ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2022年J2リーグ第37節(順延) ロアッソ熊本vsいわてグルージャ盛岡

2022-09-22 16:34:01 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(30節・栃木戦、2-0)
※前回の岩手の記事はこちら(33節・新潟戦、0-2)

<前節からの変更>

熊本=センターフォワードの高橋が3試合ぶりにスタメン復帰し、伊東と入れ替え。この1人のみで、前節CFを務めた竹本がトップ下となり、平川が左ウイングに回ってのスタート。

岩手=宮市の出場停止も絡み、4人変更。まずその宮市の居た右ウイングバックには蓮川が入る。そして逆サイドの左WBも中村太亮→中野に代える。前線はシャドーのオタボー→奥山・FWのクリスティアーノ→キムジョンミンと2人を入れ替え。普段からターンオーバーしている割には、この3連戦は(日程が空いたとはいえ)3戦ともスタメンの選手が6人と過半数を占めた。

スタメン

昇格組同士の戦い・第2ラウンド。
日程が押し迫る状況で迎えた事で、両者の間にはとてつもない差が生まれる事となり。
岩手のホームゲームだった前回は13節・5月頭に行われ、その際の勝ち点差は3でありましたが、今回は既に25もの大差が付いており。
まさかの昇格1年目での昇格を匂わせる位置に着けている熊本とは対照的に、残留に向けた戦いに四苦八苦する岩手と、全く対照的な立場。
しかし当然の事ながら、どちらも勝ち点3が欲しいという理想は変わらず。
誤算は台風襲来のため、2日順延して連休明けに行わざるを得なかったという興行面でしょうか。

前年同時に昇格した事もあり、お互い対戦経験が豊富となっている近年。
そのため岩手・秋田豊監督の試合前インタビューも、それ故の自信を窺わせるものとなりました。

しかしいざ蓋を開けてみると、熊本の最終ラインからのビルドアップに対し、岩手は5-4-1のブロックを低めに敷くというリトリートを重視した立ち回り。
前回観た新潟戦とは対照的に、相手のボールポゼッションを壊しにいく姿勢は全く見られない立ち上がりとなりました。
まあ新潟戦では、相手のクオリティの高さに振り回される時間が長かったので、それ故の方針転換かも知れませんが。

難なく敵陣にボールを運べる熊本。
左センターバックのイヨハ理ヘンリーも常時攻撃に絡むという感じで、岩手ディフェンスをゴール前に釘付けにしていき。
そして迎えた前半11分、左サイドのスローインからのパスワークで中央→右へと移し、杉山が右サイドで1対1となる状況に。
そして入れられた低いクロスはマイナス方向へ切り返してからのゴールに向かう軌道となり、これを岩手ディフェンスラインの裏に抜け出した竹本が合わせに行った末にスルー。
このフェイントにGK野澤大志ブランドンは触れるのが精一杯で、ボールはそのままゴールに吸い込まれました。
リプレイでは明らかに竹本の飛び出しがオフサイドっぽかったのもあり、副審へ猛抗議する岩手サイドでしたが判定は覆らず。
しかしゴール前を固める意識が強かったため、杉山と分の悪い1対1(対峙したのは中野)となった末に、中央でクロスを弾くのに意識がいっていた分竹本の裏抜けに対応できずとあっては完全に同情する訳にはいかず。
リトリートのリスクが表れた格好となり、早々にリードを許してしまいました。

ファイティングポーズを取り直す岩手、直後のキックオフで好機に繋げ(奥山が左奥からクロスもブロックされる)、何とか意識を持ち直します。
しかし今度はアクシデントに見舞われる事となり。
17分、エリア内左へとスルーパスを送った戸根でしたが、FWのキムジョンミンは反応できずに繋がらず。
すると守備に入れないキムジョンミン、どうやら足を痛めてしまったらしく、倒れ込む事態となります。
早々にピッチを去る事となり、クリスティアーノが代わって投入され。

相手が対応に追われている間に、リードを広げたい熊本。
その後岩手は同点を目指さんとプレッシングを強めにいきましたが、それを交わした末にゴールを脅かし。
22分には平川のドリブルで持ち運んだのち左から上村のクロス、これをニアサイドで跳び込んだ竹本がヘディングシュートを放つもGK野澤がセーブ。
24分にもイヨハの縦パスを受けた平川がドリブル、エリア内中央からシュートを放つもブロックに阻まれるという具合に、際どい凌ぎを強いられる岩手。

飲水タイム(25分)ののち、ようやく岩手が反撃体制に移り。
1トップがクリスティアーノとなった事で、彼の高さを活かす攻撃、つまりロングボールを当てるという手法がアクセントとなり。
立ち上がりから狙っていた裏へのスルーパスは悉く繋がっていませんでしたが、一本軸が加わった事で、その他の攻撃も有効になったという感じのこの時間帯。
目立ったのはドリブルで、蓮川や和田の運びを経て好機を作っていき押し込みます。

そして終盤を迎えると、41分にはCKからキッカー奥山の中央へクロスにGK佐藤が跳び出すもこぼれ、そのボールを蓮川シュート(ブロック)→クリスティアーノシュート(枠外)と連撃。
43分にはカウンターを鋭く発動させ、モレラトのスルーパスを受けた奥山がエリア内左へ切り込み、斜めからシュートを放つも左ポストを叩き惜しくもゴールならず。
アディショナルタイムには蓮川のグラウンダーのクロスにファーサイドでクリスティアーノが走り込む(合わず)など、際どいシーンを量産していき。
着実にムードを高め、希望を繋いで前半を終えました。

後半を迎え、GK野澤がひたすらクリスティアーノ狙いのロングフィードを徹底する岩手。
前半から何度か見せていたシーンを一層前面に押し出すその姿は、急遽の出番となったクリスティアーノのスタミナをやや温存していたきらいがあったでしょうか。
しかし逆にそれ以外の手法が減った事で、再び熊本の攻撃が牙を向き始めます。

頻繁にポジションチェンジし、前節同様にトップ下のように振る舞う平川を捕まえられずに苦戦する岩手ディフェンス。
後半4分、平川経由で左へと展開したのちイヨハからクロス、クリアボールを中央で拾った平川がエリア内を突いてシュート。
切り返しでディフェンスを翻弄した末のシュートでしたが、ゴール上へ僅かに外れモノに出来ず。
これまで鹿児島でも松本でも、フィットせず今一つな実績に終始していた平川でしたが、今夏に完全移籍したこの熊本の地で躍動。
大木武監督が操る特異なフォーメーション・戦術が蘇らせたその姿は、「朱に交われば赤くなる」かのようでありました。

熊本の冴え渡るパスワークに対し、泥臭く立ち向かうしかない状況の岩手。
前半立ち上がりとは打って変わって積極的な姿勢をとり、時には甲斐が熊本最終ラインにまで詰めにいくシーンも見られる程でした。(28分)
最終ラインから一列前に出されたパスに対し、ボランチが果敢に潰しにいくという、これまでの「人に喰いつく」という特性は変わらず。
しかしこの日はきちんとボール奪取するシーンも何度か見られ、熊本に前を向かせずというディフェンスは一定の割合で出来ていたようでした。
やはり、食いついてチェックしに行くのならば奪いきるつもりでいかなければ、弱点を露呈するのみに終わるという事でもあり。

