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奄美の旅 奄美パーク/田中一村美術館

2023年03月18日 | 日記
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奄美の旅 奄美パーク





2日目は、空港近くまでもどって、奄美パークに行きました。

奄美パークは、奄美の自然や、歴史、文化などが展示してある施設でした。沖縄とは異なる、独特の文化があったようです。

それはそれとして、私の目当ては、併設されている田中一村美術館です。

この間、原田泰治の美術館を見てきましたが、今回の美術館は想像していた以上に大きく、田中一村という画家は、そんなにすごい人だったのかと思いました。

田中一村は、奄美に移住してから、奄美の景色、主に植物を題材にした絵が多く、東洋のゴーギャンと呼ばれているそうです。

有名なアダンを描いた作品は、本人も気に入り、これは死んで地獄に行ったとき,閻魔大王に見せる絵だから100万円(今でいえば、何千万)でも売らないといって、お金に窮していた生活にもかかわらず、手元に残していました。絵を売るのは、魂を売ることだと言って、他の絵も売らなかったので、折角の才能も世に出ることはなく、本人は貧乏なまま生涯を閉じましたが、おかげで作品はいっぱい残り、美術館に収容されることになりました。

(写真)田中一村は、この小さな家に住み、近くの染め物屋で働きながら絵を描いていました。(傷んだ一部を修理)


美術館の横に、田中一村が好んで描いた植物だけを、集めて植えたエリアがあります。





不思議なことが一つありました。

田中一村は、いろんな植物を題材にしたのに、ヘゴを描いた作品がないのです。アダンや、ソテツは描いたのに、島中いたるところに生えている、いかにも南国を象徴するあの巨大なヘゴを、どうして描かなかったのか、自分なりに検証してみました。

ヘゴは、幹の先端から、大きな葉を10枚くらい出しています。

それを絵にすると、【図1】のようになります。

【図1】 【図2】


しかし、ヘゴを省略したこの葉っぱでは、バナナか、ヤシのような絵になってしまいます。そこで省略を減らして少しリアルに描いたつもりが【図2】です。

かえって、ヘゴとはかけ離れた絵になってしまいました。

【図3】 【図4】


そこで、さらに細かく描いてみました。まだヘゴというより、ゼンマイか、リュウビンタイのようです。もうこれ以上葉を細かく描けないので、一枚の小羽片を棒線に省略して描きました【図4】【図5】。ちょっとヘゴらしくなりました。本当は、もう一段階あるのですが、これ以上は、一枚の絵では描けません。この小さなギザギザ,裂片というのですが、これを描くとなると、田中一村は一本ヘゴを描くのに160万のギザギザを描かなくてはならず、ヘゴを描くのはあきらめたのではないかと、勝手に憶測しまた。

【図5】 右上は小羽片160万のギザギザ(列片)


ほんとうのところは、わかりませんが、チコちゃんなら、知っているかもしれません。

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