葛西臨海公園に,アカボシゴマダラが,たくさん飛んでいた。
きれいなチョウだなぁ,と無邪気に眺めていたのだが,宿に帰ってから調べてみると,日本にいてはいけないチョウだった。
環境省が作成している「生態系被害防止外来種リスト」に本種が掲載されており,「総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種)」の中の『重点対策外来種』に指定されていた。
また,外来生物法に基づく『特定外来生物』にも指定されており,今は,飼育することや,放つこと,譲渡することなどが,禁止されている。
成虫はもちろん,幼虫を見つけても,家に持ち帰ったりしてはいけない,ってこと。
自分だけで楽しむ場合であっても,許可なく飼養等をすれば,1年以下の懲役,又は,100万円以下の罰金。
野外に放したら,3年以下の懲役,又は,300万円以下に罰金。
元々は,中国,朝鮮半島,ベトナム原産で,かつて,愛好家が飼養していた実績があるらしい。
意図的な放蝶の結果か,偶発的な逃げ出しの結果か不明だが,関東を中心に分布域が拡大しているようで,西日本にも飛び火しているらしい。
いても害はないんじゃないの,とも思ったが,日本には,元々,奄美大島に固有の亜種が棲息しており,交雑可能というから,やっぱり,絶対に,いてはいけないチョウだった。
奄美大島の亜種は,環境省レッドリストの準絶命危惧(NT)となっている。
また,生態的に,同じ植樹(エノキ)を利用するゴマダラチョウと競合するのではないか,という懸念もあるようだ。
今回は,すぐ近くでゴマダラチョウも観察できたが,競合した結果,在来種のゴマダラチョウが駆逐されてしまう,ということも,あるのだろうか。
生態系を守るのは,すごく大変だが,壊すのは簡単。
悪いのは,このチョウたちではなく,このチョウたちを持ち込み,放した,クソ人間たち。
(2024/07/19 アカボシゴマダラ)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます