建設現場の卵

建設現場からのエッセイ。「建設現場の子守唄」「建設現場の風来坊」に続く《建設現場の玉手箱》現場マンへ応援歌。

安全講演(1)

2009-10-20 08:40:48 | Weblog

              …………………………(安全講演 1)…………

 ライフワークの一つである講演に於いて、とあるゼネコンの若手勉強会から、
「基本は安心・基準は安全」
の講演です。
90分の講演実況録音盤から読みやすくする為に、部分修正してます)

    *********   ********   **********

 (挨拶省略・・・)
 現場所長を15年やっていまして、労災を一度も経験していませんから、災害の話から安全の話は出来ません。

 3日以内の労災扱いにならない事故、自分の手を自分で叩いたとか、転んで血が出たとかは時々ありましたが、労災には縁がありませんでした。

 だからと言って現場がビシッと安全であった訳ではありません。
 会社の安全パトロールの度に評価は悪く、再パトロールになる事は毎度の事でした。

「労務部の為に仕事をしてるンじゃあない!」
「無事故無災害でやる為に仕事をしているンじゃあない!」
 イイ建物を創る為に自分たちで技術を入れているんだよ、イイ建物を創る為に
『早く・安く・良く』
 そして安全に創るのが、現場マンの《やりがい》であり、監督さんの仕事だと思いませんか。

 若手現場マンが竣工の時に「よく頑張ったなあ」と涙を流せるくらいの建物にしたいのだよ。

 そんな現場のことを《建設現場の子守唄》《風来坊》に本音を丸出しで書いていますが、現場の楽しさ・厳しさの本音を読んでみて下さい。

 ネットでもかなり紹介されて出回っているようですが、直接私の所に「本を送ってください」とメールも来るし、若者がかなり読んでいるようですよ。

 さて、安全監理という話をしますが、現場では四監理ありますね。
 工程・品質・原価・安全の四つとそれに『人間監理』も含んで欲しいですね。

 四監理をぐるっと上手く廻さない限り、
「安全監理は望めない」
 が、私の安全の基本の考えで、現場所長としての結論ですよ。

 工期がない現場、突貫をやっている現場でね、安全監理書類なんて構って
いられますか?
 その時に「安全作業をしろ!」
って言ってもソレどころじゃあないでしょ、安全監理の毎日点検なんて実際に出来っこないでょ。

 又、予算をガバッと削られて、
「これだけでやれっ!」
って言われたら、品質は悪くなるよ、品質の悪い物を取り付けて、手直しを食えば再度取り付けるまでの時間が必要となるし、修正代も出てくるし、取り付ける時には足場が解体されていたのはよく有る事ですよね。
 サーカス仕事をさせるようになって、それでも安全監理が出来ますか?

 安全監理の前に工程をしっかり監理していなければ、ならないンですよ。
 竣工に間に合わないと誰しもが思えば、安全監理どころではないでしょ。

 つまり、四監理が廻らず、チームワークも無く、良いモノを創るという心も消えてバラバラとなっている現場に、安全大会や安全パトロールを実施しても良い結果にならないのですよ。

 現場で毎月1回安全大会と安全衛生協議会を開いていますが、成果を感じる事がありますか?成果がありましたか?

 成果が無いものを毎月やってるなら、何の為なのですか?

 やらないよりはイイけれども、
「気をつけて作業しろよな」
 
とKY活動の総まとめをしていて、1ヶ月間安全監理出来るの?必ず事故になりますよ。

 皆さんのやり方を私は知らないけれど、
「会社の為にやっているのか、決まりだからやっているのか」
 という所から、本音で話をしますよ。
       

           《安全講演2へ 続く》                   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする