雑記帳(新居)

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cell computing βirth

2005-03-31 04:01:03 | MyPC
最近、久しぶりに新手の分散コンピューティングプロジェクトに手を出した。cell computing βirthである。
cell computingにおいては、以前も公開テストが行われたことがあり、管理人も参戦していた。しかし、当時とは中身は全く別物である。前回のテストでは中身はUnited Devicesエージェントだった(そのため、本家のUDとは絶対に同居できなかった)けれども、今回はBOINCというソフトを使っているようだ。
現在、cell computing βirth、Bolero+, Chronos, elecleという3種類の全く別種のプロジェクトが行われている。
cell computing βirthは、課題が全体にきわめて軽い。特に、Chronosあるいはelecleでは、1課題1時間を切るのがふつうである(Bolero+はそれに比べると重いけれども6時間程度)。課題の提出期限も一般に短い。Bolero+においては、ヴィクトリアでも6時間くらい計算にかかるのに、課題の提出期限が5日間くらいに設定されている。そのくせ各課題はかなりのファイルサイズがある。ダイヤルアップなどの環境では課題の送受信自体にきわめて苦労するし、毎日数時間はマシンを動かさないと提出期限に間に合わない。はじめから、ブロードバンド環境を持っているヘビーユーザ向けのプロジェクトのようだ。

Chronosについては、きわめて特徴のある結果が出ている。同系列のCPUであれば、2次キャッシュ容量が大きい方が圧倒的に早くなる、というか、2次キャッシュ容量に見事に比例する処理速度となるのだ。(ただし2次キャッシュ1MBと2MBでどれだけ差があるかは確認できていない)とすると、2次キャッシュ2MBのPentium 4 6xxでChronosを回しまくるのが、ランキング上位をねらうなら必勝法ということである。Pentium 4ではないけれども、うちの部隊で唯一2次キャッシュ2MBを持つビアンカをこれに割り当てて、非常に高いポイントを獲得できている。
Bolero+については、Pen4 HT 3.3GHz稼働のヴィクトリアをCPU半分っこで稼働させた場合とビアンカを100%稼働させた場合とで、推定所要時間が6~7時間とあまり差がなく、キャッシュ容量はあまり関係がなさそうである。(これではサンプルとして少なすぎだが、この結果だけからするとBolero+はPentium 4に有利?所要時間が比較的長いせいか、公式掲示板上でも所要時間の報告は少ない。)
Elecleについては、1課題が極端に短い上課題が配布される量も少ない(全体の進行に依存するのだが全く配布されない時間帯が長い。)ため、どのようなハードで有利になるかはわからない。これは、純粋に「アニメを作っている」という夢を買うプロジェクトと思っている。ポイントを稼いで楽しむためのものではない。

Chronosは極端な例だけれども、それ以外にも多くの分散計算プロジェクトにおいて、Pentium M(特に2次キャッシュ2MBのDothanコア)はきわめて強力のようだ。Pentium 4に比べるとクロックは0.6倍程度しかないけれども、その差を感じさせない。Folding@Homeにおいても、Pentium M 755のビアンカはうちの部隊で最速である(ただし、FAHにおいては、一部の古くからの課題ではAthlon XP/MP系のほうが有利。)
やはり多くの分散計算プロジェクトにおいて、AMDよりもIntel CPUにより最適化が行われていると感じられる。それは、コンパイラ用の最適化のライブラリがきちんと提供されているかどうか、などの問題もあるのだろう。
# Athlon 64系のマシンはうちの部隊にまだいないのでわからない。

このプロジェクトには、ビアンカという最新世代のノートマシンが割り当てられている。このプロジェクトは「成果主義」と思われるからだ。「成果主義」のプロジェクトに高速な機械を割り当てたほうが、当然有利になる。ただ、異なる種類の課題の間で、ポイントの割り振りが公平かどうかは疑問が残る。Chronosにおいては2次キャッシュの容量で極端に有利不利ができる。
Folding@Home(FAH)も、同様に完全な成果主義の世界である。課題をクリアするたびに課題の種類によって決まっているポイントを受け取る。しかも、FAHにおいては、多くのメモリを使う巨大な課題をこなさないと、効率よくポイントを獲得できない。「超実力主義」である。なお、FAHでは巨大な課題が多く、最も大きいものでは、ビアンカを100%稼働させても丸2日くらいかかる。しかし最新のFAHクライアントでは、なんと計算結果をセーブする間隔を設定できる(最短で3分。なお、一部の古くからの課題ではこの機能を使えない)。また、課題の有効期限も、大きな課題では50日などと極端に長く設定されている。だから、自分のペースで動かせば動かした分だけ得点になる。至極真っ当といえば真っ当だが、昔のUD THINKのような緊迫感は全くなくなってしまった。
一方、ミシェルあるいはスヴェトラーナという古いマシンは、United Devicesのためだけにひたすら動いている。UDは、もはや完全に時間給の世界だからだ。課題発射用のマシンを1台立ててそのマシンから原則すべての課題を送受信するので、実際に計算をしたマシンが誰であろうとも、稼働時間あたりのポイントはほぼ同じになるのだ。(タワーマシンは、「速すぎて」自前で課題を発射させるため、逆にポイントで不利になる。)なぜUDで成果主義ができないのかといえば、同種の課題で大きな計算量の差があるからである。UDの初期(UD THINK)においてはその差は数十倍にもなった。現在のLigandFitでも2倍以上の差がある。
UDでは、挙げ句の果てに、デフォルトの順位付けの基準が総稼働時間となってしまった。これも問題はありまくりだ。どれほど非力なマシンであろうと、あるいは実質のCPU稼働率が限りなくゼロに近かろうと、逆に現在最高クロックのPentium 4 570をUDのためだけに回し続けようと、同じ評価になってしまうからだ。

