著者 松尾祐一
出版 角川書店
p29より引用
“そして彼らは結婚式に参加する男の作法に
ついて教えてくれた。すなわち祝いの席では
厳粛さを示す黒いネクタイをしめ、新郎より
華やかであってはならないために髪の毛は一
週間前から洗ってはならず、また双方多くの
親戚の子供が参加することを想定し、これに
対応するために両ポケッツの中にはポッキー
等の菓子を満載にしておくのが礼儀だと教え
てくれた。”
目次から抜粋引用
“四角い空から落ちてきたもの
変な虫とは誰のこと?
柄ではなく私の事を褒めてください
押してはならないスイッチを
辿り着くべき場所”
石川県金沢を舞台とし、理系男子と文系女
子の恋模様を描いた、長編小説。
職場の先輩の結婚式に出席したが、諸事情
により全く知らない人たちの席に座ることと
なった、主人公・鈴木沙夜梨。自分の名前と
結婚について考えながら、右隣を見てみると、
結婚式にはあからさまにおかしな格好をした
男が座っていた…。
上記の引用は、主人公・山田博士に対する、
友人たちのアドバイスを記した一節。
友人が結婚式で彼女を見付けるかも知れない
からといって、こんなアドバイスをするのは、
いかがなものでしょう。付き合う友人はよく
選んだほうがいいですね。
出てくる登場人物が、大体濃い方々で、楽
しく読み進められます。なんだか少し、ファ
ンタジーな要素もあって、不思議な雰囲気の
作品です。
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読書録「マリス博士の奇想天外な人生」5
著者 キャリー・マリス
訳 福岡伸一
出版 早川書房
p241より引用
“ 人はたくさん食べれば太り、食べなけれ
ばやせる。ダイエットに関してこれ以上の真
実はない。物事の本質を見直すべきである。
そうすればたわごとに惑わされずにすむ。”
目次から抜粋引用
“デートの途中でひらめいた!
科学をかたる人々
健康狂想曲
マリス博士の講演を阻止せよ
私はプロの科学者”
ノーベル賞受賞者である著者による、自伝
的エッセイ集。
ノーベル賞を受賞することになったアイデ
アのひらめきについてから科学を利用した世
の中の欺瞞についてまで、科学的示唆に富ん
だユーモア溢れる文章で書かれています。
上記の引用は、世に溢れる健康情報につい
て書かれた項での一節。
色々なダイエット法や食べ物が、流行っては
廃れて行きますが、この一節が全てなのかも
知れません。
著者の破天荒というかハチャメチャという
雰囲気が、書かれている内容からひしひしと
伝わってきます。こうして著作に触れたり、
遠目から見ているなら楽しい人ですが、近所
にいたら実験の貰い事故をしてしまいそうで
す。
世間を騒がせた事件や、世の中で当たり前
のように信じられている科学理論に対する疑
問についてなど、非常に興味深い内容。
特に「11,科学をかたる人々」あたりは、世
の中から大声で聞こえてくる話を、しっかり
疑って聞いて、出来ることなら自分で調べて
みたほうがいいのだろうなと思わせます。
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