雑記帳(新居)

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ロシア杯

2005-11-30 23:22:06 | フィギュアスケート
ロシア杯はスルツカヤが圧勝、グランプリシリーズを順当に連勝している。SPとフリー合計198.06点は、(わずか0.46点だが)2年前のコーエンの記録をついに破って、ISU公式大会の史上最高記録更新である。
世界のトップレベルに登場してすでに10年以上、アクロバットの難易度という、年齢とともに不利になるはずの領域で他の選手を寄せ付けない。これは素直にすごいと思う。表現面でも、若造ではとうてい太刀打ちできないものを持っている。

しかし、スルツカヤが気に入らないというわけでは決してないのだが、普通に演技してこれほどあっさりと優勝するとどこか萎えてしまう。
カバエバが優勝を続けた時期の新体操を思い起こさせるのだ。
現行の採点規則で点数を稼ぐために、不得手でも得点の高い技を入れざるを得ない。そのために、演技に個性がなくなり、また不得手な要素を入れるために美しく見えない。ルールの軌道修正が必要なことは確かだと思う。とはいえ、旧制度に戻すのは、現実問題としてあり得ないだろうし個人的に賛成もしない。要素の規定数をもっと少なくして、それぞれの技の点数を調整することで何とかするのだろう。(規則を読んでいると、コンビネーションジャンプのウェートが大きすぎるのではないかと思う)

女子の場合は、現行規則に変わってから、アクロバット勝負の世界になってしまったようだ。TESで大差がついてしまいPCSでの上下の意味が薄くなっているように見える。(さらに付け加えると、TESに釣られてPCSの点が出ている部分もあるように見える)
しかし、男子では逆の意味でもっと深刻な事態が発生しているようだ。4回転を跳ぶ選手が非常に減っているという。これは考えてみれば当たり前で、リターン(得点)の割にリスクが大きすぎる。繰り返して成功すればまだしも、一度だけでは決定的な差にならない。逆に失敗すれば、要素点の減点・(転倒すれば)転倒による減点だけでなくPCSでも点数を下げられる。前に指摘したように、男子の場合はPCSの比重が致命的に大きすぎる。旧採点制度なら、4回転を一度でも成功すれば得点全体に大きなインパクトを与えることができただろう。
GPSだと、男子でフリーのTES60点台で優勝とか普通にあるけれども、女子と比べてそれはないだろうと言いたくなる。ロシア杯のスルツカヤはフリーのTES66.8点だ。

XCP その5

2005-11-26 05:30:37 | その他
Sony BMG CDに含まれるコピー防止ソフトXCPは、今年のコンピュータセキュリティ上おそらく最悪の事件となった。このXCPは、どれくらい不正コピー防止に役に立つのだろうか。
PC Watch内の山田祥平氏のコラムには、
仕方がないので、別のユーティリティでCDを開き、オーディオトラックをWAVファイルとして取り込み、そのファイルをiTunesに登録したあと、AACに変換し、手動でアルバム、アーティスト情報を入力した。ぼくがPCにCDの内容を取り込むのは、iPodへの転送が主目的なので、余計なソフトのインストールは必要ない。許諾書にも同意しなかったためrootkitの常駐からは免れたというわけだ。
というくだりがある。したがって、XCPが何であろうがインストールを回避して音楽データだけをぶっこ抜くことは簡単で、とすれば海賊版だろうが何だろうがいくらでもできるわけだ。

かつてのCCCDもそうだったが、確信犯相手には全く効果がない。きちんと対価を払ってパッケージを購入した顧客だけに大きな不利益を与えているわけだ。しかも筆者には、これはSony BMGに限った問題とは思えない。音楽あるいは映画など業界として、目先の利益を守るのに汲々としているとしか見えない。しかし、お客様に対して、これほど敵対的と言ってもいい態度をとっているところが、存続するとは思えない。消滅していただいたほうが音楽あるいは映像文化の発展のためにもなるだろう。アーティストの方々にも、このような態度の企業とは契約をしないようにお願いをしたい。
今回の場合は、インターネットのセキュリティ全体に非常に大きな潜在的脅威を与えているから、さらに問題は深刻である。彼らは完璧なコピーコントロールをしたつもりだったかもしれないが、先日も書いたように、実際は完璧なウイルスばらまきだったわけだ。

* 前回の記事を少し訂正する。現時点で大手ベンダーのセキュリティソフトの多くが、この不正ソフトに「対応」したとしている。しかし、PC Watchの元麻布春男氏のコラムによると、対応の内容は、rootkit機能を除去してXCPが見えるようにするだけのようだ。XCPはそれ以外にもシステムに重大な改竄を行っており、無理矢理削除するとCD-ROMドライブが全く使えなくなるため、セキュリティベンダーですら簡単には手を出せないらしい。(XCPは「形式上」EULAにユーザが合意してインストールされたものなので、それを削除するのは法的な問題もある)

キリロワセリエ復帰!!!!!