試合の方は、熊本の攻撃の流れを遮断しつつ、得意手でゴールに迫るという岩手。
しかし押し込みを見せるもののゴールは奪えず、21分にはスローインをエリア内右で受けたクリスティアーノから、モレラトとの助っ人コンビで巧く繋いでシュート体勢に持っていき。
しかしクリスティアーノが空振りして逃してしまったという具合に、最後の局面でのクオリティが露わになる展開も強いられます。
劣勢となった熊本は、19分にカウンターから決定機を迎え、スルーパスの連続を経てエリア内左で受けた高橋がシュート。
しかしループ気味に放たれたボールは枠を捉えられずと、こちらも試合を楽にする追加点は奪えません。

飲水タイム(22分)のタイミングで両ベンチが動き、岩手はモレラト・小松→ブレンネル・中村充孝。
熊本は竹本→坂本へと交代します。(平川がトップ下に固定)

岩手はさらに、29分にディフェンスに入った中野が足を痛めて(攣った?)動けなくなり、30分にビスマルクと交代。
タレントを多く揃え、同点を目指す体勢を保ちます。
2人(クリスティアーノ・ブレンネル)による広範囲のポストワークを利用して押し込み、得意のセットプレーからそれを果たさんとする岩手。
その際のポジション取りで時間を使ってしまう場面も目立ちましたが、実りかけたのが37分の左サイドからのフリーキック。
キッカー中村充のクロスを中央でクリスティアーノが合わせ、放たれたヘディングシュートがゴールネットに突き刺さり。
しかしオフサイドを取られてしまい、同点ゴールは幻となりました。
色々過程はあったものの、結局はこのオフサイドを巡って明暗が分かれた、という言葉に集約されてしまいそうなゴール前での結果を描く事となり。

すると直後の38分、熊本が杉山のパスカットから敵陣で攻撃開始、エリア内中央での平川のシュートがブロックされて右CKに持ち込み。
キッカー河原のクロスはGK野澤の飛び出しでこぼれるも、左サイドで拾って繋いだのち三島のクロスが上がり、大外で菅田がヘディングシュート。
GK野澤が足でセーブし、跳ね返りを河原がシュートしますが岩手・和田がブロック、しかしさらに掻き出されたボールを上村が追撃。
これもGK野澤が足でセーブし、混戦となるも何とかこれ以上撃たせず、GKが連続して足で防ぐというまさに紙一重で凌いだ岩手。
好機の作られ方に落胆が伺えたものの、本丸は堕ちずという事は示しました。

意地は見せた岩手ですが、どうしても欲しい結果には辿り着けず終盤戦へ。
その最中の45分、甲斐の振り上げた足が熊本・上村の顔面に入るという蒼白になりそうなシーンが生まれてしまい。(カードは出ず)
ピッチ外で治療を受ける上村を見て、すかさずベンチが動き藤田へと交代した熊本。(その後ATで最後の交代、杉山→粟飯原)

そのためか熊本は(ATの最中に藤田がエリア内を突くも、蓮川に倒されてノーファールという場面もあり)ATはややいきり立つという感じになり、反則でFKを与えてしまう場面が膨らみます。
岩手はそれを利用する形で追い付きたい所でしたが、何とか凌いだ熊本がウノゼロで逃げ切り。
ダブル達成で、昇格クラブの明暗を完全に示す格好となりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2022年J2リーグ第37節 大宮アルディージャvs栃木SC

2022-09-21 16:01:10 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(31節・仙台戦、3-2)
※前回の栃木の記事はこちら(34節・群馬戦、1-1)

<前節からの変更>

大宮=3連戦の最終日のはずだが、11人とも変更無し。3連戦というスパンでも、前節に矢島慎也→山崎へと入れ替えたのみと固定傾向が強い。残留争いの渦中故にターンオーバーする余裕は無い、というべきか。

栃木=こちらも左ウイングバック(吉田→福森)のみの変更と大人しい。(ただし前節では4人入れ替え)ベンチメンバーも西谷→佐藤と同一ポジション同士の入れ替えのみと、起用傾向が固まりつつあるようだ。

スタメン

大宮・群馬・岩手・琉球の4クラブに絞られた感のあった残留争い。
その中で最近好調の大宮がそこから抜け出さんとしており、この日は直ぐ上の位置に居る栃木をその渦中に巻き込まんとする一戦となりました。

勝ち点差は5なので、栃木にとっては引き分けでも良いので差を詰められたくないという立ち位置。
そのためか普段は果敢なプレッシングが持ち味の栃木も、その姿勢は消極的であり。
とにかく先制点を与えたくないという思惑が感じ取れたものの、原因は過密日程+固定傾向のメンバーによる省エネ戦法を採ったからなのか、ないしは大宮のロングボール中心のビルドアップなのかと他にも考えられる状況。

対する大宮も、3バックの栃木相手にハイプレスは分が悪いと感じたのか(ないしは単に同様の省エネ戦法か)前線の守備は構える体勢が中心。
そのためどちらも最終ラインでパスを繋ぎつつ、じっくり隙を伺うという立ち回りの時間が長い前半となりました。

その中でWBの突破力と、それを支える左右のセンターバックという2枚看板?でサイドを推進するという攻撃の形を持つ栃木が、ショートパスの割合を多くして攻め。
前半6分右サイドから黒﨑がアーリークロスを入れ、クリアが小さくなりエリア内で矢野がヘッドで繋ぎにいき。
中央で拾った大島のポストプレイから神戸がシュート(ブロック)と好機を作りました。
以降もサイドからクロスの雨あられを浴びせにいく栃木。
中央でポストプレイヤー(宮崎・矢野)が揃っているという要因も、その逆択となるようにサイド突破を援けていたようでした。

一方の大宮は裏へのロングパス中心で押し込み、隙あらばサイドハーフの突破力を見せるという方策。
11分に左コーナーキックを得ると、キッカー柴山はグラウンダーでマイナスのクロスを入れ、ダイレクトで小島がクロス気味のシュート(枠外)と変化を付け。

失礼を承知で言えば動きの少ない展開となりましたが、19分から立て続けに栃木のクロスを、GK志村が跳び出すも弾いてしまうという危なっかしいシーンを作る大宮。
その2度目にはこぼれたボールを福森が逆向きの体勢でシュートしましたが、ループ気味にゴールに向かったボールは小島がクリアして命拾い。
好機で相手を上回っていた栃木ですが、その内容は決して良好という訳でも無く。
時間が進むにつれて本来のプレッシングを取り戻さんとしますが、前線と2列目の連動性が今一つといった感じでボール奪取するシーンは作れず終わります。
28分には大宮の戻しに対しボランチの谷内田が大宮CBまで追いかけてしまい、すかさずそのスペースに新里に縦パスを送られ好機を作られる(シュートには繋がらず)といった危ない場面もあり。

