酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

立松和平に絶筆を勧める

2008-06-28 04:57:14 | Weblog
あの立松和平がまたも盗作をやってしまったらしい。毎日新聞=電子版=は以下のように伝える。

 《作家の立松和平さん(60)の小説「二荒(ふたら)」(新潮社)の記述の一部が、栃木県日光市職員、福田和美さんの著書「日光鱒釣紳士物語」(山と渓谷社)と類似していることが分かった。新潮社は27日までに「二荒」を絶版にした。

 「二荒」は、日光市を舞台に、実在の人物をモデルにした恋愛小説。昨年9月に刊行され、今年2月、福田さんが自分の本に似ていると指摘。新潮社が調査したところ、第2章の冒頭、登場人物のせりふなどが福田作品の創作部分と似ていた。新潮社は「参考文献として挙げていたものの、参考の域を超えて使用していると判断せざるを得ない」と、4月末に絶版を決めた。

 立松さんは「福田さんの前書きなどからすべて歴史的事実と思いました。紛争を回避するため、絶版としました。該当部分を書き直したものを再出版する予定です」など文書でコメントを発表した。

 立松さんは93年に小説「光の雨」を文芸誌に連載中、小説が連合赤軍事件の坂口弘死刑囚の自伝的著作に酷似していたことから「盗用だ」と、支援者らの抗議を受けた。この時立松さんは無断引用を認め全面的に謝罪、連載を中止している》

 立松と言えば、前回の盗用騒ぎから奇跡的に復帰した後は、例の栃木なまりの朴訥なしゃべりを武器に、テレビの旅番組や環境問題のコメンテーターとして活躍していた。

 過去や外見で人を判断するのはあまり感心したことではないが、立松の場合、あの笑顔としゃべりはつくられたものであり、胡散臭いと感じていた。言うことも真っ当すぎてしらけることが多かった。今回の一件で、作家の魂がない人物だとよく分かった。もうモノを書くのはやめなさい。田舎に帰って土を耕せばいい。雑草と対話し、己の卑小さを考え続けていきなさい。

 近年、立松は環境問題での発言が多い。昨年開かれた昭和基地開設50周年記念すフォーラムでは

「地球環境について考えなければいけない時期に来ていることを、人間を完全に超越した南極の風景が教えてくれた」「『地球に優しく』という言葉があるが、人間が苦しめているのは地球ではなく自分たちだ」などと語っている=共同=。

 精力的に行動する一方、執筆意欲も旺盛で昨年には「道元禅師」で泉鏡花文学賞を受賞している。もっとも、この作品は「正法眼蔵」の超訳ともいえる代物で、道元との共著といっていい。

 今回指摘された著書は絶版になるという。当然のことだ。それにしても、原著の著者が指摘をしなかったらどうなっていたのだろう。この男は頬かむりをしていただろう。前回の盗用を全く反省していないと言わねばならない。他人の著作に触発されなければ、モノを書けなくなっているのではないか。作家としての感性が枯渇している(もともとなかった?)のだ。やはり、緑の中での転地療養が一番いい。

 立松の出版にかかわったすべての出版社は、全著作を洗い直して見るべきだ。

 立松クン、還暦も過ぎたことだ。真人間になろう。分かった風にモノを書いたり、笑顔で人を欺くのはもうやめよう。

 でも、懲りずにまた出てくるんだろうなあ。
コメント (2)
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