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DAZN観戦 2024年J3リーグ第32節 大宮アルディージャvs福島ユナイテッドFC

2024-10-15 16:00:32 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 大宮は前節から昇格リーチで、今節はさらに条件が緩くなり自身の勝利or富山敗戦で決定。前日富山が引き分けたため、勝ち点1以上を積めば(=引き分け以上ならば)昇格が確定する。
  • 福島は、試合当初は右サイドバック=松長根・左SB=鈴だったが、数分後に両者入れ替わり逆の配置に。

長い戦いを経て、とうとうあと一つという所まで辿り着いた大宮。

それを見計らうかのように、新たに筆頭株主となったレッドブルの(マリオ・ゴメスTDの)挨拶めいたコメントが発表される事となったのが試合の前日。
これまでクラブを支えてきたサポーターにとっては(買収劇全体も含め)釈然としない思いが残る事でしょうが、既存の体制でJ3にまで沈んだ経歴を考えれば致し方ない事象でもあり。
今後過酷な生き残りのためのパートナーとして、共存を図る他無い。
そんな前向き思考になるためにも、彼らの眼前で昇格を決める事には意義がある、といったこの試合。

前半2分に左サイドから前進する大宮、ストロングポイントの泉の前進を絡めてのパスワーク。
そして敵陣中央でシルバが受けるも、トラップミスを大関に拾われた所で反則を犯してしまい警告を受ける破目となり。

早くも被害を受ける運びとなった大宮ですが、同時に福島もその左サイドアタックを脅威と感じたでしょうか。
両SBは右が松長根・左が鈴でスタートした試合ですが、その後両者を入れ替えて鈴が右へと回り。
左利きの鈴を配置する事で泉の右足を切りに来るその変節に、「攻撃サッカー」の福島でも、終盤の昇格争いという局面で相手に合わせての采配を敢行するに至ります。

そうして本格的に両クラブの戦いへと突入。
福島の最後方からのビルドアップに対し、容赦なく大宮のプレッシングが襲い掛かるというのが基本の絵面となり。
1トップのサンデーがアンカーの加藤匠に付き、その他のメンバー(主に2シャドー)で最終ラインにプレッシャーを掛けるのが最前線の基本的なディフェンス。

そんな体勢+大宮選手の強度に散々苦しめられる福島。
5分に縦パスをシルバにカットされてショートカウンターに持ち込まれる(杉本とシルバのパス交換で前進もシュートは撃てず)と、7分にもシルバのパスカットに遭い。
すると今度はパスを出さず自ら撃ってくるシルバ、このミドルシュートはGK吉丸がセーブするも右コーナーキックで継続となり。
キッカー小島のニアへのクロスを杉本が合わせヘディングシュート、これもゴール上部を襲いGK吉丸が何とかセーブしますが、再度右CKに。
するとキッカーを泉へ切り替える大宮、ショートコーナーでの戻しから浮き球で右ポケットを突きに掛かるという具合に、徹底的に変化を付けた末に走り込んだ茂木のクロス。
低く鋭いボールが中央へ入り、杉本の手前で塩浜が(あわやオウンゴールの軌道で)何とかクリアと、際どい凌ぎの連続となります。

9分にも、プレッシングでGK吉丸にフィードを蹴らせて回収したのち好機を迎えた大宮。(茂木が右ハーフレーンからカットインしてミドルシュート、松長根がブロック)
何とかこの矢印を反転させたい福島は、10分逆に大宮の保持に対するプレッシングで、GK笠原に蹴らせたフィードを城定がカットしての好機。
右サイドで細かい繋ぎを経ての塩浜のクロスは跳ね返されるも、拾ったのち再度右から仕掛け、右ポケットで加藤匠のパスを受ける大関が入れ替わりから奥へ切り込み。
そして先程の茂木と同様に低く鋭いクロスを入れ、合わせにいった樋口はディフェンスと縺れ、こぼれ球に城定が詰めにいくも結局撃てずに終わり。

福島は一つ相手ゴール前まで迫った事で、肩の荷が下りたでしょうか。
しかしこの日も中盤のトライアングルは、3人(上畑・大関・針谷)のうち大関1人のみという構成に。
そのためパスワークというよりは、大関や城定が純粋な突破力を見せる場面が目立ちました。
15分にミドルパスの跳ね返りを拾った城定がドリブルからミドルシュートを放つも、エリア内で浦上のブロックに阻まれ。
17分にも中盤での繋ぎを経て城定がドリブルで敵陣を突き進み、パスを受けた大関がさらにエリア内へ切り込み、左ポケットを突いたものの茂木のディフェンスで倒れて反則も無しに終わり。

お互いに好機が乱れ飛ぶという、昇格争いによる堅さは微塵も感じさせない展開となり。
大宮は20分、後方からのミドルパス主体で組み立て、右奥で溜めを作ったのちに茂木の手前からのクロス。
跳ね返りを逆サイドで繋ぎ、泉のグラウンダーのクロスがこぼれた所を拾った小島、ゴール眼前まで迫ってシュートを放つも大森のブロックで防がれ。
23分の福島、縦パスを受けた大関のドリブルで中央を素早く運んだのち、左サイドを抉る姿勢からカットインシュートを放つ森晃。
浦上がブロックするも、エリア内中央にこぼれた所を樋口が拾い決定機になりかけますが、ディフェンスに阻まれ撃てずにGK笠原が抑え。

小気味良く交錯する好機とシュートに、傍らからでも気分が高揚するような試合となりましたが、やはり有利なのは大宮。
28分に福島が最終ラインでの繋ぎをミス、左サイド深めでのスタートとなった大宮のショートカウンター(その後パス交換からの杉本のクロスを中央で泉が合わせるもGK吉丸キャッチ)という具合に、巨大な個の力が織り成すプレッシャーを中々かわせない状況は継続され。

そして31分、縦パスを前に出て奪った浦上がその勢いのまま攻撃参加、パスワークを経て左サイドを窺う体勢となる浦上。
戻しから泉のクロス→大外で杉本折り返しが流れ、また左サイドに戻ったボールを繋いだ末に浦上のクロスが上がり、クリアされて左CKに。
このセットプレーから、キッカー小島ファーにクロス→村上折り返しという完璧な流れを、ボレーシュートで仕留めた浦上。
最後まで一連の流れに絡み続けた末に、得点まで挙げる運びとなりました。

こうして先制した大宮でしたが、福島はキックオフからの攻撃で、ロングパスの跳ね返りを確保したのち再び大関がドリブルの体勢に。
そして左ポケットへのスルーパスを選択すると、走り込んだ松長根のマイナスのクロスをニアサイドで森晃が合わせ。
ポケットを突く攻めの定型というようなフィニッシュでネットを揺らし、あっという間に振り出しに戻しました。

これで勢いを得た福島は、最終ラインからの繋ぎに冴えが戻り。
40分、相変わらずの大宮のプレッシングを、松長根ミドルパス→森晃ドリブルで敵陣に運んで第1ライン突破したのち保持に入り。
中盤~敵陣での細かい繋ぎから大関が間を通す縦パス、受けた樋口が右奥へとスルーパスを送り、受けた城定が泉を股抜きで剥がしてのカットイン。
そしてポケットから放たれたシュートがブロックされるも、こぼれ球をすかさず塩浜が詰めてシュート。
これがジャストミートせずも、ループの軌道になってGKを越えるかと思われましたが、GK笠原が腕を伸ばしてのセーブで防ぎ追加点はならず。
42分にも左ポケットでスルーパスを受けた塩浜が、カットインの姿勢からシュート(GK笠原セーブ)と、再三ポケットからのフィニッシュで脅かします。

しかしそんなハイテンションぶりも、45分に大関のミドルシュートがブロックされ、跳ね返りが直接サンデーに渡ってのカウンター(ドリブルから左へ展開、小島がクロスも繋がらず)となった事で途切れたでしょうか。
守護神を中心に冷静に失点を防いだ大宮、アディショナルタイムの攻撃で、ロングパスで右奥を取り。
まずは深さを取る事で自身のペースに持ち込むと、戻しながらのパスワークを経て、市原の1タッチでの縦パスでプレッシャーをいなした末に茂木がクロス。
中央での石川のボレーシュートはミートせずも、ファーに流れた所を(鈴が杉本についていたのもあり)ノーマークとなった泉がシュート。
GK吉丸が弾くも及ばずゴールに突き刺さり、前半も終わり際という局面で勝ち越しを果たします。

これで良い気分、ならびに昇格決定への高揚感を抱えながら前半終了となったでしょうか。
ハーフタイムでの交代は共に無く、自力で流れを掴む事となった後半戦。

その立ち上がり、早めに追い付かんと攻勢を掛ける福島。
樋口のポストプレイを軸に、空いたスペースを森晃がドリブルで突くという攻めでアタッキングサードへの侵入を繰り返し。

