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ハワイの庭園 あとがき

2016年01月27日 | 日記
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ハワイの庭(16) あとがき

昨年11月、庭の剪定作業中に、ブヨが目の中に飛び込んできました。ブヨは小さい昆虫ですが、とても攻撃的で、そのため物がよく見えなくなり、3日ごとに眼医者に通うはめになりました。ガイドブックや地図でしっかり下調べをするつもりだったのが、字が読めないため、出発まぎわまで何も準備ができておらず、結局現地でプランを組み立てて、行動したような次第です。日本でできたことを、現地でやっていたので、多くの時間を無駄にしました。しかし、一度こうしてハワイに来てみると、色々様子が分かりました。今回行きたくていけなかったところや、もう一度訪れたいところなど、次回に機会があれば、ぜひ訪れたいと思います。

写真ではほとんど紹介しませんでしたが、いくつか日本風の庭園をみることができました。たぶん日本の庭師がみれば、ここぞとばかり、あれはちがう、ここはおかしいと、口やかましいことだと思いますが、私はむしろ、よくここまで造れたなと思いました。立場変われば私のデザインするハワイ式庭園なるものも、ハワイの人が見れば、陳腐なものに映るかもしれないからです。

そのようなこともあって、ハワイ滞在中、ひとつでも多くの庭をみることを心がけました。目の前の庭は、自分が作った庭だと思って眺めてみると、技術的なことはもとより、造った人の意図がいろいろ見えてきます。こうして考えたり、感じとったりしながら、しっかり向き合ったことが、表面を真似るだけの庭から一歩大きく踏みこめたように思います。

以前にもブログで書いたように、ハワイ庭園という庭はありません。あえていうなら、トロピカル庭園のハワイ版です。特徴としては、溶岩をふんだんに使っており、これらの溶岩の石積みが、熱帯の植物にとてもよくあっています。日本庭園のように、長い歴史や文化の中で、それぞれの時代を反映して完成された庭園とちがって、何もしなくても、自然がそのまま庭になるようなハワイとでは、もとより比肩できませんが、少なくとも建築様式が変化しつつある現在の住宅に、明るく、親しみやすいこれらハワイ式の庭園をとりいれて、デザインしていくことは、意義のあることと考えています。日本庭園と、ハワイ式庭園の小さな融合です。今回の旅で、その思いを強くした次第です。

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