ブロブロガー@くつログ

Proと呼ばれたい...そして日々悪戦苦闘する
Brofessional な職業人の安息の日誌

◇資源獲得競争の時代と民主主義世界の行方

2010-12-15 | 政治
> 劉暁波氏のノーベル平和賞受賞を機に,世界中で中国の民主化を求める声が
> 高まっているのに,また今回は反動的な感じのタイトルですね,Bro?


まあ,我々の様に自由で民主的な社会に普通に生活している人間から観るとね,
人権や民主主義と云うものが,何か,社会生活の至極当たり前な基盤として,
未来永劫,普遍的に存在するものだと想い込んでいる訳ですけどね。。。

> 違うのですか??
> 民主主義の理念こそは,人類の平和を実現する,普遍的な価値観だと思いま
> すが?


人類の平和と共存を大前提に考えればね,民主主義こそはその実現手段として,
我々人間に与えられた唯一可能な方法の様に想われる。。。
それは,その通りだと私も思いますよ。


> じゃ,何が問題なんです?
> 資源獲得競争??


全人類の生存と繁栄を享受し得る,充分に豊かな社会が保障されているのであ
ればね,民主主義を人類の平和を担保する普遍的な価値と考えて良いと思いま
すよ,しかし,問題はそれほど単純ではない事を改めて感じる想いなのです。

> 世界は,全人類に民主主義の恩恵を与えてくれるほど,豊かではないと言う
> 訳ですか??
> でも,民主主義は政治理念で,経済問題とは直接的には関係ないでしょう?

そんな事ないですよ!
極端な例で考えてみれば,直ぐに解ります。
例えば,戦時中に食糧難で経済統制が実施されている状態を想像して下さい。
全員が腹いっぱいに食べる食料は無い訳です。
物資の絶対量が不足している状態では,市場経済の下で飢餓が発生してしまう
ので,治安維持のためには権力による経済統制や人権の制限が必要になって来
るでしょう。


> 戦時などの特殊な状況下ではその通りでしょうけど,通常の平時であれば,
> 短期的には不足物資を輸入するなり,中長期には生産量を増やす事で事態は
> 収束可能ですよね?


一国内の問題ではそうですが,世界全体で人口を養うに足る食料が不足してい
たらどうです?
誰かが飢えなければならないとしたら,平等な人権が保障できるでしょうか?


> それは,南北格差の問題ですか?
> でも,今ではODAなどによる先進国の援助もあり,開発途上国の経済も成長
> 軌道に乗って,食料などの量的な問題は一応解消されている訳でしょう?
> むしろ問題は,必要な食料を買えない人々の貧困の問題ですよね。


一時的にはそうでも,世界人口は増大を続けていますからね。
現時点(2010年)の世界人口は69億人で,2050年には約100億人に達する見込
みらしいです。
考えなければならないのは,これらの人々が皆,先進国並みの生活水準を享受
する世界についてです。
生きるための食料だけでなく,自動車や携帯電話など,高度な文化的生活を享
受できるだけの生産力が達成可能でなければ,平等な人権の保障は危うい。

> つまり,民主主義世界が行当る壁は資源問題と云う訳ですか。
> 全人類が民主主義の恩恵を享受する様になる前に,世界的な資源獲得競争
> 激化するはずだと…?


最近の中国の外交変化を観ているとね,彼らは国内に13億人もの人口を抱えて
いるだけに,既にこの資源問題の壁を誰よりも深刻に考えているはずだと感じ
る訳ですよ。


> なるほど,マルサスの人口論的な世界ですね。
> まあ,下部構造としての経済が,政治や社会の上部構造を規定すると考えて
> いる意味で,機械論的な唯物史観と言っても良いのかもしれません。
> それで,既にグローバルな民主主義など不可能だと割り切って,支那人中心
> の中華思想に基ずく社会主義世界の建設を目指している訳ですか!


まあ,人種平等ではなく,特定の民族が優先的に生き残る事を目的とする限り,
ナチズムと本質的には違いのない思想だと思いますけどね…
しかし,根本的に資源問題が解消されない限りは,一概に否定も難しい。。。

> やはり行き着く先は,軍事力を背景にした弱肉強食の世界ですか!
> 帝国主義的歴史観の現代バージョンですね,いよいよ!


マルクスの時代にはね,ニュートン力学の様な時計仕掛けの機械論的な宇宙観
「科学的」と考えていた訳ですよ。
だからマルクス風の唯物史観では,未来社会は「こうなるはずだ」みたいな,
運命論的な考え方が色濃く表れてくる。。。


> 必然性の世界ですね,偶然的な要素を考えていない…

石油資源などはね,オイルショックの時代から「あと30年」と言われ続けて久
しい訳ですが,今では「あと47年前後」と逆に増えてしまったらしい。。。
技術開発は進歩を続けてますからね!


> そうすると,むしろ科学技術の様な人間社会の上部構造が,人口や資源など
> 経済的な下部構造を規定しているとも言える訳ですね。。。
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人間の叡智を信頼して科学技術の進歩を加速させる事の方が,戦争を志向する
よりかは,遙かに幸福だと思いますがね,私は。



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