サッカー日本代表

2005-03-30 04:06:23 | スポーツ
前半2勝1敗で折り返しなので、星取りという観点では何とかなりそうな気がするけれども、とにかく1試合でもいいから気持ちよく終われる試合はないものか。
今回バーレーン戦は、結局オウンゴールの1点のみとはいえ、後半はほぼ一方的に押しまくっており、高い位置から難なく日本がボールを奪っており、これなら問題なく勝てそうに見えた。試合終了の5分前までは。
そんな試合でさえ、最後の5分間くらいは引きすぎて無用に攻め込まれる有様だ。すっきりしない後味の試合になってしまった。

# サルミーン(自殺点を入れた選手)は無事だろうか

スリムスピードスター・ビアンカ投入

2005-03-29 04:15:24 | MyPC
うちの部隊に新しいエースのノートが投入されました。名前は「ビアンカ」です。
CPU
Pentium M 755 (2.0GHz, FSB400MHz, Dothan Core)
Memory
1024MB
HDD
74.5GB
Display
15.0" TFT LCD SXGA+ (1400*1050)
True Name -> Full Name
Bianka -> Bianka Panova
Network Name -> Full Name
Erika -> Erika Coimbra

(マシンの命名について、「新体操の歴代有力選手から選び、基本的に古い方から使う」という新しいポリシーを決めたため、従来マシンについても以下のように一部名前を変更する。今回の説明以降変更後のマシン名で書く。
(旧)タチアナ→(現)アネリア -> Anelia Ralenkova
(旧)アンナ→(現)リリア -> Lilia Ignatova
なお、タチアナおよびアンナという名前は、将来のマシンのために予約されている。)
うちの部隊で初めて、ベアボーンキットとパーツ一式そろえて組み立てた「自作」ノートマシンである。
パーツの購入代金合計はざっと16万5千円である。同等の構成では、メーカー製はもちろんショップブランドのマシンでも20万円は超えるから、性能を考えれば恐ろしく安いわけである。

