[2023年11月3日12時37分]
ヘンリー王子(左)とメーガン妃(2019年6月撮影)
英国のヘンリー王子(39)とメーガン妃(42)夫妻が、10月31日のハロウィーンに、2人の子どもたちを連れて「トリック・オア・トリート(仮装した子どもたちがお菓子をもらいながら近隣の家を練り歩くこと)」を楽しむ姿が目撃された。
米カリフォルニア州モンテシートの自宅近くで、お菓子を入れるカボチャの形をしたオレンジ色のバスケットを手に歩く一家の後ろ姿が、X(旧ツイッター)で拡散されている。
2020年に王室を離脱して米国に移住した夫妻は、昨年までは幼い子どもたちと自宅でハロウィーンを祝っていたが、今年は4歳のアーチー王子と2歳のリリベット王女を連れてハロウィーンの伝統を楽しんだと複数のメディアが伝えている。
王子夫妻は仮装しておらず、ジーンズにTシャツと野球帽、スニーカーというカジュアルなスタイルだった。妃は腕にふわふわしたピンクの衣装を着たリリベット王女を抱き、王子は黒いスケルトンの衣装を着てカボチャのバスケットを持つアーチー王子と手をつないで歩いているのが確認できる。
夫妻は、今年の7月4日の独立記念日にも近隣で行われたパレードを見学する姿が目撃されていた。
米国生まれのメーガン妃はハロウィーンの大ファンとして知られ、王子と交際を始めた直後の16年には仮装して王子のいとこユージェニー王女夫妻とハロウィーンパーティーに繰り出したていたことをドキュメンタリーで明かしている。
また、21年に出演したテレビのトーク番組では、ハロウィーンにアーチー王子に恐竜のコスチューム、リリベット王女にディズニー映画「バンビ」からスカンクのフラワーの衣装を着せたエピソードも披露していた。
(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
関連キーワードで検索
公務もプライベートも猛烈に動き続けて、ストイックに信念を貫くのがチャールズ流
BY KAORI TAKEUCHI公開日:2023/11/03
英国ロイヤルの中でも随一の“働き者”と言えば、君主のチャールズ国王ではないだろうか。時に批判を受けながらも、自らの信念に従い、公務にまい進。2023年11月14日で75歳を迎えるチャールズ国王の、ストイックすぎる働きぶりを物語るエピソードをピックアップしていく。
※現在の敬称を記載。
MAX MUMBY/INDIGO//GETTY IMAGES
【1】ロイヤルメンバーの中で最も多く公務をこなしている1人
デイリーメールによると、2023年5月、チャールズ国王は過去10年間で最も公務の数をこなしていることが明らかに。2013年から2022年までに、なんと4,854回の公務をこなしているようだ。さらに、2022年のデータによると、最も多くの公務をこなしたのがチャールズ国王で、497回だったとか(公務の準備を含むかなどカウントの仕方によっては、僅差で次点のアン王女が上回る統計のものもあるようだ)。
チャールズ国王の公務数は、妻のカミラ王妃、息子のウィリアム皇太子などと比べても、圧倒的な差がある。
【2】息子たちが“働きすぎ”と証言している
息子であるウィリアム皇太子は、“仕事中毒”の父が孫たちともっと多くの時間を過ごしほしいと、2018年、チャールズ国王の70歳の誕生日を記念したドキュメンタリーで明らかにした。
ヘンリー王子も同じドキュメンタリー内で、父チャールズ国王には、少しゆっくりしてほしいと語っている。とんでもなく夜遅くに夕食を食べ、その後夜遅くまで机に向かい、メモを書きながら眠ってしまうことも日常茶飯事だったよう。さらに、父は目が覚めると顔に書類が張り付いていることまであったとか。
息子たちも、仕事尽くしの父の健康が気になっているようだ。
【3】妻カミラ王妃も“仕事人間”と認めている
チャールズ国王は、妻をも認める“ワーカホリック”な国王なようだ。
2021年、エリザベス女王のコモンウェルス・エッセイ・コンペティションの優勝者のために開催されたレセプション中のこと。カミラ王妃がスパイス・ガールズのジェリ・ハリウェルスターと歓談している時、国王を「完全な仕事人間」と呼び、「思った以上に忙しい」と辛口に打ち明けたところがデイリー・メールがシェアした動画に収められていた。
【4】起業家として成功。オーガニック食品ブランドが絶好調
では実際にどんな仕事を猛烈に進めているのだろうか。
1990年に、自身が所有するハイグローブの農場で作られた農産物を販売するため、ダッチー・オリジナルズといブランドを立ち上げた。ウェイトローズとの提携なども経て、ついには、英国最大のオーガニック食品・飲料ブランドの1つにまで成長。
ビスケットに続き、ビール、ハーブ、園芸用具などの多くのアイテムを取り扱っており、浮き沈みはあるものの売れ行きは好調。2020年3月からの1年間で、約360万ポンド(約4億1000万円)を稼いだのだ。
POOL/TIM GRAHAM PICTURE LIBRARY//GETTY IMAGES
2004年にスペインの英国大使館を訪問した際、ギフト包装された自社の商品を持ち、「私は自力で億万長者になった!」と宣言したというエピソードまで。
しっかり稼ぐあたり、なかなかのやり手ビジネスマン!?
