※前回の長崎の記事はこちら(26節・秋田戦、1-1)
※前回の琉球の記事はこちら(25節・水戸戦、0-1)
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中止が相次いだ事で、中断明け早々に前年を彷彿とさせる連戦を強いられた長崎。(天皇杯含めて4連戦)
その影響で、ホームでの開催もこの日が(リーグ戦では)初と、ヴィヴィくんのカメラにズームアップするあざとい入場シーンとともに久々の感触となりました。
前節は千葉相手に、恐らくは松田浩監督就任以降の体制ではワーストゲームらしき出来での敗戦。(0-2)
連戦の最後という事を考えれば仕方無いですが、それだけにこの試合で盛り返せるかどうかが大事となるでしょう。
スタメンはFWにベテラン・都倉を復帰させるという微調整を敢行し、上位に居る琉球との対決に臨みました。
入りの長崎は、中盤を省略するように最終ラインから縦パスやロングパスをFWに送る立ち回り。
FWエジガル・ジュニオを活かしつつの攻撃を見せますが、そのエジガルがポストワークの最中に勢い余って反則を犯す事2度。
2回目のものは前半7分、左ハーフレーンからの琉球のフリーキックで、清武の直接シュートを招く結果となります。(ゴール左上へ外れる)
その後琉球は、特徴である最後尾でのビルドアップから、斜めの縦パスを軸にして攻め上がりペースを掴み。
11分には上里がミドルシュートを放つ(枠外)など、主導権を握ったかに見えました。
しかし長崎は12分、再び江川が前線へロングパスを送ると、エジガルフリック→都倉ヒールパス→エジガル前進からパス→都倉エリア内左へ進入と2トップでチャンスメイク。
都倉のクロスはクリアされるも、こぼれ球を加藤大がエリア内右へ送り、受けた毎熊がシュート。(ブロック)
強力なFWの関係性から後方の選手のシュートに繋がる攻撃を見せると、以降はビルドアップも巧く回るようになります。
22分に長崎・エジガルが、24分に琉球・武田がシュートを撃ち合った(前者はブロック、後者は枠外)のち飲水タイムが挟まれ。
再開後は琉球が攻撃権を握り、攻勢を掛けようとするも、要所で立ち塞がったのが長崎のカイオ・セザール。
縦パスを打ち込んでも、彼にカットされたり、受けた所を奪われたりと流れを切られるシーンが続出しシュートまで持っていけずに終わります。
そのカイオのボール奪取から33分に長崎が好機を作る(エリア内まで運ぶもシュートまではいけず)と、綺麗に攻守交替の運びとなり。
直後にエジガルのボールキープに対し、後ろから琉球・武田がスライディングで倒してしまい反則・警告。
中央ながらエリアからかなり手前という位置で、キッカー加藤聖はロビングを選択し、エリア内右へ上がったボールを都倉が折り返し。
中央でさらに澤田が頭で繋ぐと、エリア内で受けた毎熊が切り返しからシュートするもブロックに阻まれます。
段々とゴールが近くなってきたという印象の攻撃で、その予感通りに絶好のチャンスが訪れる事となります。
37分敵陣左サイドで名倉が拾い、ディフェンスに遭い中央へこぼれたボールを都倉とエジガルが繋ぎ、受けた加藤がエリア内へ進入しシュート。
これを琉球・李栄直(リヨンジ)がブロックするも、跳ね返りが自身の振り上げた腕に当たってしまい、審判の笛が鳴りハンドの反則に。
当然PKの運びとなり、リバウンドが当たったという事で李は判定に不服の態度を示しましたが覆る事は無く。
腕が上がっていたのが主審(大坪博和氏)にとって悪印象だったというような傍らからの感想で、VARが無い以上仕方ないでしょう。
キッカーはエジガルで、ゴール右に蹴り込みしっかりとGK田口の逆を突き、先制点を挙げました。
反撃したい琉球ですが、その後もカイオの守備に苦しみながらの攻撃で、フィニッシュに辿り着く事は無く。
45分にはカイオを避けるように、福井の斜めの縦パスを阿部がスルーしますが、奥の武田には繋がらずというシーンがそれを象徴していたように思えました。
そしてアディショナルタイムに突入し、直前のプレーで李が倒れ込む中、再びのカイオのボール奪取から長崎が攻撃。
さらに名倉の縦パスをポストプレイした都倉が倒され、ピッチ上で2人が倒れ込む事態になりますが、プレーは切られなかったため攻撃を続ける長崎。
右ハーフレーンを毎熊がドリブルののち、エジガルとのワンツーでエリア内を急襲、奥まで切り込んでの切り返しからマイナスのクロス。
これを澤田が合わせてゴールに突き刺し、何となく腑に落ちない状況ながら、流れるような攻撃で追加点を挙げた長崎。
