酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

長嶋、松井に国民栄誉賞

2013-04-02 14:18:25 | 外交
 長嶋茂雄と松井秀樹に国民栄誉賞が贈られることになった。めでたい話にケチをつける気はないが、群馬の地方紙上毛新聞のスクープと聞くと、「ははーん」と感じるところがある。中曽根―ナベツネラインによる画策の臭いがするからだ。

 ≪政府は1日、巨人長嶋茂雄終身名誉監督(77)と、巨人、ヤンキースなどで活躍し、 昨年現役を引退した松井秀喜氏(38)に対し、国民栄誉賞授与の方針を決めた。 長年のプロ野球発展への貢献と、国民を勇気づけた功績が評価された。 野球界では王貞治氏、衣笠祥雄氏に続く受賞となる。  長嶋、松井両氏の受賞は、群馬県の地方紙、上毛新聞の1日付のスクープだった。 菅義偉官房長官は午前中の記者会見で「方向性が決まっているわけでも何でもない」と 報道を否定した。その後も政府高官は「エープリルフールだ」とはぐらかしたが、 午後の会見で一転し表明。菅氏は「午前中の段階で政府として結論は出していなかった。 今日の新聞報道が過熱する中で、結論を早く出した」と釈明した≫=共同=。

 読売新聞は44万部余の号外を発行したうえ、きょうの朝刊は1面トップ、3面、社会面見開き、スポーツ面に大展開するはしゃぎぶりである。読売グループ会長である渡辺恒雄の欣喜雀躍ぶりをほうふつさせてあまりある。

 なぜこの時期に長嶋と松井か―という声が一部にある。まあ、この賞そのものが政治的な性格が強いものなので、その辺はおいておこう。知りたいのはなぜ上毛のスクープになったのか、である。

 ナベツネが中曽根を通じて動いていたのなら、読売が抜いて当然だろう。だが、それでは裏がバレバレになる。で、中曽根が地元の上毛にリークしたと考えるわけである。上毛に恩を売っておけば、参院議員であるせがれ弘文のためにもなる。国民栄誉賞なら、めでたいめでたいで反発も起きにくい。

 巨人軍を最大の販促アイテムと位置付けている読売にとっても、OB2人の同時受賞は大歓迎、人気の長期低落傾向が続く野球のテコ入れにもなる。というわけで、めでたしめでたし。

 とはいえ、長嶋と松井より実績上位の野球選手は(張本、金田、野村ら)多いし、三浦雄一郎や竹内 洋岳らも十分受賞に値する。いろいろ考えさせられる受賞劇だ。
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