きなちゃんは、高齢者の飼い主さんが入院され、居場所をなくした沢山の猫達のうちの1匹でした。
初めて会った時からスリスリしてくる猫ちゃんで、とても甘えん坊だな・・・と思いましたが・・
我が家に来てから、スリスリしてくる感じが異常に感じてしまいました。
目には落ち着きがないように思え、普通の構ってちゃんとは違う気がして・・・ネットで調べてみたりすると、どうも、おおざっぱに言うと、不安症のような気がしました。
家で大事にされていたのに、いきなり外に放り出され、不安で声を失ったのではないか?
きなちゃんは声が出ませんでしたが、いつ声を失ったか? 前はどうだったか? 誰も知りません。 心配で病院に連れていき、相談しましたら、分離不安症との診断です。 目に落ち着きが無かったのは、そのせいでした。
それから、きなちゃんは我が家の保護子猫達のアイドル。きなちゃんも優しく答えます。 そして、少しづつ、落ち着きを取り戻しましたが、声は出ませんでした。
4月に我が家に来て、8か月。里親さんが決まり、今日お届けをしてきました。
今日、キャリーに入れる時から、いつもの感じと違う事を察したようです。
そして・・・お別れのこの時に・・・初めてきなちゃんが鳴きました。
必死に声を振り絞ったと思います・・・
里親宅で、ベッドにはいり落ち着いたら、又、声が出なくなり・・・この子は不安な時に、必死になると声が出るようですね、と話しをし、注意して見守って頂くことになりました。
帰る時、玄関まできたら、きなちゃんの鳴き声が聞こえました。
里親さんが、あっ寂しがってる、とすぐに反応してくれましたので、ほっとしたけど、切ない、複雑な思いで、きなちゃんを残し、帰りました。
きなちゃん、不安でない時も声を出してね。
ほんのちょっと頑張ってね。