インジェニュイティ・ヘリコプター、火星での3年後ミッションを終える
NASAの歴史に残るマーズ・ヘリコプター「インジェニュイティ」は、予想を上回り、予定より数十回多く飛行した後、火星でのミッションを終了した。ヘリコプターは直立したままで地上管制官と交信しているが、今週、地球に送られた1月18日の飛行のイメージには、着陸中にローターブレードの1枚以上が損傷を受け、もはや飛行できないことを示している。
当初は30日間、最大5回の実験飛行を行う技術実証として設計されたが、この別世界初の航空機は火星の表面で約3年間運用され、72回の飛行を行い、計画の14倍以上の距離を飛行し、合計飛行時間は2時間以上を記録した。
インジェニュイティは2021年2月18日に火星に着陸したNASAの探査車「パーサビアランス」の腹部に取付けられ、4月19日に初めて火星表面から飛ばされ、火星での動力制御飛行が可能であることを証明した。さらに4回の飛行を行った後、パーサビアランスの科学者とローバーの運転者のための空中偵察として、運用デモンストレーションとして、新しいミッションに着手した。2023年、ヘリコプターは2回の飛行試験を成功させ、空力の限界に関するチームの知識をさらに広げた。
<ひとこと>: この記事は下表の「火星探査の今」に1月29日付けで掲載したものです。
インジェニュイティは、地球以外の天体で飛行した初めてのヘリコプターでした。火星は地球と比較して重力が小さく大気も薄いので、設計時から地球と異なる配慮が必要でした。インジェニュイティの上空からのデータは、地上のローバー、パーサビアランスの行動にとって極めて有効でした。この実績は今後の火星探査に大きな影響を与えるでしょう。なお、ローターブレード損傷の原因を含む詳細、大判イメージ等は下表の「火星探査の今」の1月29日、1月30日の記事をご覧ください。
<出典>: Ingenuity Helicopter
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