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庭師のブログ(28) サンディエゴのトイレ事情

2018年02月20日 | 日記
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(第28話) サンディエゴのトイレ事情と、ホームレスさんたち


どうしても不思議に思うのだが、アメリカの町には、自由に利用できるトイレがほとんどない。そのせいか、通りを歩いていると、悪臭が漂っている。

日本では、電車の駅、公園、コンビニ、スーパーマーケットなど、考えられるすべてに、清潔なトイレがあり、無料で利用できる。

アメリカは、そうではない。

バスターミナルや、駅、ショッピングモールなどに、あるにはあるが、錠がかかっており、9時30分まで開かないし、5時になると、さっさと鍵をかけてしまう。レストランや、巨大スーパーマーケットなどは、そこで、食事をしたり、買い物をしたりした人だけが、今日のトイレの暗誦番号を教えてもらって、男女兼用の一人分しかないトイレを利用できるという具合である。おなじみのセブンイレブンなどのコンビニなどは、買い物をしても、トイレはスタッフ専用で、利用できない。

店や、公共施設が閉まっている、朝の時間帯は、絶望的である。

私たち旅行者は、少なくてもホテルで寝泊まりしているので、事情を把握していれば、そのように行動できるが、トイレで困っているのは、街にたくさんいるホームレスさんたちである。彼らの身になって想像してみれば、よくわかることだが、日中はともかく、夜になると、トイレなしで過ごさなくてはならない。

そこで、暗いのをよいことに、せっかくきれいに植栽してある街路樹や、道路脇の植込みなどで、こっそり用を足しているのだと思う。

一夜、大雨が降ったことがあった。翌朝、街中から異臭は消えていた。

そこで私は、よそごとながら考えてみた。

これというのも、トイレがないからだ。そこで、市が予算を組んで、ついでに寄付が好きなアメリカ人の好意にも頼り、公園や、駅や、広場や、考えられるすべてのところに、24時間営業の有料公衆トイレを設置して、運営、維持管理、清掃は、ホームレスさんたち全員でつくる委員会に任せる、というアイデアである。

トイレの収益は、水道などの経費を差し引いて、ホームレスさんに分配し、そのお金で、自分たちもまたもらったお金で有料トイレを利用するのである。こうすることによって、社会に貢献しているという自意識が高まり、やがて、働く意欲が芽生えたホームレスさんたちは、ボランティア庭師たちの指導で、公園の草取りや、剪定、刈込などを行うようになり、空気の爽やかな、美しい、サンディエゴの町がよみがえるのであります。

めでたし、めでたし。

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