モンキー・パンチ氏の名作『ルパン三世』の世界を、人気作家5人がオリジナルストーリーで描く競作アンソロジー。大沢在昌「拳銃稼業もラクじゃない」、新野剛志「バンディット・カフェ」、光原百合「1-1=1」、樋口明雄「深き森は死の香り」、森詠「平泉黄金を捜せ」の5篇を収録。裏表紙より。
ルパン
元の本は2005年2月。
拳銃稼業もラクじゃないですよねー。
大沢在昌
この国にくるのはひと月ぶりだ。仕事の準備は少しずつ進めていくに限る。短い時間で一気に準備をすると、たいていどこかで失敗する。今回の仕事に、ルパンと次元は準備の時間をたっぷりかけていた。
数秒の本番のために何カ月、いや何年も特訓するような世界だってある・・・
のに、な。
・・・ともかく、やっぱり超超超一流は基本を外さないナー・・・
「嫌になっちまったぜ。半年かけた計画がパーだ。何と、俺たちが東京にいた先週、どでかいハリケーンがこの国に上陸して、博物館の屋根をふっ飛ばしちまったんだと。おかげで、宝物殿のお宝はすべて国立銀行の地下金庫いき、博物館は補修工事のまっ最中だ。俺たちがきのう遅くに着いたんで、知らせる暇もなかったって、こっちの情報屋から今、連絡があった」\(^o^)/
・・・そう、超超超一流ですら読めない事態は起こり得る。
だったら凡人は、なおのこと慎重にやるしかないじゃあないか。
「よけいなことだったか?だがルールを守らねぇ奴はペナルティをくらうのさ」それがいつになるかだネ!
次元メインで進みつつルパンの存在感も十分。
ツカミはおk。
バンディット・カフェほうほう・・・
新野剛志
「このカフェには一年に一回、世界中の泥棒たちが集まって来る日がある。カフェのオーナーが認めた、一流の泥棒にだけ招待状が送られるんだ。それが今日なのさ。集まって来た連中は、ここで一年の成果を自慢し合ったり、次の仕事の仲間を募ったり、今後の稼業の展望、なんてことまで話し合う。それが"バンディット・カフェ"さ」
でもルパンはお呼ばれしたことないよネ・・・?
「一流の泥棒が集まるって言うが、おまえに招待状が来たって話は聞いたことがねえな」こんなにみんなから嫌われている私は
「そりゃあそうさ。俺は一流の上に超が三つくらいつく特別な存在だからな」
「つまり、みんなの嫌われ者、ってことか」
その通り、と言ったルパンは、褒められたとでもいように、軽く頭を下げた。
きっと特別な存在なのだと感じました
今でも私は独り者
何かをあげる孫はもちろんいません
なぜなら
(日記はここで終わっている)
超超超一流の「自信」だなぁ。
じいさんにしてやられた。そう考えても怒りは湧かない。相変わらずルパンは、楽しい気分だった。超超超一流の「自信」だなぁ。(2回目)
『伝説の大泥棒』がオーナーの『バンディット・カフェ』を舞台にした物語。
キーワードは「自信」と「チ○ポコ」。
1-1=1ルパンと『金庫職人』錠太郎の対決。
光原百合
『きゃああああああ。かっこいいーーーー』錠太郎の対ルパン戦術はなかなかの奇策揃いで手に汗握る展開。
『金庫に入れて守りたいほどのものを持つことは、幸福ではあるが不幸の始まりでもある』・・・この言葉に続く、錠太郎の父親の金庫哲学は美しい。
金庫職人のプライドと、ルパンがそれに敬意を持っていることを感じさせる爽やかな作品。
深き森は死の香りアーイキャーンフラーーーイ!!!
樋口明雄
ふりむきざま、ルパンはこういった。「決まってらぁ。あとを追うのさ」
「追うって・・・・・・まさか、おめえ、空身で跳ぶつもりか!」
「俺だってヤツと同じだ。獲物に食らいついたら、絶対に離さねえ」
準備は慎重に、でも緊急事態で躊躇はしない。
うーん、言うは易し・・・/(^o^)\
「何度も騙されて、てめえはまだ懲りねえのか!」ただのお人好しは騙されて破滅するんだけど、ルパンは切り抜けるんだよなぁ。
騙されても構わないほどの余裕・・・「自信」があるからこそ行動できる、か。
ピンチを切り抜けるアクションの他、裏稼業の哀しさも表現した少し寂しくなる作品。
平泉黄金を探せ五右ェ門大活躍!
森詠
他の作品とはだいぶ毛色が違う作品。
好き嫌いが分かれる気がする。
どの作品も映像化を期待するというか、頭の中で映像化できるくらいに楽しい。
原作者が監修しているだけに、どの作品もヘンテコなことにはなっていない・・・と思う。
ま、アニメを見たり見なかったり程度の知識だからあてにはしないほうがいいデス!
・・・VSをやるなら、コナンよりゴルゴで見たいなー。