しかし最終ラインから繋ぐという意識を一定割合で見せる栃木。
ボールを繋ぎつつ相手をスライドさせ、逆サイドのWBをフリーにした所にサイドチェンジのパスを送るという攻めが機能して好機を作ります。
36分にはその流れでサイドチェンジを受けた黒﨑がクロス、クリアがエリア内右にこぼれた所をさらに大島が中へ入れ、神戸がダイレクトでシュートしましたがGK志村がキャッチ。
それでも直後の37分には、相手の攻撃をクリアして切るも、その跳ね返りを拾った大宮・小島のミドルパスでエリア内を突かれ。
収めた中野がシュート、ブロックするも尚も拾った柴山がシュート(ブロック)と連撃を浴びる等、前へ向かおうとする所に逆襲を受けるとたちまちピンチとなり。
この辺の切り替えの判断を失敗したくない所でしょうか。(この試合の決勝点のシーンとか)

結局前半はスコアレスと、省エネ気味の戦いに相応しい結果を描いて終わり。
後半に向けて栃木がハーフタイムに動き、宮崎・福森→根本・吉田へと2枚替えを敢行します。

しかしこれは果たしてギアを上げるためだったのか、ないしはこの後水曜にも試合を控えるという過密日程を睨んでのものだったのか。
恐らく後者寄りだった(と思われる)ためか、後半が始まると一転して攻撃機会は減少する事となります。

大宮もスローイン中心に押し込むという大人し目の入りだった後半。
しかし後半10分、袴田のロングパスを右サイドでフリーとなっていた柴山が収めるという、前半の栃木・黒﨑のシーンを彷彿とさせる流れから好機。
彼のパスを受けた栗本がエリア内右を突き、ラストパスを受けた中野がシュートするもカルロス・グティエレスがブロック、さらに栗本のパスから中野が再度シュートも大森がブロックと連撃を浴びせ。
ストライカー宜しくフィニッシュ意欲を見せ付けた中野、続く12分には富山のスルーパスを受けてそのままエリア内左を突くと、今度は中央へのラストパスを選択。
受けた山崎が切り返してシュートを放つも、ブロックに当たり枠を逸れ。
ゴールまで後一歩という流れの中で迎えた直後の右CK。
最初のクロスが跳ね返されたのち岡庭が再度クロスを上げると、ファーサイドで栗本折り返し→新里ボレーシュートという綺麗な流れでゴール。
サポーターの目の前で、待望の先制点を挙げた大宮。

ビハインドとなった栃木は反撃体制に移るも、自陣からのフリーキックを素早くリスタートするなどやや焦りも見られた流れに。
それ故に切り替えの判断も誤り易くなり、迎えた17分。
大宮の最終ラインからのビルドアップに対し構える姿勢をとったものの、小島のボールキープを経て中央から縦パスを連続で許してしまい一気にエリア内まで運ばれると、一旦左サイド奥で溜めを作る大宮。
そしてショートパスの連続で再度エリア内へ持っていき、最後は短いスルーパスに走り込んだ中野が足を振り抜き、ゴールポストを強烈に叩いた勢いそのままにゴールイン。
ゴールへの意欲をとうとう結果に結び付けた中野。
逆に栃木はハイプレスで小島を潰しにいけていれば……と悔やんでも時既に遅し。

短時間で2点差とされてしまった栃木、前半のように右サイドの黒﨑へとボールを集めて何とか好機を作らんとします。
しかし既に大宮はスペースを与える体勢では無く、奥に切り込まんとするとディフェンスを振り切れず終わるので、結局アーリークロスを上げるしか手立てが無くなり。
手詰まり感が見えてきた所で、22分に再度ベンチが動き矢野・大島→ジュニーニョ・高萩へと2枚替え。
同時に大宮も富山→河田へと交代します。

ボランチの位置まで降りてくる高萩を利用する事で、何とかスペースを作らんと繋ぐ栃木。
25分に絶好機が訪れ、ようやくグティエレスのミドルパスを受けた黒﨑が右奥へとドリブルで切り込み。
戻しを受けた谷内田がクロスを入れ、クリアされるも逆サイドから繋ぎ、左ポケットから吉田がマイナスのクロスを入れる体勢を作ります。
そしてニアサイドで根本がシュートしますが、大宮も袴田のブロックでやらせず、結局モノに出来ず終わりました。

この乾坤一擲といえるチャンスを掴めなかった栃木、落胆するかのように28分、大宮のロングパスからのセカンドボールを河田に拾われての危機。
左サイドでボールキープする河田から、こぼれ球を拾った山崎のカットインを経由、そしてパスを受けた中野がシュートと綺麗に中央へと運ばれた末に右サイドネットに決められ。
これで3-0と、勝利をほぼ確実なものとした大宮。
直後に山崎・柴山→大山・武田へと2枚替えを敢行します。

何とか反撃したい栃木、直後の31分にパスワークを経て再び黒﨑がドリブルで持ち込み、今度は自身がエリア内右からマイナスのクロス。
ディフェンスに当たってこぼれた所を根本がシュートしますが、GK志村のセーブに阻まれてまたもゴールならず。
単なるクロスに比べて期待値の高い攻めからでも得点出来ないとあっては、今日は運が無かったと言うしか無いでしょうか。
しかし諦めは許されず、尚も試合は続き。

後はボールキープを重視しつつ、前掛かりになる相手の隙を突くというスタイルに入る大宮。
しかし35分に、この日2ゴールの中野が足を痛めてしまい(攣らせた?)お役御免となります。(矢島輝一と交代・同時に新里→田代へと交代)
一方の栃木も同時に大森→森へと交代し、カードを使いきり。

この交代で栃木はCBを一枚削った事で4バックにするとともに、高萩をトップ下とする4-2-3-1の布陣へとシフト。
人数を掛けて攻め上がりますが、守備意識を高めた大宮の前に既に運気は無いといった状況で、逆に大宮のカウンターに脅かされる事となり。
42分に河田→矢島輝ポストプレイ→大山ドリブルと素早く前線へ運び、河田のスルーパスが武田に渡り、受けた武田は中央からミドルシュート。
GK川田のセーブに阻まれるも、CKを獲得と時間稼ぎには十分過ぎる結果を齎します。

時間も進みアディショナルタイムへ突入。
当然栃木は最後の攻勢を掛けるも、得たCKでは高萩ショートコーナー→黒﨑戻す→高萩という繋ぎがオフサイドを取られるという、コントかと疑ってしまうようなシーンも見られ。
それでも斜めの縦パスを右ハーフレーンで受けた森から、黒﨑に渡りやはり右サイドから崩し、奥に出されたボールを高萩が返したのち森からのクロス。
中央で根本がヘディングで合わせると、ボールはゴールバー下を叩いたものの、GK志村の足下に当たりゴールに吸い込まれるという意地のようなシュートで1点を返します。

