ウィンブルドンのドロー

現状、ウィンブルドンではウィリアムス姉妹以外に優勝候補すら思い浮かばないのだが。今回は姉妹がドローの上下に分かれたから普通に考えれば姉妹対決で決勝である。

例により、ドローの一番上が第1シード、一番下が第2シードで、全体を8区分してみていく。

1/8
悪い意味でカオスな山の一つ。サフィナは芝での成績は極端に悪く、すんなりと勝ち上がるのは期待しにくい。芝での実績でいえば飛び抜けているのはモーレズモだが、こちらも今季の成績は不安定そのもの。調子がよくなったかと思えば次の週は格下相手に早期敗退、この繰り返し。

2/8
キャロとクズネツォワが4回戦まで順当に進む可能性は高いと思われる。今回女子のドローでは堅い印象の山。伊達がキャロにどれくらいやれるのかは興味があるが、極めて厳しいことは確か。

3/8
4回戦でヴィーナス対ストーサーが実現すれば熱い試合かもしれない。それ以外にヴィーナスを脅かす選手は全くと言っていいほど見あたらず、ヴィーナスにとっては決勝進出まで楽なドロー。

4/8
ここも本命不在。現状ヤンコビッチが順当に勝ち進むことは期待薄。とするとここを勝ち上がるのは、ランキングからいってもラドワンスカか。ラドワンスカも今季は苦しんでいるが、2008年イーストボーンで優勝の実績もある。

5/8
ズボナレワは故障上がりの上、もともとウィンブルドンでは4回戦進出が最高で、これもシードを守れるとは考えにくい。現在開催中のイーストボーンのベスト4のうち3選手が固まっており（ラザノ、アレクサンドラ・ウォズニアク、バルトリ）、地味に見えるが今大会最大の激戦区。隣の6/8区の組み合わせからいって、ここを勝ち上がった選手は準決勝にも進める可能性が高く、その観点でも注目の山。

6/8
今大会最悪のカオスの山。カオスの原因は、いうまでもなくディメンティエワに上位進出が全く期待できないこと。かといって、デメに代わる勝ち上がり選手の名前も思い浮かばない。（ヤンコビッチの山にはラドワンスカがいるのだが）森田には意外とチャンスありかもしれない。

7/8
順当なら3回戦でシャラポワ対ペトロワ、その勝者が4回戦でアザレンカと対戦。激戦区でしかも派手なメンバーが多いため、最大の注目の山といえるだろう。やはりシャラポワが勝ち上がれば面白い。

8/8
セレナにとって、2回戦でおそらくサファロバとの対戦となり、これがまず最初の関門になる。4回戦ではジェンジーまたはタナスガーンあたりとの対戦が見込まれ、これもなかなかに危険。ヴィーナスに比べれば前半で実力者との対戦が多く見込まれ、毎回エンジンのかかりの遅いセレナにとっては、難易度の高いドローである。4回戦までクリアすれば準々決勝・準決勝は電車道だろう。

I need a break (from tennis)

ディメンティエワと並んで最悪のスランプまっただ中のヤンコビッチ。
今週のイーストボーンでも初戦でチャクベタゼに7-6(5) 2-6 3-6で敗退した。今回の記事のタイトルはその後のヤンコビッチのインタビューからとったものである。
この記事を読むに、ヤンコビッチもモチベーションが大きく下がっており極めて深刻な状況だ。

Jankovic left to ponder future
"I need a break and maybe not playing for a little bit will get me to the point where I want to play tennis again and want to run after those balls because that is missing at the moment."

さて、イーストボーンでは2回戦までに1～4シードまで全員敗退。マドリードもサフィナが残った以外はランク上位選手が早々と全滅だったが、ここまで頻繁にパーフェクトストームが発生するのでは、さすがにうんざりである。わけがわからない。

今季の「一体全体何だこれは」大賞

クズネツォワのことである。

マドリード: 初戦でボンダレンコ（姉）に3-6 2-6で負け

全仏: ご存じの通り優勝
準々決勝でセレナ相手に7-6(3) 5-7 7-5 3時間近くに及ぶ死闘
準決勝でストーサー相手に6-4 6-7(5) 6-3 これも激戦
決勝ではサフィナに6-4 6-2であっさりと勝ち

イーストボーン: 1回戦でAlexandra Wozniakに0-6 3-6で負け

これでウィンブルドン優勝、とはいかないまでもベスト4くらいまで進出したら、「前哨戦ではやる気なさそうなのにグランドスラムだけやたら強い」ウィリアムス姉妹の3番目である。