#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【風の旅人】編集長の言葉に思うこと

2009-02-03 | JAMAICA
「風の旅人」が届いた。

編集長の言葉には毎回、ハッとさせられている。
今回の「時と転」の巻末の言葉には2度ハッとさせられた。

まず、「風の旅人」がこの不景気風の折で、
3ヶ月に一度の発行から4ヵ月に一度となってしまうこと。

そして、マスコミの付和雷同な状況を
ロールシャッハテストの「顔」と「壺」に置き換え
わかりやすく説明されていること。

今回、ジャマイカに行って思ったことも
まさしく、そんな視点の転化だった。

      ●

STINGの一件で
「POLICE」が「GANG」になったことでもわかるように
ジャマイカの治安は日本国家から比較すると
相当な状況だということは、わかってもらえるだろう。

ボク自身、ひとりでトレンチタウンを歩く勇気もなく、
ほとんどの時間をホテルで過ごした日本人でしかないのだが、

街中のジャマイカ人を撮影して感じたのは
とても単純なことだった。

「人間の幸せって、すごくシンプルなことなんだ」

日々の生活が劣悪で、治安状況が最悪でも、
ジャマイカにはBob Marleyが居て、Reggaeがあって、
STINGのDJ合戦で熱狂的になれて、Jark Chickinは死ぬほど旨くて、
巷には笑顔が絶えることもなく、子供たちも素直だ。

生活がシンプルだから、喜びもシンプルだ…と
言ってしまえば、それまで。

ボクはジャマイカの生活に幸福感を感じた。

かつての沖縄に近いものがあった。

       ●

情報過多な現代社会。

中国のように情報操作されて
時給7円で休みなしな生活を余儀なくされてる17歳も考え物だけど、
「女工哀歌」

大好きな音楽と豊かな自然と気の置けない仲間たちが居れば、
けっこう毎日、豊かに過ごせるんじゃないか。

それって、ちょっと視点を変えれば済むことなんじゃないの?…と。

広告代理店からカメラマンへと転身と遂げたボクにしてみれば
普段のレールをはずすのくらい、訳ない話だと、言いたいんだけれど。

地球には、実にさまざまな人々が、
自分たちのルールにのっとって、幸せを求め、生活している。

…それも、千差万別なやり方で。

今の生活は、その中のひとつでしかない…ってことを意識するだけでも
生きていくことに、肩の力を抜いて向かえるんじゃないか。

もっと外に目を向けようよ。
もっと世界を知ろうよ。

今の日本を見てると
そんな気持ちが沸々として、たまらない。


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【風の旅人】時と転

2009-02-03 | JAMAICA
「時と転」 雑誌『風の旅人』編集長 佐伯 剛

ロールシャハテストでは、
その時の心理状態や、様々な要因によって、
二人の人間が向き合っているように見えたり、
壺に見えたりします。

どちらにも見える可能性があるのですが、
黒の部分を強く見る意識が強化されると、
そのような見え方しかできなくなり、
他の見え方が、この世に存在しないものになってしまいます。
 
現代の日本社会は、メディアなどを通じて、
物の見方を一方に揃えさせていく圧力がとても強いです。

ロールシャハテストに喩えると、
最初のうち何となく「顔」に見えていたイメージ画において、
この部分が鼻だとか耳だとか、
大きな声で主張したり理由説明を行う人の声を聞いていると、
次第に顔にしか見えなくなっていきます。

説明する人が、世間で立派だと評価されている場合は、なおさらのことです。
立派な人は、自分の評価を確固たるものにするため、
顔だという証拠を周到に集め、自分を支持する人を増やそうともします。

教育もまた、イメージ画を「顔」とみなす権威のお墨付きを前提に、
なぜそれが顔なのかという分析結果を、
できるだけたくさん身につけることが重視されます。
 
なかには、イメージ画が「壺」に見えて、
大勢の人が「顔」だと言っていることに疑問を感じる人もいます。
疑問を感じながら自分の意識世界のなかに閉じこもっていくと、
今度は「壺」にしか見えなくなってきます。

そうした状況のなか、
自分の目え方を否定して周りに合わせて生きていける人もいますが、
自分に正直な人は、様々な軋轢を抱え込むことになるでしょう。

イメージ画が「顔」に見えることもあれば、
「壺」に見えることもある。
いろいろと可能性があるなかで、その都度、
最善の判断をしなければ生きていけないとしたら、
私たちは常に緊張状態でいなければなりません。

あらかじめ「顔」だと決定しておくと、
それに対応する準備ができます。

そして、「顔」である理由を大勢が共有し、
そのことに素直に適応しさえすれば生きていけるようにする。
それが平和時の人間社会であり、
決まり事への適応を上手に行える人ほど社会的に優位になります。

その状態が長く続くと、人間は、イメージ画を「顔」だと定めたのは、
その時の事情にすぎなかったことを忘れてしまいます。
 
現代社会では、物が豊富で、便利で、楽なことが、
一般的に豊かさの基準となり、
その線引きで多くの物事が決められていき、
社会全体として益々その傾向を強めていきます。