しかしフィニッシュを撃たせずに防ぐ大宮、再度シンプルに深さを取る立ち回りで矢印を反転させます。
サイド奥へのロングパスは勿論、距離の長いスローイン→サンデーフリックという手法も冴え渡り、攻撃機会を重ね。

福島の前へのベクトルを折る事に成功すると、再びハイプレスが脅威となる展開に。
9分にパスがズレた所をエリアからすぐ手前という位置で石川がカット、拾ったサンデーがそのまま細かいタッチでドリブルに入り、エリア内へ進入。
そしてシュートが放たれ、ブロックを掠めてゴール右へと向かったボールをGK吉丸が辛うじてセーブ(そしてCKで継続)と、戦力差に押しやられる絵図となってきた福島。

何とかそれを剥がさんとしましたが、12分に後方からの縦パスを小島にカットされてまたも大宮が中盤からカウンター。
そして杉本のスルーパスを受けた泉が左ポケットを突いた末に、放たれたシュートはGK吉丸がこれも何とかセーブ。
しかし走り込んで詰めた石川のシュートを防ぐ手立ては無く、大宮の3点目が齎されます。
福島にとっては焦って前に送らんとした所を突かれるという、悪循環にも近い形でリードを広げられる格好となりました。

2点差を跳ね返さなければならなくなった福島。
その後も中央で狭い所を縦パスで通し、そののちに森晃を中心にドリブルで運ぶ姿勢を徹底し。
17分にその森晃のドリブルから、パスを受けた樋口がエリア内中央を突いてシュートを放つ決定機が生まれましたが、フィニッシュは浮いてしまい決められず。

その後再び大宮に矢印を反転され、CKという局面でベンチが動き。(18分)
加藤匠→針谷へと交代し、中盤の強化を図りに掛かります。

しかしまずは大宮のセットプレー含めた攻勢を止めなければならず。
直後のCKは防ぐも、その後も大宮の攻めは続き押し込まれ、20分のCKではファーへのクロスを収めたシルバがコースを探した末にシュート。(ブロック)
その直後も、ゲーゲンプレスを掛けた大宮が縦パスを(茂木が)カットしてショートカウンター、中央からサンデーがシュートするもGK吉丸がセーブ。

再三ゴールを脅かされた末に、何とかアンカーに入った針谷を軸としたパスワークに持ち込み。
縦パスの精度が格段に良くなり、後方のみならず敵陣でもエリア内を突くボールで好機を生みかける場面を膨らませます。
さらに動く福島ベンチ、26分に塩浜・樋口→澤上・矢島へと2枚替え。
一方大宮も28分、シルバ・杉本→和田・藤井へと2枚替え。

狭い所を抜かれる大宮は一層中央を固めるようになり、それにより大きく空くサイドをどう有効活用するかという流れに。
30分、大宮が藤井のボール奪取でこの日何度目かというショートカウンターとなり、そのままエリア内までドリブルで運ぶも奪われ。
そして反転して福島の速攻、大関がドリブルに持ち込むと、左へと開きながらの前進でサイド奥を突きに掛かり。
その奥で村上のチャージを受けて反則・警告と、薄いサイドを突く姿勢を見せ始めます。
しかしこのタイミングで、その一翼を担うはずの鈴が足を攣らせてしまい、交代の運びとなり。
折りしも得たFKでの好機という状況で、更に大宮も交代の選択をした事で長いブレイクとなってしまいます。
結局福島は鈴・野末→粟野・吉永へと2枚替え(松長根がセンターバックに回る)、大宮は石川とサンデーに代えて大澤とファビアン・ゴンザレスを投入とこちらも2枚替え。

熱気が冷めた影響か、このFKはニアで投入されたゴンザレスが跳ね返して終わり。
35分にまたも大宮は泉のパスカットで中盤からカウンターとなり、ゴンザレスが推進力を発揮。(左ポケットへ進入してスルーパスも繋がらず)
直後に茂木→関口へ交代してカードを使いきりと、着実に逃げきりかつ昇格への足を踏みしめます。

その後、福島は鈴に代わって右SBに入った粟野に右ポケットを取らせ、クロスを入れての好機を連続で作るも決められず。
大宮も前線のその圧力は落ちず、右奥を突いてのこぼれ球を拾ったゴンザレスが、シュートをゴールに入れる場面を作った(40分)もののその前にラインアウトという事で無効となり。

43分、大宮のスローインを跳ね返す事でベクトルの逆を突き、左から吉永のクロスが決定機に結び付き。
中央で収めた森晃がシュートにいき、ミートせず前方へこぼれたボールをさらに矢島が追撃のシュート。
完全に決まったと思われたこのフィニッシュも、ゴールバーを直撃して跳ね返ってしまいます。
運も味方に付いた大宮、その昇格への歩みは誰も止められない……という事を実感させるに至り。

2点差のままATへ突入。
しかし大宮は「昇格は通過点」と言わんばかりに、守りきる素振りは見せません。
左奥での細かいパスワークから、ポケットへ侵入して徐々に中央へという漸進を見せ、こぼれた所を大澤がシュート(GK吉丸セーブ)と全員がゴールに絡まんとする攻めを見せ。
それでも、道中泉が足を攣らせたのを受けて藤井とポジションを入れ替えるなど、ダメージの蓄積は隠せないようでしたが。

そんな大宮の攻撃を切り、残り時間で攻め上がる福島。
右奥でのスローインを取ると、クロスは選択せず戻しからポケットへの縦パスと、こちらも福島らしい姿勢を貫き。
そこから森晃が奥へ切り込みグラウンダーでクロスを入れると、ニアで澤上がGKとDFに挟まれながらも合わせ、ゴールにねじ入れます。
土壇場で1点を返し、攻め合いに恥じない結果を出し。

しかし福島の奮闘もここまでで、大宮のキックオフからの攻撃を断ち切り、最後方から組み立て……という所で試合終了を告げる笛が鳴り。
3-2で勝利した大宮、富山の結果を抜きにして文句のつけ所が無い昇格となりました。
悲願達成という結果も、目標は優勝のみといわんばかりに、試合後の熱狂はそこそこに留まり。
そんな上昇指向が、レッドブルとの化学反応でどうなるかと考えると末恐ろしい限りですが、今後綺麗にV字型回復を描く事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第32節 テゲバジャーロ宮崎vsカターレ富山

2024-10-14 16:01:26 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 富山は、瀬良が累積警告により出場停止。
  • 富山が敗戦した時点で、翌日試合を控える首位・大宮の昇格が決定。

首位を快走する大宮に、昇格リーチが掛かった今節。
丁度代表ウィークで上位カテゴリが休養の時期と、運の良さを感じる巡り合わせとなりましたが、一方でそれを左右する対象クラブにとっては悪い意味で注目の的となり。

それが目下3位の富山ですが、自身の状況としては、自動昇格圏に入り込む事あるのみでしょう。
前節で2位・今治との直接対決で勝利出来なかった(0-0)直後とあっては尚更であり。

その富山の頼れる助っ人であるレイリアですが、今季は一貫して最前線でのプレーとなっており。
それも1トップという基本布陣が多いので、本来の姿である推進力を中々活かせない感じであり。
この日もロングボールのターゲットを主たる役割としながら、時折サイドに開いて奥へ切り込むという、他選手を活かす事に徹しているようでした。

そのレイリア狙いのロングボールから、右スローインでの攻めの中で(布施谷が遠藤に)反則を受けて直接フリーキックを得たのが前半2分。
横位置は右ハーフレーンで、キッカー・エンリケは当然直接シュートを狙ったものの、壁を直撃して実らず。
その後もロングボール中心での押し込みから、何度もコーナーキックを得るなど一定の成果を上げるものの、ゴールに辿り着くには今一歩物足りないという流れになります。

一方の宮崎、富山よりも露骨にターゲット(橋本)へのロングボールを送る立ち振る舞いが中心。
それでも、セカンドボールを確保しても、守備時4-4-2となる富山に対してミラーとなる状況故に繋ぐのに四苦八苦。
そうした状況で迎えた10分、宮崎はGKから地上での繋ぎを選択し、グラウンダーの長いパスでプレッシングをいなしながら左から前進。
スルーパスに走り込んだ橋本がヒールでポストプレイしたボールを、武が1タッチでラフに右へ送ったスルーパスで、スペースを突く事に成功するも流石に距離が長すぎて走り込んだ松本雄は間に合わず。
ミラーマッチの状態で、どれだけスペースを突くかの攻撃が肝となる予感を孕ませます。

16分、宮崎は例によって橋本へのロングボールからの攻め、井上が収めたのち阿野が中央からミドルシュート。
サイドハーフを中央に寄せて生み出したこのフィニッシュも、ブロックされると富山のカウンターを齎す事に繋がってしまい。
しかしこれを敵陣浅めで遮断し逆カウンターに持ち込むという激しい動きを経て、保持に移って作り直しを選択、最後方から辻岡が左→右へ対角線のロングパス。
そして松本雄折り返し→橋本足でフリックで中央に上がったボールを、武がボレーシュートにいったもののミートせずに終わり。
長短を組み合わせる攻めに移行した、宮崎のペースとなりかけます。

