ブロブロガー@くつログ

Proと呼ばれたい...そして日々悪戦苦闘する
Brofessional な職業人の安息の日誌

◇分散コンピュータシステムとしての世界金融市場

2012-05-13 | 経済

> 前回の「マルクスの予見」が不評だったので,今回は方針転換ですか,Bro?

いや,私は自分の徒然なる想いをブログに記録しているだけなので,好評も不
評もあまり関係ありません。日々感じた事,考えた事を日記にするだけです。

> もう,「マルクス経済学の個人的再評価」は止めちゃったの?

特にマルクスに拘っている訳では無いですが,ここ数日は「独占や寡占市場」
の問題と「システムの安定性」の問題に関心が向いているのです。


> 「分散コンピュータシステム」って何ですか?


Webシステムの様に,複数のコンピュータシステムがネットで接続されて,
機能を分散させつつ,全体として協調動作するシステムの事です。

> その定義だと,ニューヨーク,ロンドンを含め,現代の世界金融市場は既に,
> 「分散コンピュータシステム」として稼働している訳ですね!


概ねそのとおりです。

> では,Broの様なITエンジニアがこれを操作して,動作を撹乱させたり,
> 機能を改変したり,極端な話,「国際金融テロ」行為なども可能なの?

そんな「ヤワな」システムではありませんが,極論を言えば「不可能」と断定
する事もできませんよね…。
サイバー攻撃に対する防御策は万全を期していると,勝手に想像していますが。


> 少なくとも,「人為的な操作」が可能なんだ!
> 私は「自由市場」とは,「人為的な操作が不可能」な市場だと思い込んでいま
> した。
> では,システムの挙動をシミュレーションしたり,予測したりも,比較的簡
> 単に可能な訳ですよね?

実際,世界中の研究機関や投資家が行っている事なので否定はしません。
でも,予測には「精度」と云う問題が付きものですよね。
いくら高級車に乗っても,行く先が福岡なのか,東京なのかは,運転手に聞か
ないと分かりません。同様に国際金融市場の実体が巨大な「分散コンピュータ
システム」であったとしても,その挙動を決めるのは市場参加者の資金需要
あり,価格は「売り手」と「買い手」の思惑で決ります。


> でも,市場参加者達の権利は「平等」ではないですよね…?
> 各々の資金量に応じて,影響の強弱がある。
> 巨大資本を動かすものが,圧倒的に有利な立場に居ませんか?

実際,現代の金融政策は,この国際金融市場の挙動を完全には無視できません
からね。結局,国家の政策決定は,巨大資本の思惑に左右される事になります
よね。

> じゃ,国際金融市場を独占的または寡占的に支配できれば,世界中の国々の
> 金融政策を左右する事も,理屈の上では可能ですね?

必要十分な程度まで資本が巨大化すれば…の話ですがね。


> Broは以前,この@くつログで,「流行予知科学」の話題を話していたじゃな
> いですか?
> あれって,国際金融市場における需要予測技術に応用できないの?

その後にお話しした「需要センサー」の話題を覚えていますか?
もし,「資金需要センサー」として活用できる機能モジュールを開発できれば,
実現可能かもしれませんよね。

> えっ?…そ,それ…作りましょうよ!


ソフトウェアとして作っても,スパイウェア的なモジュールだとシステムに組み
込む事が困難なので,むしろ金融派生商品(デリバティブ)の様に金融工学的
な発想で考えた方が簡単かもしれない…。

> ???


以前,リーマンショックの際に,サブプライム・ローン問題の核心にある「癌
細胞」
として,CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の事をお話しし
ましたよね。あれは,金融派生商品(デリバティブ)の一種です。
まぁ一種のコンピュータ・ウィルス的なものと考えて良いです。
ウィルスの様にプログラム・コードなのではなく,あくまで金融商品と云うデ
ータ
にすぎませんが,そもそも「金融資本」は「自己増殖」機能を持ちます。


> う~ん…よく理解できませんが,「プログラム」と「金融資本」は,そもそも
> まったく「別物」ですよね?


「分散コンピュータシステム」の内部では,どちらも「1と0」のデジタル記号
の羅列にすぎません。たとえ100兆ドルの資金でも,パソコン1台の内部に
余裕で格納できますから。

> なるほど!「国際金融市場」と言えども,たかだか数千台のコンピュータの
> 集まりに過ぎないのですね!

遺伝子工学の技術者達が,遺伝子コードの組み換えで新種のウィルスを創り出
すのと同様に,デリバティブは金融工学の技術者達が発案して,最終的に「国
際金融市場」
と呼ぶコンピュータ上にコード化しています。
つまり,「償還期限付きの債権」の対局には,その「償還に必要な資金需要」
存在する訳で,これは一種の「資金需要センサー」として機能していますよね?

> そうすると,あのリーマンショックの際に生じた巨大な「信用収縮」は,そ
> のまま「巨大な資金需要」を生じるの?

「ブラック・ホール」の様に,資金を吸収するはずですよね。


> 資金供給はどうなるでしょうか?

一概に判断できませんが,「信用収縮」が大きかった国の中央銀行ほど資金供給
を増やす圧力が生じるでしょう。
日本は比較的「信用収縮」が小さかったので,既に解決済でしょうけど。

> 結局,国際間で資金のバランスが崩れて,現在の円高状況が定着している?

リーマンショックの直接的な影響は終息していても,各国の財政赤字に転化し
た形態で,未だに影響下にあると考えるべきなのでしょうね…やはり。

> 欧米諸国の財政赤字問題が解決しないと,デフレの出口は見えないですね!
> まだまだ,緊縮財政を続ける訳ですかねぇ…?


問題解決は,比較的簡単なのですけどね。

> えっ?何か妙案があるの?


「国際金融市場」のコンピュータの電源を切るだけです。
困るのは「金貸し」だけで,実体経済への影響は必要最小限度で済むと想う。
一般労働者にとっては,「最も幸福な解決策」だと感じますけどね。


> 「リセット」ですか!近道は!



【過去の関連記事】

◇サルコジ仏大統領敗北とマルクスの予見
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/921883396a456b464e4945fab8ae1747

◇世界金融危機(2008年)と世界大恐慌(1929年)を改めて考える
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/461a19583b67706ecb2af9fd8a31b054

◇自由主義の自壊?~ブラックホールとしての金融資本について考える
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/87d9692cd5964a7ee50cb19c2667db15

◇越中富山の薬売りに学べ!~資本金三千万円で始める日本経済改造論3
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/b88bac2cce2d0ac8d2283fbc924c30c9

◇占い科学入門。。。流行は予知できるのか?
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/18cf36f10bd1d8426de089df24f5f633


▼ZENZO の note 記事はこちら

【AI時代の錬金学Ⅱ】

https://note.com/zen_kawakami/m/m612f486eeab8

▼他のブログの意見を見る

にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へ にほんブログ村 経済ブログへ にほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