水の民と陸の民の同盟、そしてステラの犠牲により、ひとりの男の野望は阻まれ、<遺跡船>に束の間の平穏が訪れた。だが、新たな争いの火種は、既にくすぶりはじめていた‣‣‣‣‣‣。互いへの不信と憎悪のため、再び緊迫する二つの民。そんな中シャーリィは、水の民の統治者<メルネス>を継承する儀式を受けることになる。運命に翻弄されるセネルとシャーリィの未来は!?『テイルズ オブ レジェンディア』ノベライズ感動の完結編!裏表紙より。
大きな犠牲を払いながらも、セネセネたちはシャーリィを救ったのであります。
第六章 わかたれた運命ステラの犠牲により首都直撃という最悪の結果は免れたものの、
騒ぎがかろうじて沈静化し始めたのは、三日過ぎてからのことだった。王城には、その国の権威ある者たちが集い、被害状況の確認などが行われていた。
それによると、犠牲者は二百名あまり。落下してきた岩塊に押しつぶされ、火が燃え移って焼失した民家については、三百を越えていた。
<滄我砲>で狙われた聖ガドリア王国の被害は決して軽視できるものではない模様。
彼らは<遺跡船>への警戒を怠っていたのだ。この行き過ぎた恐怖が、新たな悲劇を生むことになるのです・・・。
今その威力を身をもって知らされ、ようやく彼らは共通の認識に達した。
――あの<遺跡船>は、非常に危険な存在である、と。
「メルネス‣‣‣‣‣‣どうした?」【祝】ワルター、メルネスの親衛隊長に就任
ワルターは振り返って言った。同じ水の民であり、先の戦争で人形兵士を操って同胞を有利に導いた功績からメルネスの親衛隊長に任命された彼は、今や正式にシャーリィを護衛する役目を任されていた。
同胞の並々ならぬ決意を知っているからこそ、戦いの終わった今、彼女は同じ種族の待つ新しい村に帰らねばならなかった。シャーリィは<メルネス>・・・水の民の中でも特別な存在だかんね。
平和になった今、水の民のところで暮らすのが自然な形ではある。
そんな訳で、シャーリィはセネセネたちとはしばしお別れ。
「ダメじゃないか。泣いてたら――」セネル・・・失ったものが大きすぎるからなぁ。
セネルは努めて明るく振舞おうとした。だがシャーリィは、見抜いているかのように言った。
「お兄ちゃんのことが、心配で――」
「俺のことなら、心配なんか――」
そう言いかけて、胸の奥にちくりとした痛みが走った。
――大丈夫なんかじゃない。
「自分のせい憧れの女性が外道共に捕まり拷問を受け続け、そんな状況にありながらも彼女は自分のことをいつも守ってくれていたのに、その事実を知った後も結局救えなかった」・・・
げぇっ、まとめたらヒドイなんてもんじゃないねこれ。
今の自分が抱える問題は、自分で乗り越えていくしかない。その覚悟は立派だけど・・・
ステラを失ったことの後悔や苦しみは、自分自身の問題だと思うからだ。
セネルのそばにずっと一緒にいて、支えてあげたい――その気持ちは強い。強いからこそ、彼を支えきれない今の自分に、ふがいなさを感じてしまう。セネルの悲壮な覚悟は、結果的にシャーリィをも追いつめることになるのであります・・・。
だから水の民の里に帰ろうと思った。求められている役割を果たすことで、自分がもっと強くなりたいと思った。
ウィル、クロエ、ノーマ、モーゼス、ジェイ‣‣‣‣‣‣みんな、同盟軍内の独立部隊として、共に戦った仲間である。L勢の絆の強さはテイルズシリーズ屈指。
彼らは、セネルのことを励ますようにあたたかなまなざしで見守ってくれていた。
あえて何も言わず、俺たちがついているぞと言わんばかりの視線で‣‣‣‣‣‣。
セネルはそんな彼らに感謝するかのように小さく頷き、そして彼らの許に戻っていった。
だからこそ序盤の「狂犬セネル」な部分をカットしたのが痛い。
ギスギスした関係から、諸々の試練を乗り越えて今に至るのがイイと、こう思う訳です。
それから、数週間後のことである。灯台の街「ウェルテス」は何やらおかしな雰囲気に・・・
<遺跡船>の灯台の街に、騎士の格好をした見知らぬ男たちが多数乗り込んできた。
街の人たちの話によると、その者たちは聖ガドリア王国の騎士たちだという。彼らは特に何をするでもなく、街の至る所に見張りのように立ち始めた。
うーん、まさかガドリアの人間は今までクロエしかいなかったレベルなの?
どんだけ情勢に疎いんだよガドリアの偉い人は・・・。
ステラの墓参りをするだけのニートライフを続けていたセネセネも、
流石にガドリアの連中には違和感を持ち、事情を知るためウィルのところへ。
そこには仲間たちの他に、招かれざる客がおりました。
「こ、この方は‣‣‣‣‣‣」しかもこの男、『騎士団長』らしいですぞ。
「ですから聖ガドリア王国の騎士ですね」
驚いてつぶやいたクロエに対し、ジェイが説明した。
「貴公は‣‣‣‣‣‣もしや、ヴァレンス卿のご息女では?」・・・階級社会は大変そうやね。
「はっ。クロエと申します!」
「五年前、貴公の父が賊に討たれたときは、ヴァレンスの威光も地に堕ちたと思ったが」おい・・・おい。
それは明らかに見下している口調であった。だが、当のクロエは、頭を下げたまま身動きしないでいる。
「見事、汚名をすすいだな?意外とやるものだ――」
「これからも、祖国に忠勤を尽くすがいい。そうすればいつの日か、国王陛下のご温情により、正当な騎士に叙勲されることがあるかもしれんぞ‣‣‣‣‣‣わかったな?」・・・・・・(´・ω・`)ぶち殺すぞ
けっ!けっ!
世界情勢に疎い脳筋がえらそうに!
しかもそのくせ強盗1人捕まえられねーじゃんか!
で、あの騎士団長様()は何しに来てたん?
「聖ガドリア王国は、今回のヴァーツラフの件を、クルザンドとの戦争の一環と捉えています。あちこちまわって、戦勝国の権利を主張しているんですよ」( ゜д゜)
( ゜д゜ )
戦勝国・・・?
レクサリア(と水の民)に礼を言いに来たんじゃないのかksg。
「ガドリアの真のねらいは、<遺跡船>とシャーリィさんの独占。そうですね?」はぁー?
図々しいなんてレベルじゃねーぞこれ。
「今、この街には‣‣‣‣‣‣各国からさまざまな人間が送り込まれて来ている‣‣‣‣‣‣騎士やら、諜報員やら、外交官やらが‣‣‣‣‣‣それぞれの思惑で動き回っているのだ」何せ「山を吹き飛ばす威力のMAP兵器(P属性)」だからなぁ・・・。
「みんな<遺跡船>が欲しくて、水面下で牽制しあているんですよ」
どうにも穏やかではない空気になりつつあるようで。
そんな状況だから水の民との連携はより重要。
レクサリアからの親書をマウリッツに届けよう・・・という話の最中に、水の民のフェニモールが訪れる。
曰く、シャーリィがぼっちだから1度セネセネに来てほしいらしい。
要件が2つになったことだし、早速出発しようず・・・
いつの間にか、全員同行することになっていた。(・∀・)ニヤニヤ
「お前たち、実はヒマだろ?」
「ま~ね」
セネルのツッコミを、ノーマが平然とかわす。
だが、
「私は違うぞ。ただ、みんなが行くと言うから」
と、クロエだけが慌てて言い訳を始めた。
そして水の民の里に到着したセネセネたち・・・
ところが。
「ここは通さん。帰れ」むむっ、どうやら『素性の知れない陸の民』が水の民の動向を覗っている模様。
「!」
その一言にセネルたちは、息を呑んだ。
「どうしてですか!」
横からフェニモールが抗議するが、あくまでもワルターは事務的に答えた。
「素性の知れない陸の民を、メルネスに近づけることはできない」
その場は親書の件を持ち出してどうにか通行し、マウリッツと顔を合わせる。
ヴァーツラフとの戦いが終わり、マウリッツも平和が訪れると期待していた。だが、戦いの終結は、また新たな火種を招いたにすぎなかった。わかりあえないって悲しいことだね(そして核融合)。
「我々は静かに暮らしたいだけなのだ。なのに、なぜ邪魔をするのだろうな‣‣‣‣‣‣」
水の民は<メルネス>という伝説を抱える限り、陸の民とは永久に友好関係を築けないのだろうか。そんな苦悩が、マウリッツの表情によぎった。
マウリッツも悪人ではないから、あの結末でないと後味が悪かっただろうなとは思う。
親書を渡して用件の1つは解決。
もう1つの件は・・・「忙しい」とシャーリィの方からお断りを食らう。
「今のシャーリィには、我々水の民の思いを背負って立たんとする、決然たる覚悟がある。おそらくステラの死が、彼女の自覚を促したのだろう。自らを犠牲に皆を守った、気高き精神――シャーリィは、そこに、メルネスの本質を見たのだと思う」そういうことなら成長したってことなのかしらねー・・・。
しかし、わざわざセネセネを呼んできたフェニモールはご立腹。
「しのごの言わず、お兄さんのとこ行きなさい。好きなんでしょ?」hmhm。
と、フェニモールは腕をつかんで引っ張ろうとした。
とたんにシャーリィは、首を振った。
「だけど、お姉ちゃんも‣‣‣‣‣‣お兄ちゃんのことが好きだったから‣‣‣‣‣‣」
そりゃー躊躇するでしょうよ。
「お兄さんにぶつかっていきなさい。お姉さんに遠慮することなんて、ない。あんたのお姉さんは死んで、あんたは生きてる」友達思いはわかるけど、状況が複雑なだけに余計なお世話感がどうしても、ね。
「そ、そんな‣‣‣‣‣‣」
「あんたには、幸せになる義務があるの。お姉さんの分までね」
焦りすぎたんだよ・・・。
そしてセネセネ1人を呼び出しておいて・・・
「あんたはかわいい」女同士の褒め言葉はヨシズミの天気予報みたいなモンだってじっちゃんが言ってた。
「‣‣‣‣‣‣‣‣‣」
シャーリィが、恥ずかしくなって俯いた。
「誰もあんたにかなわない」
「‣‣‣‣‣‣‣‣‣」
「だからきっと、大丈夫」
「わたし、お兄ちゃんのこと‣‣‣‣‣‣!」・・・・・・とっくにご存じなんだろ・・・・・・?
「ダメだ、シャーリィ!」
セネルが、その言葉を遮った。
あまりに強く拒まれたため、シャーリィはその先が言えなくなってしまった。
「‣‣‣‣‣‣どうして!?」
「‣‣‣‣‣‣俺は、ステラのそばに、いてやらないと」
「あっ‣‣‣‣‣‣」
――自分だけ、幸せにはなれない。ああ、掛け違い・・・。
心の奥底で、その答えが見つかってしまった。
シャーリィは開きかけた自分の本心を、今一度あらためて奥のほうに閉じ込めることにした。
第七章 <滄我>の託宣水の民の里に泊まって翌朝。
『予想もしない訪問者を迎えて』セネセネたちの長い1日が始まる。
「ヴァーツラフの残党が見つかった」わざわざセネセネたちに情報を伝えるワルター。
「何?」
ワルターのすぐ目の前に立つセネルが、険しい表情になった。
「確かに伝えたぞ」
その真意は・・・?
いや、どうであれヴァーツラフの残党は始末せねばなるまいて。
そんな訳で、一行はワルターとともにヴァーツラフ軍の研究所跡へ。
ところが残党など影も形も見当たらず。
仕方なく研究所内を調べたセネセネたちは衝撃の事実を知る。
ノーマが書類をめくりながら言った。・・・・・・ksg。
「ヴァーツラフのやつ、何年にもわたって、それこそ何百人も‣‣‣‣‣‣」
さすがにいつも明るい彼女の声も、戦慄のあまり震えている。
「そう。大陸の各地で捕まえた捕虜を、少しずつここに送り込んでいたようです。そしてそのあとは‣‣‣‣‣‣」
「よくも‣‣‣‣‣‣よくもっ!」どんなときも牛乳だz[爆竜拳!]
ぶつけようのない怒りに、セネルは自分自身でもどうすればいいのかわからなかった。やがて崩れるように床に膝をつき、拳を振り上げる。
すでに倒したヴァーツラフへの恨みより、ステラをそんな境遇のままに放置してきた自分への怒りのほうが大きかった。
「クーリッジ、落ち着いて‣‣‣‣‣‣な?」
「くっそおおおっ!」
「ハア、ハア‣‣‣‣‣‣ク、クロエ‣‣‣‣‣‣大丈夫だ。心配させて、すまない」・・・・・・(´;ω;`)ブワッ
「それは構わないけど‣‣‣‣‣‣」
寂しげにクロエがつぶやく。セネルの苦しみを、自分は和らげることができない。
仲間がこれほど傷ついているというのに、自分は彼の苦しみを少しも取り除いてやることができない。そのことを感じ、クロエもまた打ちのめされていた。
無力感はきっついな。
「貴様たち陸の民は、ここで無残にも、大勢の水の民の命を奪った!」
「やったのはヴァーツラフ!あたしらと一緒にしないでよね」
ノーマがすぐさま言い返す。
「俺から見れば同じ陸の民だ。水の民は長きにわたり辛酸をなめつくした。だが、それも今日で終わる――メルネスが『託宣の儀式』を経ることでな!」
「『託宣の儀式』は生まれ変わりの儀式。メルネスは<滄我>と意識をひとつにし、目覚めを遂げる」
「そうなれば、貴様を兄と呼ぶこともない。別の存在になるのだ!」つまり儀式の邪魔になりそうなセネセネたちを誘い込む罠だったのだ!