2005-11-24 22:43:11 | バレーボール
近年最大の仰天情報だこれは。
Chieriの正セッターフェレッティが故障したため、今シーズン終了まで約半年間限定で復帰するらしい。
http://www.pallavolochieri.it/public/news/leggi_client.asp?NWS=NWS0227
キリロワは御年40歳。しかも復帰先のChieriはセリエA1の優勝争いにも絡むだろうビッグチームだ。

セリエで復帰できるくらいならロシア代表でもトス上げちゃえば?
何、国籍変更選手制限?クロアチア代表で最後に出てからもう6年になるから問題ないよな?
格下相手はシェシェニナで片づけておいて、中国とかブラジルとか強い相手で本当にやばそうなときだけ出てくるとか。そんなことになったら、声を大にして言ってあげよう、「バーバラがいた大昔のクロアチアと変わらないじゃん」

お願いだからそんな危ないことはやめてね。
というか何でシェシェニナなの?と2004年以来ずっとぼやいているわけだが。特に上手いとか速いとか特長も見つからないし、ジュニアとかユースの代表で育てていたわけでもないし。ロシア中探してもっとまともなセッターが見つからないはずはないと思うのだが。

千葉国際女子駅伝

2005-11-24 01:14:17 | スポーツ
「女子スポーツ選手萌え」の原点は長距離にあると改めて認識してしまった。
スポーツ初めての生観戦にしてしかも最も回数多く通ったイベントが、名古屋国際女子マラソンである。初めて見に行ったのは小学校低学年であり、大学卒業の頃までほぼ毎年皆勤だった。(バーバラのエアリービーズ最後のシーズン、決勝Rと重なったときだけキャンセルした。)当時のコースは、家から1kmもないくらいのところを走っており、最も近くで行われるスポーツイベントでもあった。だからそこが原点なのだ。

もっといろいろな国の選手を見たいけれども、地上波民放にそれを期待するのは、太陽が西から昇るのを願うようなものだ。できれば出場した全選手を見てみたいところだが、そのためには1分半に1回くらいどの選手を映すか切り替えなければならないのか、わけがわからなくなるな。
ということで、ポーラ・ラドクリフの存在はとてつもなく大きい。とにかく走ればテレビ画面を全面的に占拠してしまう。きれいなお姉さんだが、フォームは独特の「首振り」つき。「がむしゃら」という感じでひどく苦しそうにも見える。お世辞にも美しくはない。その落差がまたポイントである。
大昔(1997年)、ポーラについてこんな恥ずかしいものを書いたことがあるが、この時点では、マラソン2:15:25などという異次元の記録を出すとは、当然想像もできなかったわけである。

さて、今回の結果については特にコメントはないけれども、最終区間まで逆転の可能性が残っていたのは久しぶりだったと思う。千葉の駅伝コースは、終盤の10kmほどは急激なアップダウンの繰り返しである。そこで競り合いになれば極めて迫力ある展開になるが、ここ何年か、残念ながらその区間の前に完全に決着がついてしまっていた。

most successful malware distribution(Sony BMG CD問題4)

2005-11-16 00:33:36 | その他
本当なら14日付の記事でこの問題は終わりにしたかったのだが、終わりにさせてくれないようだ。この件では一体何回度肝を抜かさせられるのか(もちろん悪い意味で)。
問題のソフトウェアを含むCDは当然リコールとなった新しい声明文を見ると、ようやく彼らもことの重大さを認識できてきたのだろうかと思う。それでも、問題解決はやっと始まったばかりだろう。

見方を変えれば、これはウイルスばら撒きとして完璧な成功だったわけだ。
1. 少なくとも56万台という極めて大規模な感染を引き起こした
2. 大規模で世界中に及ぶ感染にもかかわらず、半年もの長い間露見しなかった
(問題の技術を利用したCDは、この記事によると過去8ヶ月にわたって出荷されているとのことだ。出荷から消費者の手に渡るまでのタイムラグを考えても、半年以上ばれなかったことになる。)
3. 一般ユーザの使う手段では検出できず、当然削除もできなかった
(今後は、主要ベンダーのセキュリティソフトやMSの不正ソフト削除ツールが対応するから、容易に削除できるだろうが)

うーん凄い。ネットワーク犯罪者はここまで完璧な仕事をしたいと思うだろう。

筆者としては、別に問題のCDを買っていないので、笑いながら状況を見守るつもりでないと精神衛生に悪そうだ。しかし、世界中で56万台以上、うち日本だけで21万台という数字を見ると、とても笑ってはいられない。別の記事によると、その調査で調べたDNSサーバは約300万台で、世界に存在する推定900万台の約3分の1という。感染総数を単純にこの3倍としても、もう背筋が寒くて寒くて。
この規模は筆者が(勝手に)想像していたよりはるかに大きい。楽観的な想像は、この事件についてはことごとく裏切られた。出てくる事実は全部「最悪」だ。問題のCDは日本ではそれほど出回っていないのでないかと思いこんでいた。また、CDを買った全員がそのCDをPCに挿入したわけではないだろうし、一人で問題のCDを複数枚買った人もいるだろうから、感染数はCDの販売数よりだいぶ少ない(半分くらいとか)、と勝手に想像していた。予想される感染総数は、販売されたCDの数に限りなく近い。