前半を2点リードで折り返す事となりました。
仕切り直したい琉球は、ハーフタイムで選手交代を敢行。
武田→池田へ交代と、故障離脱していた池田をこのタイミングで復帰させる手段を採りました。
しかし反撃の体制が整わないうちに、最悪の形で失点してしまう事に。
キックオフから最終ラインに戻し組み立てようとしましたが、右サイドへのパスを加藤聖がカットして長崎のショートカウンターに。
拾った加藤大からエリア内左へミドルパスが送られると、走り込んだエジガルからダイレクトで中央へ送られ、都倉がボレーシュートをゴール左に突き刺し。
前半終了間際・後半開始直後というタイミングでそれぞれ失点と、結果だけを見るならば「何をやっているんだ」と言われかねない追加点となりました。
その後何とか反撃を試みる琉球、トップ下に入った池田が右サイドで攻撃に絡むも、やはりシュートには繋がらず。
逆に長崎の攻撃が映える展開となり、後半7分にはカイオのパスの散らしから、毎熊のエリア内右へのスルーパスに走り込んだエジガルがヒールでクロスを入れる珍しいシーンが。(澤田が収めるも撃てず)
9分はエジガルのポストプレイを受けた都倉がドリブルからエリア内へスルーパス、エジガルが走り込んでシュート(GK田口セーブ)と、再び2トップの関係性を活かして決定機。
その後も攻撃を遮断され、反撃を奥深くまで繋げられるという琉球にとって辛い展開が続きます。
流れを変えたい状況で、15分に2枚替えを敢行。
上原牧人・清武→上原慎也・清水へと交代し、阿部・清水の2トップとする4-4-2の布陣へとシフトします。(上原慎は左SBに入り、金井が右SBへシフト)
2トップにした事で、後方からのロングパスに活路を見出す琉球。
20分に李のロングパスをエリア内で清水が落下点に入り、こぼれた所を阿部が拾って横パス、走り込んだ風間宏矢がエリア内からシュート。
しかしGK富澤が足でセーブと、折角得た決定機もモノに出来ません。
その後も圧力を掛けて攻め込むも得点は奪えず、23分に再びカイオにボール奪取され、そのカイオが痛んだタイミングで後半の飲水タイムに。
明けた後も、琉球はロングパス攻勢を続け。
その姿勢は普段の琉球とはかけ離れたような光景ですが、この手法で後半初のシュートに繋げたという実績は無視出来ず。
そして攻撃権を支配する事に成功し、迎えた30分。
右サイド中盤で風間宏矢のボール奪取から攻撃に移り、ドリブルののちエリア内左へスルーパス。
フリーで受けた阿部が中央へ折り返し、清水が相手のブロックを外すように合わせた柔らかいシュート。
GK富澤が阿部に出ていった事もあり、GK不在のゴールに吸い込まれて1点を返した琉球。
直後にスタミナ面を考慮してか上里→風間宏希へと交代、反撃の機運を高めます。
31分に敵陣で風間宏希の左→右へのロングパスを、金井が足で折り返し、エリア内中央で阿部が跳び込んでヘディングシュート。(枠外)
尚もロングパスで好機を作る流れを継続します。
一方の長崎、ここまでカードを切らずに好循環を保っていたものの、32分についに動きます。
都倉・澤田→植中・山崎へと2枚替え。(名倉が左サイドハーフ→右SHへシフト)
前線をフレッシュにする事でロングパスを抑制する狙いだったでしょうか。
その後琉球は、プレッシング敵陣でボールを奪ってからの好機を作り。
そこから35分には阿部がシュート、41分には風間宏矢がシュートを放つもいずれも枠を捉えられず終わります。
42分に再度2枚替えを敢行した長崎。(エジガル・カイオ→玉田・鍬先)
以降ボールキープに傾倒し、最終ライン~中盤でパスを回し続けて相手のプレスをかわすという、逃げ切りには持ってこいの立ち回りを見せます。
しかし45分には一転して、植中がドリブルでエリア内に進入、カットインからシュートという一幕が。(ブロック)
ATにCK攻勢に入った琉球でしたが、シュートに繋げる事は出来ず。
結局3-1からスコアは動かず、長崎が悪い流れを断ち切るような勝利を挙げました。
既に序盤戦の新潟・琉球の2強時代から、京都・磐田の2強へと移り変わっている現在。
新潟・琉球ですら2強から離され始めている状態で、長崎はじめ後方から追いかけるクラブは、好調という表現だけでは追い付くにはまだ足りず。
大連勝が不可欠な状況で、この日の勝利をその切欠とする事が出来るでしょうか。
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