最近、久しぶりに新手の分散コンピューティングプロジェクトに手を出した。cell computing βirthである。
cell computingにおいては、以前も公開テストが行われたことがあり、管理人も参戦していた。しかし、当時とは中身は全く別物である。前回のテストでは中身はUnited Devicesエージェントだった(そのため、本家のUDとは絶対に同居できなかった)けれども、今回はBOINCというソフトを使っているようだ。
現在、cell computing βirth、Bolero+, Chronos, elecleという3種類の全く別種のプロジェクトが行われている。
cell computing βirthは、課題が全体にきわめて軽い。特に、Chronosあるいはelecleでは、1課題1時間を切るのがふつうである(Bolero+はそれに比べると重いけれども6時間程度)。課題の提出期限も一般に短い。Bolero+においては、ヴィクトリアでも6時間くらい計算にかかるのに、課題の提出期限が5日間くらいに設定されている。そのくせ各課題はかなりのファイルサイズがある。ダイヤルアップなどの環境では課題の送受信自体にきわめて苦労するし、毎日数時間はマシンを動かさないと提出期限に間に合わない。はじめから、ブロードバンド環境を持っているヘビーユーザ向けのプロジェクトのようだ。
Chronosについては、きわめて特徴のある結果が出ている。同系列のCPUであれば、2次キャッシュ容量が大きい方が圧倒的に早くなる、というか、2次キャッシュ容量に見事に比例する処理速度となるのだ。(ただし2次キャッシュ1MBと2MBでどれだけ差があるかは確認できていない)とすると、2次キャッシュ2MBのPentium 4 6xxでChronosを回しまくるのが、ランキング上位をねらうなら必勝法ということである。Pentium 4ではないけれども、うちの部隊で唯一2次キャッシュ2MBを持つビアンカをこれに割り当てて、非常に高いポイントを獲得できている。
Bolero+については、Pen4 HT 3.3GHz稼働のヴィクトリアをCPU半分っこで稼働させた場合とビアンカを100%稼働させた場合とで、推定所要時間が6~7時間とあまり差がなく、キャッシュ容量はあまり関係がなさそうである。(これではサンプルとして少なすぎだが、この結果だけからするとBolero+はPentium 4に有利?所要時間が比較的長いせいか、公式掲示板上でも所要時間の報告は少ない。)
Elecleについては、1課題が極端に短い上課題が配布される量も少ない(全体の進行に依存するのだが全く配布されない時間帯が長い。)ため、どのようなハードで有利になるかはわからない。これは、純粋に「アニメを作っている」という夢を買うプロジェクトと思っている。ポイントを稼いで楽しむためのものではない。
Chronosは極端な例だけれども、それ以外にも多くの分散計算プロジェクトにおいて、Pentium M(特に2次キャッシュ2MBのDothanコア)はきわめて強力のようだ。Pentium 4に比べるとクロックは0.6倍程度しかないけれども、その差を感じさせない。Folding@Homeにおいても、Pentium M 755のビアンカはうちの部隊で最速である(ただし、FAHにおいては、一部の古くからの課題ではAthlon XP/MP系のほうが有利。)
やはり多くの分散計算プロジェクトにおいて、AMDよりもIntel CPUにより最適化が行われていると感じられる。それは、コンパイラ用の最適化のライブラリがきちんと提供されているかどうか、などの問題もあるのだろう。
# Athlon 64系のマシンはうちの部隊にまだいないのでわからない。
このプロジェクトには、ビアンカという最新世代のノートマシンが割り当てられている。このプロジェクトは「成果主義」と思われるからだ。「成果主義」のプロジェクトに高速な機械を割り当てたほうが、当然有利になる。ただ、異なる種類の課題の間で、ポイントの割り振りが公平かどうかは疑問が残る。Chronosにおいては2次キャッシュの容量で極端に有利不利ができる。
Folding@Home(FAH)も、同様に完全な成果主義の世界である。課題をクリアするたびに課題の種類によって決まっているポイントを受け取る。しかも、FAHにおいては、多くのメモリを使う巨大な課題をこなさないと、効率よくポイントを獲得できない。「超実力主義」である。なお、FAHでは巨大な課題が多く、最も大きいものでは、ビアンカを100%稼働させても丸2日くらいかかる。しかし最新のFAHクライアントでは、なんと計算結果をセーブする間隔を設定できる(最短で3分。なお、一部の古くからの課題ではこの機能を使えない)。また、課題の有効期限も、大きな課題では50日などと極端に長く設定されている。だから、自分のペースで動かせば動かした分だけ得点になる。至極真っ当といえば真っ当だが、昔のUD THINKのような緊迫感は全くなくなってしまった。
一方、ミシェルあるいはスヴェトラーナという古いマシンは、United Devicesのためだけにひたすら動いている。UDは、もはや完全に時間給の世界だからだ。課題発射用のマシンを1台立ててそのマシンから原則すべての課題を送受信するので、実際に計算をしたマシンが誰であろうとも、稼働時間あたりのポイントはほぼ同じになるのだ。(タワーマシンは、「速すぎて」自前で課題を発射させるため、逆にポイントで不利になる。)なぜUDで成果主義ができないのかといえば、同種の課題で大きな計算量の差があるからである。UDの初期(UD THINK)においてはその差は数十倍にもなった。現在のLigandFitでも2倍以上の差がある。
UDでは、挙げ句の果てに、デフォルトの順位付けの基準が総稼働時間となってしまった。これも問題はありまくりだ。どれほど非力なマシンであろうと、あるいは実質のCPU稼働率が限りなくゼロに近かろうと、逆に現在最高クロックのPentium 4 570をUDのためだけに回し続けようと、同じ評価になってしまうからだ。