しかし決定的に時間が足りない栃木。
さらに攻め込まんとするも、最後は大宮に再びカウンターを浴びてしまう事となり、小島のスルーパスに抜け出した武田が中央からシュート。
GK川田がまたもセーブ、尚もゴールに向かうボールを鈴木がクリアして間一髪防いだものの、その直後に試合終了の笛が吹かれ。
3-1で勝利した大宮、これで栃木との勝ち点差は2となり、その足下に蜘蛛糸を絡めたという状況を作り。
琉球・岩手が勝ち点を伸ばせない状況と、残留争いも優劣が付いて来たようでありますが、一つでも上へ昇って安心感を得たいのは当然過ぎる事でしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2022年J2リーグ第37節 アルビレックス新潟vs水戸ホーリーホック

2022-09-20 16:01:11 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の新潟の記事はこちら(33節・岩手戦、2-0)
※前回の水戸の記事はこちら(32節・山口戦、0-1)

<前節からの変更>

新潟=3連戦の最後であり、8人変更と大多数を占めた。センターバックは早川・千葉の2人とも代え、舞行龍ジェームズトーマス・デンのコンビ。左サイドバックが渡邊→堀米。ボランチも2人とも変更、島田・秋山→高・星のコンビに。2列目は松田・小見→高木・三戸へと代え、配置は右が三戸・中央が高木・左が伊藤。1トップもアレクサンドレ・ゲデス→谷口と、センターラインは全て入れ替わった。

水戸=こちらは水曜に順延試合が組まれているので、5連戦の真っ只中。前節負傷交代の鈴木喜丈に代わりCBには山田。その他右SBが後藤田→黒石、ドイスボランチの片割れが前田→土肥で、土肥のシフトで空いた右SHに杉浦。左SHが鵜木→椿、FWが前節トップ下の金久保に代わり木下が入り、安藤との2トップ。5人変更と多めだが、新潟よりは少ない。

スタメン

勝負の5連戦という立ち位置ながら、連敗でプレーオフ圏に向けては崖っぷちとなってしまった水戸。
そんな状況で首位・新潟との一戦を迎え。
戦闘民族的な気質を持つ秋葉忠宏監督の下、首位クラブを叩く事でブーストを掛けるという昇格への一筋を見出して臨んだ事でしょう。
しかし結果はもちろん、内容でも現実は非情と言わざるを得なく。

試合開始からボールを握り、パスワークで水戸を翻弄しにかかる新潟。
それに対して前からディフェンスを掛ける姿勢は見せていた水戸でしたが、フィードに長けたCB2人が揃った(舞行龍・デン)この日のスタメン。
それを利用し巧みに水戸のプレスをひっくり返すロングパスを見せる事で、その気概を逸らし。
当然GK小島の足下も冴え渡り、前半7分には小島の右へのフィードからの細かいパスワークでプレスを脱したのち、三戸の右サイド奥を突いてのクロスをファーサイドで谷口がヘディングシュート。
ゴールバーを直撃する枠外となり、いきなりスコアでイニシアティブを握る事は出来ませんでしたが、気にする風でも無くその後も試合を支配していきます。

水戸は前線の守備だけで無く後方からの攻撃、つまりビルドアップも悲惨な出来となり。
9分にはGK山口からのパスを受けた楠本ですが、新潟の三戸と谷口に左右を切られた末の縦パスが綺麗に高にカットされショートカウンターに持ち込まれ。
そして伊藤の中央からのシュートが炸裂し、GK山口のセーブで何とか防ぎます。
12分には新潟の敵陣でのパスワークをカットするも、すかさずのゲーゲンプレスを受けて星にカットされ返され継続、左サイドでの高木のクロスから再び谷口がヘディングシュート。(枠外)
水戸がボールを持った際の追い込みの素早さ・判断が秀逸であり、ポゼッションのチームだけでは無いという事が憚らずも示された新潟。
13分にはパスを受けた椿、トラップした隙を突かれて新潟・三戸に奪われてしまうと、後追いで反則を犯してしまい警告を受け。
僅かな隙も許されないという新潟のボール奪取ぶりに、完全に頭が掻き回されていたような感じの水戸サイド。

18分にもトラップミスを伊藤に奪われて新潟が決定機、そのまま持ち上がった伊藤のミドルシュートが放たれるも、またもGK山口のファインセーブで防ぎ。
山口が当たっている間に、何とか一糸繋いでそれをモノにしたいというゲームプランを作った、というか追い込まれたと言うべきでしょうか。
19分に黒石の裏へのロングパスがそのままエリア内へ通り、安藤が走り込んで受けるというアバウトな流れから好機を迎えたものの、新潟・デンのスライディングに阻まれ実りません。

ホーム(デンカビッグスワンスタジアム)での大観衆をバックに、そんな必勝の流れを作った新潟でしたが、アクシデントに見舞われる事に。
26分に高木が水戸・楠本のチャージを受けてしまい(スローで見ると足が強烈に曲げられていた)、続行不能に苛まれます。
前節ゴールを挙げた小見を準備させますが、その間に4-4-1の布陣で凌ぎを強いられ。
しかも理由は不明ですが、1トップの谷口が何故か右SHの位置に回っていた新潟。(頂点は三戸)
数的優位の水戸がポゼッションを高めての攻撃を仕掛け、左サイドでスルーパスに走り込んだタビナス・ジェファーソンからグラウンダーのクロスが入るも、合わせにいった木下がオフサイドとなり実らず。
プレーが途切れ、ここで小見が投入されます。(30分・伊藤がトップ下へ回り小見は左SHに、谷口は1トップへ戻る)

そんなイレギュラーな対応を強いられた新潟の隙を突くように、にわかに押し込み始める水戸。
35分には椿の左サイドでの突破から、高岸のミドルシュートに繋げたもののGK小島がキャッチ。
これで前述の一糸繋ぐような「弱者のサッカー」からの脱却はある程度果たされたような水戸でしたが、逆にそれが拙かったでしょうか。
直ぐに立ち直った新潟の反抗を受ける事となり、そしてそれがスコアに直結します。
37分、右サイドで舞行龍縦パス→三戸ポストプレイののち一気に中央→左へとサイドを振り、小見がドリブルで奥へ切り込んでクロス。
ブロックに当たるも伊藤がエリア内左で拾いキープする好機となり、中央で彼のパスを受けた谷口のポストプレイ(2タッチ)を経て、後方の星がダイレクトでシュート。
勢いをもって放たれた強烈なボールにGK山口もどうしようも無く、ゴール右へと突き刺さり新潟が先制点を奪いました。

新潟は尚も43分に水戸のパスミスを拾った谷口がエリア内からシュート、それをGK山口がセーブするという、瀕死の相手に追い打ちを掛けるような好機を作り。
誰が見ても厳しい状況となった水戸でしたが、終了間際にそれを覆す好機が訪れます。
44分縦パスをカットした土肥から攻め上がり、バイタルエリアで高岸が新潟・星に倒され反則、良い位置での直接フリーキックに。
「劣勢をセットプレーで跳ね返す」という判り易い流れとなり、その通りにキッカー杉浦の直接シュートがゴール左を襲います。
これがゴールポストを直撃し、跳ね返りを安藤が拾いすかさずシュートしますが新潟・星が決死のブロックで防ぎ。
尚も詰めにいった安藤でしたが結局モノに出来ず、水戸にとって後悔の念が残るシーンとなってしまい前半を終えました。