【5】30年以上をかけて、“街”をゼロから作っている
TIM GRAHAM//GETTY IMAGES
都市開発にも手を広げている。チャールズ国王自らが主導し、30年以上をかけて都市開発計画を進め、今も拡張を続けている街がある。場所は、コーンウォール公国が所有する、イングランド南西部にあるパウンドベリーという街で、優秀な建築家やプランナーを集めて、1993 年に着工した。
信号や一時停止の標識もなく、渦巻き状の狭い小道が張り巡らされた歩行者主体の街で、窓は木製でなければならないなど規則も多い。他にも、町の電力の一部は再生可能ガスによって賄われ、家には、太陽光発電の屋根が付けられ、鳥を誘致するための鳥箱が組みこまれているなど、その規則は環境に優しい内容になっている。
当初は“国王が領地に作ったディズニーランド”と批判されたこともあったが、今はサステナブルな点が評価されている。完成予定だという、2025年が楽しみだ。
BETTMANN//GETTY IMAGES
【6】議員として働くこともあった
実はチャールズ国王、イギリス議会上院の貴族院議員に選出され、議員として働いていたことも。議会のHPによると、1970年2月11日から1999年11月11日まで任期だったようだ。
議員として1974年6月13日に初演説を行ったが、議場から演説をしたロイヤルは、なんと1884年のエドワード7世以来だったという。
【7】オフも身体を動かし続ける
国王の辞書に“のんびり”という言葉はないのかもしれない。
オフタイムに国王が最も情熱をかけていることは、“庭園づくり”。
やや荒地と言えそうな土地を購入した1980年から、年間4万人が訪れるほどの美しき庭園に生まれ変わらせたのは、チャールズ国王の手によるものだった。国王は週末になると、庭園の設計、造園、掘削、植栽、草むしりといった作業を黙々行い、肉体的な作業も多くを自ら行っていたという。
とにかく国王は、休暇を無駄にせず、せっせと動き続けるタイプなのだ。
【8】趣味を趣味にとどめない、商売魂
多趣味なチャールズ国王は、絵がプロ並みの腕前で、しかもそれを販売して稼いでいる。
学生時代に絵を描きはじめ、初めて作品が展示されたのは 1977年のことで、それ以来50年近く続けている。
複数の展覧会や慈善イベントで展示されており、1997年から2016年にかけて、国王の水彩画のコピーを販売して推定200万ポンドを稼いだというデータもあるから驚き。
デイリー・テレグラフによると、“国内で最も売れている存命アーティストの一人”と言えるのだとか。作品から得た利益は、すべてプリンス・オブ・ウェールズ慈善基金に寄付している。
JULIAN PARKER//GETTY IMAGES
ちなみにチャールズ国王は、屋外の風景を好み、水彩画を描く。水彩画の方が早く終わり、警備担当者を長時間待たせる必要がないから好きなのだとか。
もはや趣味の範疇を超えた国王の才能に、脱帽だ。
MAX MUMBY/INDIGO//GETTY IMAGES
【9】節約しすぎ! サステナブル精神を公私で貫く
稼ぎまくる一方で大の倹約家という一面も。「私は何かを捨てるのが嫌いな人間です」と以前ヴォーグのインタビューで語っていたチャールズ国王。
「買うなら一度だけ、よいものを買え」との国王自身の言葉に現れているように、高品質のものをとにかく長く使い続けており、それが英国紳士の美学にも通じるところ。
サステナブルであることを公務だけでなくプライベートでも追い求めるこだわりぶりは、ある意味でワーカホリックを極めすぎた人と言えるかもしれない。
国王の洋服にほどこされた継ぎ当ては、「チャールズパッチ」と呼ばれているほど浸透。
公務に着用するするジャケットに補修のあとが見られたことも。30 年ほど前のコートを着回したり、20代の頃にあつらえた靴を今も履いたりなど、ワードローブをリサイクルし、無駄な出費を避けることで節約してきたのだ。この写真にも、継ぎ当ての跡が。
MAX MUMBY/INDIGO//GETTY IMAGES
チャールズ国王がプライベートでもサステナ志向を徹底する様子は、息子たちにも受け継がれているようだ。
もったいないから、と“電気をマメに消す”ことにこだわってきたチャールズ国王。その背中を見て大きくなった息子たちにもそのマインドは受け継がれ、ウィリアム皇太子とヘンリー王子も、多少暗くても電気のスイッチを消してしまうという習性が身についているそう。
【10】信念のため肉はあまり食べない
ここまで来るとワーカホリックというよりも、自分の信じる道を譲らない“信念ホリック”な人と言えるかも。
サステナブル志向への傾倒も相当なもの。彼が地球環境の保全に関心を持ったのは、20歳頃の1960年代後半のこと。この時代は、チャールズ国王が森林破壊や海洋汚染などについて訴えても、“変わり者”だと揶揄されることが多かった。
そんな中でも彼は自分が信じるものを誰になんといわれようと貫いて様々な啓発活動にいそしんだ。
MAX MUMBY/INDIGO//GETTY IMAGES
ストイックに環境に配慮した生活を実践。週に2〜3日は肉を食べない、ビンテージの愛車であるアストンマーティンの燃料には余ったワインとチーズの副産物であるホエイを使用する、クラレンス・ハウスにはソーラーパネルを設置、別荘バルモラル城には水力発電のタービンやバイオ燃料で動くボイラーを備えるなど、さまざまなアクションを示してきた。
国王に即位してからはより政治的中立性を求められるため、皇太子時代のように自由な発言や活動をすることはできなくなったようだが、相変わらず仕事には邁進している。
仕事中は食事を抜いて没頭しているという噂も…。そのストイックすぎる姿に、今後も注目していきたい。