ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 竜の涙 」 柴田 よしき

2015-08-05 22:32:43 | 
         「 竜の涙 」 柴田 よしき 

       

数年前に読んだ「 ふたたびの虹 」の続編です。  6編の連作小説です。
前作は、おかみさんのことが書かれていましたが、今回は、来店するお客さんの会社での人間関係や事情、悩みなどが書かれています。
「竜の涙」「霧のおりてゆくところ」「気の弱い脅迫者」「届かなかったもの」「氷雨と大根」「お願いクッキー」
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東京丸の内の雑居ビルで、京都のお惣菜を出す「 ばんざいや 」を開いている女将の吉永。
オーナーが丸の内の再開発のため老巧化したビルを売却し、新しい持ち主からは、建て替えるため相応の立退料を受け取って立ち退くか、
高額なテナント料で新しいビルに入居するかの決断を迫られている。

店には、サラリーマンが会社帰りに同僚や友人と飲みに来たり、単身赴任や独身者が食事をしに来る。
友人に連れてこられた人が料理と女将に惹かれ、また一人で来店したりする。
毎回、女将さんが、丁寧に出汁を取って丹精込めた料理が登場。
お店に来るお客さんが抱えている悩みを聞いたり、助言したり、それぞれの人間模様が繰り広げられる。
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やっぱり柴田さんの本は読みやすく、女性が魅力的です。 女将の吉永さんが大好きです。
物静かで芯が強く思慮深くて女らしく大人で、私と正反対で、私よりずっと年下なのに頼りになります。

広告代理店に勤める、金岡麻由と川上有美は同僚で友人。定年前の資料室の草間洋子係長の3人は、
知らずに別々に店を訪れ女将さんといろいろな話をして、話は全編につながっっていきますが、
男世界の仕事場で頑張る女の人の大変さがひしひし伝わってきました。

「 氷雨と大根 」の常連客の山岡達二が言った言葉。
〔自己流→自分にはこれが余裕なんだからと自分で納得できるような自己流の余裕を持つことが大事〕が、心に残りました。

どの話にも美味しそうな「おばんざい」が出てきて、魅力的な女将さんとお料理。
このお店が本当にあれば間違いなく私は常連さんになるでしょう。

川上と、進藤のこれから先の関係、金岡の新しい職場での活躍、女将さんと恋人の骨董店店主の清水との未来、
新しく開店する「ばんざいや」の話をぜひ読みたいので、続編を熱望しています。


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コメント
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