silly ski squadronスキー雑記

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コブでバンクを使ったターンは万能か?

2006年01月25日 10時22分19秒 | スキーテクニック編
表題のような表現法を用いましたが、整地でカービングスキーを使って、その特性を最大限に活かす場合、板がターン前半からフォールラインに向いている時にスキーのトップをターン外側に押し出すような動作が用いられます。
これはカービングスキー動作に比較的特有なもので、つまさき(スキートップ)を外に押し出すことにより、その広いトップ(シャベル部分)が雪面を捉え、板が回り込んでくることを示します。
シャベルが小さいと、スキー板は直進してしまい、ターンになりません。

その特性を利用した滑りが、最近はやりのコブでのバンクターンです。丸いコブの場合スキーのトップを利用する場所があるので基礎スキー的な滑りを、そのままコブに用いることが出来ます。

2006年1月12日の「スキー場の通路を利用して(深回し)」で説明したものとは異なります。この深回しもバンクを使いますが、今日言っているバンクターンとは別のものです。

さて、今やバンクターンが大流行で、それが最高のコブ技術のように言われていますが、果たしてそうでしょうか?
私にはそうは思えません。状況にあった滑りこそが一番と信じていますので、バンクターンの場合も万能ではないでしょう。

コブの滑り方は、通過する場所によって大体以下のように分けられると思います。

1:コブの膨らみを通過する
  a:コブの膨らみを吸収して、コブの腹(向こう側)をずらす。
  b:コブの頂点で深回しをして、コブの落ち込みを横に通過する(リバースターン)
2:コブの溝を通過する
  a:コブの溝にあわせてスキー板を回し込む。膝先導でねじり込むような滑り。
  b:コブの溝の外側をスキーを外に押し付けて回す(バンクターン)。
3:コブの肩を通過する
  a:まっすぐ高速で滑る場合のルート。モーグルの完成された滑り。

これらの滑りわけは、コブの形状で決定されるのだと思います。即ち、完全な板2本分のスペースしかないような縦の溝コブでは、ほとんど3の方法でしか滑れませんし、丸いコブでは全ての滑りをすることが出来ます。
コブとコブの間で、一番スキーの移動距離が長い(回し込み量が大きい)のが1-bのリバースターンで、次に2-bのバンクターンです。シェーマは一応バンクターンの軌跡のつもりです。
また当然3-aは、最短です。

基礎スキーコブ上級者のバンクターンを見ていると、動きは限りなく整地のドルフィンターンに似てきます。
さてここで、モーグルの滑り方のひとつである、テールジャンプ(リュアード)でコブを滑るモーグルスキーヤーを見てみましょう。
それは結局、ドルフィンターンと同じように見えます。
ドルフィンターンは重心の前後を大きく使うので、全くモーグルとは違う技術ではないかと思うのはもっともな事です。
しかし高速になれば、板の動きは明らかに似通ってきます。ドルフィンターンを非常にコンパクトに素早く行なうと同じになってしまうのです。
モーグルの場合は、そこから一層高速になって行きますので、最終的には殆ど重心の前後のない滑りになっていますが、板の動きは同じというのが私の考えです。
モーグルのフォームが、あのように胸を張って、アバルマン姿勢を取り、両手を前へ突きだしているのは、高速でコブを滑るのに適しているからです。
ピッチの詰った早いコブでも、基礎スキーコブ上級者で、反射神経が並外れて高く、筋力もあれば、基礎スキーのフォームのままでも高速でコブを駆け降りてくることが出来ますが、一般的にはモーグルスタイルの方が合理的です。

さてバンクターンに話を戻しましょう。
バンクターンとドルフィンターンは似た運動要素です。そしてバンクターンは非常にダイナミックに見えます。
しかしながら、コブを滑る練習方法としてこれだけをやっていては、本当の荒れたコブ等には太刀打ちできません。
まずは1-a、次に2-aの滑りを充分に練習することが必要だと思われます。

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コブのライン取り
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