まず第一の感想としては、「すみませんDothanコアをなめてました」。ビアンカは「速い」「薄くて軽い」「熱と音を出さない」三拍子そろった凄いマシンである。
ビアンカは恐ろしく速い。United Devicesはヴィカよりも速いし、さらに驚いたことに、Athlon系に有利と思われていたFolding@Homeで、しずかやアリーナよりも速い(クロックではアリーナは2.3GHzで動いている)。現在のうちの部隊では確実に最速である。さらに、Mobile Radeon 9700を積んでいるため、3D描画に関しては、Radeon 9800のヴィカの次に速い。日本産の3Dゲームなら、FFXIでもA7も余裕でクリアしている。この一台で何でもありなのだ。
これほど速いのに、排気量は極端に少なく吹き出される空気もあまり熱くない。CPUの定格消費電力からしても、Baniasコアのリリアとかデスクトップ用同等のPentium 3のスヴェトラーナよりも低い。現在稼働中のマシンの中では、ミシェルに次いで発熱が少ないようだ。実感でもリリアよりむしろ冷たく、ここまで排熱が少なくて大丈夫なのかと思うほどである。しかし実際問題マシンのどこも熱くなっていない。排熱が少ないためファンの音も当然小さく、よほど静かな場所でなければ気にならない。
ビアンカの画面はてかてかでない従来のTFT液晶であり、コントラストも並程度、さらに色合いは青みがかかっている。以前からの感想だが、液晶画面の画質については、概して大手メーカーのマシンに分がある。ただし、Radeon系の標準ドライバを用いているため、画質の細かい調整が可能であり、ガンマ補正を上げて赤色を強くすることで、かなり改善できる。
液晶は15インチだから図体は相応に大きいけれども、薄くて軽い。重さという観点では、同じ液晶サイズのスヴェトラーナ・アネリアに比べればはるかに軽く、リリア同様毎日持ち運ぶことも十分可能な重さである。そのリリアと比べると、CPU自体も大幅に速いし3Dに関しては比較にならない(リリアのグラフィックはチップセット内蔵のため、3Dの役には全く立たない)けれども、もう一つの大きな強みは高解像度の画面である。スヴェトラーナ以来の歴代のエースと全く同じ画面レイアウトで作業ができる。
当初は、リリアとかタラの代役・後継も意識して戦線投入されたビアンカだったけれども、大きな弱点があった。組み立てが雑なせいか、あるいはベアボーンを別にすれば安いパーツを寄せ集めているせいか、振動に極端に弱いのである。ちょっとした振動を与えただけでもすぐにハングする。しかも、振動でひとたびハングさせると、しばらくの間は起動しても不安定になってしまう。これでは持ち出して使うことはできない。特に振動を与えなくても、ビアンカは、ノートマシンとしてはやたらとハングの回数が多く、安定性という観点では近年のエース級ノートには及ばない。特にアネリアは、大トラブル直後を除けば、OSが落ちた記憶すらないというくらい安定したマシンで、何週間も再起動なしで動かすのもふつうだった。(机の上から真っ逆さまに転落したときもOSすら落ちなかった。ビアンカをそんな目に遭わせたら間違いなく即死だろう。)
しかし、ビアンカを机の上で使う分には、予想以上にパワーもあり、いいことずくめである。ついにビアンカは、巨大なノートからメインノートの座を奪ってしまった。さらに、マシンの消費電力の問題がきわめて重大になってきたため、デスクトップマシンに代わって録音・録画までこなすことになった。

フィギュアスケート新採点についての一考察

2005-03-20 21:50:16 | フィギュアスケート
フィギュアスケートの新採点規則について、一つ気になったことがある。

新方式の採点は大きくTES (Technical Element Score) とPCS (Program Component Score) に分けられ、その合計点から反則・転倒による減点を引いたものが選手の得点である。昔流の言い方に対応づければ、おおよそ、TESが技術点、PCSが芸術点に相当する。TESはプログラム内の技の難易度と成功の度合いによって採点され、PCSはスケーティングそのものの美しさ・精度とか、振り付け・音楽の解釈などの採点である。
本来は双方は全く独立に採点されるべきなのだろうが、PCSは、PCS合計点がTES合計点と等しくなるところをまず基準として増減されるようだ。かつての6点満点の採点でも、芸術点は技術点と同じ点数が基準と見なすことができ、そこから芸術的要素の巧拙によって最大で0.4とか0.5くらいまで増減があった。現在でもこれを引き継いでいるようだ。
それをよく表しているのが、男子と女子でPCS各項目の採点にかける倍率が違うことである。わざわざこのような違いがあるのは、TESとPCSが絶対的な数字で同程度にするためとしか考えられない。男子ではPCS5項目の合計に2倍、女子では1.6倍である。(フリーの場合。SPではこの倍率は半分)

しかし、これは大問題だ。上位と下位との差という観点では、TESの差が大きいのはむしろ女子だからだ。
今回世界選手権フリーに進出した選手中、最高点と最低点の差を比較すると、女子では30点を超える差があるのに、男子ではこの差は約20点である。なのに、PCSの倍率は女子の方が小さい。かけ算する前のPCSの点差に換算すると、女子の差はPCS5項目合計約20点に相当するのに、男子は5項目合計10点分にしかならない。
女子の採点についても、特にPCSで意図的な上げ下げがあるのではないかと不満が噴出しているのに、その女子に比べて男子ははるかにPCSの影響が大きいということだ。採点をまだ放送を全く見ていないけれども、採点表を見る限り、男子はPCS次第で順位がどうにでもなってしまうように見える。素人にとっては、PCSの点数は、直感でわからない部分とか、プログラム自体の好みでひいき目が入る部分とか多いと思う。素人目には、意味不明の事態が相当に多発しているのではないかという疑問を抱く。

筆者としては、新採点規則のコンセプト自体には反対をしていない。全く根本的な規則の変更だから、バランスという観点では未完成であり、当分微調整は続くのではないだろうか。
# しかし、このようなレベルの問題は、グランプリシリーズ2シーズンの試行でとっくにわかっていると思うのだが

# それにしても、男子の優勝選手でフリーのTES60点台後半とは、ちょっと情けない内容の大会に思われる。男子シングルは14要素、女子シングルは13要素という違いを考えれば、スルツカヤやコーエンと実質的にほとんど差がないということになるからだ。