後半が始まり(ハーフタイムで交代は無し)、早速の後半1分に水戸は、新潟のパスミスを拾った楠本が遠目からシュートを狙います。(枠外)
フィニッシュの意識を高めて同点にせんとしたようですが、残念な事にそれだけでは新潟の強さは揺るがせず。

2分にGK小島のフィードが絶妙な距離を描いて右サイドに向かうと、ダイレクトプレーの連続で繋いでいき三戸がドリブルに持ち込み。
そして中央へカットインしてミドルシュートが放たれ、ゴールバー直撃という際どいシーンを創出。
変幻自在といった小島のフィードに、水戸ディフェンスも対応出来ず成す術がないようなワンシーンとなり。

反撃したい水戸ですが、繋ぎにいったパスがあっさり眼前でカットされ逆に危機を招く(4分)など、ビルドアップでの軽いプレーでみすみす流れを失い。
幸い新潟の守備はプレッシングこそ繊細かつ強力ですが、そこを突破すれば何とか……という感じで何度か攻め込むものの、その度に防がれてからのカウンターも浴びてしまいます。
そして6分にカウンターで谷口が左サイドをドリブルで持ち込みキープに入った所、後方から山田がホールディングして反則となり、新潟のFKに。
クロスを入れるのみという位置でのFKでしたが、そのキッカー堀米のクロスがニアサイドに入り、谷口が合わせヘディングシュート。
GKのほぼ正面だったものの山口は防げず、ゴールを揺らして追加点を挙げた新潟。

尚も攻勢を掛け相手にペースを渡さない新潟、9分に左サイドで長いパスワークを経て小見が中央へとカットイン、水戸・土肥のチャージも物ともせずにミドルシュートに持っていき。(GK山口セーブ)
再びダッチロール状態に追い込まれる水戸。
新潟のパスワークを前にして、プレスにいけばGK小島を絡めての繋ぎでかわされ、逆に構える姿勢をとれば前目の最終ラインを突かれるロングパスでひっくり返されるという悪循環を描きます。

そんな窮状を受けて13分にベンチが動き、安藤・高岸→前田・安永へと2枚替え。
ボランチが3人そろったため、4-2-3-1にしたうえで誰かがトップ下に回るという予想でしたが、2トップは保ったまま。
杉浦がFWに回ったかと思えば、後に前田と入れ替わって右SHに戻ったりと、何かとせわしなく映りました。

リフレッシュ効果か、何度か敵陣で新潟のパスワークを遮断する場面も見られましたが、そこからシュートには繋げられずと依然として苦しい水戸。
そこで20分辺りから、タビナスを左CBとした3-4-2-1へとシフト。
椿が左ウイングバックとなり、シャドーに杉浦・前田の布陣となり。
それでも守備時に椿は5バックの位置には下がらずという、3バックと4バックの併用にも映るシステムに活路を見出します。
その後26分に再度交代、3枚替えで一気にカードを使いきった秋葉監督。(黒石・杉浦・木下→後藤田・鵜木・梅田)

プレッシングは機能するようになり、新潟がロングボールで逃げる割合を増やした水戸ですが、今度はその収め所で回収出来ないという問題が発生します。
ラフなロングパスに対しても、跳ね返すどころか逆に谷口の収めから攻められるシーンが増え、踏んだり蹴ったりとなり。
結局攻勢に入る流れを得られず、以降も散発的な攻撃に賭ける状態を強いられました。

その間にも、リードしている上位チームらしい振る舞いを見せる新潟。
三戸が空中戦で痛んだのを機にカードを切り、28分に2枚替え。(三戸・星→松田・島田)
高木のアクシデントという負の事象を忘れさせるかのように、リードを保っていく立ち回りを貫くと共に攻撃シーンも忘れず作り。
35分には長いパスワークの末に、伊藤のラストパスを受けた谷口が右からカットインを経てシュート。(GK山口キャッチ)
38分に最後の交代をした(伊藤・谷口→秋山・ゲデス)後もそれは変わらず。
中盤を崩した末に、投入されたゲデスや秋山が果敢にミドルシュートを狙う場面など、誰が出ても強さは落ちないという事を印象付けるシーンを目立たせる新潟。

アディショナルタイムに突入後も流れは不変で、右コーナーでボールキープする時間も作るという、余裕も感じさせる勝利に辿り着きました。
3連敗となった水戸を尻目に、着実に昇格そして優勝への足場を固める新潟。
内容的にもホームの環境的にも、J2の王者に相応しい試合なのは一目瞭然であり。
再び参入するであろうJ1でどう足場を固めるか……と考えるのはまだ気が早いでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2022年J1リーグ第30節 アビスパ福岡vs清水エスパルス

2022-09-19 16:01:33 | サッカー視聴記(2022年J1)

<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB 前嶋 CB ドウグラス・グローリ CB 宮 LSB 志知
RSH ジョルディ・クルークス DH 中村 DH 前 LSH 金森
FW 山岸 FW ルキアン
<清水スタメン> 4-4-2
GK 権田
RSB 原 CB 立田 CB 鈴木義宜 LSB 山原
RSH ヤゴ・ピカチュウ DH 白崎 DH ホナウド LSH 乾
FW チアゴ・サンタナ FW カルリーニョス・ジュニオ

大宮に代わる「残留争いのプロ」の名を踏襲するのはどちらか、というような直接対決。
清水は過去8年間で、最終節でJ1残留を決める事4度。
そのうち降格1度・J2暮らし1度・降格無しのシーズン1度の分を引けば、無風の年が1度のみ(2018年)という有様であり。
シーズン途中で就任したゼ・リカルド監督の下で勝ち点を稼ぎ、何とか最終戦の前に残留を決めて一息つきたいシーズンであります。
一方の福岡は、「5年に一度」の呪いに掛かる前も、現在の清水のような毎年底辺付近を彷徨っていた状態であり。
1998年に行われたJ1参入決定戦など寸での所で踏み止まったのを受け、受験生用のお守り代わりとしてグッズが人気を博した事もありました。

そんな福岡を取り巻く現状は、最初に降格した2001年が思い起こされるようであり。
紳士協定違反を犯してしまったかと思えば、前節・マリノス戦(0-1)では、物議を醸すようなラフプレーの末に相手選手(西村)を負傷させてしまうに至りました。
その加害者?である奈良は今節ベンチ外となるなど、その余波を感じさせられるこの日のスタメン。

