leka

この世界のどこかに居る似た者達へ。

マナー違反。

2014-03-01 23:47:42 | お芝居・テレビ
お芝居を観始めてから気付いた事があります。

「千秋楽」と言うのは、客席も舞台も独特の雰囲気です。

長らく上演して来た演目も本日で最後と言う雰囲気。

客席にも舞台にも「感謝」の気が満ちています。

それは演者と観客と双方で、上演して来た舞台を日々創り上げた証拠だと思います。(演者:舞台に出ないスタッフの方々も含め)


私はお芝居ではありませんが、「ステージ」と言う物に10年程かかわった事があります。

演者が作った物はもちろん作品ではありますが、それは観客の手を借りなければ育たないのです。


お芝居にも同じ事が言えると思います。


最初に披露した時よりも、何度も披露した後の方が技術的な事も精神的な事も安定して来るのは当たり前の事です。

しかし、それは演者が勝手に上達したわけではなく、本番の舞台で観客と共に物語を生きた結果だと思います。

演者は毎回「本日、この時限り」の観客の前に立ち、間違いなく全力を尽くします。

それが彼らの仕事だからです。


俳優で演出家の串田和美さんと言う方が、「観客は舞台を創るもう一人の相棒だ。」と言う様な事をおっしゃっていました。

「楽しい気持ちばかりじゃない、一緒に辛い思いをする時もある。」と。

お芝居の観客として日の浅いアタシですが、ステージに関わった者として串田さんのおっしゃる事は凄くよく分りました。


幕が開いたら、その空間に居る人々はその物語を旅する仲間達なんだと思うんです。



「渇いた太陽」と言うお芝居を観に行った時、休憩時間に「この話じゃ、はまれないよ!」とトイレの列で文句を言ってた女性が居ました。

だったら帰ればいいし、そんな事は帰った後でお友達に電話なりメールなりすればいい事であって、他の観客達の居る前で言う事ではありません。休憩時間中とは言えまだお芝居は終わっていないのだから無神経です。


それから映像化された作品を「自分が行った日の方が断然いい芝居だった。」などと言う言葉をネット上で見かけたんですが、これは「本日、この時限りの客席と共に」と舞台に立つ演者達に対して、それからその時の空気を役者達と創り上げた観客に対して、失礼きわまりない発言です。

本番中に客席で喋ったり、携帯の着信音を鳴らしてしまうのと同じかそれ以上のマナー違反です。

そんな事を言う権利は本来誰にもないはずです。

前述した通り、千秋楽へ向かうにつれ演技や仕掛けが安定して行くのは当然の事です。

しかし、それはその日までの演者と客席との関係があるからこそ出来上がる舞台であり、アマチュアならいざ知らず彼らはプロフェッショナルな方々なのだから、毎回ベストなお芝居が上演されているとアタシは思います。


