酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「いわき」はいま

2013-02-12 11:10:09 | 外交
 日曜日、いわき市で開かれたマラソン大会でフルを走ってきた。2年前の震災以降、この地にはボランティアなどで3回ほど訪れているが、光と影が交錯している印象を受ける。

 いわき市の人口は原発被災地からの受け入れなどで増えている。東電福島第1原発の普及に絡む工事要員や建設関係の流入も多く、飲み屋の景気はよさそうだ。

 宿泊先のホテルでも工事関係の長期滞在者が多く、サウナで交わしている会話はパチンコと競輪に関するものが多かったように感じる。厳しい仕事の憂さを晴らすには、娯楽と酒は欠かせない。

 いわき市で最も震災の打撃が大きかった北部の久ノ浜町を訪れてみた。2年前と変わっているのは住宅のがれきが片付いていることぐらい。野球場10個分以上の広い土地は、基礎のコンクリートなどがそのまま残り、かえって荒涼とした雰囲気だった。ここは市街地再開発事業で生まれ変わるそうだが、事業に先立って堤防のかさ上げが必要となる。堤防ができ、街の建設工事が始まるのはいつになるのか。

 久ノ浜から10キロほど南、「乱れ髪」で知られる塩屋崎灯台直下の集落も、「家屋の跡」が広がっていた。ここは久ノ浜とは違い、高台移転を決めたそうだ。背後の山を崩して宅地を造成するというのだ。だが、土地造成が完成するのは、速くても10年後とか。

 大震災から間もなく2年になるが、復興の足取りはまだ半歩踏み出したばかり。「仮の町」設置などで行政需要がさらに高まると予想されるいわきの今後に注目したい。
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