その後富山もボール保持での攻撃に移り変わり。
こちらは最終ラインで幅を広く取っての長いパスで、ハイテンションな宮崎を走らせる事に注力しての繋ぎとなります。
こうしてお互い攻撃においてハイブリッドな立ち回りとなるも、相手ディフェンスを打ち崩す決定的な威力に欠けたまま時間を過ごし。
下手に攻め込むと、強力なSHの突破力からのカウンターが待っている(24分に富山が、29分に宮崎がカウンターから攻めるもフィニッシュには繋がらず)ため、敵陣へ切り込んでも浅い位置でのクロスも多くなり。

ここから動く気配は、33~34分にプレッシングを受ける→GKへ戻してロングフィード→相手が回収、という応酬を見せてから。
続く局面では、地上から繋がんとした宮崎に対し、右サイドで高橋がパスカットして富山がショートカウンターに持ち込みます。
しかしそのまま自ら切り込まんとした高橋でしたが直ぐに奪われて実らず。
すると続く35分に今度は宮崎が、敵陣右サイドで武がカットしてそのまま裏へスルーパス。
中央で橋本が走り込む所、前に出たGK田川がこれを遮断して窮地を凌ぐと、そのままエリア外でのキープで井上怜のプレッシャーをいなすという余裕も見せ。

今度はショートカウンターの応酬といった絵図も、この田川の技術により個人技で上回る事が憚らずも証明されたか、以降攻撃権を支配する富山。
冒頭で述べた通り、レイリアがサイドに開く事で、人数を掛けて奥を取る事も容易になり宮崎を押し込む時間が長くなります。
ここから単調にはなりたくない所でしたが、細かい繋ぎでポケットを突く姿勢は見せるものの、宮崎ディフェンスも堅さを見せてフィニッシュには辿り着けず。
立ち上がりから、一貫してCKを量産する流れは保っているのが救いなものの、逆に宮崎ディフェンスもボックス内は「セーフティで良い」という姿勢に徹して余裕を生んでいた感があり。

結局スコアレスのまま前半が終了。
すると富山はハーフタイムで動き、レイリアを退かせる選択を採り碓井と交代、同時に佐々木→古川へ交代も加えての2枚替え。
どうしても負けられない試合故に、フィニッシュが膨らまない事を気に病んでの采配だったでしょうか。
後半は、投入された2人による2トップ気味な布陣へとシフト。

この采配により勢いも加わり、立ち上がりから相変わらず攻撃権を支配する富山。
反撃を試みる宮崎の繋ぎも遮断する事で連続攻撃に入るという具合に、相手に何もやらせないという時間も作ります。
後半5分に攻めが途切れたのち、右サイド(宮崎から見て左サイド)深めに追い込んで縦パスを西矢がカットしてからの二次攻撃。
右ポケットを窺いながらの細かい繋ぎを経て、高橋のスルーパスに走り込んだ西矢が奥からマイナスのクロス、ニアに古川が走り込む絶好機となるも手前でクリア。
尚もCKを2本続け、ひたすらゴール前での好機を生むもフィニッシュだけは放てずという流れに。

しかし8分の宮崎のゴールキックから、ロングフィードに対しクリアにいった鍋田が、エンリケと被ってしまったか触れず橋本の収めを許し。
そして井上怜が左サイドを抉って奥からクロス(GK田川がキャッチ)と、この試合(24節・北九州戦、0-2)でも見られたロングボールの対応力の課題が浮き彫りとなる富山。

そんな格上クラブの隙を突きたい宮崎は、11分にもGK青木が(高橋の右からの)クロスをキャッチしたのち、素早いスローからカウンターに。
武→阿野と経由し、エリア内へのスルーパスが送られましたが走り込む橋本には合わず。
同じフィニッシュ数は膨らまずも、宮崎の側は攻撃機会自体が少ない事で意味合いは異なり。

つまりはカウンターに活路を……という流れが過るものの、意外にもGKからの組み立てで仕留めに掛かります。
既に4分に自陣左サイドでの繋ぎで、ボランチの安田や遠藤がパウサを見せたのちパスワークで前進、という場面を作るなど保持の姿勢は失われておらず。
迎えた13分、GK青木への戻しで富山のプレッシングを引き込んでからショートパスでの前進を果たし。
右サイドで橋本のポストワークを軸に前進も、松本優へのパスが遮断された所をすかさず安田が拾い、薄くなった中央からに切り替え。
そして武が果敢にミドルシュートを放つと、ゴール右へ豪快に突き刺さります。
劣勢のなかでの一刺し……の一言では言い表せないような、最後方からの組み立てによる攻めでの先制点を挙げました。

キックオフの前に宮崎サイドが動き、井上怜→五月田へと交代。
直後にも宮崎は、GK青木のロングフィードのセカンドボールを確保して敵陣でポゼッション。
先制点を挙げた武が、左奥へ切り込む姿勢からのマイナスのカットインと、再度撃たんとする姿勢を見せましたがここは外回りのパスワークから辻岡のクロスに終わり。

一方思わぬ失点という感の強い富山、目の色を変えて攻め上がる他無く。
宮崎がカウンターの姿勢を強めた事もあり、簡単にボールを確保する事は出来るもののそこからどうするか。

前半から続けている、左サイドでの安光の偽サイドバック的な動きによる崩しに活路を見出す事に。
ワイドに布施谷を張らせ、その内側に走り込む安光がポケットを突くのが狙いなものの、依然ボックス内の堅い宮崎に対してそこからの崩しは厳しく。
よって布施谷がそのまま奥へ切り込んでクロス、という姿勢へと傾倒するのも止むを得ず。

それでも立ち上がりと同様、攻撃が途切れても宮崎のカウンター狙いのロングボールは(精度を欠く事もあり)その殆どを遮断に成功、そして二次攻撃という流れを継続させ。
23分ここもクリア気味のミドルパスをエンリケが跳ね返して継続と、分厚い攻めを見せるものの、結局は左ワイドの布施谷に託してクロスという立ち回り。
しかもこのクロスが思わぬアクシデントを呼び、ファーで合わせにいった碓井の前で(江川に)クリアされると、後方の辻岡と頭部同士激突する事態が生まれてしまいます。
大したダメージ無く起き上がる辻岡を余所に、起き上がれずにそのまま交代の運びとなってしまう碓井。(脳震盪による交代)
不測の事態によるインアウトで、緊急的に吉平を投入、そのままFWで起用します。

長いブレイクののち、CKから再開と攻勢を継続させる富山。
2本目の右CKで、キッカー高橋のクロスに対しGK青木のパンチングが小さくなり、こぼれ球をダイレクトで安光がシュートしますが惜しくも左サイドネット外に終わり。

この後富山は、クロス攻勢が招いた思わぬ被害による負い目からか、以降再びクロス以外の攻め手を探り。
しかし自陣で守備を固める宮崎の前に、どうしても外回しでの運びを押し付けられる展開が続きます。
32分、敵陣での左→右へのサイドチェンジが辻岡にカットされると、拾った五月田のドリブル突破によるカウンターに。
一気に奥まで切り込んだ五月田のマイナスのクロスを、ニアで武が受けるという具合に、この日は魅入られたように武へと集まる宮崎のフィニッシュ。(その後キープからシュートもブロックされる)

それでも守勢の宮崎、30分に遠藤が足を攣らせるなどそのダメージは隠せません。
勝負所がやって来たという感じで、富山は33分にカードを切りエンリケ→松岡へと交代し、その松岡が右SHに入る事で高橋がボランチにシフト。

34分、中盤からショートパスを経てその松岡が切り込むという絵図を作ると、辻岡がたまらず倒してしまい反則。
これにより右ハーフレーンから良い位置での直接FKと、左からのクロスとは毛色の違う好機が生まれ。
攻守ともに入念な調整を経て、キッカー高橋から放たれたシュートは壁を直撃するも、そのままゴールラインを割り右CKへ移行。
富山のセットプレー攻勢も極まれりという状況で、ここからキッカー高橋のクロスをニアサイドで古川が合わせ。
フリック気味に合わせたヘディングシュートで対角を突いたものの、左ポストを直撃(跳ね返りをGK青木がキャッチ)と、これでも決められません。

その後も37分に高橋がミドルシュート、ブロックされての繋ぎから西矢が右ポケットへのカットインからクロス(精度欠く)と、左からの攻めは意図的に避けていた感があった富山。
40分に双方選手交代で、宮崎が遠藤→坂井。(それ以前の38分に阿野→魚里へと交代)
そして富山は西矢・末木→神山・河井と、脳震盪により追加された1枠も使いきって最終局面に入ります。

怒涛の攻撃を仕掛ける富山の前に、宮崎の攻撃機会は僅か一度(42分)と、すっかり専守あるのみで「1点を守りきる」モードを強いられ。
その富山の攻撃も、時間が押し迫った事で再び左から布施谷がひたすら仕掛けるモードに入るなど、両者とも既に余裕の無い立ち回りを隠せません。
それでも44分、例によって左奥を布施谷・安光の2人で崩すと、ポケットへのパスを河井が中央へ小さい浮き球を送り。
これがディフェンスに当たりこぼれるも、拾った吉平を経由し神山がシュート(辻岡がブロック)と、クロス以外の手段を模索。

そして突入したアディショナルタイムは、アクシデントもあり9分という長さに。
しかし宮崎ディフェンスの集中力は切れず、時間経過で富山の焦りが拭えないという展開に。
左スローインで直接左奥を突き、布施谷のカットインは防がれるも、拾った河井のマイナスのクロスがポケットの古川へ。
そしてブロックをかわしてシュートするも、枠を捉えられず。

1点が遠いなかで、今瀬を前線に上げるパワープレイへと舵を切り。
それでも最終ラインから組み立てる姿勢と、左から切り込む攻め手は変わらず。
しかし布施谷は自らの突破に賭ける意識へと傾倒し、奥へ切り込んでもクロスを入れずマイナスのカットイン。
堅守の前に戻し→河井の手前からのクロスという手段になるも、ここから乱戦となり、今瀬の折り返しがこぼれた所を安光が拾い。
そして戻しから再度河井がクロス、クリアボールが高く上がった所を空中戦に持ち込み、今瀬が落として右ポケットへこぼれた所を松岡が走り込んでシュート。
江川のブロックを掠めてゴールに突き刺さり、まさに「こじ開ける」という表現が相応しい同点弾となります。

一方最後の最後で……という状態に陥った宮崎、キックオフの前に武→吉澤へと交代。(富山サイドの脳震盪のため4度目の交代に)
尚も富山の攻撃を浴びるなか、ゴールキックのロングフィード→吉澤フリックと、細い線を繋いで久々の好機。
右サイドでボールを確保したのち、橋本が奥に切り込まんとしましたが、コントロールミスでゴールラインを割り。
最後まで出続けた橋本でしたが、既に体力切れを示すのみに終わってしまいました。

結局1-1のまま試合終了の笛が鳴り。
死力を振り絞っての戦いでしたが、内容的には攻め続けた富山の方が手痛い引き分けであり。
しかし宮崎も残留を確実にする勝ち点3が欲しかった所で、順位的には同程度の痛み分けだったでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J3リーグ第31節 SC相模原vsギラヴァンツ北九州

2024-10-11 18:14:57 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • 相模原ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 相模原は、田代が累積警告により出場停止。

日に日に少なくなる残り試合。
思うように成績が伸びないクラブのサポーターは、「あの時勝ち点を得られていれば……」という後悔の念に駆られる時期でしょうか。

昇格争いのなか、ともに下降線に入りつつある2クラブの対戦。
相模原はシーズン途中で、シュタルフ悠紀リヒャルト氏を監督に招聘したものの、以降黒星の方が先行してしまう歩みとなり。(4勝3分5敗)
こうなると監督交代した意味、ならびにクラブのアイデンティティが失われかねない瀬戸際という、何としても巻き返したい残り8試合と化す事に。(この日から、そのシュタルフ氏の発案でユニフォームのデザインを一新したそうな)
一方の北九州も、無敗記録が途絶えてから4敗を喫する足踏みを強いられている最中で、プレーオフ圏を死守しなければならない状況に。
29節(岐阜戦、2-0)には、正GKだった田中が負傷そして離脱というアクシデントにも見舞われ、苦境は続きそうな予感ですがどうなるか。

早々の前半1分、北九州は高が(高吉に)反則を受けた事で中盤からのフリーキック、遠目ながらも放り込みを選択。(ロビングを杉山がフリックもGK三浦に抑えられる)
無理矢理にでも好機を作る事でリズムを齎したかったですが、3分にはボールと無関係な所で永井が長谷川雄に倒されるも、反則の笛は鳴らず。

これで逆にリズムを失ったか、相模原の攻勢に入り。
しかしこちらも、ロングボールやアーリークロス中心の立ち回りで、FKも中盤から放り込みと似たような攻撃。
5分に得たコーナーキックでは、福井・植田の2人がキッカーに位置するなど、セットプレーを強く意識させる事に割いた感がありました。

勝ち点差が近いチーム同士の対戦で、それが北九州サイドにも伝染したか。
14分に工藤の左→右への対角線のロングパスから、セカンドボールを拾ってパスワークに入り、スルーパスでポケットを突いて右CKに持ち込み。
するとキッカー矢田はストレート性のクロスをファーに送り、工藤が合わせボレーシュート(ブロック)とこちらもこだわりを見せ。
引き続き2本目の左CKで今度は岡野がキッカーとなるも、ゾーン+マンツーマンの併用で守る相模原サイドが難儀。
ポジション取りの中で伊藤恵が倒され、その後取り直すものの北九州選手に挟まれる格好となり紛糾、主審に注意を受ける事態となりました。(結局ここからはフィニッシュに繋がらず)

前回観た際(18節・松本戦、3-2)は、監督代行時なのもあり伊藤恵頼みの攻撃といった印象が残る相模原。
しかし今回は最終ラインから地上で繋ぐのを根底とし、シュタルフ監督が率いるチームらしい姿を見せていきます。
それでも北九州のプレッシャー、特に中盤に付けた際にタイトに寄せる高吉の強度に難儀する形で、際立った好機は生まれず。
そのため彼を避けるように左サイドでの組み立て、特に長谷川雄が後方から送るロングパスを、高野に届けてからどうにか攻撃を展開させるという立ち回りへと変化を見せ。

相模原の理想を曲げる事に成功し、「良い守備から…」という格言の下、徐々に主導権を握っていく北九州。
立ち上がりは、ロングボールを送り続けて巧く繋がれば……という攻撃でしたが、次第に後方での繋ぎで相模原のプレッシングを呼び込んでからのロングボールという立ち回りにこちらも変節。
守備でも攻撃的にバックパスに激しく寄せる相模原に、別の意味で(激情派の)シュタルフ氏らしいチームだと思わざるを得ませんが、そんな相手の特性を突く攻めでペースを掴みます。

そうしたお互いの攻撃面がぶつかり合う試合展開。
24分の相模原は例によって長谷川雄のロングパスを高野が受け、そのまま左ポケットへ進入してグラウンダーでクロス。
クリアされるも尚も左ポケットで拾い直すと、今度は逆のポケットへ小さくサイドチェンジのパスを送り、受けた綿引がカットインからシュート。
乾のブロックでエリア外へこぼれた所を、拾った植田がミドルシュートで追撃(杉山がブロック)と厚みのある攻めを繰り広げ。
北九州も直後の25分、最終ラインでの繋ぎで、相模原を引き込んだのち工藤が縦パスを通し。
岡野は収められずも、こぼれ球を矢田が1タッチでスルーパス、左ワイドで受けた永井が単騎で持ち運んでカットインからシュート(加藤がブロック)とこちらもらしさを発揮。

その直後の27分、北九州が右からのFKで好機。(ここもバックパスに喰い付いた高野の反則・警告)
手前からのクロスが中央に上がり、GK三浦が乾と縺れながらパンチングで掻き出しますが、後方から走り込んだ高吉がダイレクトでミドルシュート。
強烈なフィニッシュに、交錯で倒れていたGK三浦は反応できずにゴールに突き刺さり。
緊迫の展開での先制点に、ひとしきり北九州サイドが歓喜に沸いたものの、GK三浦の抗議により協議に入る審判団。
当然乾の反則を要求してのもので、その結果判定が覆りゴールが取り消される運びとなり、ぬか喜びと化してしまいました。

失点せずに済んだ相模原、北九州のプレッシャーにも慣れ、改めて後方からの組み立てに入り。
それでも基本は長谷川雄の居る左からで、その姿勢からサイドチェンジを混ぜる事で左右をフルに使いに掛かります。
34分に敵陣でそのサイドチェンジを綿引が受け、スルーパスでポケットを突いて福井がマイナスのクロス。
ニアで合わせにいった伊藤恵はミート出来ずも、こぼれ球を植田がシュート(高吉がブロック)と、何人も係わる厚い攻めはこちらサイドでも変わらず。

しかし35分、今度は直に右から運ばんとしましたが、綿引のドリブルが囲まれて北九州が奪取に成功。
そして高が中央からミドルシュート(長谷川雄がブロック)と、その後方からのビルドアップは万全で無い事が示され。
一方北九州も43分、後方からの縦パスが高吉にぶち当たる格好でロスト、伊藤恵が拾い相模原のショートカウンターになるも大事故には繋がらず。

