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ゲンノショウコ・1~1年目

 フウロソウ科フウロソウ属の「ゲンノショウコ(現の証拠)」。初秋に花を咲かせ晩秋に果実を稔らせる。果実が弾けて種子を飛ばしたあとの姿がお神輿に見えることから「ミコシグサ(神輿草)」の別名がある。写真では種子を飛ばす前の姿もわかる。
 さて去年、この種子を採取して庭の植木鉢に蒔いておいたら、1年目に無事、赤い花が咲いた。しかしその後の観察では、いつまで経っても種子が稔らず、子房のあたりを指で押してみると中はスカスカの感触。どうやら1年目は、花は咲かせるが種子を作るまでの力は無いのかも知れない。或いは夏の長雨の影響も考えられる。2年目の花に果実ができるかどうかは来年の宿題。
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ムラサキシキブ・1~秋

 シソ科(←クマツヅラ科)ムラサキシキブ属の「ムラサキシキブ(紫式部)」。春に淡紫色の花を咲かせ、秋に紫色の果実を稔らせる。古くはムラサキシキミ(紫重実・紫敷実)と呼ばれていたものが、江戸時代の頃からムラサキシキブと呼ばれるようになった。
 以前も紹介したことがあるが、直木賞作家の朝井まかてさんの『花競べ』(講談社文庫) は、2008年に小説現代長編新人賞奨励賞を受賞(応募時のタイトルは『実さえ花さえ その葉さえ』)したが、とてもデビュー作とは思えないほどの安定感のある作品。物語は、文化文政期の江戸・向嶋を舞台に、小さな花屋“なずな屋”を営む若夫婦を描く市井小説で、当時はまだそれほど知られていない雑木のムラサキシキブが、とても重要な役割を担っている。秋の夜長に是非どうぞ。
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