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ジュンサイ

 長池公園は平成12年(2000年)に開園したが、“長池”には開園前から多数のブラックバスやブルーギルなどの外来魚が生息しており、生物多様性回復のために公園整備時の浚渫作業が行われて以来、昨年10月から初めて“かいぼり”が実施された。水抜き後に、外来魚を捕獲して5ヶ月以上の池干しを行い、今年4月に水を戻した。美しくなった長池にはカンガレイコウガイゼキショウなどが姿を見せ始め、夏には様々な水湿性植物が繁茂した。“かいぼり”中に池底の泥を自然館の埋土種子試験区で観察していると、池底で眠っていた埋土種子がいくつも目覚めた。
 そのうちのひとつが写真の「ジュンサイ(蓴菜)」。公園によると昭和34年(1959年)の調査では生息が確認されていたが昭和42年(1967年)の干ばつなどの影響で完全に姿を消したとされ、東京都のレッドリストでは『絶滅種(EX=Extinct)』に分類されている。記録で確認できる範囲では61年振りの復活という。ジュンサイはハゴロモモ科(←スイレン科)ジュンサイ属の多年性水生植物で、スイレンなどと同じように葉を水面に浮かべる。水槽の中の葉はまだ小さく長さは3~4センチ。園長さんに伺うと、ジュンサイは10数株発芽したが、今、残っているのはこの1株だけで、育てるのはなかなか難しいようだ。
 45年前の夏、大学2年生の私は友人3名と自転車で北海道旅行をしたことがあり大沼国定公園“大沼”近くの“蓴菜沼”で記念写真を撮ったのを思い出す。淡水湖の“蓴菜沼”ではジュンサイが収穫できることから名付けられたが、この長池でもそんなたくさんのジュンサイが見てみたい。園長さんに『食べられるくらい増えると良いですね。』と言うと、『新聞記者も同じようなことを言っていた。』と笑われた。
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ノダケ・7~柱頭

 長沼公園“霧降の道”に生育する「ノダケ(野竹)」。セリ科シシウド属の多年草で写真は雌性期の花を拡大したもの。花弁と雄蕊は既に落ちて、雌蕊の柱頭が伸びている。柱頭の長さは1.5~2ミリで、その下の子房は3~4ミリ。果実は晩秋に熟す
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