Chef's Note

『シェフの落書きノート』

本物志向の人は必ずいる

2008-03-31 | 自由 気ままな独り言
「今日も新店のオープンです」
…業者さんが言います。

「へぇ~!忙しくなるね。どんなお店なの?」
…と聞くと…。

「イタリアンで3年間修行したそうで、オーナーシェフになるそうです」

「… …??? 飲食経験が3年でお店を出しちゃうの?しかもイタリアンなの?えっー!よく取引のオッケーでたね~。」

「はい。私も頭が痛いです。なんでもお金持ちの息子さんで…。会社がオッケーをだしたので仕方ありません。そういうお店のオープンが本当に多いんですヨ。 困っちゃいます」

‥… ワカリマセン マジニ ヨノナカ・・・ドウナッチャテルンダカ・・・。

イケメン・シェフってだけでお客が入るとか…。

なんだそれ?
料理人なんか辞めて、スーパーマーケットのチラシモデルにでもなればいいのに…。
…と思うが…。

世の中は、そうではない…らしい。
それでお客さまが行くから…世の中が余計におかしくなる。

無理だろ~
どんな天才でも3年でイタリアンは…。
…と思うが…

そうでもないらしい… ^^;
売れなくなってくると、パスタをボイルして、レトルトソースで混ぜ混ぜしてOKだそうだ。

今の世の中は、よくできている。
東京で人通りが多くある路面店では、それでもお客がやってくる。

もう、本物を見極められたり、それを求めている人が少なくなっているのも事実だろう。

それは、食文化に限らず、なんでもそうだと思う。

使い捨ての便利を求める時代は、まだ終わっていない。
特に日本では、まだ続いていくとも思う。

怖いのは、人までも使い捨てになっているのではないかと気付くこと…。
これは、やめてほしい…と熱望する。

人は、木と同じで年輪を重ねながら育つもの…。
そんなインスタントラーメンみたいに出来上がらない。

叱ったり、褒めたり、励ましたり、甘えすぎたら突き放したり…
手をかけて、心をかけて育てるもの…。

「こんなこと出来なくていいから、会社が与えたこの仕事をやってくれさえすれば、それでいいから…」
…って、確かに言わんとすることも理解できなくもないけど…。
契約期間が終わったら、サヨナラでしょ?

…これじゃ~駄目でしょ?
…それで人材がいないってなんなのサ・・・。
…と思うのは、僕だけかな。

これでは、本物はできないよ~!
無理っさ、そんなの…。


便利と本物を使い分けるのが、賢いやり方だと僕も思う。
本物ばかり探していては、生活も仕事も滞る。
それは、今の日本では無理な話。




でもね。
そんな本物を探し求める人は、必ずいる。
その良さをわかろうとする人は、必ずいる。

多くが本物を作ろうとしない時代だよ。
だから大きなチャンスがあるんじゃないか?

…僕は、そう思う。









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