しかもついでにこの場でセネセネたちを皆殺しにするつもりだったワルター。
1対6の状況をものともせず圧倒的な強さを見せつける。
「フッ‣‣‣‣‣‣哀れな奴め。メルネスと関わろうとするから、このような運命となるのだ」\(^o^)/
ざんねん!!
セネセネの ぼうけんは ここで おわってしm
「ここにいたんだ、ワルターっ!」この声は・・・秘湯混浴デカエバラ!?
「‣‣‣‣‣‣っ!」
いや違う、オスカーだった。
「メルネスが、危険にさらされているんだ――」ピーンチピーンチ大ピーンチ!!
「何だと?」
床に倒れていたセネルが、はっと顔を上げ、起き上がろうともがいた。オスカーは続けて、
「『託宣の儀式』を行う場所に、陸の民の軍勢が踏み込んできているんだよ」
・・・戦略的に抜けているのはヴァーツラフ軍との戦いを経てもお変わりないようで。
怪しい連中がうろうろしているのに親衛隊長がメルネスの傍を離れるから・・・
セネセネたちへの妨害作戦は他の奴、それこそオスカーにでも任せればよかったのに。
慌ててその場を去るワルター(とオスカー)。
かろうじて生き延びたセネセネたちも回復次第シャーリィのところへ・・・
・・・どこだ?
「ぼくには、モフモフ族がいますからね。彼らなら、この<遺跡船>での情報に詳しいですから――それに、水の民の動きについては警戒するように言ってありますから。シャーリィさんが儀式を行う場所も、すぐにわかるでしょう――」(どやぁ)
すごいのはモフモフ族(歌って踊れるラッコ)だろ!
その『託宣の儀式』の場、『望海の祭壇』では・・・
「メルネスこと、シャーリィだな?」
「は、はい‣‣‣‣‣‣」
シャーリィは、びっくりした顔で返事をした。
「我々は、聖ガドリア王国の騎士団だ。クルザンド王統国と結託し、我が国に敵対した罪により、逮捕する」
「抵抗する者は、この場で斬る。かかれっ!」繰り広げられる惨劇。
水の民の青年は爪術を使おうとしたが――しかし、騎士に対抗するには技量が足りなかった。爪術を放つ間もなく、騎士団の面々が振り下ろす刃の餌食となった。
そして・・・・・・
騎士団長は、シャーリィに向かって冷酷に言った。あああああ・・・・・・
「貴様のような化け物がいるから、恐ろしき力がよみがえるのだ。災厄をもたらす人類の敵め!剣の時代に、お前は生きていてはならぬのだ!やれっ!」
「はっ!」
騎士団長の命令を受け、部下たちが奇声を上げて剣を振り上げた。
――斬られる。
シャーリィは、目を閉じた。
「やめてっ!殺さないでっ!」あああっ!!?
「貴様のせいで我が国は、存亡の危機に見舞われた!あのときの恐怖、あのときの恨み、決して忘れられるものではない!」
「脅威は取り除かれねばならぬ。貴様たち水の民は、我々人類の敵だ!」もうお前黙れって・・・!
「敵‣‣‣‣‣‣。あなた方とわたしたちは、敵同士‣‣‣‣‣‣」メルネス、覚醒す。
シャーリィは自分の中で反復するようにつぶやき返した。
そのときだった。
「声が‣‣‣‣‣‣聞こえる‣‣‣‣‣‣」
とうとう目覚めてしまったメルネス。
メルネスの力の前にセネセネたちは爪術を失ってしまう。
全ての陸の民を滅ぼそうとするメルネスを、セネセネたちは止めることができるのか―?
続きは買って読んでね!
うーん、まとまってるなぁとは思うけど・・・物足りない。
ゲームの半分にも届かずに終わる(キリはいいところだけど)から。
そこまでまたプレイすんのメンドイから買った部分が大きいからなぁ。
著者が力を入れたと語るワルターについても微妙に感じた。
燃える展開もあるんだけど、そこ変えちゃうかーって点もある。
オスカーは心配したほど出しゃばりはしなかったけど、
いてもいなくてもどっちでもいいという印象。
初めの「なんだこいつ」感も考えるといない方がスッキリしたかなと思う。
本編とは別の、「ワルター外伝」のキャラとして出した方が・・・
いや、むしろこの本が「ワルター外伝」・・・うーん。
もう2巻分追加して最後まで書いてほしかった。
なんでレジェンディア、(色々な意味で)扱い厳しいん?
悔しいからマイソロ3でクロエ無双してくる。
我が剣の前に、安らかにねmzzz