しかし、豊かさの基準をはじめ、世界の意味は、
完全に決定できるものではなく、
常に他の可能性に開かれています。

たとえば、物を持たず、
不便ではあるけれど自分の足で歩き、
様々な困難と出会いながら旅したことが、
このうえなく豊かに感じられることもあるのです。

人間は、一つの体験によって、
それまでの認識ががらりと変わることもあります。

ある日突然、自分が拠り所にしていた
「意味」が無意味になる時、
それまでの基準に添って蓄えてきた物を失うことを恐れ、
従来の「意味」に執着し、
力づくでそれを正当化する人もいるでしょうが、

新しい「意味」によって、行き詰まりから脱出できる人もいるでしょう。

「転」というのは、つきつめて言えば、意味が変化することです。
「顔」にしか見えなかったものが、「壺」に見え出すことです。

世界そのものの本質は何も変わらず、
人間は世界を見たいように見て、
解釈したいように解釈し、意味づけています。

 しかしながら、何かをきっかけにして、
自分が拠り所にしていた意味が揺らぎ、視点が変わり、
それまでとまったく違う世界が見えてくることがあります。

そうしたことは、人生のなかでも何度も起こりますし、
人間の歴史のなかでも、何度も繰り返されていることなのでしょう。  

「風の旅人」36号…Find the Root永遠の現在…時と転
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【Bob Marley】Wainting in Vain

2009-02-03 | JAMAICA
I don't wanna wait in vain for your love;
いつまで待てばいいんだ?
I don't wanna wait in vain for your love.
いつまで待てばいいんだ?

From the very first time I blessed my eyes on you, girl,
初めて君に会ったその時
My heart says follow t'rough.
心に決めたんだ
But I know, now, that I'm way down on your line,
知ってるよ いまだにボクはただの人
But the waitin' feel is fine:
でも待つ身も悪くない

So don't treat me like a puppet on a string,
ボクをもてあそぶのはよしてくれ
'Cause I know I have to do my thing.
ボクにもやることはある
Don't talk to me as if you think I'm dumb;
そんな口の利き方 やめてくれ アタマはイカれてないんだ
I wanna know when you're gonna come - soon.
ボクは知りたいだけ いつになったら振り向いてくれるか

I don't wanna wait in vain for your love;
恋のまちぼうけはしたくない
I don't wanna wait in vain for your love;
恋のまちぼうけはしたくない
I don't wanna wait in vain for your love,
恋のまちぼうけはしたくない

'Cause if summer is here,
夏が来ても 
I'm still waiting there;
ボクはまだ待ってるよ
Winter is here,
冬になっても
And I'm still waiting there.
同じ場所で待ってる
---
/Guitar solo/
---
Like I said:
もう一回言うよ
It's been three years since I'm knockin' on your door,
もう3年になるんだ キミの心をノックし始めてから
And I still can knock some more:
でもまだ諦めたくない
Ooh girl, ooh girl, is it feasible?
ああ一体、ボクにチャンスはあるのかい?
I wanna know now, for I to knock some more.
教えてくれ ノックし続けるべきなのか
Ya see, in life I know there's lots of grief,
わかってるよ 人生は辛いことばかり
But your love is my relief:
でもキミの愛されあれば大丈夫

Tears in my eyes burn - tears in my eyes burn
熱い涙が目をこがす 熱い涙が目をこがす
While I'm waiting - while I'm waiting for my turn,
順番が…ボクの順番が来る日まで
See!

I don't wanna wait in vain for your love;
もうこれ以上、キミの愛を待てないよ!


      ●

新宿2丁目にJAH K.S.Kさんが経営するBar「69」があった。

高校の同級生に連れられて、
初めて行ったその場所は
ボクにとってのBob Marleyだった。

あの原体験が、ボクを作った。

黒人の体臭とガンジャ、RedStripe、ジャマイカ。
赤い照明に様々な男女がカラダをくねらす。

12時が過ぎると必ずBob Marleyがかかった。
この「Waiting in Vain」もカラダの記憶として、残っている。

キーボードのイントロとカッティング…

「I don't wanna wait in vain for your love」
   むやみに(in vain)キミの愛を待てない…

後半の「I don't wanna,I don't wanna,I don't wanna…」のあたりで
みんなは大合唱だった。文字通り「ひとつに」なった。

18歳には神秘的な体験だった。

黒人も白人も男も女も若いのも年寄りも、
Bob Marleyで「ひとつに」なった。

心がBobの歌声で満たされた瞬間だった。

だから、この曲を聴くと、
自然とあの地下の空間が思い起こされ、
あの恍惚感がカラダの隅々に沁み渡る。

今回、ジャマイカへ行って
その恍惚感をあらためて
カラダの芯から感じることが出来た。

Jah Rastafariだ。
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