cell computingにおいては、以前も公開テストが行われたことがあり、管理人も参戦していた。しかし、当時とは中身は全く別物である。前回のテストでは中身はUnited Devicesエージェントだった(そのため、本家のUDとは絶対に同居できなかった)けれども、今回はBOINCというソフトを使っているようだ。
現在、cell computing βirth、Bolero+, Chronos, elecleという3種類の全く別種のプロジェクトが行われている。
cell computing βirthは、課題が全体にきわめて軽い。特に、Chronosあるいはelecleでは、1課題1時間を切るのがふつうである(Bolero+はそれに比べると重いけれども6時間程度)。課題の提出期限も一般に短い。Bolero+においては、ヴィクトリアでも6時間くらい計算にかかるのに、課題の提出期限が5日間くらいに設定されている。そのくせ各課題はかなりのファイルサイズがある。ダイヤルアップなどの環境では課題の送受信自体にきわめて苦労するし、毎日数時間はマシンを動かさないと提出期限に間に合わない。はじめから、ブロードバンド環境を持っているヘビーユーザ向けのプロジェクトのようだ。
Chronosについては、きわめて特徴のある結果が出ている。同系列のCPUであれば、2次キャッシュ容量が大きい方が圧倒的に早くなる、というか、2次キャッシュ容量に見事に比例する処理速度となるのだ。(ただし2次キャッシュ1MBと2MBでどれだけ差があるかは確認できていない)とすると、2次キャッシュ2MBのPentium 4 6xxでChronosを回しまくるのが、ランキング上位をねらうなら必勝法ということである。Pentium 4ではないけれども、うちの部隊で唯一2次キャッシュ2MBを持つビアンカをこれに割り当てて、非常に高いポイントを獲得できている。
Bolero+については、Pen4 HT 3.3GHz稼働のヴィクトリアをCPU半分っこで稼働させた場合とビアンカを100%稼働させた場合とで、推定所要時間が6~7時間とあまり差がなく、キャッシュ容量はあまり関係がなさそうである。(これではサンプルとして少なすぎだが、この結果だけからするとBolero+はPentium 4に有利?所要時間が比較的長いせいか、公式掲示板上でも所要時間の報告は少ない。)
Elecleについては、1課題が極端に短い上課題が配布される量も少ない(全体の進行に依存するのだが全く配布されない時間帯が長い。)ため、どのようなハードで有利になるかはわからない。これは、純粋に「アニメを作っている」という夢を買うプロジェクトと思っている。ポイントを稼いで楽しむためのものではない。
Chronosは極端な例だけれども、それ以外にも多くの分散計算プロジェクトにおいて、Pentium M(特に2次キャッシュ2MBのDothanコア)はきわめて強力のようだ。Pentium 4に比べるとクロックは0.6倍程度しかないけれども、その差を感じさせない。Folding@Homeにおいても、Pentium M 755のビアンカはうちの部隊で最速である(ただし、FAHにおいては、一部の古くからの課題ではAthlon XP/MP系のほうが有利。)
やはり多くの分散計算プロジェクトにおいて、AMDよりもIntel CPUにより最適化が行われていると感じられる。それは、コンパイラ用の最適化のライブラリがきちんと提供されているかどうか、などの問題もあるのだろう。
# Athlon 64系のマシンはうちの部隊にまだいないのでわからない。
このプロジェクトには、ビアンカという最新世代のノートマシンが割り当てられている。このプロジェクトは「成果主義」と思われるからだ。「成果主義」のプロジェクトに高速な機械を割り当てたほうが、当然有利になる。ただ、異なる種類の課題の間で、ポイントの割り振りが公平かどうかは疑問が残る。Chronosにおいては2次キャッシュの容量で極端に有利不利ができる。
Folding@Home(FAH)も、同様に完全な成果主義の世界である。課題をクリアするたびに課題の種類によって決まっているポイントを受け取る。しかも、FAHにおいては、多くのメモリを使う巨大な課題をこなさないと、効率よくポイントを獲得できない。「超実力主義」である。なお、FAHでは巨大な課題が多く、最も大きいものでは、ビアンカを100%稼働させても丸2日くらいかかる。しかし最新のFAHクライアントでは、なんと計算結果をセーブする間隔を設定できる(最短で3分。なお、一部の古くからの課題ではこの機能を使えない)。また、課題の有効期限も、大きな課題では50日などと極端に長く設定されている。だから、自分のペースで動かせば動かした分だけ得点になる。至極真っ当といえば真っ当だが、昔のUD THINKのような緊迫感は全くなくなってしまった。
一方、ミシェルあるいはスヴェトラーナという古いマシンは、United Devicesのためだけにひたすら動いている。UDは、もはや完全に時間給の世界だからだ。課題発射用のマシンを1台立ててそのマシンから原則すべての課題を送受信するので、実際に計算をしたマシンが誰であろうとも、稼働時間あたりのポイントはほぼ同じになるのだ。(タワーマシンは、「速すぎて」自前で課題を発射させるため、逆にポイントで不利になる。)なぜUDで成果主義ができないのかといえば、同種の課題で大きな計算量の差があるからである。UDの初期(UD THINK)においてはその差は数十倍にもなった。現在のLigandFitでも2倍以上の差がある。
UDでは、挙げ句の果てに、デフォルトの順位付けの基準が総稼働時間となってしまった。これも問題はありまくりだ。どれほど非力なマシンであろうと、あるいは実質のCPU稼働率が限りなくゼロに近かろうと、逆に現在最高クロックのPentium 4 570をUDのためだけに回し続けようと、同じ評価になってしまうからだ。