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島田雅彦『君が異端だった頃』⇒会田誠『げいさい』的自伝青春小説。
80年代のエゲツない高揚感がそのまま収まってる。
POPEYEやWalkmanの浮かれた時代に、ロシア語と社会主義に傾倒し、
廻り道こそ作家への近道と愚昧を重ね、異端であり続ける努力を惜しまない姿。
雌伏の10年が花開いてからの、文壇の乱痴気に巻き込まれる辺りのドライヴ感が正にバブルで、
コロナの静寂を予期した作家の掻き乱し方が、人間の業の深さを思い起こさせる。
何より中上健次との格闘は涙。
「島田を殴るのはオレで、ほかの奴には絶対殴らせない」とのSM的関係は、
文壇の異端同士が共鳴する偏愛から生じていたのだと。
ふたりの、豊穣ゆえに蕩尽する生き様が、その天才性を逆に表していて、
残されたマゾ彦の空回り感、ハンパない。
島田は虚無ゆえに多弁な作家なのであった。
#photobybozzo
80年代のエゲツない高揚感がそのまま収まってる。
POPEYEやWalkmanの浮かれた時代に、ロシア語と社会主義に傾倒し、
廻り道こそ作家への近道と愚昧を重ね、異端であり続ける努力を惜しまない姿。
雌伏の10年が花開いてからの、文壇の乱痴気に巻き込まれる辺りのドライヴ感が正にバブルで、
コロナの静寂を予期した作家の掻き乱し方が、人間の業の深さを思い起こさせる。
何より中上健次との格闘は涙。
「島田を殴るのはオレで、ほかの奴には絶対殴らせない」とのSM的関係は、
文壇の異端同士が共鳴する偏愛から生じていたのだと。
ふたりの、豊穣ゆえに蕩尽する生き様が、その天才性を逆に表していて、
残されたマゾ彦の空回り感、ハンパない。
島田は虚無ゆえに多弁な作家なのであった。
#photobybozzo