…………………………(安全講演 1)…………
ライフワークの一つである講演に於いて、とあるゼネコンの若手勉強会から、
「基本は安心・基準は安全」
の講演です。
(90分の講演実況録音盤から読みやすくする為に、部分修正してます)
********* ******** **********
(挨拶省略・・・)
現場所長を15年やっていまして、労災を一度も経験していませんから、災害の話から安全の話は出来ません。
3日以内の労災扱いにならない事故、自分の手を自分で叩いたとか、転んで血が出たとかは時々ありましたが、労災には縁がありませんでした。
だからと言って現場がビシッと安全であった訳ではありません。
会社の安全パトロールの度に評価は悪く、再パトロールになる事は毎度の事でした。
「労務部の為に仕事をしてるンじゃあない!」
「無事故無災害でやる為に仕事をしているンじゃあない!」
イイ建物を創る為に自分たちで技術を入れているんだよ、イイ建物を創る為に
『早く・安く・良く』
そして安全に創るのが、現場マンの《やりがい》であり、監督さんの仕事だと思いませんか。
若手現場マンが竣工の時に「よく頑張ったなあ」と涙を流せるくらいの建物にしたいのだよ。
そんな現場のことを《建設現場の子守唄》と《風来坊》に本音を丸出しで書いていますが、現場の楽しさ・厳しさの本音を読んでみて下さい。
ネットでもかなり紹介されて出回っているようですが、直接私の所に「本を送ってください」とメールも来るし、若者がかなり読んでいるようですよ。
さて、安全監理という話をしますが、現場では四監理ありますね。
工程・品質・原価・安全の四つとそれに『人間監理』も含んで欲しいですね。
四監理をぐるっと上手く廻さない限り、
「安全監理は望めない」
が、私の安全の基本の考えで、現場所長としての結論ですよ。
工期がない現場、突貫をやっている現場でね、安全監理書類なんて構って
いられますか?
その時に「安全作業をしろ!」
って言ってもソレどころじゃあないでしょ、安全監理の毎日点検なんて実際に出来っこないでょ。
又、予算をガバッと削られて、
「これだけでやれっ!」
って言われたら、品質は悪くなるよ、品質の悪い物を取り付けて、手直しを食えば再度取り付けるまでの時間が必要となるし、修正代も出てくるし、取り付ける時には足場が解体されていたのはよく有る事ですよね。
サーカス仕事をさせるようになって、それでも安全監理が出来ますか?
安全監理の前に工程をしっかり監理していなければ、ならないンですよ。
竣工に間に合わないと誰しもが思えば、安全監理どころではないでしょ。
つまり、四監理が廻らず、チームワークも無く、良いモノを創るという心も消えてバラバラとなっている現場に、安全大会や安全パトロールを実施しても良い結果にならないのですよ。
現場で毎月1回安全大会と安全衛生協議会を開いていますが、成果を感じる事がありますか?成果がありましたか?
成果が無いものを毎月やってるなら、何の為なのですか?
やらないよりはイイけれども、
「気をつけて作業しろよな」
とKY活動の総まとめをしていて、1ヶ月間安全監理出来るの?必ず事故になりますよ。
皆さんのやり方を私は知らないけれど、
「会社の為にやっているのか、決まりだからやっているのか」
という所から、本音で話をしますよ。
《安全講演2へ 続く》