たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

効用とマナー <アクセス 議場で喉あめ、懲罰必要?>などを読みながら

2018-10-21 | 議員の役割(国会・地方)

181021 効用とマナー <アクセス 議場で喉あめ、懲罰必要?>などを読みながら

 

ある行為がもつ意味や評価は時代や社会意識の変化に応じて変わるものかもしれません。常識というものも、漱石が往年に生きた時代に感じたものは、むろん現代では否というものが少なくないことは、あの文豪においても然りでしょうか。まあ漱石さんはそんな常識なんぞという怪しいものにとらわれなかったかもしれませんが。

 

今朝の毎日記事<アクセス議場で喉あめ、懲罰必要? 熊本市議を「出席停止1日」 賛「非常識」/否「いじめ」>では、議場でのど飴をなめながら質問した議員に対して、議場がとった対応について賛否両論で大きく揺れているようです。

 

<昨年11月に生後7カ月の長男を連れて議場に入り、議論を呼んだ熊本市議会の緒方夕佳議員(43)が今年9月28日、本会議中に喉あめをなめながら質疑に立って「出席停止1日」の懲罰を受け、再び議論を巻き起こした。緒方氏は今月、取材に応じて「本質より形式を重んじる一面が出た」と議会を改めて批判した。>

 

議場における質疑応答が活発になったり、政務調査が充実した内容になったりするのを期待するのですが、こういった「議論」で紛糾するのはどんなものでしょう。

 

ともかく事実関係を確認しましょう。のど飴を口に入れ、質疑に立った経緯は次のようです。

<緒方氏によると、せき込むと止まらないため議場に入った時からあめをなめていた。上着に「龍角散ののどすっきり飴(あめ)」を入れていた。本会議開始直後から質問に立ち、約1時間後、自席で二つ目を口に含み、質問する番になってそのまま登壇。話すときに邪魔なのであめ玉を口の中で横に押しやっていた。議員たちが気付き、騒然となった。>

 

のど飴はマナー違反というのは出席停止という懲罰に反発する議員も含めほとんどの議員が認めているようです。でも、緒方氏はおそらく違う考えです。

 

<「飲食はまずいという認識はあるが、せき止めのあめは飲食ではない。前にも一般質問であめをなめ、それをまわりも知っていたはずだ。授乳中で薬を飲めない事情を理解してほしい」と話す。>ま、飲食とは言えないですが、飴を口に入れながら質疑に立つことが議場のマナー違反というのですか(神聖な議場ということでしょうか?)、それがほとんどの議員の考え方のようです。

 

ただ、世論の中には擁護派もなかなかの意見です。<元アナウンサーの小島慶子さんはツイッターでメイ英首相が演説中にせき込み、喉あめをなめるエピソードを引用し、熊本市議会を<ただのいじめ>と酷評。>また、緒方氏自身も、<留学や国連職員などの海外経験を踏まえ「日本には決まりが多く、破れば糾弾され、生きづらい社会につながっている」と嘆く。>ということですから、海外の公式会議での経験を踏まえての言動かなと思うのです。

 

なぜか城島勇人記者は、突然、この文書の後に、<公式の場で断りなくあめを口に入れてしゃべれば、ふつうは常識を疑われる。>そうかもしれませんが、そうでないかもしれません。

 

常識というものは移り変わるものだと思います。たとえば喫煙ですね。いつ頃まででしょうか、議場で議員が喫煙していたのは?最近は見られないですが、質疑しながら喫煙するのが自然であったこともそれほど遠い昔ではないように思うのですが。

 

議場のマナーという意味では、ヤジや反対するときの妨害行為も、国会も地方議会も、恥ずかしい限りです。それに比べるとのど飴を口に含むことなど、さほど重大なことかと思ってしまいます。むろんその会話が聞き取りにくいとか、だらしなく(これも形容に困りますが)のど飴を口にしながら質問するといったことであれば、マナー違反といってよい場合もあるでしょう。

 

なぜのど飴かというの緒方氏の弁解に合理性があるかは一応、確認しておきたいと思います。

<【管理栄養士監修】のど飴の効果はある?ない?風邪対策におすすめの商品10>というのを参考にします。

 

実は私は、のど飴とガムの愛好家?なのです。長距離ドライブのとき両者(特に後者)を愛用しています。ほとんどが裁判所までの往復ですが、さすがに法廷に入る前にはのど飴なら食べ終わらせるか(私の場合なめていても最後はかんでしまいますのでなくなります)、口から出して紙に包んでポケットに入れておきます。これはマナーかどうかですが、そこは昔気質なのでしょうか、別に緒方氏の考えに反対の立場ではありません。

 

まあ通常は医薬部外品のど飴を口に入れるでしょうということで、その場合の効能は<咳止めの効能を持っているものはなく、のどの痛みや腫れを抑えたり、口腔内を殺菌する効果が期待できるもの>ということのようです。

 

ただ、緒方氏の場合風邪で微熱があり、<せき込むと止まらないため>ということですから、こういう場合は医薬品ののど飴であれば<咳や痰、のどの痛みといった症状がつらい場合>に一定の効能が認められていますので、医薬品を選ぶのが本来でしょう。ところが緒方氏は<「龍角散ののどすっきり飴(あめ)」>を上着に入れて、なめていたというのですから、ちょっと健康管理がどうかと思うのです。いや、たしかにこの飴好きですので、私もなめますが、風邪をひいた症状の時に対処するものではないと思います。だからダメとは思いませんが。自身の健康管理上は要注意でしょう。

 

もう一つ、<本会議開始直後から質問に立ち、約1時間後、自席で二つ目を口に含み、質問する番になってそのまま登壇。>ということですが、登壇直前に口に含まなくてもよいかと思いますが、あるいは緊張を緩和させる意味もあったのでしょうか。ま、細かいと言えば細かい話ですし、議場での緊張関係から生まれたものかもしれません。

 

この話のついでといえば、メジャーやサッカー選手などスポーツ選手によるガムをかむ姿について、少し議論があるようです。他方で、ガムの効用については以下のようなウェブ情報があります。

 

ガムによって作り出される唾液の効果>ということで、管理栄養士北川みゆき氏が監修したものだそうです。

<■歯の清浄作用

■美容効果

■顎を強くする

■脳の活性化

■リラックス効果>

 

で、私はこのうち、脳の活性化というのに、なんとなく腑に落ちています。

この具体的な内容は、<ガムを噛むと脳の血流量が増加し、脳が活性化するので集中力や判断力・記憶力が増すといわれています。噛むことによる刺激は認知症の予防にも効果があるそうです。また、脳が刺激されることで眠気の防止にもつながります。>

 

私はドライブ中、長距離になると、眠気を催すことがよくあります。ところがガムをかみ始めてからは(時折のど飴ですが)、集中力も高まり、眠気も起こらなくなったのです。この効用だけは認めます。

 

で、地方議会も、国会も、マナーの細かい話より、もっと大切なことに時間を、頭を使ってもらえないかと期待する国民・市民の一人として、このテーマを取り上げました。

 

今日はこのへんでおしまい。また明日。