フィギュアスケート世界選手権・女子シングル

2005-03-19 02:29:57 | フィギュアスケート
とにかくすごい演技を見せてもらった、というのが第一の感想である。スルツカヤ優勝おめでとう!!
この競技の歴史上でも最もレベルの高い演技の一つ、といってもよいのではないか。最初の3ルッツ-3ループから始まり、難しい技を連発しながら、見ていてわかるミスらしいミスは何一つなかった。

スルツカヤはSPではノーミスではなかった。それでもSPも1位だったことで、管理人も微妙に納得がいかなかったし、ネット上では不満の声の嵐となっていた。ところが、今日の演技でスルツカヤへの風向きは180度変わってしまった。スルツカヤ優勝に対し、もはや誰も文句を口にしない。それくらい完璧な演技だった。スルツカヤも世界のトップクラスで10年、クワンの次にキャリアの長い選手になっているのだが、今日のフリーの演技でファンになってしまったという人も出ているようだ。

さて、スルツカヤの詳細の採点表を確認すると、実は、ジャンプが1回ノーカウントになっている。(3ループを3回跳んでしまったため、3回目がノーカウント)それでもここまでの点数が出るくらい、ものすごい内容だった。スポーツの世界でたらればはなしだが、もしノーカウントのところを3トゥくらいにして決めておけば、現行規則でのフリー最高得点に到達したことになる。
# 現行ルールでのフリー最高記録はコーエンの130.78のはず、130点オーバーはそれに続く2回目

さて、ほかの選手の印象も少し。
コーエン: コーエンらしい難度の高い技を詰め込んだ、攻め抜いたよい演技だったと思う。「自爆」というありがたくないネーミングを一部でされてしまったが、今回はわずかなミスだけで、心配された「自爆」もなかった。今回は素直にスルツカヤが凄すぎた。
# 注・自爆三姉妹=長女セバスチャン、次女ヴォルチコワ、三女コーエン、なんだそうだ
コストナー: まだ跳んで走って跳んで走って、という印象を受ける。演技後半に疲れが見えたことも否めない。それでも開始直後に大技を立て続けに決めるなど、スピードと迫力は満点である。リレハンメル大会以降、五輪では、若手で勢いのある選手が勝つ傾向が続いている。もちろん地元の有利もある。トリノ五輪に向けて、やはり注目の選手である。
クワン: 相変わらず。ただ、現行制度ではクワンは優勝争いに絡むのは厳しそうだ。決め手になる技が少ない。
# スルツカヤとクワン、新採点での有利不利はくっきり分かれてしまったようだ。高い難度の3-3を持ち、しかも柔軟性抜群でスピンでもレベル3をとれるスルツカヤにとっては、この採点方式はむしろ福音である。
日本勢: 村主はSPでのミスからよく立て直したと思うけれども、安藤と荒川はちょっと期待はずれだった。来年のトリノ五輪に向けて、反省点が明確になったと受け止めることにしよう。

今回も、審判の採点については不満が多いようだ。(特に、コストナーあるいはクワンあたりの採点に不満が集中している。)もちろん万人が納得する結果というのは、採点競技である以上、まずあり得ない。インターネットが広く利用されるようになって、かつては不満を持っていてもそれを表す場がなかったのが、今では誰でもそれをホームページやら掲示板やらに書き込みする、ということもある。それでも最近は、採点に納得がいかないことが多すぎると思う。
新採点制度自体は、まだわからない部分が多いけれども、各選手とも演技のバランスがよくなっているという観点では改善だと思う。(ただし、表現を自由に見せられる余地も少なくなっているような気がするので、これも得失両方ある)
問題は、依然としてどの審判が何点をつけたのか秘密にされていることである。ソルトレーク五輪ペアの大スキャンダルをきっかけとして、現行方式の採点と同時に「秘密採点」が導入されてしまった。問題を解決するのではなく、問題を隠蔽しようとしているわけである。秘密採点だから、自国あるいは親しい国の選手の得点を(ある程度は)上げてもばれないわけだ。そして、それが横行しているのではないかとファンの間に疑心暗鬼を引き起こしていることも間違いないと思う。

フジテレビの放送についてだが、これだけ時間をとっておいて、村主とソコロワと最終グループだけなのか。内容がとにかくない。スタジオにいるナビゲーターは存在意味不明だし。TBSが放映権を持っていた最後の頃のほうがまだ百倍ましである。(特に2000年世界選手権でSAMがゲストだったときは、「CM以外で休みが取れず困る」くらいで、近年の民放スポーツイベント放送では出色の内容だった)
# フィギュアスケートに関しては、CS加入以降民放にはほとんど見切りをつけていて、地上波で見たのはたぶん3年ぶりくらいだが。

採点とか放送とか不満の種は相変わらずありまくりの大会だが、とにかくそれもスルツカヤが全部救った。