雑記帳(新居)

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全豪オープン終わった(ようなもの)…しばらくお休み

2009-01-29 20:06:38 | テニス
S. Williams 6-3, 6-4 Dementieva
Safina 6-3, 7-6(4) Zvonareva

この準決勝のセレナは強かった。準々決勝第2セットまでとか、あるいは前哨戦で見たのとは、全く別人だ。多少左右に振られても崩れないし、安易なミスも激減した。
エレーナとて決して悪い試合をしたとは思わない。少なくとも、準々決勝よりも内容はよくなっている。第2セットダブルフォルト8本は多すぎで、これを2,3本くらいまで減らせればと思えるが、今のエレーナに、今回準決勝以上の内容を望むのは不可能だと感じている。

これが本当のセレナですよ。

グランドスラムの準決勝まできた時点で、このようになることはおおよそ見当がついたのだが。毎回同じことだ。
姉妹を倒すのなら第1週のうちが鉄則である。グランドスラムの第2週まで残った姉妹を倒すなどという芸当ができたのは、全盛時のエナンくらいのものだ。

この1月は、テニスは全豪オープン、バレーボールの欧州CLなど、スポーツ観戦については昼夜問わずでかなり大変な日程だったのだが、これで2週間くらいお休みだ。

さて、エレーナのパフォーマンスについてちょっと考えてみた。とはいえ、ゲームみたいに数字で表すならというところで、テニスの技術論にはあまりならない。

エレーナのパフォーマンスの最大値: 2004年頃と比べてあまり変わっていないと思う。むしろ少し下がったかもしれない。根拠は後述。
エレーナのパフォーマンスの最悪値: これはここ2年くらいで明らかに改善している。その結果番狂わせを食らうことが大幅に減った。
そして、最大に近いパフォーマンスを持続できる確率が、昨年あたりから劇的に上がっているのだ。だから、グランドスラムのベスト4も3大会続いている。グランドスラムベスト4はまぐれ当たりという感覚だったけれども、普通にここまで進出できるようになった。そして、シーズン半分もない間に4大会に優勝した。(そのうち2つは、優勝して当たり前というグレード、ティア3あるいはインターナショナル大会だが)
つまり、パフォーマンスの平均値も大幅に上がっている。

しかし、グランドスラム大会で優勝するには、パフォーマンスの最大値を上げなければならない。さて、どのようにしたらよいものか。
筆者としてはその余地は、さんざん言われてきたサーブよりもネットプレーにあると思っている。

2004年に初めてグランドスラム決勝まで進出した頃、エレーナはここまでベースラインでの打ち合い一本槍の選手ではなかった。2004年全米オープンの記事に記したとおり、このときの準決勝カプリアティ戦では44回もネットに出た。準々決勝のモーレズモ戦では、31回のネットプレーで29回ラリー獲得という常識外れの効率の良さだった。
今大会でもエレーナのネットプレーをまれに見たけれども、おっかなびっくりでスローモーションを見ているかのようだ。多分トップ20,30の選手の中でも最悪レベルではないか。

ベースラインでラリーを続けるならそれはそれで、チェンジオブペースがもっと必要だろう。まともに打ち合っていて、グランドスラムの姉妹に勝つなど不可能。これは今回の準決勝で改めて実感したことだ。
同じロシア選手では、サフィナは比較的ループボールをよく使うと思う。特にクレーコートであれを食らうとてきめんにリズムが崩れる。フェンス際まで下げさせられてはたまったものではない。まあ、姉妹の強打相手にそのようなコントロールができるのなら苦労はしないだろうが。

サーブについてはこれ以上の向上を望むのは難しいような気がする。というか、サーブの破壊力を上げようとすると、今のエレーナの長所を弱めてしまうリスクがある気がするのだ。
出場大会数が多くこつこつとポイントを取れている選手で、ビッグサーブのある選手はあまり思い当たらない。サフィナはサーブの破壊力がある方だが、ヤンコビッチとかベラ子は上位選手の中ではサーブはそれほど威力はない。エレーナの体つきを見ても、上半身は比較的線が細いが足は長くてしかもムキムキ。走り回って打ち合うことに最適化した仕様だ。