ミナミの守護神になったアメリカ産のビリケン神には、
じつは大阪らしい原型がある。
それは神話的存在としての「聖徳太子」である。
聖徳太子が庶民の厚い信仰を集めたのは、
なにも厩戸皇子という言われ方が、
古代きっての政治家で仏教の護り手であったからではない。
聖徳太子はまさに「タイシ」であることによって、
つまりは「永遠の子供神」であることによって、
神話を好む庶民の思考に、絶大な魅力を発揮したからである。
子供神としての「タイシ」とは、
死者や霊の世界との媒介者であり、
職人の技芸をもたらした文化神であり、
人の世に富をもたらす福神なのである。
【「大阪アースダイバー」by 中沢新一】
じつは大阪らしい原型がある。
それは神話的存在としての「聖徳太子」である。
聖徳太子が庶民の厚い信仰を集めたのは、
なにも厩戸皇子という言われ方が、
古代きっての政治家で仏教の護り手であったからではない。
聖徳太子はまさに「タイシ」であることによって、
つまりは「永遠の子供神」であることによって、
神話を好む庶民の思考に、絶大な魅力を発揮したからである。
子供神としての「タイシ」とは、
死者や霊の世界との媒介者であり、
職人の技芸をもたらした文化神であり、
人の世に富をもたらす福神なのである。
【「大阪アースダイバー」by 中沢新一】