ブロブロガー@くつログ

Proと呼ばれたい...そして日々悪戦苦闘する
Brofessional な職業人の安息の日誌

◇巳年に日本経済再生元年を祝う~円安株高の経済学とアベノミクス

2013-01-03 | 経済学



皆さま、明けましておめでとうございます。
明日は、いよいよ2013年巳年の大発会ですが、期待膨らむ巳年の相場の始まり
にあたり、今回は『アベノミクス』をテーマにしたいと思います。


> 『アベノミクス』って何ですか、Bro?


安倍自民党が推進する新しい経済政策を、最近この様に呼ぶらしい。
かつて80年代に、レーガン米大統領が推進したサプライサイダーの経済政策の
事を『レーガノミクス』と呼んでいた事に擬えたのでしょうね。
「アベ+エコノミクス」の造語です。

> でも安倍総理が主張している経済政策は、30年代の世界大恐慌の時代に主張
> されたケインズ政策の焼き直しではなかったですか…?
> これこそが正しいデフレ脱却の処方箋だと、Broもそう言っていましたよね?


そうですね、でも正確に言うと、ケインズの時代と現代とでは経済を取り巻く
環境が明らかに異なりますから、前提条件は色々と異なっています。

> ケインズの時代の貿易は、金本位制に基づく固定為替相場制でしたよね。
> 現在では変動為替相場制です。他に何か異なる点が在りますか?


第二次大戦後自由貿易体制が発展した事と、米ソ冷戦時代が終わって、90年代
以降はグローバリズムが台頭
して来ました。
世界中の市場が統合されて、世界経済の緊密度が飛躍的に増大しています。
資本や財の移動がはるかに自由になり、移動手段やITの発達で、世界経済は
驚異的にスピードアップしています。
今や米国市場の変化は、日本市場でも即座に影響が顕れる時代なのです。


> 為替取引が変動相場制に移行した事の影響は大きいとは思いますが、本質は
> 自国通貨が他国通貨と比較して割高か、それとも割安かの問題だと考えれば、
> これもケインズの時代と本質的に異なるものでは無いですよね?

より本質的には、経済政策の効果に違いが生じます。
金本位制の下では、政府が決定する自国通貨と金との交換比率(金平価)が、
貿易や国際収支に決定的な影響力を及ぼしますが、変動為替相場制の場合には
国際為替市場の自動調整作用が働きますから、その分政府の経済政策の影響は
減殺される
訳です。

> なるほど、1971年のニクソン・ショックと、1973年の変動為替相場制への
> 移行によって、ケインズ流の政府の裁量的な経済政策運営が難しくなった
> ですね。そもそも世界経済全体を裁量的に運営する『世界政府』など無いし!


さらには、この頃から多国籍企業ヘッジ・ファンドなどが国際市場で大きな
影響力を持つ様になりました。
そして、1991年に旧ソ連が崩壊した事で世界市場が統合された事は、グローバ
リゼーションの時代の到来
を意味しました。
経済学では再び、市場の自動調整機能の果たす役割を重要視する市場原理主義
の考え方や新自由主義の経済学が主流になった
訳です。


> では、この経済学の潮流を変えた事件は「リーマン・ショック」だったの?


その点については、これまで過去記事で何度も書きましたよね!


▼◇米金融史上最大の作戦成功。。。市場原理主義の敗北か?
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/a47a9f2e44cd228f1286724b56c2594d

> でも、『アベノミクス』が単なるケインズ政策では無く、「古くて新しい経済
> 政策」なのだとすると、その効果については大いに疑問の余地がある事にな
> りますね?

第一のポイントは、「インフレ目標」を設定して市場を「インフレ期待」の方向
に誘導する点
に在ると考えます。
これによって、かつてケインズが言った「流動性の罠」の状態を脱する事が期待できます。

> 大規模な金融緩和政策の推進を明示して、市場心理を変える訳ですね!
> 昨年末以来の円安株高傾向は、明らかに市場心理の変化を示していますよね。
> 国債を売って日本株を買う動きは、確かに景気回復を市場が予想しています。
> でも、「円安が経済成長を導くのかどうか」は、疑問視する意見も多い…。


円安で輸出企業が有利になっても、輸入企業には不利ですからね。
特に最近の日本経済は輸入超過ですから、貿易赤字は一時拡大します。
結局、為替相場自体が経済成長の要因になる事はありませんね。
むしろ、ここでは株高の方に着目するべきです。
銀行に滞留を続ける資金が、日本企業株や土地などの「投資」に向かう事が、
経済成長にとってより大切なのです。


> でも、「投機資金」が増えても「実体経済」には影響はありませんよね…?


いいえ、まず資産デフレから脱却する事で、それを担保にする金融機関の信用
創造機能が活性化します。
株式や土地の評価額が上がれば、企業も設備投資が行い易くなります。
結果的に「実体経済」にも、良い刺激を与えてくれるはずです。



> 資金供給が「投機」にではなく、「投資」に向かえば良いですが…。

無論、「投資チャンス」が必要ですね。
短期的には財政政策がこの機会を提供して、民間消費の活発化を図ると伴に、
これを呼び水にして中長期的に民間投資の活性化を図る必要が在る。

円高期待の環境下では、資金は「海外投資」に向かって、「投機」とあまり変わ
らない経済効果しか生みませんが、円安期待のビジネス環境を誘導できれば、
資金が国内に向かい、海外からの投資資金の流入も期待できます。



> なるほど…その様に考えてみると円安の方が経済成長は期待できそうですね。
> 日本企業がリショアリングを加速すれば、海外流出した雇用も国内に戻って
> くるし…。


円高が日本の産業空洞化を促進した事は、日本経済の弱体化の原因の一つとし
て非常に大きかったと思います。


▼◇財政政策の効果を棄損するもの~米五輪ユニホーム騒動からの考察
http://blog.goo.ne.jp/ayakikki/e/ff7fc11aaf1dfb09c15d7bc0e9a4e284

> 今年こそ、日本の雇用環境が改善されて、明日への希望が戻ると良いですね!
> ところで、今日のテーマの話ですが、前回記事で「安倍新内閣の客観的評価」
> を披露すると言っていたのはどうなったのですか?


ケインズの「美人投票」の話を知っていますか?


> 「誰が一番美人か」を美人投票のコンテストで決める話でしたよね?

そう、この際の評価のコツは、「私が美人だと感じる人」に投票しても、それは
単なる「主観的な美人評価」に過ぎませんから、「大勢が美人だと感じそうな人」
に投票する事が大切なのだと云うものです。
この方が「客観的な美人評価」だと言えますよね。

> はぁ…?

「安倍新内閣の客観的評価」についてですが、少なくとも喫緊の最重要課題で
ある景気回復に対するアベノミクス推進体制の評価に関しては、明日の大発会
の株式市場が客観的に評価してくれます
よ。


> なるほど!
> 「市場機能」を利用して、「主観」を「客観化」する訳ですね!
> 上がりますかね…明日…?


何度も言う様ですが、私は期待しています…安倍新政権にね!



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