酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

こどもの日が泣いている

2008-05-04 16:33:35 | Weblog
 あす5日は60回目のこどもの日である。

 過去26年間、15歳未満の子供人口は減り続けている。今年の推計でも減れば27年連続となる。1954年には子供人口は3000万人近かった。昨年の数字は1736万人である。ピークと比べると半減と言っていいほどだ。

 さまざまな少子化対策が講じられているが、若い人たちの琴線に響くようなものは見当たらない。児童手当を増額したり、保育環境を整えたりといったことで解決するほどたやすくはなさそうだ。

 何より、この国の将来が見通せないのが大きい。年金や医療問題もある。競争が激化し、子供たちがぎすぎすしている。そんな坩堝に子供を放り込みたくない。そういう心理もあるだろう。

 低賃金で若い人たちを使い捨てにしているツケが回ってきた。

 高齢者は年金と医療でいじめられる。子どもは教育競争の中で神経をすり減らす。政治が光を当てるべき子どもとお年寄りが、こんな状況におかれているということは、ろくな政治が行われていないということだ。

 改定学習指導要領では授業時数を増やすという。

 日本の学校は圧倒的に長期休暇が少ない。そのうえ平日の授業時間を増やせば、どんなことになるのだろう。学力は詰め込んで身に付くものではない。やる気がなければいくら時間をかけても無駄だ。

 子どもの興味を引き出す、好奇心に訴える。教師の資質が問われているが、多くの教員は疲れていてそれどころではない。小学校の教師の中には「英語なんか教えられない。辞めようかな」といっている人が少なくない。

 子どもの仕事は遊ぶことだ。遊びの中でさまざまなことを学ぶ。体を使って戸外で遊ぶ。がきのわめき声が響く街を取り戻さないと、街自体が窒息してしまう。

 東京都の子供人口のシェアは11・5%で全国最低だ。一見活気を呈しているかに見える東京だが、実はもう死んでいるのだ。子供のいない国に未来はない。

 今年もこどもの日が泣いている。

 
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