2001年のシーズンでは残留争いが進むに従い、ラフプレーへの傾倒が隠せなくなってしまった福岡。
サッカーの中での負傷なら仕方無いといえますが、相手の腕を固めにかかった末の骨折といった、格闘技の試合かと錯覚させるようなプレーも見られる有様であり。
それが逆風となったか、最終盤でヴェルディに逆転されて降格というシーズンを送ってしまったのですが、その二の足を踏む事はチームのイメージのためにも避けたい所。
つまり「激しいプレーを厭わない」というフレーズを履き違えたようなシーンを作らない事に尽きる、と言うべきでしょうか。ちなみにこの日の解説者は当時の「主犯」である中払大介氏だったがこれ以上は言わない

しかし試合が始まると、いきなり清水・山原がルキアンのチャージで痛むシーンで幕を開けたように、この日も選手が倒れるシーンで試合が止まる事が目立ち。
激しいプレーも厭わないという姿勢は変わらずな福岡でしたが、同時に素早い攻めを際立たせる事で清水ゴールを脅かしに掛かります。
前半5分にフリーキックを素早くリスタートさせ、パスを受けた山岸のドリブルでチャンスエリアへ運び、清水・立田のディフェンスに遭いこぼれたボールに反応した中村がシュート。(その前に山岸が立田に反則)
6分には清水のサイドチェンジのパスを金森が巧くカット、そのまま細かいタッチで前方へ運び、エリア手前で中央へラストパス。
そして受けた山岸がシュートするも、ジャストミートせず左へ逸れ。
8分にもラフなミドルパスを山岸が胸で落とし、受けたルキアンが遠目からシュート(清水・立田がブロック)と、少ないタッチ数でフィニッシュに繋げていきます。

一方の清水の攻撃は、右サイドで原が何度か偽SBの動きをとり、ワイドに張る事が多いピカチュウとの関係性を軸としているようであり。
11分にはその右サイドからサンタナ・ホナウドも加わって前進、ホナウドが奥へ持ち込んでカットインの姿勢からグラウンダーでクロス。
GK村上が足を延ばして弾き、こぼれだボールをホナウド自ら拾ってそのままシュートしましたが、立ち直ったGK村上がセーブして防ぎ。
このホナウドの上下動が著しく、最終ラインに降りてビルドアップに加わる事もあれば、この場面のように最前線でフィニッシュに絡む動きで攻撃を活性化させていました。
しかしどうしても負けられない福岡を前にして、以降はフィニッシュに持ち込めずそのまま飲水タイムへ。(24分)

今季逆転勝利が皆無という福岡、先制を目指してブレイク明けから活発に。
27分にはスローインから、山岸がダイレクトにラフにエリア内へ浮き球を送ると、ルキアンが合わせにいってこぼれた所を自ら走り込んでシュート。(ゴール右へ外れる)
ストライカーの意地を感じさせる山岸のプレーぶりでしたが、そんな意に反したのが29分の清水の攻撃。
ホナウドのミドルパスから左サイドでの攻め、山原が持ち上がったのち切り返しからゴールへ向かうクロスを入れ、そこにピカチュウが走り込み。
合わせにいくも触れられなかったピカチュウでしたが、そのままの軌道で右ゴールポスト内側に当たりゴールに吸い込まれるボール。
山岸ならびに福岡を嘲笑うかのように、シュートとはいえないキックで先制点を挙げた清水。

落胆する暇は勿論与えられない福岡、以降も攻め上がるものの、守備意識を高めた清水に対して立ち上がりのような速攻は望めず。
また負けパターンか……という思考が頭を過りましたが、それを180度変えたのがセットプレーでした。
33分に中央で縦パスを受けた山岸、コースを探す最中に清水・ホナウドに反則を受け、絶好の直接FKのチャンス。
これをクルークスでは無く中村が右足で蹴ると、シュートは壁を越えてゴール左へと突き刺さり。
山形時代を思い出させる中村のプレースキック(これがJ1初ゴールとは意外)で、起死回生というべき同点ゴールを挙げました。

息を吹き返した福岡は、40分にGK村上フィード→山岸フリックで受けた金森が左からカットインしてシュート(GK権田キャッチ)という具合に、速攻シーンも蘇り良好な流れに。
そして42分にコーナーキックを得ると、キッカー・クルークスの中央へのクロスに志知が合わせにいき、こぼれた所を詰めたのはファーサイドでフリーになっていた山岸。
ゴールネットを揺らしたものの、マイナス方向へ動いてのシュートはオフサイドを疑わせるものとなり、実際にフラッグが上がっていたためにVARチェックに。
しかし清水・白崎が残っていたため、ゴールは認められて逆転弾となります。

これで初の逆転となった福岡ですが、決して楽観視は出来ず。
前半の残り時間は福岡・グローリと清水・カルリーニョスが頭部同士で激突して倒れ込んだり、山岸が同じくハイボールの競り合いで痛んだりという激しい当たりが目立ち。
ルキアンが立田にチャージを受けるも、反則無しとなった事でヒートアップするなど、試合前の危惧が現実となりかねないシーンもありました。
おかげでただでさえ長いアディショナルタイム(7分)がさらに加算される事となりましたが、スコアは動かずに前半を終えます。

共にハーフタイムでの交代は無く後半開始を迎え。
福岡の速く強い攻撃を受け続けた事でリズムを失ったという印象の前半の清水、流れを取り戻さんと右サイドから仕掛けます。
後半4分、立田→原→ピカチュウと、レーンチェンジからの長いパスで奥を突いた末にピカチュウがクロス。
この低いボールをニアサイドでサンタナが合わせたものの、体勢悪くジャストミート出来ず終わります。

すると直後に再び福岡の速攻が牙を剥き、ゴールキックからのロングフィードで敵陣で空中戦となると、ルキアンの落としを経て山岸がエリア内へパス。
これをクルークスが左ポケット奥へ切り込むと見せかけてのヒールパス、山岸に繋がってそのままシュート。
GK権田の右を抜いてゴールに突き刺さり、2点差に広げるこの日2ゴール目を上げた山岸。

これで今度はブロックを固めるのは福岡の方で、清水はその外でパスを多く回すという「ボールを持たされる展開」を強いられる流れに。
しかし再びホナウドの飛び出しが福岡にとって脅威となり、彼への急所を突くパスでチャンスメイクしていく清水。
そして迎えた13分、中盤でホナウドが触ったのち前線へ上がっていき、そこに白崎からミドルパスが供給されてエリア内で裏を取りにいき。
そこで福岡・中村に倒されるホナウド、反則の笛が鳴りPKとなってしまいます。
緩急を付ける攻撃にポジションチェンジを絡められては、リトリートの姿勢だけでは虚を突かれるといったシーンとなったでしょうか。
これをキッカー・サンタナがキッチリとGK村上の逆を突いて左へ決め、早い時間で1点差に迫ります。