チケット代の高い舞台のお芝居は何度も行けないし、良い席での観劇が出来ない事だってあります。

舞台に立つ演者の皆さんは、一番後ろの座席に座る観客にも届く世界を生きています。それが彼らの使命なのだから。

「舞台の演技は会場に居るお客様全員へ向けての演技。」と、上川隆也さんもどこかでお話ししていました。


ネット上では色んな言葉が無遠慮に飛び交います。

でも自分の好きな俳優さんの出演するお芝居に1度しか行けず、手にしているチケットの種類がどうであれ、心配御無用とアタシは思います。


小難しく批判したり自分の気に入らない全てに対して文句を言うより、役者の皆さんと共にストーリーを旅する方が断然楽しく、豊かな観劇の仕方である事に違いありません。

そのほうが演者達の伝えてくれる物をより多く受け取る事が出来ると思います。

お芝居を最大限楽しめると言うことです。

”その空間”は演者と客席が創ってゆくものです。


批判めいた事を書いて流す事は、なによりもこれからそのお芝居を観る観客達に対して非常に無神経な行動です。


アタシも自分で責任の取れない言葉は発信しないように気をつけたいと思います。
























































































9days Queen in 赤坂 いいんちょぐっず。

2014-03-01 11:15:35 | お芝居・テレビ




いいんちょサイン入りトート。1500円。

真田十勇士 再演チラシ(A4サイズ)と共に。

9daysの公演パンフがすっぽり入ります。



いいんちょぐっずは、あとタオルとクリアファイル。だったと思います。

タオルは白地に黒で羽と「9days Queen」のロゴといいんちょサイン。1200円。確か。

クリアファイルはトートと同じデザイン。白地に黒だったかな・・・。値段は・・・そんなに高くなかった気が。


9days公式トートもデザインが王冠で超かわいいですよ

破産間近なので買えませんが・・・

チケット高いってばー










9days Queen in 赤坂。

2014-03-01 01:33:07 | お芝居・テレビ


赤坂アクトシアターに観に行って来ました。

会場ロビーに入った途端、むせるような花々の香り。

ところ狭しと花が飾られていました。




花の階段が出来てました




こっちも



こっちも全部いいんちょへのお花。

ずらぁ~りと並んでます



舞台”真田十勇士”の「ハナ」より。



同じく舞台”真田十勇士”「淀」より。




春からのドラマ共演者、杏さんより。ゴチ先輩

ゴチ先輩って言えば、この舞台の共演者の田山涼成さんもゴチ先輩ですね。




”ゴチファミリー”より。



水沢課長、さえこちゃん、ナオ、それから・・・・んもぅ、女子ばっかもてもていいんちょ~~





おっとサヨナラの恋の”瀬菜”からも


他の出演者の方々への花も沢山で、もうとにかく、お花まみれで何かのお祭りみたいでございます。


だがしかし。


会場へ入ると、舞台セットは「石」の冷たく重い空気。

アタシは2階席。

このお話は悲劇と聞いてました。

事前にテレビで特番があったので、そちらは観ましたが、それ以上の事は知らずにいようと思って今日を迎えました。

演者の皆さんに今日、どんな物語なのかを伝えて欲しかったからです。


勿論自分の中の、「歴史上の西洋人を日本人が演じる違和感」との闘いでもあると思っていました。

だってそれは青い目の西洋人が「I am IEYASU TOKUGAWA!」と何の躊躇もなく名乗るのと同じだから。

「いやいやいや、違う違う違う!!」と思ってしまうのは当然。

でも、その人物の「生き様」を伝えるべく、熱い想いを胸にその人物の魂と共に笑い、怒り、泣き、愛し、苦しみ、生きてくれたなら、アタシは青い目の徳川家康も受け入れられると思うんです。

そこまで近づいて触れようとしているのなら、きっとその表現者に”魂”は降りて来ると思うから。


十代で女王になったジェーン・グレイを、透き通る様な美しさを持つ掘北真希さんが演じました。

「(舞台は)堂々と立つだけでも大変。」と仰ってましたが、彼女が白い衣装を着て暗がりにふわりと姿を現すとなんとも引き付けられてしまいました。

こんな可愛らしい女の子が処刑されるなんて。

まだ子供じゃないか。

このお話の登場人物であるロジャー・アスカムじゃなくても、キャサリン・パーじゃなくても、彼女をギュっと抱きしめたくなってしまいます。

なんとかしてジェーンの命を助ける方法はないものか。

ジェーンと精神的な繋がりの深かった家庭教師の上川ロジャーは、奔走します。

でも、最終的には「さよなら、ロジャー。」「さよなら、ジェーン。」と言い合う結末が待っています。

ジェーンはロジャーの言う事を受け入れず処刑されました。

でもそれは彼女が自分の意思を通し言う事を聞かなかったのではなく、「国の長として責任を取る」と言う事だったのです。

それはあまりにも十代の女の子にしては、しっかりしすぎ純粋すぎた決断でした。

と、同時に圧倒的に生きた時間が足りていない十代特有の不器用さに満ちていました。

彼女の周囲の大人達のように、もっと人間はあつかましくずるく生きてるものです。

ロジャーはその事を伝えようとします。生きるか死ぬかしかない、今は”うまくやる”事が先決だと。

しかし、彼女は首を縦にはふりませんでした。

彼女を心の深い場所で想っていたロジャーは、そんな彼女の清らかさに、もはや何も言えなくなってしまったんだと思います。

それが彼の想うジェーン・グレイそのものだったから。

きっと彼こそが、彼女のそんなところを一番愛していた気がするんです。




アタシは嫌でした。

ジェーン・グレイと言う女の子が首を斬られるなんて、絶対嫌でした。

断頭台が舞台に出て来た時、嫌な感じのドキドキがしました。


でも彼女は侍女達が卒倒してしまう断頭台にあって、自ら目隠しをし、刑を受けました。

ロジャーの「ジェーンの死は無駄ではなかった」と言う言葉と共に、二人が初めて出会って話した場面が再現されます。

そのシーンがなんとも愛おしかったです。

本当に「回想場面」のように、もやがかって見えました。


ジェーンが舞台上で発する最後の台詞に心打たれました。

”ブラックバード”に語りかける、その最後の言葉。

ブラックバードとは、どんな存在なんでしょうか。

彼女の奏でる無国籍でありながら、どこかアイルランドの風景が見えて来る様な旋律は、まるで風のように舞台上を漂います。

ジェーンが最後の言葉を語りかける時の曲で、涙が出そうになってしまいました。

とても心に響きました。

「彼女の死は無駄じゃなかった」とアタシも思いたい。

彼女は精一杯、誇り高く生きたと。



「歴史上の西洋人を日本人が演じる違和感」とか、もうどうでもいいか、などと思いながら大拍手している自分がおりました。

演者の皆様は本日もふつつかなアタシの手を取って、物語の中に連れて行って下さいました。

どんなお話だったか伝えて下さり、ありがとうございました。


取りあえず、今日はここまでにします。