お互いミスも絡みながら、睨み合いを続けた末に前半はスコアレスで終了となり。
敗戦による昇格争いからの脱落は許されない、という思いが強く出た前半だったでしょうか。

共にハーフタイムでの交代は無く、始まった後半。
前半同様北九州は永井狙いのロングボールという立ち回りで、様子見兼ペース確保を図り。

しかしその攻撃に相模原サイドは対応ミスを見せ。
いきなりの後半1分に、エリア内でそのロングパスを永井が受ける(クリアされ撃てず)という絵図を作られた影響か、続く2分にはその受けにいく永井に対し長谷川雄がチャージ。
永井は倒され受けられずも、流れた所を拾った高が、そのまま頭で浮き球をコントロールした末にエリア内を突き。
そして切り返しから右足でシュートを放ち、右サイドネットを揺らす事に成功します。
今度は正真正銘のゴールで、手荒い祝福を受ける高により先制点の実感を得た北九州。

入りに失敗、という格好でビハインドとなってしまった相模原。
その後もそれを引き摺るかのように攻撃を成り立たせられず、5分にはまたも浮き球を収めた永井に対し小笠原が倒してしまい、今度は反則の笛が鳴り警告まで付く事に。

6分、プレッシャーを掛けにいった矢田が主審(堀善仁氏)と激突し倒してしまうという北九州サイドのハプニングを尻目に攻めに入り。
左ワイドでドリブルに入る高野ですが、そのまま奥へと切り込むと見せかけて遠目からロングシュートを狙い。
GK大谷がキャッチして終わると、その高野が足を痛めて倒れ込んでしまう、こちらもアクシデントに見舞われ。
しかし主審は無事だったものの、高野は一度起き上がるも再度倒れて続行不能と、こちらには実害が生まれてしまう事となります。
すかさず橋本と交代する運びとなった相模原ですが、ブツ切りの流れも強いられ一向に反撃機運は高まりません。

最終ラインでボールを持っても、永井を中心とした北九州のプレッシングの勢いが勝り繋げられず。
また高野→橋本となった影響か、前半のように裏抜けでロングパスを受ける事も無くなってしまい、八方塞がりの状態を強いられます。

こうなるとベンチワークで流れを変える他無く、16分に3枚替えを敢行したシュタルフ監督。
岩上・福井・伊藤恵→西山・徳永・高木へと交代(いずれも同ポジション)し、駒の変更で新たな攻めを模索します。

その効果が出る……というようりは、効果を出すべく矢印を前に向けるといった攻撃。
20分中盤で瀬沼のボール奪取からショートカウンターに持ち込み、中央を素早く前進した末に綿引が右からカットインシュート。
ブロックを掠めながらゴールに向かうも、GK大谷のセーブに阻まれて右CKに。
しかしそのCKでは、高木の落としが繋がらずにカウンターに持ち込まれ、高のドリブルを西山が反則で阻止して警告を受ける始末。
依然として流れは良くありません。

そして25分、相模原の後方からのミドルパスを高吉がカットにいったところ、瀬沼のチャージで倒れて反則に。
北九州の中盤からのFKとなり、前半同様に遠目でも放り込みを選択する流れに従い、キッカー矢田のロビングを乾が落とし。
そしてトラップにいった工藤が、綿引に削られて倒れてしまうと、再度反則を告げる笛が鳴り響きます。
今度はエリア内であり当然ながらPKで、ガッツリ足が入ってしまう絵図により綿引に警告というおまけも付き。
思わぬ追加点のチャンスを得た北九州、キッカーはエース永井が務め、殆ど間を取らず勢いを持ってシュート。
グラウンダーのボールがゴール左へ突き刺さり(GK三浦は反応するも届かず)、しっかりと決めリードを広げました。
直後にその永井が退き、牛之濱を投入。(同時に矢田→藤原に交代、高がFWに・岡野が右サイドハーフに回る)

その後、相模原も瀬沼狙いのロングボールの色を高め、何とか糸口を掴まんとする立ち回り。
(主審の)PK判定を下した負い目が加わったか、跳ぶ瀬沼に対しての反則が膨らむ事で、そこからのFKに活路を見出し。
30分の右ワイドからのFK、距離はあったもののキッカー植田は直接狙い、手前でバウンドする難しい軌道となりましたがGK大谷は両手で何とかセーブ。
更に33分、中央ながらも中盤付近と先程より遠い距離でのFK。
再び植田は直接シュート、無回転のボールで一気に狙ったものの大きく外れて結局実らずとなります。

35分に最後のカードを使う相模原、長谷川雄→栗原イブラヒムジュニアへと交代。
DFを削った事で4バックとなったようですが、それ以前の布陣は不透明に見え。
恐らく西山アンカーの4-1-3-2ないしは4-3-1-2となり、高木がトップ下で瀬沼・栗原の2トップ、というものとなったでしょうか。(あくまで推測)

しかし明確な判別の前に、更なる激震に見舞われる相模原。
直後にボール確保からの作り直しに入るも、縦パスがズレた所を井澤に縦パスを送り返され、北九州のショートカウンター。
そしてそのままエリア内へ入り込んだ井澤、牛之濱→乾と経由したのち左から上がった低いクロスを、ボレーシュートで叩き込み。
コントロール重視で合わせたボールがゴール左へと吸い込まれ、勝利を決定付ける3点目を奪います。

これだけでは終わらない激震。
39分再び北九州の攻撃で左から前進を図り、高とのワンツーで抜け出さんとする牛之濱。
そこを綿引が倒してしまい反則となると、好機阻止のオブストラクションと判定され警告対象に。
そして2度目という事で退場処分となってしまった綿引。
布陣変更による混乱から抜け出せないといった流れの末、窮地に追い込まれてしまいます。

悔やんでも仕方無く、以降は綿引を抜いた格好でそのまま3バックとなる最終ライン。
数的不利ながらも、既に3点差で失うものが無いと言わんばかりに、全員が人一倍走る事で何とかカバーせんとする相模原。
43分に西山のパスカットからの攻めでそれが実りかけ、右からの植田のクロスを栗原が合わせましたが、工藤のブロックに阻まれ。

その後は北九州が余裕を持ってボールを回し、前に出る相模原をいなした末に好機を作るという繰り返しに。(43分に高→渡邉へと交代)
45分左サイドでの細かい繋ぎから、藤原のサイドチェンジで密集を脱出し、坂本が右からクロス。
ファーサイド奥に上がったこのボールを、渡邉が足から跳び込んで合わせましたが、GK三浦のセーブに阻まれ4点目はならず。

アディショナルタイム経過後も、冷静にボールとペースを握り続ける北九州。
ベンチも最後の交代を準備(若谷と喜山)したものの、それが実現される無くボールを回し続ける事に成功しました。

そして試合終了となり、0-3で勝利した北九州が4位へと浮上。
J2時代は、いくら好成績を残しても不運(J1ライセンス未所持・ウィルス禍で)により参加できなかったプレーオフ。
J3での導入でようやく初の経験という、喜劇的な結末を迎える事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第34節 V・ファーレン長崎vs大分トリニータ

2024-10-10 16:03:08 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(31節・いわき戦、2-0)
※前回の大分の記事はこちら(32節・横浜FC戦、1-1)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

<大分スタメン>

  • 前節(藤枝戦、2-0)出場停止だった弓場がスタメンに復帰。
  • 長期離脱していた町田が前節復帰し途中出場。(今季初出場)

リーグ終盤の熱い戦い、というタイミングで開場を迎えた、長崎の新スタジアム。
その名も「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」で、全部横文字なのが今風を感じさせるものでしょうか。(単に同じ「ピース」の単語を利用している広島のスタジアムと区別をつけるためな気がしますが)
かくして完遂した「長崎スタジアムシティ」プロジェクトにより、選手とは別になったヴィヴィくんの入場口とか何もかもが新しくなり迎えた一戦。

しかし雰囲気は一新されても、それまでのリーグの成績は当然ながら残り。
この開場を昇格争いの最中に迎える事が出来たものの、逆にこの日が、上位である横浜FC・清水に昇格リーチが掛かる状況。
それを防ぎ、かつ今後奇跡の逆転昇格を果たすには勝利あるのみと、ある意味後が無い状態となっている長崎。

一方対戦相手は、下平隆宏監督の前職という事で温かく迎えられた大分。
こちらも切羽詰まった状態ですが、長崎とは逆に残留争いの渦中で、勝利すれば19位・鹿児島が今節降格の可能性が出る試合となり。
前節ようやく掴んだ勝ち点3が齎すであろう上昇機運を、この場にぶつけたい所。

