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グリゴロビッチは不思議な子

2009-07-20 23:39:00 | バレーボール
シドニー五輪予選のときが18歳だから今27歳のはずで、「子」などという表現を使うべき年齢ではないのだが。

先週末に、女子バレー世界選手権の欧州大陸3次予選が各地で行われた。4チームずつ4組に分かれての3次予選で、各組上位2チームが本戦出場である。その一つI組は、セルビア・クロアチア・スペイン・ルーマニアという4チームが参加している。セルビアは前回世界選手権銅メダルでそれ以降も世界大会の5位前後と、実績では他の3チームを圧倒しており、ホーム開催でもあるため、当然鉄板である。事実上は3チームで残り1枠の争いだった。

それで、この組で最も重要な対戦となったのはクロアチア対スペインの試合である。
ESP - CRO 2-3 23-25, 25-14, 25-22, 17-25, 14-16

今回は、クロアチアもバーバラ引退以降では最もまともと思われるメンバーできている。何と言っても、センターにかけては世界一層の厚いBergamoで何年もレギュラーのMBだったポリャックが参加したのは大きい。グリゴロビッチも久しぶりの代表復帰で、このメンバーでは唯一五輪に出場している。
クロアチアは、初戦のルーマニア戦こそ難なく勝ったものの、このスペイン戦はまさに絶体絶命だった。セットカウント1-2とリードされ、第4セットは大差で奪ったものの、最終セットは7-12とスペインに大差を付けられる展開、そして12-14でスペインに2本連続のマッチポイントさえあった。その場面から4連続得点で一気の逆転勝利。この結果、セルビアとクロアチアが2連勝したため、この両チームの世界選手権出場が確定した。

グリゴロビッチは、こういう不思議な巡り合わせというか、流れを変える力を何か持っている人らしいのだ。

シドニー五輪最終予選、当時はユースを出たばかりだったところ、大会のまさに直前に急遽フル代表の正セッターに抜擢された。国籍変更選手の出場制限が大会直前に決定・変更され、それ以前に代表のセッターをしていたキリロワ・リヒテンシュタインの両方とも代表に入れなくなったためだった。要するに、これほど重要な大会で、「誰もトスを上げられる人がいなかった」。当然、最初の試合ではチームの体をなしていなかった。その絶望的な状態から結果的には5勝2敗の3位で五輪出場を勝ち取った。それも第6戦の日本戦では、第1,2セットをいずれも競り合いで落とし、第4セットには五輪出場が絶望に近くなるマッチポイントを日本に握られていた。そこから一気に逆転したことは今でも鮮明に覚えている。
セリエでは、所属チームがシーズン途中2勝13敗で最下位、残留も絶望と思われたところを、彼女がレギュラーで出るようになってから5勝2敗の快進撃で最終的には悠々残留というシーズンもあった。
そして今回もまた劇的な逆転で、10年ぶりに世界の舞台に出場を果たした。バーバラ引退以降では初めてになる。


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