、そのまま右へと流れたのちシュートを放つも、前に出ていたGKオビ・パウエル・オビンナのブロックに防がれ。
直後にはヘナンのエリア内左へのロングパスに、今度は島屋が走り込んでダイレクトでクロス。
ファーに流れるも、その先に居た川井がシュート。(ブロック)

飲水タイム(23分)ののち最初に好機を作った山口、今度も変わらぬ手法で結果に結び付けます。
25分、左サイドから石川が中央へロングパスを送ると、草野が栃木センターバック2人(柳・乾)に付かれつつも収め、そのままペナルティアークからシュート。
栃木CBの対応の拙さも交わりましたが、縦ポン一発という言葉が相応しいゴールとなり、同点に追い付いた山口。

その後も攻勢を続け、好循環を保つ山口。
31分からコーナーキック攻勢に入り、1本目はクリアされたのち左サイド奥で組み立て、島屋がエリア内左から切り返してシュート。(ブロック)
2本目はクリアボールを拾った石川がミドルシュート。(エリア内のヘナンに当たる)
この時間帯は右サイドからの攻撃も交えつつ、多彩な攻めで栃木サイドを押し込みつつありました。

しかし38分に、草野が栃木・佐藤祥に反則を受けると、栃木・谷内田が異議(遅延行為かも?)で警告を受け。
ここから両チームに警告が出される展開となり、44分には佐藤祥に対し後ろから引っ張った山口・田中陸が、アディショナルタイムには田中渉をアフターで削ってしまった栃木・佐藤祥がそれぞれ受ける事に。

こうした乱戦模様になると栃木の思うツボで、ペースを失った山口を尻目に、終盤はGKオビンナのフィードを中心に攻撃を展開。
43分には山口・田中渉のロングパスを有馬がブロックし、前線で奪ってのショートカウンター。
畑のドリブルからのシュートは有馬に当たってしまうも、その有馬のポストプレイから佐藤祥がシュート(ゴール左へ外れる)と惜しいシーンを作り。
序盤に起きた関の負傷によりATは長めでしたが、上記の警告シーンもあり特に絶好機は見られず、1-1で前半を終えます。

「屈む年」の典型となってしまっている今季の栃木。
明本・田代といった主力選手が抜け、成績的にも前年から低下。
それだけでは無く、類似したチームカラーの秋田がJ3から昇格してきたという外部的要素もあり。
その秋田が残留争いを高みで見下ろす中位の位置をキープしており、どうしても下位互換と見られてしまいがちな栃木のサッカー。
従来のJ2クラブ相手に一歩も退かない秋田の戦いぶりが、逆に否定意見を呼び起こし(記事例1記事例2)「アンチフットボール」と揶揄される現象も起きる等、今季の秋田の存在が(賛否は別として)一定の波紋を生み出しているのは明らかでしょう。

前年のサッカーを取り戻すため、夏の補強ではオビンナ・黒﨑・溝渕を獲得し「出戻り組」を形成。
前節に久々の勝利を挙げた(愛媛戦・1-0)ものの、実にこれが12試合ぶりと、中断期間も考慮すればとても長く感じたであろう未勝利の期間。
サッカー的に、どうしても爆発的な攻撃力は期待出来ないチーム状況ですが、この日はここから意外な展開を描く事となります。

後半が始まり、ロングパスの蹴り合いによる入りを経て、川井のドリブルで反則・フリーキックを得た山口のチャンス。
クロスがクリアされるも、拾った田中陸から再度前線にロングボールが送られると、川井の落としを草野が受けてエリア内右を突く絶好機。
しかし放たれたシュートは右サイドネット外側と、枠を捉えられず。

後半の山口の攻撃は、一転して右CBの眞鍋が前に出る形を採り始め。
その分右側に出た渡部が起点となり、右サイド重視と見せかけて左へ展開するなど、左右くまなく使う攻撃を仕掛けます。

しかしその効果が出る前に栃木が攻勢を掛け。
後半9分、溝渕のミドルパスを中央で受けた有馬、そのまま左に流れ前進してクロス。
これがファーサイドに上がると、大外で黒﨑がヘディングシュートを放ちましたがGK吉満がセーブ。
ファーサイドへのクロスの威力が表れると、続く10分にもその攻撃を完遂。
ボランチの西谷を中心に、サイドチェンジのパスも交えつつ左右を揺さぶるという栃木っぽくない攻撃を経て、左サイドで谷内田がカットインからのクロス。
これもファーサイドに上がった末、合わせたのは豊田。
今度はGK吉満も止められず左サイドネットに突き刺さり、豊田の空中戦のパワーが炸裂して勝ち越し点を挙げた栃木。

再び追う展開を強いられる山口。
14分には渡部のロングパスが低いボールで島屋に渡り、そのままシュート(枠外)と、渡部が起点となる攻撃は機能しており。
また依然として、ビルドアップから石川がフリーで受ける場面が目立つなど、チャンスの芽は依然として健在。
栃木が4-4-2、山口が3-4-2-1というフォーメーションのギャップが、綺麗にこの現象を生み出していたという印象でした。

有利に進める山口ですが、得点は奪えぬまま後半の飲水タイムへ。(25分)
しかも栃木お馴染みの武器であるロングスローもある位置でのスローインで試合が切られた事が、大きな影響を及ぼす事となります。

明ける際に、島屋・田中渉→高井・河野に交代。(池上がシャドー→ボランチにシフト)
反撃意識を高める交代でしたが、逆に栃木の最初の攻撃への意識が薄れてしまったか。
左からのスローインで試合再開、当然栃木は溝渕がロングスローを入れ、ニアで柳がフリック。
これはクリアされるもボールは柳の下に収まり、中央方向へ切り返したのちエリア手前からシュート。
GK吉満のダイブも届かず、ゴール右へと突き刺さり追加点を挙げた栃木。
シュートは鮮やかでしたが、スローイン以外は柳のみで攻撃を完結という、珍妙なゴールシーンともなりました。

直後に栃木ベンチも動き、有馬・谷内田→矢野・森へと交代。
当然矢野がFWに入るのかと思いきや、矢野は右サイドハーフに入り畑がFWへ回ります。
これまで何度も山口・石川をフリーにしているのを防ぐための処置でしょうか。

そんな事を考えている内に、32分に再び栃木の好機。
左サイドから森がクロスを入れると、再度ファーサイドに上がったボールを矢野が中央へ落とし。
豊田のトラップを経て畑がシュート(ミートせずGK吉満キャッチ)と、攻撃面で矢野効果が表れ。

一方山口の攻撃は、石川への対処を受け、高井が降りてビルドアップの出口役となるシーンが目立ち始めます。
33分にはその高井からエリア内へロングパスが送られると、中央で裏に走り込んだ川井が収める好機となりますがシュートまではいけず。

35分に眞鍋が痛んだのを契機に、山口ベンチは再度動き。
眞鍋・石川→大槻・澤井へと2枚替え、CBを削ってFWを入れるという交代の通り、フォーメーションも4-4-2へとシフトします。
一方の栃木も39分に畑→大島へと交代し、矢野が本来のFWへとシフト。

40分には再び栃木が、左サイドからファーへのクロスという攻撃で、森のクロスに大島が合わせヘディングシュート。
しかし枠を捉えられずに終わると、山口が反撃。
最終ラインから右へ展開、川井から中央へ打ち込まれると、草野の前で栃木・西谷にカットに入られるもこぼれ球がエリア内の河野の下へ。
拾った河野は躊躇無くシュートを放ち、ゴールネットを揺らした山口。
遅まきながら2点目を挙げ、1点差に迫ります。

栃木は豊田が足を攣らせてしまったのもあり、キックオフの前に再度交代。
既に佐藤祥→松本へ交代していた所に追加で、豊田→三國ケネディエブスに交代しました。
山口とは逆に、FWを削ってCBを加える交代で、3-4-2-1へとシフト。
しかし45分に裏へのロングパスを通され、エリア内左から大槻がマイナスのクロスを入れるシーンが。
5バックで固める策を採ったのとは裏腹に、ピッチ上での意識が曖昧な面が見られ。

その後は高井の左サイドでのドリブルで反則を受けてから、セットプレーで押し込む山口。
サイドからのFKやCK、川井のロングスローなどを絡めて最後の攻勢を見せましたが、フィニッシュには辿り着けず。
結局3-2のまま試合終了と相成りました。

降格圏に順位を下げてからの連勝で、池から顔を出し一息ついたかのような状況となった栃木。
前年とは裏腹に守備面で危なっかしさが見られたこの試合でしたが、ハプニングにも助けられて撃ち合いを制する事に成功しました。
全盛期は去ったとはいえ、豊田のパワーは相変わらず驚異的で、残留の切り札となり得るでしょうか。


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