最初に好機、即ち相手のボックス内を突けたのは長崎で前半3分。
立ち上がりでお馴染みの流れである空中戦→ラフなロングパスという初手で、その米田のロングパス、というには語弊がある殆ど前に飛ばない天高く上がったロビングを増山が逆サイドで収め。
そしてジェズス・ギリェルメの持ち運びで前進し、一度は遮断されるもパスカットで継続と、敵陣に入ってからはマンパワーを押し出し。
バイタル付近での繋ぎを経て、ギリェルメのパスを左ポケットで受けた米田、巻くようにクロス気味のシュートを放った(枠外)のが新スタジアムの記念すべきファーストシュート。

しかしその後、好機という面では沈黙。
といっても無駄に時間を過ごすのとは違い、長崎のボール保持に対し大分がミドルプレスの位置で構えるのを崩さないが故に起こった事であり。
頂点の鮎川がアンカーをしっかりマークするのを軸とし、滅多な事(バックパスのトラップに乱れが出た時とか)では前に出ない姿勢を維持する大分。
それに対し長崎も、サイドに出してサイドバック⇔ウイングのパス交換で相手の動きを窺いながら、センターバックに戻すという様子見を繰り返し。
エキサイティングとはかけ離れた、最終ラインでの保持の絵図が長く占めるその姿は、まるでクラシコ(バルセロナvsレアル・マドリード)を観ているような感覚であり。
新スタジアムの開場に伴いサッカーの内容も海外リーグ仕様に……とは言い過ぎか。

そんな状態が続くなか、12分敵陣右サイドで吉田がボールカットして動きかけますが、奥で拾いにいった鮎川にすかさずヴァウドが蓋をして事故にはさせず。
しかし直後のゴールキック、当然長崎はショートパスから地上での繋ぎを再開させるも、しっかり嵌めた大分はミドルパスを蹴らせて弓場がカット成功。
ここからのショートカウンター(鮎川→野村へのエリア内へのスルーパス)は遮断されるも、弓場が再度ボール奪取して継続と分厚い攻めに入り。
そして再度こぼれ球を拾った弓場がミドルシュート、ブロックされるも尚も継続してコーナーキックに持ち込み。
この右CKから、クロスを安藤が合わせヘディングシュート(枠外)と、ボールを支配されていた側の大分が跳梁を見せます。

保持(15分までの保持率は79%)を攻撃に繋げたい長崎は、17分に最終ラインから、田中はワイドでは無く同レーン(左ハーフレーン)への縦パスを選択。
ジェズスフリック→名倉と前線に繋げてギアチェンジ、ドリブルでエリア内へ切り込み横パスと好機を迎え。
これはギリェルメの手前で遮断され、拾った澤田も撃てずにこぼされるも、右へと流れたボールに増山が走り込んでシュート。
これがゴールバー上を直撃してラインアウトと、際どいフィニッシュになります。

お互いフィニッシュを浴びせた事で展開にも変化が起き、20分過ぎ辺りから大分もボール保持の意思を見せ始め。
元来地上での繋ぎに定評はあり、前節カウンターに勝機を見出し成功したというだけで、守勢からのカウンター一辺倒なチームにはあらず。
長らくパスを繋ぎ前進を図るも、戻して作り直しという、序盤の長崎のような立ち回りへと入ります。
それでも22分に長崎のプレッシャーの間を通し、野村のスルーパスで左奥を突く(野嶽が受けるもヴァウドに阻まれる)という具合に、大分よりも積極性がある長崎の前線だけに可能性は見られ。

しかしそんな矢先の24分、最後方つまりGKまでの戻しを選択した大分。
ムンキョンゴンの前方(弓場)・右(安藤)・左後方(香川)と3通りのパスという選択肢も、弓場は安部に付かれ、香川への戻しもギリェルメが詰められる位置に居るため追い込まれるのみ。
そのため安藤を選択し、横を切るジェズスの側を抜かんとするパスを送ったものの、これがジェズスの伸ばした足に引っ掛かる大失態という絵図に。
当然その後は無人のゴールへ蹴り込むジェズスと、大分サイドにとっては憮然たる得点が生まれました。(結局三方とも切られていたため、フィードにすべきだったでしょうか)
絵図的にはあっけないものの、最終ラインの繋ぎの精度での差を示す、新スタジアムの初ゴールだったでしょうか。
それと同時に飲水タイムが採られます。

再開後長崎がボールを握る展開へ戻ると、大分は追い掛けなければならなくなった事で隙が生まれたでしょうか。
30分ここも最終ラインからですが、アンカー秋野を経由して縦に運ぶ事に成功すると、名倉がドリブルからミドルシュート。
ゴール右へ外れるも、中央から前進出来るようになる程に、自身のミスでの失点による影響は甚大なようであり。

32分にも左サイドでボール奪取した澤田から、中央へと移したのち前進を図る長崎、ギリェルメのドリブルは阻まれるもこぼれ球はそのままラインアウトし左CKに。
そしてキッカー・ギリェルメの中央へのクロスから、ヴァウドがヘディングシュートを放ってゴールに突き刺します。
ファーへのジェズスを警戒していたか、その手前で跳び出し抑えんとしたGKムンキョンゴンの更に手前で合わせる格好でのフィニッシュ。
自身の長崎での初ゴールという要素も相成り、歓喜に沸く長崎サイド。

これで2点差と苦しくなった大分、35分にプレッシャーを掻い潜ってのパスワークで左奥へ運び、野嶽がカットインを経てマイナスのクロス。
ニアの鮎川が合わせきれず、ファーに流れたボールを高橋大が撃ちにいくも、澤田と交錯してこぼれ球に。
倒れ込む高橋大を尻目に尚も攻める大分、クロスの跳ね返りを落とした池田が、さらにジェズスに倒された事でたまらず反則の笛が鳴り。
長らく痛んだ高橋大が何とか起き上がった所で、中央から直接フリーキックの好機となった大分。
何としても決めたい所でしたが、その高橋大が放ったシュートは落ちきらずゴール上へと外れてしまいます。

結局(第2クォーターで)大分の見せ場はそれだけとなり、以降は再び長崎がボール保持する時間に。
大分は従来の構える姿勢か、ビハインドを跳ね返すべく前に出るかで迷っている風であり。
その中でアディショナルタイム、FKから右サイドでのパスワークを経て、安部の手前からのクロスが直接ゴールを襲い。
これが左ポストを直撃と、あわよくば3点目という流れも構築されつつありました。

結局2-0のまま前半が終了。
巻き返しを図る大分は、ハーフタイムで高橋大→保田へと交代。
アンダー代表(U-19)から帰還したての保田の投入で、陣容を固めに入りました。

この保田がボランチに入る事で、池田が一列上がってシャドーとなる。
そんなポジションチェンジを想定していましたが、実際始まった後半では、池田は一列どころか最前線まで上がり。
つまりは3-3-2-2(3-1-4-2)へとシフトしたようで、保田は主にシャドーの立ち位置に。

しかしその変更が馴染まないうちに、押し込みを掛ける長崎。
後半3分にFKから好機を作った(放り込みと見せかけて地上から、米田がスルーパスに走り込んでシュート、GKムンキョンゴンキャッチ)のちの、大分のゴールキックからでした。
地上で繋ぎを図る大分に対しプレッシャーを掛け、安藤の縦パスを秋野が綺麗にカットしてショートカウンターに入り。
そしてエリア内へ進入したジェズスの、ディフェンスを十分に引き付けての横パスで、受けたギリェルメがGKと一対一に。
冷静にゴール右へと決めたギリェルメにより、長崎がさらに点差を広げます。
新スタジアムの名称のような、平和的とはとても言えないスコア(3-0)に。

一層目の色を変えなければならない大分。
アンカーは弓場のようでしたが、状況によっては野村がその位置に降りる事もあり。
視覚的には、3ボランチによる3-5-2といった方が正しいでしょうか。

それにより、本格的にボールポゼッションを高めて反撃に掛かる大分。
前回観た際と同様に、WBに高い位置を取らせてどうにかそこに繋がんとする姿勢での攻撃。

サイド奥に切り込み、押し込んだ成果であるCKも何度か得るものの、肝心のフィニッシュの数は膨らまず。
11分、野嶽が左ワイドから斜めに切り込んでポケットを取り、スイッチで引き取った池田がシュートコースを探すもディフェンスに阻まれ。
こぼれ球を弓場がミドルシュートにいった所、名倉のチャージを受けながら撃つ格好になったため、枠外ののち反則の笛が鳴り。
エリアからすぐ手前での直接FKの好機となります。
これを受けた長崎、既に交代準備はしていたものの、悩んだ末に壁の高さを増すためにフアンマ投入という選択をします。(名倉と交代・同時に澤田→笠柳に交代、ジェズスがインサイドハーフに回る)
そしてキッカー野村の直接シュートが放たれるも、ゴール上へ外れとそのベンチの執念が実る格好に。