その後も福岡のブロックを崩さんと、レーンチェンジする斜めの縦パスを多く交えて攻め込む清水。
20分には白崎の縦パス(これは純正な90度近い縦パス)を受けたサンタナのキープを経てホナウドがミドルシュート、ブロックされたボールをさらにカルリーニョスが拾ってシュート(枠外)と、強力な助っ人の圧力を発揮せんとします。
そんな清水の攻勢に対し、23分山原の左手前からのクロスをファーサイドで合わせにいくピカチュウと、先制点のようなシーンの攻撃をGK村上がピカチュウのチャージを受けつつ抑える「何とか凌ぐ」という表現をしたくなるシーンなどで防ぐ福岡。
これが不発となった直後に清水は選手交代、ピカチュウを諦める選択を採りました。(中山と交代・同時に乾→鈴木唯人へと交代、カルリーニョスが左サイドハーフへ回る)
一方既にルキアン→フアンマ・デルガドへと交代カードを切っていた(20分)福岡も、同時に金森→田邉へと交代。

27分の福岡、田邉のボール奪取から右サイドを踏襲し、クルークスが奥から田邉とのワンツーでエリア内へ切り込んでマイナスのクロス。
ニアで山岸が合わせるという、再度山岸がゴールを脅かしたもののクルークスがオフサイドとなり無効になります。(シュート自体はGK権田がセーブ)
息詰まる残留争いに忘れられたかのような、遅めの飲水タイムがその直後に採られ。

その後CKも複数得る(2度)など、にわかに押し込み始める福岡。
リードしている以上避けたいのはカウンターでしたが、36分に左スローインからの攻撃が防がれてそれを発動されてしまいます。
北川(カルリーニョスと交代で出場・35分)の縦パスを受けたサンタナがドリブルで運び、鈴木唯とのワンツーでエリア内を突きましたが、逆起点となった福岡・前が戻ってきて反則気味のディフェンスで何とか防ぎ。

これを境に押し込んでいく清水、その末にCK攻勢に突入。
気を抜くのは厳禁な状況の福岡ですが、その2本目の右CK(40分)から、キッカー山原のクロスが中央へ落ちた所を中山が足で合わせシュート。
GK村上が右足を伸ばし辛うじてセーブするという、心臓が止まりそうなシーンを演出してしまいます。
その後も3本目のCKののちにクルークスが清水・岸本(原と交代で出場・35分)を警告付きの反則で止めてしまい、左サイドからのFKとセットプレーに晒される時間は続き。

必死に守る福岡、前線での守備もその様相を見せ。
フアンマも清水・ホナウドのドリブルを防がんとしてスライディングで倒してしまい、反則・警告を受けたその刹那怒りの表情を見せる等、それが空回りしないか不安となるシーンも再度目立っていきます。
そして後半も長めとなったAT(7分)へと突入し。

勝利に向けてブロックを敷く他無い福岡と、その周囲で人数を増やし隙を伺うしかない清水とのにらみ合い。
それでも福岡の逃げ切り体制は順位が示す通り盤石では無く、立田の縦パスを受けた中山がエリア内右を突き、奥からグラウンダーでクロスを入れるも中央のサンタナには合わずといった際どいシーンも生まれ。

その最中にクルークスが足を攣らせてしまったのか、相手のスルーパスに追い掛ける事が出来ずといったシーンも露呈。
自身が一度交代をベンチにアピール(放送席の談)したという事でしたが、同時に前嶋も足を攣らせてしまい窮地に陥る福岡ベンチ。
クローザーに使える駒自体も少ないという状況で、結局採った策は両者を代えず、山岸→三國ケネディエブスへと交代し前線のターゲットを増やすというものでした。

そんな這う這うの体の状態の福岡でしたが、清水もこの日は全体として相手を崩すアイデアに欠けていたという印象であり。
福岡のトランジションを重視したサッカーに応戦していったものの、セットプレーでの失点が致命傷となった感じでしょうか。
結局最後に鈴木唯のエリア内へのパスがズレた所で、試合終了の笛が鳴り響き。

ようやく負のトンネルを抜け出す勝利を挙げた福岡。
トンネルの間に色々物議を醸しただけに、上げ潮ムードを壊すような事象はこれ以上作りたくない所でしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DAZN観戦 2022年J2リーグ第36節 東京ヴェルディvsブラウブリッツ秋田

2022-09-17 18:15:21 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(順延27節・徳島戦、0-1)
※前回の秋田の記事はこちら(29節・金沢戦、3-0)

<前節からの変更>

ヴェルディ=5人と半数近く変更。サイドバックは両方代え、右が深澤→山越・左が加藤蓮→谷口。ボランチの片割れが稲見→加藤弘堅・右サイドハーフが梶川→河村・FWの片割れが佐藤凌我→阪野。今後21日にも順延試合が控えており、長期の連戦を見据えた舵取りが続く。

秋田=3人を変更。ボランチの片割れが藤山→井上・右SHが中村→小暮・FWの片割れが青木→吉田伊吹。4バックは3試合継続で、2試合無失点という成績通りの安定感。

スタメン

残留争いに巻き込まれそうで巻き込まれないという戦いを続けている秋田。
昇格してから「2年目のジンクス」の法則通りに前年程の勢いは無さげですが、J2定着へ基礎を固めている状況でしょうか。
夏の移籍で輪笠(現岡山)の引き抜きに遭っても、その団結ぶりは健在であり。

この日の相手はヴェルディという事で、リーグ戦では通算4度目の対戦。
前年は2戦ともスコア的に完敗、今季の前半戦でも一時は0-3と大差を付けられたという具合に、サッカーのクオリティの差を見せ付けられる事が多い相手であり。
しかしそこからビハインドを跳ね返し同点・引き分けで終えた事で、苦手意識は払拭出来たでしょうか。
それともこの日の舞台であった味の素スタジアムのピッチ状態の悪さの影響か、アウェイにも拘らず上々の試合運びを見せ付けるに至りました。

前半戦とは監督も戦術も異なるヴェルディ。
フォーメーションに手を加え、攻め手も素直なクロスが増えたという印象であり。
前半5分、平のミドルパスを左サイドで受けた杉本が奥に切り込んでクロスを上げ、クリアされたボールに走り込んだ山越がダイレクトでシュート。(ゴール右へ外れる)
試合前のインタビューで城福浩監督がその拘りを熱く語っていたように、こうしたクロス並びにそこからの二次的なフィニッシュを目立たせ。

普段通りにロングボールで攻撃を組み立てる秋田を尻目に、ボールポゼッションを高めに掛かるヴェルディ。
そのビルドアップの形は、SBの片方が最終ラインに残ったうえで、もう片方が疑似SB的な動きも含めたオーバーラップを仕掛けるのが主体となり。
立ち上がりはその上がるSBはもっぱら左の谷口で、杉本より前に位置する事もしばしばでありました。
しかし試合が進み、中々フィニッシュに繋がらないのを受けてその役割は右の山越に移り変わり。
左右ともSBにもセンターバックが本職の選手が割り当てられており(山越は今季序盤から務めていましたが)、それにも拘らず単なるSB以上の役割をこなさなければいけないというのは、攻撃に流動性を齎すのは厳しいものがあったでしょうか。

フィジカルを押し出す秋田に対抗するように、ヴェルディサイドも激しいデュエルによる好機を作り出し。
20分に加藤弘の反則気味のボール奪取から、右サイドで受けた河村がカットインを経てミドルシュート。(GK田中キャッチ)
秋田・吉田謙監督の、「監督交代によりチーム強度は上がっている」という試合前インタビューの通りのシーンを描き。
25分にはその影響で、森田のユニフォームが破損してしまう程であり。(直ぐに交換して復帰)

