88グリーンビートル

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庭師のブログ(8) 雑草

2016年04月04日 | 日記
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(第8話) 雑草






昭和天皇のお言葉の中で、雑草という草はない、草にはみんな名前がついていて、それぞれ好きなところを選んで生えている、と話されたとか。

万葉の植物を勉強しておられる方から聞いたのだけど、日本人は飛鳥、天平時代の昔より、目にするすべての植物に名前を付けて、親しみをこめて歌を詠んでいた、世界でも比類なき人種なのだそうだ。

そこで、庭の話に移るのだが、残念ながら、庭には勝手に生えてほしくない植物がある。それらを称して私たちは雑草と呼んでいる。限られたスペースの中で、好きな花や植物に囲まれて過ごしたい、言ってみればそのための庭で、雑草は招かざる草たちである。さあ、雑草君たちもここにきて、生えなさいという寛容な心にはなれないのである。

実際、雑草を放置すると、写真のような有様である。背の高くなった草は枯れ、見苦しく横たわっている。今はやりの、ビフォー アフター式でお見せすると写真のようになる。取り除いた草の陰から以前の花壇の縁取りが現れた。ちょっと手直しして、雑草の生えない土工事をしたのが下の写真である。

驚いたことに、この庭は、防草シートを敷いて、その上に砂利が撒かれていた。一応防草対策がされていたのであるが、それが風化したシートを突き破り、雑草の生え放題となってしまったのである。私たちの使うシートと違って安物が使われていたが、それでも耐久年数が少し違う程度で、同じ問題がこれから起こりうることが考えられる。新しいものは10年様子を見ないと、使わないというのは、真理である。


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庭師のブログ(7) 夢はこうして作られる

2016年04月04日 | 日記
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(第7話) 夢はこうして作られる

行きつけの床屋で、散髪をしてもらっているうちに、いつものことだけど、寝てしまった。そして、夢をみた。夢の中でも、散髪してもらっていた。

夢の中と、夢の外で、同時に声がした。はい、終わりました。 ???

一昨日、明け方に夢を見た。私は、高さ14mのゴヨウマツに上り、一人で剪定している。大きく張り出た枝が重なるようにいくつも伸びていた。このマツを一日半で仕上げなくてはならない。到底不可能とも思える仕事を、私は必死でがんばって、やり終えた。

肩と腕が痛い。とうとう腱鞘炎になってしまった。これで半年はハサミが持てないなと、がんばったことを悔やんだ。いつの間にか目がさめていたのだが、その境目がよくわからない。腕の痛みはずっと続いている。

しばらくして、これは夢だったと思った。そのときになって初めておかしいことに気が付いた。夢の中で無理をして腕を痛めたことはよく分かったけれど、夢からさめたのにまだ痛いのはどうしてなのか。

私が思うに、人間の脳には夢をつくるところがあるのではないか。

私の仮説。

私が右腕を下にして、たぶんねじったような格好で寝てたので、腕に重さがかかって、その痛みが脳に伝わった。脳は、腕からの痛み報告を受けて、さっそく夢つくり委員会のようなものを立ち上げる。何兆個あるか知らないけれど、腕の痛みに関する記憶を持つ細胞を探し出す作業に入る。

脳細胞A君の話。本人は、飛騨の禅昌寺の境内にある、高さ14mの美濃ゴヨウに上って作業をしたことがある。

脳細胞B君の話。本人の先輩庭師は、暮れの30日まで仕事をして、そのあと正月はゆっくり休むつもりだったが、どうしてもという知り合いに懇願されて大晦日に仕事をした。その余分の一日の無理がたたって、腱鞘炎になり、半年間ハサミが握れなかった。

委員会では、その二つの報告を中心に、ストーリーを瞬時につくりあげた。これが、私のみた夢である。

夢の中でも仕事をしている、働き者の庭師の話でした。


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