麻布十番のこと、赤い靴の女の子「きみちゃん」と「きみちゃんのチャリティー」のこと(HP編 http://jin3.jp)
★東宝の井英幸社長が 「映画館へは、麻布十番から都電に乗って。」というユニークなタイトルの本を出版された。タイトルからもわかるように、井さんは少年期から50余年麻布十番にお住まいだった。港区立南山小学校、港区立城南中学校の一年先輩、著書によると中学1年ころから都電に乗って日比谷の有楽座、日比谷映画、宝塚劇場、スカラ座、ピカデリー劇場、東劇等々の映画館に通い始めたそうだ。その頃一の橋の停留場からは、4番・・・五反田~銀座 (1967廃止)、5番・・・目黒~永代橋 (1967廃止)、8番・・・中目黒~築地 (1967廃止)、34番・・・渋谷~金杉橋 (1969廃止)と4系統の都電がはしっていた。また、麻布十番にも「麻布映画劇場」「麻布中央劇場」「麻布日活館」「麻布名画座」と4つの映画館があり、芝園橋には東宝の封切館の芝園館があった時代で、これらの映画館にもけっこう通ったそうだ。当時の映画の題名、出演者、あらすじ、エピソード等が細かに書かれていて、「これも、これも見た、あぁ、そんな感じだった、同じような思いで見ていたんだ」と映画の場面がひとつひとつ懐かしく思い出される。大学時代には1年に400本もの映画を見たこともあるという井さん、あの井さんが麻布十番から都電に乗って「東宝の社長」に・・・、私ももっと映画を見ておけばよかった。 (井英幸著 「映画館へは、麻布十番から都電に乗って。」 角川書店 )