雑記帳(新居)

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クレムリンカップ

2006-10-21 02:21:12 | テニス
例年通り、クレムリンカップはインターネット中継で堪能した。
そのクレムリンカップはなんとチャクベタゼがペトロワを下して優勝。

Kremlin Cup Final
Anna Chakvetadze (RUS) d. (5) Nadia Petrova (RUS) 64 64

チャクベタゼは9月末から10月はじめの中国の大会(ティア3)で初優勝を果たしたが、それからわずか2週間で一気のブレークスルーである。今大会では、1回戦でサフィナ、2回戦スキアボーネ、QFのシャラポワ戦こそ不戦勝だったものの、SFはディメンティエワ、決勝でペトロワと、全てランク上位の相手に勝利、トップ10選手3人を一度に倒してしまった。
チャクベタゼは相手の強打を利用して切り返すのも上手で、前後左右に振られても粘りもある。決勝戦を見てもペトロワの強打にタイミングが合っているようだ。この試合、ペトロワは両足に故障を抱えており、ミスが目立った。しかし、万全の状態だったとしてもペトロワにとってはやりにくい相手だろう。チャクベタゼはペトロワに3連勝、これまでの2勝は夏場にペトロワが故障明けで極度の不振だった時期だが、この対戦成績はそのせいだけではなさそうだ。

さて今大会最も印象に残った試合は、2回戦のモーレズモ対ベスニナである。とにかくベスニナの試合内容は驚きであった。強打ももちろんあるけれども、硬軟の組み合わせもさえている。強打で攻められたり振られたりしても粘りもあり、その粘りが重要なポイントでモーレズモのミスを誘う場面も何度かあった。モーレズモの調子の悪さも目立ったけれども、それ以上にベスニナのプレーは印象に強く残った。第1セットはベスニナが先にブレークして5-3、いったんモーレズモが追いつくものの、第12ゲームでベスニナが再びブレークして、7-5でベスニナが奪う。第1セットを見て、ベスニナはいわゆる"ZONE"状態に入っていると感じられた。問題はそれをどこまで続けられるかだ。
第2セットに入るとモーレズモが4ゲームを連取。ベスニナの"ZONE"状態は終わってしまったかと思えた。しかし、0-4から3-4までベスニナが追い上げ、試合は再び拮抗してきた。このセットは第9ゲームをモーレズモが再びブレークして6-3モーレズモ。
腐ってもランク1位、モーレズモはリターンゲームでプレッシャーを次第に強めてきた。またネットプレーの巧拙の差は歴然としている。それでも第3セット、ベスニナは0-2から2-2、2-4から4-4と2回のビハインドを追いついた。
最終セットタイブレークまで試合はもつれたものの、ベスニナはついに力尽きた。3-2モーレズモリードの場面からダブルフォルト、5-3の場面からはネットプレーのミスも出た。
この試合、ベスニナがさえわたっていたとわかる場面が他にもあった。ベスニナはこの試合、3回くらい(もっと多かったかも)チャレンジを試みたのだが、すべて正しかった。チャレンジ制度が導入された当初のマイアミの大会で、チャレンジが正しかった割合は4~5割と聞いた記憶がある。すべて正しいというのはきわめて珍しい。それだけボールがよく見えていたのだろう。(チャレンジ制度とは、ボールのインアウトが微妙な判定のときに選手がコンピュータ判定を要求できるもので、1セット2回まで権利がある。ただし、チャレンジの結果選手の言い分が正しければ、その回数は減らない。)

全米オープン終了

2006-10-01 02:17:14 | テニス
ひどく前の話になったが、自分が忘れたくないので記事追加しておきます。

US Open Final
(3) Maria Sharapova (RUS) d. (2) Justine Henin-Hardenne (BEL) 64 64

サンディエゴの大会でキムを倒したことで、壁を破るきっかけになればと期待したけれども、その通りになった。この大会ではモーレズモとエナンを立て続けに破っており、サンディエゴ大会とあわせてどうしても勝てなかった相手を一気に片づけてしまった。一つのきっかけで一気にブレークスルーするのには、やはり尋常ではない強さが感じられる。
シャラポワは全体的にレベルアップしていると思うし、特にサーブの破壊力が増しているように思える。シャラポワは「白いヴィーナス」になってしまえばいい、と去年書いたけれども、着々とその方向に進んでいるようだ。
決勝のエナン戦、第1セット第2ゲームをブレークされて先手をとられたものの、それ以降はブレークポイントすら一度もエナンに与えなかった。欲しいところで強力なサーブが入りポイントを奪っていた。この試合、ミスの総数はシャラポワのほうが多いけれども、ミスが肝心のところで出たのがエナンという印象である。第2セット第7ゲーム、シャラポワブレークしたゲームは特にそうだった。
その後、表彰式で前代未聞の珍事があったようだ。シャラポワが、喜びのあまりすごい勢いで(?)優勝カップを天に向かって突き上げたところ、何とカップのふたが外れて落ちてしまった。コメンテーター曰く、"first unforced error tonight!"とのこと。


さて、ディメンティエワは、ベスト8までは比較的すんなり進んだものの準々決勝でヤンコビッチに粉砕されてしまった。何とサービスゲームを一度もキープできなかった。ラッキードローだったから準決勝までは進みたかったのだが。とにかく、ヤンコビッチはこの大会でトップ10選手を立て続けに3人倒し(バイディソバ、クズ、デメ)、エナン相手の準決勝でも第1セットを先取して第2セットも途中までリードしていたから、好調だったことは間違いない。
そのヤンコビッチ曰く、ロスで対戦したときにはサーブが遅くて戸惑ったとのこと。あーあ、やっぱりねwとすれば、デメはヘタレサーブに磨きをかけた方がいいような気がしてならない。2004年の全米準決勝では最低74km/hのミラクルサーブを打ったという話だがこれは未確認。最低スピードが80km/hなら、まっすぐの速いサーブが150km/hしか出なくても相手は困るだろう。スピードの絶対値ではなく、スピードの落差で相手を攪乱できればいい。