30分を過ぎた辺りから、狙いを切り替えた通りに右サイドからクロスに繋げていくヴェルディの攻撃。
ファーサイドの杉本を狙ったクロスが実りそうで実らない、といった絵図が繰り広げられる中で迎えた40分。
阪野のポストプレイが秋田・井上の反則を誘い、中央からのフリーキックを得ると、キッカー森田のエリア内右を狙ったロビングをンドカ・ボニフェイスが折り返し。
そして谷口がフリック気味に合わせ、シュートは左ゴールポストに当たって跳ね返り、そこを阪野が詰めたもののゴールラインを割る寸前で秋田・稲葉に跳ね返されます。
ゴールをアピールする声がヴェルディサイドから上がったものの、結局ゴールの判定は下されず逃してしまいました。

すると魅入られるかのように相手にチャンスが訪れるものであり、アディショナルタイムにコーナーキックを得た秋田。
右サイドからキッカー茂がクロスを入れ、ファーサイドで齋藤がヘディングシュート、これが(GKマテウスが弾いて?)左ゴールポストに当たるも詰めていた才藤がスライディングでねじ込み。
ヴェルディ・加藤弘がクリアするも間に合わずと、同じようにポストの跳ね返りを詰めたという形でしたが、きっちりモノにした秋田が先制に成功。
その後のキックオフ直後に前半終了と、ヴェルディにとって逃した魚は大きすぎる物となりました。

そしてハーフタイム、ヴェルディは暗雲を振り払うように2枚替えを敢行。
山越・阪野→加藤蓮・佐藤凌へと交代します。

早速の後半1分、秋田キックオフからの空中戦を制したヴェルディが右サイドを突き、クロスの跳ね返りを拾った森田がシュート。
GK田中にセーブされ、エリア内左へこぼれたボールを杉本がクロスに繋げ、河村がヘディングシュートを放つもこれもGK田中がキャッチ。

連撃を放ったもののゴール出来ずとなると、アクシデントにも見舞われます。
3分にこぼれ球を拾った杉本が、同じく拾わんと追い掛けた秋田・小暮に激しくチャージされてしまい倒れ込み。
反則になったものはカードは出ず、さらにプレーを続けた杉本が5分に再び倒れ込み、続行不能となるという一方的に不利を強いられてしまったヴェルディ。(馬場と交代、森田が左SHに回る)
猛然と(審判団に対し)クレームを浴びせる城福監督の姿が示すように、以降は不満を覚えながらのプレーとなりました。

怒りをパワーに変える、という表現がピッタリのように、前半よりも一層フィニッシュの意識を高めて攻めるヴェルディ。
積極的に足を振りにいくも、秋田のブロック意識も強くボール越しでのブロックに阻まれるシーンが増えるなどで実りません。
それでもその圧力は、元々ラフな攻撃が主体の秋田が、全くといって良い程攻撃機会を得れない程であり。
13分に秋田ベンチが動き、齋藤・小暮→武・中村へと交代したのちも、守勢は続く事となります。
15分には最終ラインからドリブル・パスを交えて中央突破するヴェルディ、佐藤凌がエリア内左を突いてシュートするもGK田中がセーブ。
尚も拾った佐藤凌からクロスが上がり、加藤蓮がヘディングシュートを放つもGK田中がキャッチと、またも連撃を浴びせながらも実らず。

直後の16分にさらに選手交代を行うヴェルディ、杉本の代わりに左に回っていた森田を、小池へと交代させます。
その小池に裏抜けさせるミドルパスの割合を増やし攻撃の幅を広げると、秋田サイドもそれを防ぐ手法を取り始め。
右SHの中村が一列下がり、5バックでスペースを消しにかかってペースを掴ませません。
そんな状況のなか23分に千田が右サイドでパスカットして秋田の攻撃、縦パスを絡めつつ中村のクロスまで繋げると、ファーサイドでフリーとなっていた茂が収めてシュート。(ブロック)
相手の攻勢をひっくり返すように、ワンチャンスをモノにせんとします。(24分に秋田は井上→江口に交代)

ヴェルディが人数を掛けて押し込むも、秋田の守備の堅さの前に徐々に失速し、フィニッシュに辿り着けなくなり。
そして秋田がカウンターを発動しかけ、それをチャンスに繋がれる前に防ぐという展開に突入したまま時間だけが過ぎていきます。
流れを変えようと、ヴェルディは34分に最後の交代を敢行。
加藤弘→梶川へと交代するとともに、ボランチ・馬場と右SB・加藤蓮がポジションを入れ替える策も交え、全てを賭けにいきます。

しかし結果は無常なもので、迎えた37分。
秋田が敵陣での空中戦を制しアタッキングサードから攻撃開始、右サイド奥を突いて中村のクロスが入ると、ニアでクリアに入ったヴェルディ・平のヘディングがあろう事かゴール方向へ。
綺麗なヘディングシュートっぽいオウンゴールとなり、自滅という形で追加点を与えてしまいました。
これで幾ばくか楽になった秋田、キックオフの前に2枚替えして交代枠を使いきり。(吉田伊・茂→半田・三上)

とにかく1点返さなければ始まらないヴェルディ。
リトリートするのみの秋田に対し、敵陣でパスワークの展開を続けるもこじ開けるには辛い状況なのは変わりません。
40分左サイドで梶川がゴールへ向かうクロスを入れると、ニアサイドで小池が入り込んでスルーを選択しますが、GK田中は惑わされずにキャッチ。
奇策も実らずと、いよいよ厳しくなってきたのを受け、ついにンドカが前線に上がりパワープレイの体制へと入ります。

「あのヴェルディがパワープレイとは……」といった感想を抱くのを余所に、ひたすらロングボールを蹴り込む攻撃へとシフトしていった最終盤。
秋田は既にヴェルディの攻撃を跳ね返すのみという体制で、ロングボールを半田が収めにいくぐらいが目立った攻撃でのシーン。
シュートまで遠いといったヴェルディ、AT突入後にンドカの落としを拾った梶川がミドルシュート(枠外)とフィニッシュに辿り着いた事で、ようやく勢い付き。
時既に遅しという状況ながら、以降6分間のATで5本CKを得るなど押し込み続けます。
その中で4本目の左CKから、キッカー梶川のクロスを中央で染野が合わせヘディングシュートを放ちましたが、ゴールバーを直撃したというのが最も惜しかったシーンとなり。

しかし結局最後まで1点が遠く、0-2のまま試合終了の笛を聴く事となりました。
先週行われた天皇杯(準々決勝)も敗退した事で、いよいよ消化試合の趣が強くなってきたヴェルディ。
それに対し秋田は対ヴェルディ戦初勝利と共に、勝ち点3を加えた事で順位もヴェルディを逆転するに至り。(13位)
苦しいシーズンの中、成長の証をある程度示せたでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする