読書録「世界を、こんなふうに見てごらん」5
著者 日高敏隆
出版 集英社文庫
p32より引用
“ 日本はドイツ哲学の流れが強いのか、し
ばしば、人間は真実を追求する存在だといわ
れるが、むしろ真実ではないこと、つまりあ
る種のまぼろしを真実だと思い込む存在だと
いうほうがあたっているのではないか。”
目次より抜粋引用
“「なぜ」をあたため続けよう
人間、この変わったいきもの
宙に浮くすすめ
それは遺伝か学習か
コスタリカを旅して”
動物行動学者である著者による、世界と動
物とその中の一種類としての人間を見つめて
描かれるエッセイ集。同社刊行作文庫版。
目の前の事柄に不思議や疑問を感じる事の
面白さから研究の場での動物としての人間の
行動を見ることまで、抒情的というか情緒的
というか情感溢れる語り口で、人と動物、人
と人の縁などが綴られています。
上記の引用は、人という生き物について書
かれている項での一文。
本当はあるかどうかわからなくても、そうで
あると信じることで、前を向いて動けるとい
うことはあると思います。人に迷惑をかけな
いのであれば、真実と違うことを思い込んで
生きるのも悪くないのではないでしょうか。
著者がお亡くなりになられた後に出版され
た、遺作の一つとのこと。最後と思われる役
職の退官時の講演録も収録されています。
あとがきと解説から、何とも言えない寂しさ
がにじみ出ているように感じられて、著者の
エッセイが好きで何冊か読んできた私も、少
し寂しく思います。
ーーーーー
著者 日高敏隆
出版 集英社文庫
p32より引用
“ 日本はドイツ哲学の流れが強いのか、し
ばしば、人間は真実を追求する存在だといわ
れるが、むしろ真実ではないこと、つまりあ
る種のまぼろしを真実だと思い込む存在だと
いうほうがあたっているのではないか。”
目次より抜粋引用
“「なぜ」をあたため続けよう
人間、この変わったいきもの
宙に浮くすすめ
それは遺伝か学習か
コスタリカを旅して”
動物行動学者である著者による、世界と動
物とその中の一種類としての人間を見つめて
描かれるエッセイ集。同社刊行作文庫版。
目の前の事柄に不思議や疑問を感じる事の
面白さから研究の場での動物としての人間の
行動を見ることまで、抒情的というか情緒的
というか情感溢れる語り口で、人と動物、人
と人の縁などが綴られています。
上記の引用は、人という生き物について書
かれている項での一文。
本当はあるかどうかわからなくても、そうで
あると信じることで、前を向いて動けるとい
うことはあると思います。人に迷惑をかけな
いのであれば、真実と違うことを思い込んで
生きるのも悪くないのではないでしょうか。
著者がお亡くなりになられた後に出版され
た、遺作の一つとのこと。最後と思われる役
職の退官時の講演録も収録されています。
あとがきと解説から、何とも言えない寂しさ
がにじみ出ているように感じられて、著者の
エッセイが好きで何冊か読んできた私も、少
し寂しく思います。
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