直後に大分ベンチも動き、野嶽→茂へと交代。
これにより勢いを増した左サイド、香川も積極的に上がって絡む事で押し込みますが、やはり決定機は生み出せず。
吉田のロングスローという手法も組み込み、何とか1点を取りにいきますが、実る事は有りません。
それにより長崎のカウンター→CK→大分のカウンターと、前半とは打って変わって慌ただしい展開(23~24分)も生まれた末に、25分に飲水タイムが挟まれます。

明ける際に大分はさらにカードを切り、野村・鮎川→町田・長沢へと2枚替え。
これに併せて4-4-2へシフトしたようで、SBは右に吉田・左に香川、SHは右が町田・左が茂というサイドの構成となり。

しかし28分、長崎は敵陣でジェズスのパスカットから好機となり。
左奥を突いたフアンマがカットインと、中央でターゲットが主の彼の予期せぬプレーにより、ペレイラが後追いで倒した末に反則・警告。
これによりワイドの位置からのFKとなったものの、エリアからすぐ脇という事もあり、直接シュートを選択したキッカー・ギリェルメ。
これがゴールバーを掠める惜しいフィニッシュと、依然として長崎の迫力の方が目立ちます。

30分にさらに吉田→宇津元へ交代と、矢継早に動く大分ベンチ。
宇津元が左SHとなり、茂が空いた右SBに回るという具合に、ポジションチェンジも忙しなく。

さらに35分に(増山ロングパス→ジェズス落としで)フアンマがエリア内で決定機、放たれたシュートをGKムンキョンゴンが前に出てセーブ。
終盤も近くなり何とか流れを変えたいなか、直後に自陣で受けた反則から、FKを素早くリスタートさせて一気に運ぶ大分。
左奥を突いてCKに持ち込み、フィニッシュには持ち込めずもその後中盤でボール奪取して再度攻撃。
そして香川のスルーパスで左奥を突いてCKと流れを作ると、キッカー保田がクロスの跳ね返りを自ら拾ったのちそのままカットイン。
左ポケット奥へ切り込むと、後ろからジェズスにに倒される、PKかという絵図を生み出しましたが無情にも笛は鳴らず。
さらにこれに激高した保田が異議で警告を貰うという具合に、直接FK以降シュートが皆無の時間が続くなか、踏んだり蹴ったりの展開を描くのみとなります。
直後の39分に、長崎は安部→山田へと交代。

40分、大分は右サイドからの運びで、ペレイラミドルパス→長沢ポストプレイでプレッシャーをかわして茂がドリブルに入り。
そしてサイドチェンジを受けた香川が左ポケットを突いてシュートと、ようやくフィニッシュに辿り着いたものの増山のブロックに防がれ。
左スローインになると、香川のクロスから放たれた宇津元のヘディングシュートがゴールバーを掠めるという具合に、徐々にゴールへの近付きを果たし。

しかし既に終盤であり、3点差を跳ね返すのは至難の業に。
43分に長崎が最後の交代(増山・ギリェルメ→青木義・松澤、笠柳が右ウイングに回る)を敢行したのを契機に、ペレイラが前線に上がるパワープレイ体制を取り始める大分。
後方は弓場がCBを、池田がボランチを埋める形となり。

そして44分にそれが実り、クリアボールを保田フリック→長沢落としとヘッドで繋ぎ、宇津元が左サイドからのドリブルでポケット奥を取り。
入れられたマイナスのクロスをペレイラが合わせる、その変節が見事に奏功する形でゴールネットを揺らします。
ようやく1点を返した大分。

しかしキックオフから保持に入り攻め込む長崎、大分はそれを闇雲気味に止めて反撃に入るしか手立ては無い状態。
それが仇となり、左奥に進入した松澤を町田が倒してしまい反則・ワイドからのFKを与えてしまいます。
これはゴールに繋がらずも、クロスからの競り合いで倒れた事により試合が止まった事で、長崎のドロップボールで再開。
これが右ワイドからとほぼFKの状況からで、ショートパスで地上から崩す事を選択した長崎、笠柳が秋野とのワンツーを経て中央からエリア内へ切り込み。
そしてシュートを放ってゴールネットを揺らし、止めとなる4点目を叩き出しました。
距離の近いスタンドによる新たなゴールパフォーマンス(リボンビジョンに笠柳が座って勝ち誇る)と、ここでも新スタジアムの顔となりそうな光景を見せる長崎サイド。

結局そのまま4-1で試合終了となり。
こうして新スタジアムの初戦を快勝した長崎ですが、横浜FC・清水がともに昇格リーチの状況に変わり無く。
彼らは今後1勝した時点で昇格決定と、止めるのは正直難しい所ですが、この新たな本拠地での興奮は奇跡を信じる気にさせてくれたでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第34節 栃木SCvs愛媛FC

2024-10-09 18:08:40 | サッカー視聴記(J2)

※前回の栃木の記事はこちら(31節・水戸戦、2-3)
※前回の愛媛の記事はこちら(30節・横浜FC戦、1-4)
※前回の両クラブの対戦はこちら(17節、愛媛 0-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 長期離脱していた佐藤祥が32節(鹿児島戦、2-1)で復帰し途中出場、前節(いわき戦、0-0)スタメン復帰。

<愛媛スタメン>

  • 夏に加入した今野が32節(山形戦、1-3)で初出場、以降スタメンに定着。

この日と、前回のホーム(32節)での2試合は、栃木県グリーンスタジアムでの開催となった栃木。
言わずと知れた、現在のホーム・カンセキスタジアムとちぎ(以下カンセキ)が会場するまでの本拠地で、専用スタジアム→競技場への移転は訝しく思えたものです。

カンセキの開場は2020年の終盤の事で、その前年に残留争いの戦いの場となったこの地。
残り4試合で降格圏の21位に位置し、20位との勝ち点差6という厳しい状況に追い込まれたものの、その後3勝1分の成績で逆転を果たして残留に成功。
そして今季も、17位との勝ち点差6とほぼ同じシチュエーションで「ファイナル5」を迎えていますが、縁起の良い(そもそも低迷していたためこう言うのは憚られるが)このスタジアムで再現の足掛かりを作る事が出来るでしょうか。

相手の愛媛も、目下5連敗中でその争いに巻き込まれかねない位置にまで下降を余儀なくされているクラブ。
そのためお互いロングボール主体の入りが一層顕著となり、リスクを掛けずに敵陣へ運ぶ事に趣が置かれるものとなりました。
デュエルも当然激しくなるなか、反則により愛媛がフリーキック中心のセットプレー攻勢という流れで推移。
それでも放り込みが増えるのみに終わり、逆に7分の栃木のファーストチャンスで、大森の反則気味のボール奪取からショートカウンター。
左ポケットをドリブルで突いた大島が、切り返しから巻くシュートを放ち(ゴール右へ外れる)ファーストシュートに結び付け。

以降栃木はまた停滞を余儀なくされ、愛媛のセットプレー中心の攻撃が続き。
本来は地上からの組み立ても出来る栃木ですが、相手の出方を観察し、アバウトな手法が主体と見るやそれに付き合う形に。
あえてそうしている感が強く、何処でその意識から切り替えに掛かるかが注目される事となり。

愛媛はパクゴヌが3試合ぶりにスタメン復帰とあり、彼が上下動する事で可変するお馴染みの「攻撃時4バック・守備時3バック」というシステム。
連敗中のためか両サイドバックを中心にスタメンも色々変節を見せている事もあり、練度の面での不安からアバウトな立ち回りを選択した風に見えました。
その中で、肝となるパクゴヌは裏へのボールにひたすら走り込むなどこの日も献身的に動き回り。

そんな試合の様相が変わったのが22分で、栃木が裏へのロングパスに、2.5列目から青島が抜け出すという意表を突く仕掛け。
これに追いすがった小川が彼を倒してしまうも、反則の笛は鳴らずホームのスタンドがどよめきます。
しかし流れを変える効果はあったか、以降対角線のロングパスを多用する組み立てで愛媛ディフェンスを揺さぶり。
ボランチの位置で佐藤祥がそのフィード力を駆使し、片割れの青島が先程のシーンのように浮遊していくという関係性も明確になり。

大きな展開で逆サイドを突いてのクロス攻勢、というパターンで綺麗にペースを掴んだ栃木。
巻き返したい愛媛ですが、栃木のプレッシングの前にボールを運べない状態に陥り。
29分にはミドルパスで脱出せんとするも、石浦のトラップ際を突かれて佐藤祥がボール奪取。
そして中央でのスイッチから、受けた南野がミドルシュートを放ち、小川にブロックされるも左コーナーで継続。
ファーへのクロスがクリアされた所を、佐藤祥がダイレクトでシュート(枠外)と、故障の影響を微塵も感じさせない佐藤祥の活躍が目立ちます。

愛媛のシステムに合わせるように、栃木も攻撃時は、福島がSB化しての4バックとなって繋ぐ時間が長くなり。
それに伴いサイドハーフとなる森が、ワイド一辺倒とはならずに動き回る事で流動性を高め。
中々掴み辛い状況となる愛媛ディフェンス、パクゴヌも最終ラインを保ち5バックで凌ぐ絵図が増えるなど、苦戦の色が高まります。

しかし栃木も決定打は中々放てず。
プレッシングを強める愛媛に対し、宮崎狙いのロングボールでの脱出も有効性が高まったものの、フィニッシュには持ち込めず時間が過ぎていき。
一方の愛媛も、立ち上がりのアバウトな攻めからの軌道修正は難しく、保持せんとして細部でのミスが目立つ流れとなり。
そのため、慎重な流れをお互い引き摺るかのように、まるで攻撃機会が膨らまない展開と化した終盤戦。
結局スコアレスのまま、前半を終える事となりました。

全体として不完全燃焼だった前半から、どれだけ積極性を出せられるかといった後半の展望。
その入りの後半1分、ボール争いのなかプレッシャーを掛けにいった青島がボールを腕に当ててしまいハンド。
これにより左サイドからのFKと、前半同様セットプレー攻勢の様相となった愛媛。
しかし位置的に苦しいなかでキッカー茂木は直接シュートを選択(枠を大きく外す)と、シュートの意識を高めに掛かった節が見られ。

一方栃木の最初の好機は、エアバトルの最中で(松田の)反則に拠るFKとこちらもセットプレー。
右サイド浅めからキッカー南野がクロスを入れ、クリアが逆サイドにこぼれた所を宮崎が折り返してチャンスボールに。
そして平松が跳び込みヘディングシュート(GK辻キャッチ)と、枠内のフィニッシュに繋げる差異を生み出しました。

栃木の勢いが勝る格好になると、試合展開もそれに準ずるものに。
前半同様、地上での繋ぎ・宮崎狙いのロングボール双方を組み合わせてのビルドアップで、愛媛を守勢に追い込み。

そして10分、栃木は後方からのロングパスで、クリアボールを確保した愛媛に対するプレッシャーで佐藤祥がボール奪取。
敵陣で攻撃スタートとなると、森が右ハーフレーンで溜めを作り、それを追い越してポケットを取る福島に対しスルーパス。
完全な崩しを経て入れられたグラウンダーのクロスを、大外からニアに入り込んだ大島が合わせるという、これまた目線をズラしてのフィニッシュでゴールネットを揺らします。
ロングボール→拾われた所を奪取という、5年前の残留争いにおける「ストーミング」らしき手法ながら、当時と段違いな繋ぎの練度により辿り着いた先制点となりました。

これで苦しくなった愛媛。
尚も勢いを増す栃木のプレッシングの前に、ロクに組み立てられずにアバウトな手法に頼る状況は前半と変わりません。
それを尻目に栃木は13分にも決定機、右サイドでの浮き球の繋ぎを経て青島がサイドチェンジ、受けた大森は前進を経てアーリークロスを選択。
クリアされるも大森自らヘッドで入れ直すと、ファーサイドで宮崎のヘディングシュートが放たれましたが右ポストを直撃。
詰めにいった大島の前でクリアされ、惜しくも追加点は得られません。

巻き返しを図るべく、14分に2枚替えを敢行(茂木・石浦→窪田・曽根田)した愛媛・石丸清隆監督。
しかし問題なのは後方からのビルドアップという状況なので、2列目の駒を代えたのみでは変えられず。
それどころか、15分に福島のボール奪取から、宮崎が中央からのミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
16分にも大森がパス先に対するプレッシャーでボール奪取、その刹那三原に倒されて反則・敵陣でFKゲットと、ショートカウンター主体の好機を浴び続け。

この流れで仕留めたい栃木、20分に右スローインから保持→クロス攻勢に入り。
クリアボールも拾い続け、最後はポケットへのスルーパス(森→福島)がディフェンスに遭うもCKに繋がるという具合にゲーム支配の絵図を高めます。
このCKから、クリアボールを佐藤祥がミドルシュートとフィニッシュで終わるも、これは精度を欠き大きく外れ。

一向に反撃の橋頭堡を作れない愛媛。
25分、左サイド深めからの攻撃スタートになると、今野の持ち運びに対し栃木のプレッシャーで監獄状態となりかけ。
「ここも前進出来ずか……」と思わされるこの絵図から、狭い所を縦パスで通すと、その先でも曽根田が(福島に)倒されながらのポストプレイと際どい繋ぎ。
これでプレス回避し敵陣へ運び、松田へのミドルパスはカットされるも曽根田が拾い、前進を経てそのままミドルシュート(GK丹野キャッチ)と苦しみながらもフィニッシュにまで持っていきます。
続く26分にも中盤でのボール奪取から好機、左サイドで対角線のミドルパスを受けた窪田がカットインからミドルシュート。(ブロック)
直後にベンチも再度動き、谷岡・パクゴヌ→石渡・ダンカンへと2枚替え。
これにより通称「パクゴヌシステム」(自分しか呼んでいないと思う)から、松田・ダンカンが2トップのオーソドックスな4-4-2へとシフトします。(曽根田が右SHに回る)

一匙の光明が見出されるも、28分には最終ラインでのコントロールミスで南野に奪われる(その後保持→戻して作り直し)という具合に、依然として怪しさが入り混じった状態。
そんな後方が、この直後に綺麗なビルドアップの道筋を作ってゴールに繋げるのだから分かりません。

29分、最終ライン⇔ボランチでのパス回しを続けて栃木のプレッシャーを呼び込んだのち右への素早い展開。
そのワイドで三原が、大森に詰められる前に1タッチで縦パスを送ると、ダンカンのスルーでラファエルも喰い付かせる事に成功。
松田も1タッチのスルーパスを選択し一気に右サイド裏を突く、完全に崩した末の曽根田のクロスが上がると、中央に走り込むダンカンを越えて大外で石渡がボレーで合わせ。
流れるようなパスワークで奪った、これまでの閉塞感は何だったのかという気持ちにもさせる同点ゴールとなりました。

追い付かれた栃木、どうしても勝ち点3が欲しいチーム状況なので気分的には追い掛ける側へと移り。
32分に森・大島→石田・奥田へと2枚替えを敢行し、その燃料にせんとしますが、一度崩された好循環を取り戻すのは容易では無く。
ゴールとともに流れも奪った格好の愛媛、33分には攻撃が途切れたのちのゲーゲンプレスで松田が奪い返してゴールに迫り。
ダンカン右ポケットへスルーパス→三原走り込んでクロス→窪田シュートと繋げましたが、オフサイドとなり実らず。(シュートもミートせず右へと逸れ)

35分に双方交代の絵図となり、栃木は大森→高嶋(右センターバックに入る)へと交代し、ウイングバックは右に福島・左に石田へとシフト。
愛媛は松田→尾崎へ交代と、DFを追加する事で再度?3バックへ戻す格好となりました。(尾崎は右CBで、三原が右WBに)

この采配を勝ち越しに繋げたい両チーム。
栃木は39分に敵陣で保持を続け、左からの前進を経てポケットを取った奥田がクロス。
クリアが小さく浮き上がった所を、宮崎がヘディングシュートに持っていくもGK辻がセーブ。
直後の40分に愛媛も、ダンカン狙いのロングボールの跳ね返りを繋げ、左からの前進の末にスルーパスでポケット奥を取り。
そして窪田のクロスをニアサイドでダンカンが合わせヘディングシュート、しかしGK丹野がキャッチ。
主砲のヘディングがゴールを脅かしたものの、共に決まらず。

栃木ベンチの執念は尚も続き、41分に最後の交代を敢行。
南野・宮崎→小堀・矢野へ交代するとともに、ラファエルが前線に上がって4-4-2の布陣となり(小堀は右SH)、パワープレイに近い格好で最後の勝負に出ます。

しかし同時に、これまで貫いて来た地上での繋ぎ、ならびに組織力を発揮しての攻撃を放棄する事にも繋がり。
44分にロングフィード→矢野フリック→小堀と繋がり、こぼれ球を拾ったラファエルがエリア内を突いてシュート(ゴール左へ外れる)と一定の成果は出たものの、失点前の攻勢のような「ゲーム支配」の感は生まれず。

アディショナルタイムに突入すると、石田のロングスローもこの日初めて使いましたが、結局これが打ち止めとなり。(直後に石渡のドリブルを反則で止めてカウンター阻止した石田に警告)
以降は後方から何とかロングボールを送れれば……という状態に陥り、それ以上の好機は生まれずとなりました。

結局1-1で試合終了となり。
非常に意味の分かれる勝ち点1で、愛媛は降格圏の栃木に勝ち点差(8)を詰められずに済み。
一方の栃木は、敗戦した大分との勝ち点差を1しか詰められず、依然としてあと2勝分の勝ち点が欲しいのは変わりません。
地上での繋ぎ・ロングボール攻勢の双方を巧く使っていた栃木も、残留争いも最終局面を迎え、今後どんなサッカーが顔を出すのか注目したい所です。

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