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脳はありあわせの材料から生まれた-それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ

2009-03-21 21:18:23 | 本のこと
ゲアリー・マーカスの「脳はありあわせの材料から生まれた-それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ」を読みました。

この本は、ヒトの脳の仕組みを進化と医学・心理学の立場から解説したもので、簡単に言えば、なぜヒトは自分の意志の通りに行動できないか、あるいは自分の意志は自分のものといえるのかを明らかにしたものです。

とは言っても、原題で "Kluge" というジャーゴンを使っていることからわかるように、とっつきやすい語り口 (ちょっと鬱陶しい部分もないではない) で、やさしく解説しているので、ヒトの脳と意識に関するなぜがとてもわかりやすく書かれています。

要約してしまうと、ヒトの脳は進化の過程で形作られたさまざまな仕組みの集合体として構成されているため、進化の初期段階で形成された記憶や判断の機構から逃れられず、それがヒトの意志と行動に影響を与えていると言うことです。

で、その対策が終章に示されているのですが、一般的な当たり前のことが述べられているだけで、人間が自分の意志を自分で形作るための王道はないということを示しているようです。

題名や表紙の怪しさから、とっつきにくいかもしれませんが、自分の意志力に限界を感じているようであれば、一読されるといいと思います。

もちろん、何かの特効薬が与えられると言うわけではないですけど…。


書名
脳はありあわせの材料から生まれた-それでもヒトの「アタマ」がうまく機能するわけ
著者
ゲアリー・マーカス、鍛原 多惠子 (訳)
出版社
早川書房
ISBN
978-4-15-208997-7


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