たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

バイオマス発電 <国産材100%のバイオマス発電、117億円をプロジェクトファイナンスで融資>などを読んで

2017-09-19 | 原子力・エネルギー・地球環境

170919 バイオマス発電 <国産材100%のバイオマス発電、117億円をプロジェクトファイナンスで融資>などを読んで

 

昨夜は久しぶりの<千日回峰行>を達成した釜堀住職のニュースに、改めてすごいなと思ってしまいました。

 

今朝の毎日記事では<比叡山延暦寺(大津市)の一山善住院住職、釜堀浩元(こうげん)さん(43)が18日、比叡山中などを巡礼し、地球1周分に当たる約4万キロを踏破する天台宗の荒行「千日回峰行」を終えた。><記録が残る比叡山焼き打ち(1571年)以降51人目で、戦後14人目。>ですか、素晴らしいですね。

 

私の千日ブログも、この千日回峰行にあやかって、その何万分の1でも亡己利他(もうこりた)に近づければと思いながら、日々続けています。

 

今日も一日なにかと忙しくしつつ、とくに成果もなく終わりそうです。それが庶民の日常化と思うのですが、もう6時半近くになり、帰る時間も過ぎてしまい、ブログも簡潔に終わらせようかと思います。折角、千日回峰行の大変な試練を取り上げたのに、私の方は手を抜くやり方ではいけませんね。そこは大阿闍梨になるような人との違いでしょうか。

 

ところで今日のお題、バイオマスは以前もある裁判例を取り上げて触れた記憶がありますが、わが国の林業構造等の事情ではなかなか広がらない状況でしょうか。

 

それでも頑張ろうとしているところが各地にあり、とりわけ小規模なものは相当広がっているようにも思うのです。

 

今日スマート・ジャパンのメールで流れてきた<国産材100%のバイオマス発電、117億円をプロジェクトファイナンスで融資>は、事業規模も、金融支援もビッグなもので、しかも国産材100%というわけですから、ほんとに可能なのと思ってしまいますが、期待したいと思って、取り上げます。

 

融資するのは新生銀行。場所は神栖市。<木質バイオマス発電所に対するプロジェクトファイナンスを組成し、融資関連契約を201798日に締結した>というのです。神栖市ではしばらく、ヒ素汚染土壌問題で、健康被害が発生し、その原因をめぐって公調委で紛争が続いていたりしました。和解解決後、少し明るい話題がでた印象です。

 

<発電所の出力は24400kW(キロワット)で、年間発電量は一般家庭約54000世帯分に相当する約2kWhを見込んでいる。燃料は年間約発電所の出力は24400kW(キロワット)で、年間発電量は一般家庭約54000世帯分に相当する約2kWhを見込んでいる。燃料は年間約1820tの木材全てを、国内から調達する予定となっている。家屋解体工事などから発生する木質材を中間処理し燃料化した建築リサイクル材、計画伐採された間伐材由来の未利用材、一般材などを活用する計画だ。を、国内から調達する予定となっている。家屋解体工事などから発生する木質材を中間処理し燃料化した建築リサイクル材、計画伐採された間伐材由来の未利用材、一般材などを活用する計画だ。>

 

燃料として、年間約1820tの木材全てを国産でまかなうというのは立派ですが、はたして実行可能なのか、注目してみたいと思います。

 

というのは<バイオマス燃料の木質ペレット、輸入増で国内自給率が低下>とありますように、バイオマス発電は、自然エネルギーとして、国内に伐採されず大量に蓄積している立木の活用先として期待されるのですが、現実にはかなり厳しい状況です。木質ペレットにすると汎用性が高くなるのですが、その事業化があまり進んでいませんね。そこが欧米の林業先進国との差でしょうか。

 

<林野庁は毎年実施している「特用林産物生産統計調査」から、平成28年(2016年)の木質粒状燃料(木質ペレット)の生産動向を取りまとめ、このほど発表した。同年の木質ペレットの生産量は12.0tで、前年比0.5%(0.1t)の微増となった。一方で、国内自給率は低下している。>

 

<工場数は兵庫県、奈良県など8府県で計10工場増加する一方で、富山県、鳥取県、岡山県、愛媛県の4県で計4工場減少したことから、前年比6工場増加の148工場となった(生産者数は360人)。最も多く工場が立地するのは北海道の18工場。>北海道などが増えるのは斜面勾配が低く、搬出が容易な森林が多いおかげでしょうか。

 

<原料入手別に見ると製材工場など残材からの生産が5.2t(構成比43.6%)、丸太・林地残材からの生産が4.3t(構成比35.6%)、建設発生木材が2.3t(構成比19.1%)となった。>と、残材利用はよろしいのですが、丸太、とりわけ林地残材の生産があまり高くないのは費用がかかり利益率が低い、あるいは赤字になるからかもしれません。

 

他方で、<質ペレットの輸入量は主にカナダ、ベトナムからの輸入が増加し、346855t(前年比49%増)と大幅に増加している。>とか、競合する<パームヤシ殻の輸入量が急増している。>というわけで、東南アジアからの輸入に国産材は勝てないのですね。

 

私も昨年初め、奈良県の大淀町で操業開始して間もない木質バイオマス発電所を見学したことがあります。ここも<奈良県における木質バイオマス発電>として紹介されていますし、南都銀行が少し小規模ですが、新生銀行と類似のローンを実行しています。<株式会社クリーンエナジー奈良に対し、シンジケートローンを実行>で紹介されています。

 

その現状は、やはり百聞は一見にしかずですね。発電工場も、燃料となる木材やペレットその他もきちんと整理されていて、よくできていました。ただ、やはり原木丸太や枝葉は扱いが大変かなと思ってみていました。

 

それよりなにより、この発電を持続的に維持するために、近隣から原木を含む燃料が継続的に大量に供給されないと、軌道に乗らないので、その生産流通システムなりの確率にはまだまだ乗り越えないといけないものがあるかなと思いました。とはいえ、期待したい事業です。それでも発電出力が6500Kwhです。JRE神栖バイオマス発電の場合、その4倍近くですから、その燃料を国産でまかなったら、林業の未来を切り開くことができるかもしれません。茨城県や周辺でそれだけの供給ルートを確立するのは大変かと思うのですが、頑張って欲しいですね。

 

これで30分です。今日はこの辺でおしまいです。