酔眼独語 

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なぜまたマレーシア機が…

2014-07-18 10:15:47 | 国際事件
 ウクライナとロシアの国境近くでマレーシア航空機が何者かに撃墜された。ウクライナ当局、米国、ロシアとも事故ではなく「撃墜」と述べていることから、撃ち落とされたのは間違いなさそうだ。

 《 マレーシア航空の旅客機が17日、ウクライナ東部上空で墜落し、乗客280人と乗員15人の295人全員が死亡した。

米当局は「空中で爆発した」として、地対空ミサイルによるものとの見方を示した。

ウクライナ当局は、親ロシア派武装勢力がロシアの軍事諜報当局者の支援を受け、ソ連時代に開発されたSA11地対空ミサイルにより撃墜されたと非難。

一方で親ロシア分離独立派の「ドネツク人民共和国」の指導者は関与を否定、ウクライナ空軍のジェット戦闘機が撃墜したと指摘した。

ただ親ロシア派は、地対空ミサイルを入手したことを認めており、14日にはウクライナ空軍の輸送機を撃墜した》=17日 ロイター。

 ロシア製のSA11は高度22000メートルまでの飛行物体なら撃墜可能で、1万メートルぐらいを飛行中とされるマレーシア機は当然射程範囲内だ。「ルガンスク共和国」情報部が主張するウクライナ空軍機による撃墜説はにわかには信じ難い。

 マレーシア機といえば3月初めに消息を絶った事件が思い起こされる。機体は同じ777、なぜ立て続けに同じ航空会社で〝悲劇〟が起こるのか。安全にはより気を使っているはずのマレーシア機が、なぜきな臭いウクライナ上空を飛行するのか。戦闘機や輸送機、地対空ミサイルまでが飛び交っていることは百も承知のはずではないか。

 親ロシア派の仕業だとすると、なぜ民間機をという疑問がわく。持っていたミサイルが旧型で識別装置がなかったとしても、高度や飛行ルートから「民間機かも」との疑いを持って当然だ。

 親ロシア派やロシアにとって、「西側の民間機撃墜」は大きな失点になる。ましてアメリカが新たな制裁を発動したばかり、制裁の妥当性を補強するような出来事だ。

 事件の処理がウクライナ政府に委ねられることになれば、ウクライナ側に不都合な真実は封印されるに違いない。国際的な調査チームを早急に立ち上げることができるかどうか。このチームをめぐる動きがみものである。
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